この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

協定

(咲夜&白梅&ヴァンジャンス&ソウ)

骨牌/咲夜 > (趨里という土地は山も谷もない広い草原地帯だ。帝都と王都、ふたつの首都を繋ぐ場所であり、なだらかなその土地は交通の利便性に優れ、旅人たちが宿泊する村が自然と出来あがり次第に大きな街へと発展していった。里と呼ばれるに相応しい人口を誇る地方。だが戦火の爪痕が遺されていないという訳ではなかった。王都にほど近い街にある料亭、大陸を二分する国家の首脳会議だけ周囲は物々しい雰囲気に包まれている。厳重に料亭を取り囲む両軍の兵士たち、武器の類は身に着けていないものの魔術師というものは口が動けば十分だ。咲夜はいつかの密談を思い出し窓から空を見上げた。あの時は呆れるような晴天であったが今日は生憎の曇り空。日は中天に差し掛かったばかりだというのに、いつ泣き出してもおかしくないほど灰色の雲が低く垂れこめて居る。趣のある庭でも鹿威しは傾いたまま。水が止まっているのだろうか静かに空気を読んでいる。   (6/3 23:25:53)
骨牌/咲夜 > 料亭のいちばんと豪華な部屋である「松の間」の座椅子に腰かけていた咲夜は、伏し目がちに傍らに座る年若い元帥の横顔を盗み見る。ゆくと言ったから連れてきたが随分な怪我だ。肌も青ざめているのではなかろうか。体調を気にする言葉を掛けようかと唇を開いたが、王国軍の到着が知らされる方が早かった。薄く開いた唇の隙間から息を逃がし、書記官に準備をするように告げる。これは箱の中ですべてのことが終わる密談ではない、ここで交わされた言葉は全て文書にして残しておかねばならないからだ。)さて……。(あの時も自分はそう切り出したことを思い出し唇を皮肉げに歪ませる。)   (6/3 23:26:03)
骨牌/咲夜 > 緊張されますな。これはわたしの策です、貴女は病身ゆえ自分の身を気に掛けていなさい。ことを荒立てないように。さすればうまく運びます。(表面上は元帥よりも年若い咲夜であるがその笑みは随分と老獪な雰囲気を周囲に与えるだろう。両手を膝に置いたまま咲夜は、元帥にそう告げて、この場に来る人物を見据えるため、虎の描かれた襖へと伏し目がちな銀灰色の視線を這わせた。)   (6/3 23:26:15)


大和守/ヴァンジャンス > (一瞬で此処だと理解できる物々しい雰囲気。料亭を囲う兵士に名を告げれば直ぐ様通される。それは側に居る副騎士団長の彼も同じだ。副団長である貴方よりも前を歩き、場所を案内してくれる店の者に着いていく。──以前、文字通り死闘を舞った彼女は恐らく来ているだろう。嫌だなと内心舌打ちしつつも、とある部屋の前に案内されれば、「此処か」とぽつり呟く。それは覚悟を決める様にも捉えられた。店の者はその部屋の荘厳な雰囲気に押されたのかそそくさと立ち去っていく。其処に居るのがヴァンジャンスと副団長、二人になれば最後に深呼吸を一つ行い──。)   (6/4 13:03:45)
大和守/ヴァンジャンス > 「……失礼する。……ウェンディア聖騎士団団長、ヴァンジャンスだ」(襖を静かに開く。入る前に礼儀として軽く会釈をし、名乗りを上げればヴァンジャンスは中へと入っていく。襖は開けたまま。それを閉めるのは後に続くであろう貴方に任せよう。視界に入るのは見覚えの無い女性と、先程思い浮かべていた彼女。表情には出さずとも、胸中には貴方を見た瞬間に途方もない殺意が。貴方との死闘、それにより体の左側、制服の下には何もない。切り落とされ、無くなってしまっている。そこからの大量出血により、一時は生死をさ迷う程の容態にはなっていた。そんな状態にまであったのだ、当然今も顔色が悪い。具合が悪い。しかし、それを感じさせない程に彼女は無を作っている。貴様らに見せる表情など無いと表すように、完璧なまでの無がそこにはあった。)   (6/4 13:04:07)


