この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

失敗はごちそうのもと

(ヴァンジャンス&雷鏡)

大和守/ヴァンジャンス > 「…………」(……嗚呼、気が狂いそうだ。攻城戦からも、ヴァンジャンスが目覚めてからも数日程経った日の事。まだ受けた傷は完治していない。体もまだふらついている。しかし、医務室に居ると『失敗した』という気持ちが溢れ出て止まらないのだ。これまではその気持ちに耐えてきた。だがついに限界を迎えたのか、ヴァンジャンスはまるで逃げるかのように外へと飛び出していて。もう無理だ。あれ以上あの場所に居ると狂いそうになってしまう。──『気持ち悪い』。足元が覚束無いが、しかしヴァンジャンスは目的もなく歩いている。何処に行こうかなんて決めていない。ただ衝動のままに飛び出しただけだ……だが、このまま外に居続けるのも、抜け出した事がバレたらすぐに見付かりそうだ。何処かに行こうと視線を向けた先。以前置物を作ってくれた貴方が働いている場所が目に入った。とりあえず入ろう、とふらつきながらもヴァンジャンスはその中へと入っていった。)   (6/9 19:33:37)


グレー/雷鏡 ◆ > んん…猪肉ぅ…待てぇ…調理…してやるぅ……(と、彼は万事屋の玄関から少し入った応対室で眠っていた。最近彼は仕事続きであり、それは殆どは地元の人たちから依頼されたほんの些細な出来事だったり…掃除の依頼だったり、人捜しだったりなどだ。彼は依頼遂行率100パーセントを目標としている以上、失敗するわけには行かないし、手抜きをする訳にも行かないからだ。そういう理由から、彼は普段から身を粉にして必死に働いていた。しかし、彼とて一人の人間に過ぎない。だからこそ休息も必要なわけだ。そんな訳で彼は一旦営業中の札を裏返して休憩中として…数ヶ月ぶりかの昼寝をしていた。)…普通に腹減ってきたな…(と、彼は目を覚まし、そしてそれとほぼ同時にお腹がなった…)   (6/16 22:37:05)
グレー/雷鏡 ◆ > 昼飯は食ったばかりなのにな…とりあえず猪肉をステーキにでもするか…(と、彼は料理にとりかかろうとしたそのとき、入口の扉が開く音がした。「休憩中」とか言う看板を玄関口に下げているのにも関わらず入ってくるということは、余程のことだろう。)いらっしゃいませ…って、団長さんじゃないか。…なんかボロボロだが大丈夫か?折角ならばなんか食ってくか?今から猪肉のステーキを焼こうと思ってたのだが…(と、相手に勧めてみようか。)   (6/16 22:37:17)


大和守.ヴァンジャンス > 「…………あ、あぁ……だ、大丈夫……だ。……ん、お前が良いなら、食べていっても良いか……?」(明らかに大丈夫ではない。顔色が悪い、足元が覚束無い。そして何より、普段はその顔に何も表情を浮かべていないというのに、今のヴァンジャンスの顔には微かに辛そうな表情が浮かんでいるのだ。左腕を無くしたせいかバランスが取りにくいのだろう。下手に動いて転んでもいけないと考えれば、後ろ手に閉めた扉へ軽く寄りかかって。)「……すまない」(瞳を伏せ、ぽつりと紡いだのは謝罪の言葉。感情の滲む、言の葉。それは何に向けられたものなのか、それはヴァンジャンスの口からは語られない。決して自分からは語ろうとはしない。小さく溜め息を溢し、ヴァンジャンスは顔を伏せる。こんな有り様、ウェンディア騎士団の団長として相応しくないことは自分でも分かっている。けれど。けれど、分かっていてもなってしまう事はあるだろう。抜け出してきた事は恐らくバレてしまうのではないだろうか。それが分かっていても、今更戻る選択肢は選ばない。少しでも自分を落ち着かせなければ、本当に駄目だ。そも、精神が持ちはしないだろう。)   (6/16 22:38:48)


