この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

降臨戦を終えて

ケシェトの信仰

参加者の皆様
今回はイベントへのご参加本当にありがとうございました。
さて、まずは兼ねてから話していた”ケシェトの信仰”についてのネタばらし、
何故この世界から一度魔術が失われる事になるのか
のお話をしたいと思います。

【真名明かし】
「...ここからは、種明かしの時間だ。魔術師たちよ、このくだらない戦争を終わらせよう。我が真名はケシェト、ヨズアを救う者なり。」

【生まれた意味】
「……奮闘するお前たちに一ついい事を教えてやろう。ケシェトが平和の象徴だと思っているだろう?それは側面にしか過ぎないのだよ。我が真名にはもう一つの意味がある。弓という意味。私はこの世界に弓を引くために生まれた。」 

【神への言葉】
「……ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア。〝シュクロズアの声を聞け〟か…。弟子達も考えたものだな。では、こういうのはどうかな?〝これより願ひたるは、無から産まれし有の力なり。生ける神の偉大なる眼差しによりて紡ぎたる綺譚なり。栄光たる峻厳の柱。慈悲ある知恵の柱。美しき知識の柱。三つの柱から綾なす三角の星幽なり。神よ、永久たる世にて観測せし万軍の神々よ。口にすべからざる神名の全能なる神よ。我の第一の目に、その知恵の断片を。第二の目に、その知識の断片を。そして示し給へ。第三の目に、その言の葉の零落する終熄の地点を、誠に斯く有れかしと思ふ神の意志を。我が天命を捧ぐ、ダー・ニト・ロロイ・ケシェト。〟」

【神に名を付けたのは】
「しかし、お前たち、おかしいとは思わないのか?私はシュクロズアの名が魔力を持ち始めたと悟った時から不思議に思ったさ。神は我々に言葉を与えたと言うが、果たしてどうだろうか?お前達が信仰する神、その神に名を付けたのは他ならぬ人間ではないのか!?」

【おかしいとは思わないか?】
 「身に覚えはないか?詠唱もなく、顕現する奇跡を見たことはないか?自分でも説明のつかない感情に、突き動かされたことはないか?広大な世界で何度も同じ人とばかり出会ったり、自分の身に危険が迫った時や困った時、都合良く親しい人がやってきたことはないか?全て偶然と片付けるのも一つの答えだろう、だがお前たちはこの世界に、矛盾を感じたことはないと言えるか?」

【想像してほしい】
  「例えばの話だ、想像してほしい。この世は誰かの創造した物語で、お前たちはその登場人物。その誰かがお前たちを動かしている間だけ、お前たちは生きることが出来ると。」  

【背後の神に聞いてみろ】
「それでも分からなければ、お前たちの背後にいる神に語りかけてみるがいいさ。きっと見ているのだろう、何か面白い答えが得られるかもしれないぞ。私は既に答えを得た。さあ、お前たちはどうかな?」

【だが、それこそが私の信仰】
「だがそれこそが、私の信仰なのだよ。この世界は、小さな舞台だ。私の字が魔力を持つ中、自分が神でない事を私だけは解っているのだ。私を操る神が居るのだと思うしかないじゃないか。現に魔術が使えるのだ、これ以上の説明はいるだろうか?言葉を識る者達であるお前たちに。」

【命の限りに人為を尽くせ】
「そろそろ一つの幕が閉じるらしい。面白い物語を見せてもらったよ。背後の神に翻弄されるのはこれで終わりにしよう。私は、神のために戦争を始めたがこれを、私の意思で終わらせたい。お前たち、この世界を動かしているのが神々の力だとまだ思っている訳じゃないだろう? 我が弟子達よ。魔術師達よ。生きろ、命の限りに人為を尽くせ。さすれば、まるで物語の登場人物が創り手の手を離れて動き出すように、天命に抗う事が出来るだろう。ここで私は見ている。」

ケシェトの言葉は”背後の神”を示唆するものであったと思いますが、
彼の言葉を借りるのであれば、ケシェトの”背後神”である我々がやりたかった事は、
単に第四の壁を突破するメタフィクションではありません。

ケシェトが魔術一辺倒であったこの世界にもたらしたものは、

『哲学』の存在です。

ケシェトの『背後神論』は
古代ギリシアのプラトンが説いた『イデア論』というものを基に、
彼の独自解釈を加えたものです。

イデア論については、我々も哲学者ではありませんので、
間違った知識を植え付けない為にも詳しい解説を致しません。
各自検索などをして頂ければなんとなく掴めるのではないかな、と思います。

今回重要なのは、『人生・世界、事物の根源のあり方・原理を、理性によって求めようとする』
という哲学の姿勢、その概念になります。

例えばイデア論について完璧に理解している人、またそれを信じている人は
このリアルの世界でも一握りのはずですが
教科書に載っている・著名な哲学者達が独自解釈を加えに加え、
少なくとも『そういう学説があるんだな』と言う
現代の知名度と説得力を得る事になっているかと思います。

ヨズア戦記の世界でも同じで、
ケシェトの背後神論をみんなが理解できたり信じたりするようになる訳ではなく、
『言葉を識る者』である魔術師達が、独自の解釈をした場合
それは大陸全体に影響を与えうると考えたのです。

何故一期の最後にそうしたエピソードを持ってきたのかは
もちろん背後事情も絡んでおり
言葉でしか戦えないという設定に手を加える事によって、
かねてから要望のあった物理戦闘を可能にしたかった事、
そして一期が終わるという大きな節目を控えて、
生半可なエピソードではいけないと、
世界が変わるような爆弾をぶちこんで、
全力で楽しんでほしいと思ったからでした。