クロ:白梅 > ( 空に浮かぶのは薄暗い灰色のふわふわとした塊。_まるで今の妾の如く、醜くおぞましい…_そんな事を思えば軽く小さく溜息を吐いた。包帯で丁寧に巻かれた右顔を軽く触れれば針で刺したような軽くて鋭い痛みが白梅を襲う。 伏せ目がち、暗い雰囲気を纏う彼女達が居るのは松の間というそれはそれは素晴らしい料亭だ。 本来ならば、白梅は着いてこなくても良い程の怪我を負っていたが赤子のように駄々を捏ねて連れてきてもらったのだ。 その理由は単純に[ 騎士団長が来るであろうから ]というものであった。負けず嫌いなのだ。自分だけ休むのが癪に触るのだ。そして何より、攻め込んできたのは向こうで白梅は防衛しただけ。その事をいやでも証明してやろうという、なんとも子供らしい理由なのだ。   (6/5 13:35:10)
クロ:白梅 > しかしまぁ、なんと言うのだろうか。黙って死闘の事を思い出すと痛む身体がなお一層痛む気がしてならない。仕方なく別の事を頭に浮かべようとして、ちらり、と隣に座る尊華帝國軍の中将、咲夜を見る。 綺麗な髪、横顔、姿勢…全てが尊華らしく正して美しい人。 _咲夜とこうして食事するのも、仕事をするのも初めてな気もするが…なんと言うか…何かちょっと負けた気がする…_なんて呑気に適当にぽけぽけと考えていれば騎士団長達が着いたことを知らせられ、現実に引き戻される。)   (6/5 13:35:22)
クロ:白梅 > 緊張、緊張…。うむ、善処する。( こくり、と頷き咲夜の言葉をしっかりと頭の中に刻み込む。が、入ってきた騎士団長を見るやいなやすぐ様に、じと、まるで醜く汚い虫を見ているかの如く、言うなれば見下した目で見つめてしまった。左目しか見えないのだけれども。しかし、直ぐに目を逸らしてもう1人の人物の方を見る。何せ隣には咲夜が居るのだ。_怒ると怖いのは多分咲夜が尊華帝國軍の中で1番ってやつだものなぁ…_ そんな失礼なことを思いながら始まるのは、尊華とウェンディアの休戦協定_。事が上手くいうかどうかは、神のみこころのままに)   (6/5 13:36:25)


ゆう。/ソウ > はぁ…生憎の天気だな。(ソウの薄い唇から言葉を吐き出す。彼は顔を歪め灰色に染まった空を見上げてめんどくさいというように顎を突き出し口から空気を髪へ吹き込み前髪を少し浮かせる。ジメジメとした空気が彼の周りにまとわりつき不快にさせる。生壁色の雁が大空に巨きな翅を拡げこれから歴史的瞬間が起きるなんてことも知らずに悠々と飛んでいる。今回の首脳会議に行くつもりなど更々無かったのだが名目上はきちんと「副団長」な為行かざるを得なかった。本来、彼の手帳の今日の欄は白色であり仕事が入るなど全く考えもしなかったので面倒くさいなどと考えながらゆっくりと一歩ごとに地面の感触を感じながら歩いていた。   (6/5 18:01:45)
ゆう。/ソウ > しばらくすると目の前に誰にでも分かるような重々しい雰囲気の料亭が立っていて)ここ…か…(流石にその場に着くと緊張が彼の心の隅に現れだんだんと彼の心の中を蝕んで来た。さっきまで不承不承この場に来たと考えていたがその重もしく静かというよりも静寂という言葉が似合うこの雰囲気の中、帝国は手薬煉を引いて待っているそう考えると彼は血湧き肉躍る程の激しい興奮を覚えた。それから彼は団長についていき料亭の中へと入る。もしかして相手は此処で自分たちを殺める気かもしれないそんなことを考えているうちにおそらく尊華の人間が待っているであろう間の目の前に着いた。一つ深い息をし、この昂ぶる感情を殺す。団長が襖をゆっくりと開くとなかには見覚えのない二人の女人の姿が目に入ってきた。   (6/5 18:02:01)
ゆう。/ソウ > ソウはそのうちの一人は14歳ぐらいに見え、あまりの幼さにこんな小さな者が統一しているのかと一驚を喫した。そうして団長が一礼し中に入っていったので彼も張り裂けるような緊張を押し殺しながら)失礼する…ウェンディア聖騎士団、副団長のソウだ。(静寂の空間に口を開くとその声は部屋中に木霊のように響いた。ソウの額からは純粋で透明な汗の雫が床へ落ちていく。しかし目を閉じて一呼吸をすると瞼の裏にはあの暖か活気あるウェンディアの国民が写った。国民を思いながら一呼吸をすると息と共に不安な気持ちや緊張などが全て吐き出されソウの頭の中からは「緊張」や「焦り」という単語は無くなっていた。今日は国民、国の為に忌憚のない話をする…そう誓った。   (6/5 18:02:28)