グレー/雷鏡 ◆ > …明らかに大丈夫そうではないな…顔色が悪いし、それに…左腕がねぇ。それと…オーラから、元気でないことは分かる。就任式の時のあんた、それと、あんたが依頼してくれたものを取りに来た時とはオーラが天と地程の差がある。…とりあえず、ステーキやらなんやらも振舞おう。俺の奢りだ。それと…多分、あんたを探しに来るやつがいるだろうから、俺は一旦はしらを切っとくよ。…安心しな?俺は商売人である前に、1人の傭兵。ちょっとした情報操作くらい、わけもないさ。   (6/16 22:47:54)
グレー/雷鏡 ◆ > (と、彼は奥に入り、彼自身のステーキと、お客様…もとい、騎士団長の分のステーキと…あと、リラックス作用のある薬草を傍に寄せて、騎士団長の皿に盛り付けておこう。)お待たせした。「猪肉と薬草のソテー」だ。簡素だが、俺の得意料理でもあるのさ。(と、彼は彼女の目の前にその皿を置いて、彼は食べ始める。)食べれる時に食べた方がいいぜ?俺が読んだ文献によると、「食事はその人を癒す」効果があるそうだからな。…とりあえず、何があったのか、全部吐き出してみな。そうすることで、少しは楽になるはずさ。…なに。お客さんの気持ちを聞いてやることくらい、サービスとして考えるさ。お金は取らねぇぜ。……ま、無理して言う話でもない。話したいタイミングで、話すといい。(と、彼は食べ進める。)   (6/16 22:48:11)


大和守/ヴァンジャンス > 「……感謝する」(貴方が紡いだ言葉を聞き、ヴァンジャンスは軽く頭を下げては感謝の言葉を口にして。貴方の気遣いが、今は自棄に心に染み渡っていく。)「…………旨そうだな……」(目前に置かれた猪肉のステーキを見ては、思わずその言葉が口から出ていて。食べ物をあまり口にしていない、そして少食気味なのもかり今は腹が空いている。故にそれはヴァンジャンスにとってはご馳走とも言えるだろう。切り分け、一口食しては、彼女は微かに瞳を輝かせた。食べ進め、暫くして気持ちの整理が少しは出来たのか、ぽつぽつとそう口にして。)「……その、何だ。先日尊華に攻め入って、それで……負けてしまって、な……左腕を無くしたのもその時だが……ん、それで少し……大勢が亡くなったし、それに。……【失敗】した、からな……」   (6/16 23:03:57)


グレー/雷鏡 ◆ > ああ。美味さは折り紙付きだぜ?なんせ、時たま度の人とかにご馳走してるけど、この料理はなかなか好評なんだ。ま、味は塩コショウと、少しばかり薬味を効かせただけのシンプルな味付けだからな。(そして、相手がようやく話してくれた。要約すると、「攻めてきた尊華との戦いに負けて、仲間を大量に失った挙句、腕まで取られ…そして、それを【失敗】と捉えていつまでも引きずってしまっているのだ。」と。)   (6/16 23:21:01)


グレー/雷鏡 ◆ > ふむ…そう言えば、あんたは【失敗を許さない】…と確か言ってたな。【失敗】に対して、まるで逃げるように……でもな?失敗ってのは、生きて挑戦し続ける限りは、いつまでも付き纏ってくるものなんだ。ちょうど、コインの表裏のようにな。(そして、彼は一口食べて水を飲み、喉を湿した後に、こういう。)   (6/16 23:21:17)
グレー/雷鏡 ◆ > 確かに、人間誰しも、「失敗はしたくない。」と思うものさ。俺だって極力、失敗は避けたいものだからな……でもな?その【失敗】こそが、【成功に繋がる】。と、俺は考えているのさ。挑戦すれば、失敗し…何がいけなかったのかを考えてもう1回挑戦しても失敗し…そうやって、人は何度も何度も失敗しながら、何度も何度も試行錯誤しながら……最後には成功を掴むのさ。   (6/16 23:21:44)
グレー/雷鏡 ◆ > わかりやすく言うと、俺がカデューカ司祭の薬作りのサポートをする際に…色んな種類の薬草を試しては効果がないことが分かり…ま、あんたにとっては【失敗】に当たるんだろうけど…そんな失敗を、何度も繰り返すことで、あの治療薬は出来たのさ。人生、そんなもんよ。でも、そこでひとつ間違えちゃあ行けないことがある。それは、「諦めないこと」。それに尽きる。どんなことも、最後には成功するようになってんだ。その成功を見る日まで諦めずに…そして、何百回ものの失敗の上に立って成功を掴む時に、そいつは人としても成功したと俺は考える。……あんたのその今回の【失敗】も、いつか別のところで生きるはずさ。(と、彼は食べ進める…)  