戦闘のするキャラクター、しないキャラクターに関わらず
この節目に関わって頂く事でなにかしらの『答え』、
あるいは『課題』を出すお手伝いができればと思っています。

ご自身のキャラクターが『信仰』をとるのか、
『自分で考えること』をとるのか。
これは、運営が参加者様に迫る最初の大きな選択です。

『このキャラは強く賢いままにしたいので信仰も失わない』
という誰もが持っている気持ちに一石を投じるつもりの、
いわば賭けでもあります。

『ヨズア国はバカのままならば滅びなかった』
この言葉はひとつのキーとなっています。
強いキャラは強いから強いのだ、
賢いキャラは賢いから賢いのだ。
その前提を根底から覆し、より深くキャラクターを知りたいと思います。

もちろん、独自解釈で『信仰を保ったまま、哲学の概念を理解した』
という事にしても構いません。
どうしようか悩み、考察を楽しみ、そして出た答え。
それはどんな形であったとしても、
キャラクターとこの世界を強く紐付ける事になるはずです。


いかがでしたでしょうか?
我々も運営として未熟で、この語りかけがどうなるか、不安でいっぱいです。
『ここはこうしたほうがいいのでは』等ご意見があれば、お待ちしております。

後日譚を、楽しみにしております。

お詫び

※長くなってしまいました。運営事情や個人感情も多めになってしまい、ましたのでご興味がない場合は読み飛ばしてくださって構いません。※

ここからは、参加者様へのお詫びです。
少し感情が入る事も避けられそうにはなくお見苦しいかと思いますが、
なんとしても真摯に答えたいという思いから、このような形を選びました。
どうかご容赦ください。

今回の降臨戦は、裏でも様々なトラブルに見舞われながら、
参加者様のお力でなんとか完走することが出来ました。
すてきなロールを沢山見せて頂いた事、
一期の最後だからと顔を出してくださったりした事、本当に嬉しく思います。

しかしながら、調整が行き届かず不完全燃焼にさせてしまった事など
何よりも運営側が、本当に悔しく思っております。

参加者様のやりたいことを上手く汲み取れなかったのも原因のひとつです。
自戒すると共に、次期に繋げられたらと思いますが、
ケシェトの死は、どうしても捻じ曲げる事はできません。
うまく伝えられなかった事が本当に申し訳ないのですが、
彼は物言わぬ的として作ったエネミーではなく、
生きたキャラクターとして、作りたかったのです。

死の間際まで『背後神』に翻弄されたケシェトが最後に起こした戦争は、
たった一つの彼の意志として、私は解釈しております。
神の為に戦争を初め、神の依代と担ぎ上げられ、
人間性を失っていく中で考える事をやめず見つけた答え、
そして最後に言った言葉が、『この戦争を終わらせよう』というものでした。
もしかすれば復活や輪廻、色々な形でまたこの世界に現れないとも言えませんが
少なくとも今は、彼を眠らせてやりたいのです。

誰にもイベントを延長してほしいとは言われておりませんし、
皆さんがそう考えているとも思っていません。
ただこれは、本当はそうしてでも参加者様を楽しませたいけれど、
そうすることができない私の葛藤と釈明、
心からの謝罪として受け取っていただければと思います。

さて、
しかしながら、参加者様のやりたかった事を叶えたい気持ちに変わりはありません。
『参加者様、ヨズア陣営の皆様にお願い』へ続きます。

参加者様、ヨズア陣営の皆様へのお願い

ここからは、運営事情も交えつつの参加者様へのお願い、ご意見の公募になります。
参加者様がやりたかった事は、やはり、戦闘に尽きるのかなという答えになりました。
自キャラのみならず、他キャラにまで感情移入し、『華をもたせたい』と考える参加者様の多い事、
本当にヨズア戦記は素敵な方たちに恵まれているなとありがたく思います。

戦闘でしたら降臨戦ではなくとも起こす事が出来ます。
やりたかった事を叶えられるかもしれません。

ヨズア陣営キャラクターをお持ちの参加者様、
時系列としてはケシェト死亡直後ということで、復讐の狼煙を上げませんか?

これまで規律も統率もなかったヨズア残党が一つになり、ケシェトの為に戦って頂く事が出来るのであれば
騎士団・帝国軍側からして見ても申し分のない舞台になるのではないかな、と思っています。

運営からはアスラン・ライラが参加可能です。旅団員PCを持っている方も参加して頂ければ本当に助かります。

アンケートを募った上、期間は一日だけ(互いに合意の上持ち越しなどもあり)という形を取ろうかなと思います。
双方相談あるいはダイスによって、降臨戦に参加できなかったPC・やり残した事があるPC優先でマッチングをします。
お相手との合意の上、2vs2、2vs1という形をとっても構いません。

勝敗は攻城戦と同じルールでダイスを振っていきたいと思います
まだ案でしかありませんので、参加者様方のアンケート結果次第で決めたいと思います。 

お手数ですが、Twitter掲載のアンケートへのご投票、
あるいはアカウントのない方は下載のフォームへの送信をお願い頂けますでしょうか。
期間が差し迫っており申し訳ありませんが水曜日までとさせて頂きます。
また、匿名でなくても構わない場合はTwitterのDMでも構いません。
よろしくお願いいたします。

アンケート内容

【復讐戦開催の可否】賛成or反対
【日時】26/27/28日、それ以外
【参加可否】参加or不参加

  • 匿名可任意
  • アンケート回答必須
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