骨牌/咲夜 > ごきげんよう、よくぞいらしてくださいました。中将官の香々夜咲夜と申します。ようこそ、尊華帝國領趨里へ。(ぽつり。雨が降り出した。重たく湿った空気、北へと逃げる雁の列は雨が降り出す予兆だったのだろう。挨拶が終わった辺りで響きはじめた単調で物憂げな雨の音色に耳を傾けながら、咲夜は席から立ち上がると王国の要人である二人に向かって悠然と微笑みながら僅かに双眸を細める。月色の髪をした表情のない綺麗な女性が騎士団長、傍らに立つ飄々とした雰囲気の少年にも見える青年が副団長。女の方は密偵から伝え聞いた通り気丈な性格をしているのだろう。包帯の白さが生々しく、能面のように無機質な顔は心が哀しくなるほどに痛々しい。一方で男の方はどうか、史上最も若い副団長だというが、それ以外はあまり知られていない。警戒するなら此方だろうか。微笑み浮かべる仮面の下そんな心算を行いながら片手の平で椅子を示した。華やかな笑顔とは対照的に紡がれる咲夜の言葉には秘めやかな棘がある。趨里を得ようと攻め入り、果たせなかったのが王国であると暗に告げているのだ)   (6/6 23:14:18)
骨牌/咲夜 > 今日は生憎の荒れ模様、いつ止むとも知れぬ雨であれば、なるべく早く祖国にご帰還なさりたいことと存じます。早速ですが、会談を始めさせていただきます。草案にはお目通し戴けましたでしょうか、そのうえで互いの要望について意見を出し合いましょう。王国の忌憚のない意見をお聞かせ下さい。   (6/6 23:14:35)
骨牌/咲夜 > (咲夜は元の席に戻ると居ずまいを正して、元帥の視線にちらりと流し目で応えた。善処するという先ほどの言葉の通り、元帥殿は感情の制御に成功しているらしい。若い女性ではあるが尊華軍人の最高職に就いたくらいだ、先の激戦を制した見事な戦いぶりといい、病身をおして来ると言ったことといい、先代よりよっぽど気骨がある。などと、口にすることこそ出来はしないが、貴女の態度は好ましく感じていると僅かに目元を下げ、柔らかな表情を浮かべることで肯定の意を示す。そうして初夏の時風にあわせて用意させていた冷水筒へと手を伸ばすと、湯飲み茶碗へと注いでそれぞれの前へと置いた。本来、中将たる自分がする行為ではないのだが、店の人間が逃げてしまったのだから仕方がない。そのまま自分の湯呑茶碗を持ち上げてさして唇が渇いていないのにも関わらず舌を湿らせる。毒や混ざり物の類が入っていないことを知らせるためであり、これ以上自分が先に話すことはない、まず其方が意見を述べなさいと教えるためである。咲夜は其々の意見に耳を傾けるべく視線を伏せた、まずは上々。まだ種明かしをするには早過ぎる)   (6/6 23:14:43)