大和守/ヴァンジャンス > (ーー貴方の言葉。思わず食べるのを止め、貴方の言葉に聞き入る。その言葉一つ一つが、ヴァンジャンスの心に深く染み入っていく。ーー【失敗】。それはヴァンジャンスが何よりも嫌い、そして拒むもの。失敗が怖い。だから遠ざける。二度と繰り返さないようにと。過度とも呼べる程の【失敗】しない事への執着が彼女にはある。けれど、……)「……ーー諦めない、こと……」(貴方の言葉の中、何より強烈に届いたその言葉を小さく復唱する。ーー成る程。嗚呼、私は人と関わることを拒みすぎていた。親しくなって、それで喪った時の傷は深いから。だから、全てを恐れ遠ざけようとしていたのだ。でも、貴方の言葉。それは、その今までの思考を放棄出来る程にすんなりと心に入ってきた。微かに伏せていた顔を上げ、「有難う」ーーだなんて。その顔に、微かな笑みを浮かべながら、彼女はそう口にしたのだった。)   (6/16 23:49:43)


グレー/雷鏡 ◆ > ああ。諦めたら、出来るもんも出来なくなっちまう。有り体にいえば、「自己暗示」ってやつさ。「失敗しては行けない…!!」という強迫概念にも似た先入観があるが、それは一旦捨てるべきだ。命が続く限り、挑戦は何度でもしなければならないからな。……それに、その失敗を引きずっててもしょうがない。それをリカバリーできるだけの成功を掴み取ればいいのさ。……いつか、な。(と、彼はそう言って最後の一口を食べ終える。そして、相手が笑顔で「ありがとう。」と、こちらに微笑みかけて話したのに対し…)いや、お礼は大丈夫だ。こちらとてサービスとして行ったものだからな。お客さんの笑顔を見れるのならば、俺はそれが報酬足りうると思えるからな。そうそう、ステーキ代は払わなくても結構だぞ?最初も言ったように、「俺の奢りだ」。サービスついでに金を取るような悪魔ではないからな。(と、皿を受け取り、それを洗いに行く。そして、5分程度で彼は戻ってきた。)それで、あんたのわだかまりは晴れたか?(と、相手にといかけてみよう。こういうことは念には念を押して、問うておかなければならないだろう。まだあるのならば、それに乗ってやるだけのこと。)   (6/17 23:20:24)


大和守/ヴァンジャンス > 「……嗚呼、もう大丈夫だ。……本当に、有難うな。……今日の所はもう戻ろうと思う。また、来るぞ」(貴方の言葉。貴方の気遣い。そして、久々に感じる満腹感。それらが重なり、ヴァンジャンスの顔は最初よりも晴れていて。戦の疲れはまだあるのだろうが、顔色はもう良くなっている様で。貴方の問いに小さく頷いた後、静かに立ち上がっては背を向け、貴方がしてくれた全ての事への感謝を。それはきっと、貴方が作ってくれた置物への事も含まれているのかもしれない。あれもまた、ヴァンジャンスの精神を落ち着かせるのに大切なものである。友人を思い起こさせるあれは、ヴァンジャンスが他人に触れさせたくないと微かに思う程大切なものだ。また来ると、そう言葉を最後に一つ残しては、扉を開け外に出ようと。)   (6/17 23:34:36)


グレー/雷鏡 ◆ > ああ。いつでも待っているとも。今後とも、「万事屋 雷鏡」をご贔屓に!(と、彼は出ていく相手をしっかりと見送った後に…相手が帰ったのを確認すると…)……さーて。もっかい昼寝すっかな。今日は休みだからな。(と、彼は表の看板を「準備中」として、三階に向かい、彼の床に就く。そして、それから1時間ほどの眠りについた。彼の仮眠としては、その程度で十分だからだ。……この後、彼が再び、ウェンディア聖騎士に、傭兵として雇われることがあるというお話は、また別の機会にでも話そうか。今は、彼を寝させてやろう。彼の久方ぶりの休憩時間なのだから……)〆   (6/17 23:40:13)