この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

目覚めよ、唐獅子

(咲夜&獅子唐)

骨牌/咲夜 > (穏やかな声が聞こえはじめる昼食時。ひりつくような冷たい空気に支配されつつある昨今の帝国軍基地ではあるが、この時間帯になると皆気が緩み始めるのか遠くから聞こえてくる声は何時にもまして明るい。そんな中、咲夜は自らの執務室へとひとりの青年を呼び出していた。応接用に用意された座椅子の片方に腰掛け、両掌を膝の上に揃えて置いたまま、窓の外に植樹された桜の葉を透かして射し込む柔らかな緑を帯びた光に視線を伏せる。すると机の上に置かれた二つの折詰弁当と空の湯呑茶碗が目に入る。仕出し屋の名が記された紙で装飾された二段の弁当はこれから呼ぶ相手が昼食を食べ損ねてしまわないよう部下に買いに行かせたものであるが、一般兵と食べるものにしては聊か豪華すぎたかもしれない。緊張させなければいいが、そんなことをうつらうつらと考えていた矢先、廊下を此方へと近付いてくる足音が聞こえて来た)   (6/7 00:02:59)


山葵@獅子唐 > …失礼、します。(キィ、と木材が軋む音を鳴らしながら部屋に入ってきたのは、いささか量の多い髪の毛をした色付きの眼鏡の男で。分厚い瓶底のような眼鏡の下、表情は分からないが何処か堅苦しく見える。緊張しているようだ。)……この度は、お誘い頂き、有難う御座います…(くっ、と身体を折るようにし礼をすれば連動して髪の毛もふぁさり、と揺れる。緊張しているのが滲み出て言葉が途切れ途切れだ。更に、普段生活する中ではまず食べないような豪華な弁当がそこに鎮座されてるともなると、緊張するのも仕方がないだろう。)……ぁ、し、失礼しますっ(すす、と椅子に腰掛けてから目の前の相手に目線を向ける。異性とも同性とも取れぬその不思議な容姿が、心惹かれる神秘さを醸し出す。柔らかい光に包まれたその姿はまるで、極楽より舞い降りし天女のそれだった。)   (6/7 00:12:54)


骨牌/咲夜 > 緊張するな、と言っても難しいでしょうか。(扉を開けて中へと入って来た青年、まず目につくのはもじゃもじゃとした長い髪だろうか。顔をあげると表情を伺わせない瓶底眼鏡が目に入り、少し驚いて柳眉を持ち上げるも貴方の固く強張った声が耳朶に触れてくすりと笑った。思った通り緊張させてしまったらしい、言葉を柔らかくしてそう言いながら貴方が座ったのを確認し得から茶器に手を伸ばし、空だった湯呑茶碗にお茶を注ごうか。)獅子唐殿ですね。どうぞ蕎麦茶です、飲んでも問題はありませんか?最近は本当に熱くなって、わたしも貴方も苦労しますね。(そうして双方の茶碗にお茶を注げば茶器を元の場所に戻してから席に座り直し、長い髪を揶揄するように一房とって指を通す。故あって髪を切れない立場であれば長い髪は夏場にはつらく、結ってみたりはするもののそれはそれで肩がこる。特殊な毛質の貴方ならばそんな苦労もあるだろうとまずは世間話から入ってみるがさて、貴方はどこまで乗ってくるだろうか。長い睫毛の下から焦げ茶色の水面に映る貴方の面をそっと見詰めた)   (6/7 00:27:33)


山葵@獅子唐 > ……有難うございます、蕎麦茶は好物ですので、ご心配なさらず。……えぇ、本当ですね、縛ったりしなくては、暑くて何も出来なくて…((苦労しますね、そう言って自身の髪に指を通す仕草を見せた咲夜に、即座に己や彼(或いは彼女)の髪の毛に熱が篭る、そんな世間話を緊張を解そうと話してくれているのだと理解した。こくん、と深くうなづいてから、夏場は熱気が大変だ何てたわいのない会話を繰り広げる。緊張していた様は何処へやら、饒舌に話し出す獅子唐を見て、彼は決して口下手ではないのだな、と言う感情を抱くだろう。)   (6/7 00:37:18)


骨牌/咲夜 > それはよかった。これから嫌な季節になりますね。そちらはお持ちになってください。ふたりで食べましょう、と言っても美味しくはないでしょうから。それでは作って下さった方に申し訳ないですし、何方かお好きな人とどうぞ。(深く頷く動作にはまだ緊張が感じられたが、その後に続く言葉は饒舌で、最初の少しどもったような挨拶とは異なり存外お喋りな人なのだなと印象を改める。机に乗っていた弁当を二つ重ねて手元に引き寄せれば、此処へ持ってくるのに使われた風呂敷の上において箸と共に纏めてしまい、手土産がてら机の上に戻そうか。そうして両手を膝の上に置けば背筋を伸ばし、今度はしっかりと貴方の瞳を見上げた)……この話は他言無用にお願いします。単刀直入に申し上げますね、実は、我が軍には位を増やそうという話がでています。獅子唐殿にその気はありますか?   (6/7 00:54:56)
骨牌/咲夜 > (その気、というのは何を指すのか敢えて口にはしない。ぼんやりして気もそぞろな男であると評判されていたのは守山防衛戦までだろう。あの時の戦いでは魔術師として見事な働きをみせた貴方のことを皆が覚えている。硝子の先にある貴方の心を覗き見ようと双眸を細めれば、薄く色づく唇は貴方が触れられるのを避けていた出来事を簡単に口にする)勿論、先に進めば諍いは多くなるでしょう。尊華はそういう場所ですからね、わたしは名家の家柄で姉弟にも恵まれましたが、それでも諍いはありました。自らの行動、発言にも責任が伴う。貴方のご両親は御自身のみで済みましたが、ひとつ間違えば貴方の首ひとつではすみません。   (6/7 00:55:04)


山葵@獅子唐 > …おや、残念です。宜しければ、貴方と食事を取りたかったのですが。(元より、弁当が置かれていただなんて想像もしていなかったし、彼女から、一応は間接的にでは有るが奢られるなど想像もしていなかったから、嬉しさが優っていた。…風呂敷に箸と弁当を包み、机の上に置いてから姿勢を正す様子に此方も自然と姿勢が良くなる。)……ふむ…。……気になりますよ。ボクだって無欲に生きてきた訳では無いですから。(弥勒菩薩のような聖人でもございません故、そう微笑みかけてから自身の昇格について単刀直入な発言に返答する。そうすれば、その色素が薄い唇から紡がれる言葉は、いとも簡単に己へと刺さる。)……ふむ。下手な事は出来ず、肩身も狭くなる…と。成る程、ですが私もそこまで莫迦では無いです故。…それに、もし私が昇格したとて雲の上のような存在の貴方がたには指一本すら届きません。(詰まるところ、「上の役職に比べれば束縛は緩いものだ」と言いたいのだろう。色眼鏡が揺れそこから覗く目は、いつもぼんやりとした男のものとは思えぬ、獲物を淡々と狙う獅子の目で。)   (6/7 01:06:54)