大和守.ヴァンジャンス > 「…………あぁ」(席から立ち上がり微笑む、中将であるという貴女を感情の感じられない瞳で見つめ返す。嗚呼、確かに貴女の言葉から秘めやかな棘を感じとった。……当然か。攻め入ったのは此方。それを防衛したのは彼方。そこを彼方が攻められる謂れは無いだろう。むしろ此方が攻められるべきか それはヴァンジャンス自身も理解している事だ。……一瞬此方に向けられた、元帥からの見下すかのような瞳に気付いてはいたのだろうが、それに対し返すものは無い。必要無いのだから。用意されている椅子へと腰掛けては静かに姿勢を正し、しかし相も変わらず感情の乗らぬ表情を貴女達へ向けていて。)   (6/7 03:42:35)
大和守.ヴァンジャンス > 「……そうだな……私個人としてはそれで特に問題は無い、と伝えておこう。……王国の現状を見ても休戦というのは好都合故に」(少しばかりの沈黙。後にヴァンジャンスは静かに口を開き言葉を紡ぐ。彼女個人としては特に問題は無い……と思っている。だが、副団長の貴方がどう思っているのかはヴァンジャンスには分からない。故に“個人”としては、とヴァンジャンスが口にしたそれが此方側の総意──という訳ではないと示す。あくまでも彼女自身の考えなのだ。千騎長の彼。ヴァンジャンスの氷を溶かしてくれた彼が居ないなど、それだけで士気すら下がっていくだろう。それに加え、王国側は損害が酷い。自業自得と言われてしまえば、それまでなのだが。しかし休戦となれば騎士団を立て直す時間も設ける事が出来る。それ以外に言うことは無いと示す様に、あとは副団長の貴方に任せようと言うようにヴァンジャンスは口を閉ざし沈黙を作る。静かに、自身を打ち負かした元帥を見つめながら。)   (6/7 03:42:46)


クロ:白梅 > 妾は尊華帝國軍の元帥、白梅。何卒、お見知り置きを。( 咲夜が挨拶したのを聞き、自身も目を閉じほんの少し頭を下げ挨拶をする。その後は、咲夜に任せる事とするが、きちんと姿勢を正して話を聞く…つもりだったのだが、呑気な元帥はちらり、と外を見る。ぽつぽつ、と小さな雨音が少し響き始めるのを確認した後、3人を見ては_うむ、この天のような空気、悪くない_そんな事を考えていた。一体何が悪くないのか、適当に思っただけなのか。不意に、視線を感じて横を向けば、此方に向かって柔らかな微笑を見せる咲夜の姿が。勿論、先程の言葉…善処する、あの辺に対しての褒め言葉のようなものであろう。しかしまぁ、こうも堅物だと思って止まなかった中将が、優しく柔らかに微笑む姿はとてもじゃないが信じられない…だが、それを上回るのが、この嬉しくて堪らない気持ちと云うものであり、ソレは泉のように湧き出て心が埋め尽くされる。微笑む咲夜に対し白梅は、心情をそのまま表情に写した。声は漏らさない。歯も見せない。だが、軽やかに華を咲かせた。   (6/9 09:10:09)
クロ:白梅 > _だが、つまらぬ、つまらぬ。嗚呼つまらない。何と云う事だろうか軍の狗が我等華に対して謝罪というものは無いのだろうか。まさに雪崩の如く攻め入ったのは其方の方で、我等草木はそれらを誇り高き尊華の大地に踏み込まれぬ様食い止めたと云うのに。仔犬の様な彼奴等がキャンキャンと喚く姿を見物したいものなのだが、此度は期待出来ぬかもしれぬ…_再度視線を感じて其方を向けば、静かに此方を向く騎士団の長が。先程中将に向けた笑顔とは少し控えめの微笑みを騎士団の長にも向けるが、心情は先のもの。鈴蘭の様に見た目はお淑やかで美しいが、根には毒を持っている。まさに今の元帥。ぐるぐると思考回路が巡り巡る…。   (6/9 09:10:23)
クロ:白梅 > そんな脳内にある思考を打ち砕いたのは、中将によって注がれ置かれた湯呑み。ぱちくり、と自身の黒い瞳を丸くさせ、辺りを見れば店の者が居ないではないか。丁度喉が乾いていた白梅は、咲夜に向かって「 感謝する 」と一言述べて咲夜と同じく湯呑みを口に。 その後はもう、目の前に居る騎士団の長の視線なんてどうでも良くなったのか、思考回路が砕け散った為なのかは分からないが、『 食事が楽しみ 』なんて事を考える様になってしまった。わかり易く言えば、どが付く程のマイペース、と云うものだろうか。)   (6/9 09:10:36)


ゆう。/ソウ > …。(大変長く色艶のいい髪の持ち主の女人が中将官だと言って立ち上がり此方へ微笑む。見た目は若く子供にも見えるはずなのだが何故か彼女の周囲には神秘的な“何か”がある。彼女は只者ではない__そう思いながらも彼女の目を見て敢えて何も言わずに半身を捩らして頭を下げた。すると中将官に続き湖の様な深く潤いのある瞳を持った女…おそらく尊華の長である女人も挨拶し頭を下げたため、彼女にも同じように頭を下げる__窓の外を見るとぽつりぽつり、と細い絹糸の様な軽い雨が降り出し生緩い温度が彼の服の繊維を抜け肌に直接感じさせる。音は何もせず只、板屋根に当たり散る蟲の羽音のような音のみだった。ただその雰囲気は静寂ながら幾ら勇敢で勇ましいものでも立ち退かせるそんな雰囲気が感じられ彼は一時も心を解せず燃え続ける焔の様に気を休めなかった。尊華の長はつまらなそうな顔をしていたが。__中将官が“御決まりの御挨拶”をしてから此方側の意見を求めた。反対も意見も特には無い。然し尊華側が何か理屈を言い、是より彼方側にとって有利な事を付け足してくる可能性も零ではない。   (6/9 11:39:13)
ゆう。/ソウ > 此方から前回の闘いがどうこうと言うつもりは無いしもう解決した話だとは思ってはいるが尊華がどう考えてるかなんて全くもって読めない。出してくる可能性は全然あり得る話だ。もし、その件について話を出してきたら此方からは反論も出来ず結果、尊華にとってとても有利になる場合もあるだろう。そんな事は絶対に避けたい…なんて事を考えていると中将官自らが水筒から茶碗へ注ぎ彼の前に出してきた。そんな様子を見ていると急に喉が渇いてきた。恐らく先程から渇いていたにも関わらず集中していて喉の渇きさえ忘れていたのだろう。すると中将官は恐らく混ぜ物が入っていない事を教えるためだろう。こちらに伝える様に喉に通した。然しソウは毒や暗殺などは絶対にしないと考えていた。   (6/9 11:39:47)
ゆう。/ソウ > あの尊華である。プライドと威厳で出来た國がそんな小汚い事はしないだろう。茶碗を両手で持ち目を閉じてから上にあげ頭を下げる。)有り難く頂きます。(恐らく最上級のものなのであろう彼が普段飲んでいる所謂“生産型”の茶ではなくきちんと手間暇をかけた茶葉の匂いがした。それを喉に通し置いてからなた姿勢を正し一呼吸をすると団長がこちら側の意見を言った。ソウが考えていることと概ね同じであった。暫く静寂の時間が流れたが自分の意見を言うのだなとようやく気付いた。)私も団長と同じ考えです。シュクロズアが降臨すれば対ヨズアの事しか考えられなくなる。そんな時に隣国と対戦や小競り合いなどは…はっきり言って無駄。交易も互いの文化を知れますしどちらにとっても良い結果が出せると思います。(少し強めの口調で尊華の二人の両方を時々見つめながら自分の思っていた事を伝えた。それからもう一度茶を喉に含んでから袖で口周りを拭く。そして次は貴女達の意見を聞きたいと言う風な目で中将官の目を見つめる。   (6/9 11:40:12)


骨牌/咲夜 > ご意見ありがとうございます、ではそのうえで帝國側の意見を申し上げましょう。さきほど、王国としても休戦というのは好都合と申しましたな。これは誠にその通り、我が国の大敵といえる千騎長は既に我が國の手にあり、貴女は戦える状態にない様子、王国の他数名は戦場で姿をみせず、となればこそ、帝國領内では今こそ王国に総攻撃を仕掛けるべしと好戦派が勢いづいています。ここに居られる元帥もその一人。(一通り挨拶が終わり、王国側の意見を聞き終えると咲夜はそうだろうと小さく首肯した。この草案が完成した時はこれほどまでに戦況が大きく帝國側に傾いていなかった、大陸統一を掲げる好戦派も少なくはなくこの咲夜とて今が好機ではないかと思うほどだ。膝の上に揃えておいた片手を机へとあげる。指先から伝わる冷ややかな机の感触は熱し始めた心を静めるのに手を貸した。さぁここからが交渉の本番だ。ざあざあと雨が降る。車軸を押し流すほどの雨はならば少しくらい声を張り上げても構うまい。咲夜は机に置いた片手を元帥の方へと寄せた。好戦派として発言を残して貰えた方が国内の反対を抑えるのにも一役買ってくれるだろう)   (6/11 20:17:16)
骨牌/咲夜 > 休戦は王国利、交易許可も王国利、千騎長帰還も王国利なのに、帝国側は得るものが少ない。そうは思いませんか、我々は今こそ王国を攻めるべきと多くの者が口をそろえて提言するのも当然。それこそあなた方の大敵ヨズア、かのもの達は国を欲しております、我らは彼らの自治を認め鳳頼をヨズアの国とし、同盟を結びともに王国に攻め入ってもいいわけだ。ここまでの王国と帝國、そしてヨズアの戦いを鑑みれば王国は1度しか勝てておらずそれも我が軍の惜敗。(たんたんたんと小気味よく机を片手で追い打ちをかけるように叩く。シュクロズア降臨という言葉には疑問を感じはしたもののそんな与太話が起こるとは思えない。もしかの者が現れるならそれは神島陥落の時であった筈である。咲夜は視線を細めて眉間に力をいれるとここぞとばかりに声を張り上げた、雲間を稲光が走り抜ける。嵐にも似た雨は季節を変え、夏を連れて来る。)よって、わたしは休戦と引き換えに美虎を要求する。   (6/11 20:17:33)


大和守/ヴァンジャンス > 「……成る程」(そう来るか。美虎の要求──その言葉を聞いては、ヴァンジャンスはぽつりと上記を溢す。確かに貴方の言う通りだ。帝国側の得るものは少なく、王国側は得るものが多い。此処で要求を突っ撥ねれば──嗚呼、貴方の言っていた通り、王国を攻め入られる事になるのだろう。それは此方としては大いに困る。負傷が無ければ……否、あろうと無かろうと、ヴァンジャンス自身としてはそれでも戦場に赴くのであろうが、それをしたとて全てを救える訳ではない。そこまで彼女は強くはない。……なれば、)   (6/12 09:29:53)
大和守/ヴァンジャンス > 「……了承した。その要求を呑もう」(相も変わらず表情の変化が見られぬまま、ヴァンジャンスはそれだけを口にし押し黙る。ちらりと視線を副団長へ向けて。彼が自身の言葉に反対するのならばそれは決して厭わない。ヴァンジャンスからは貴方の意見は分からない。故にこそ自身の意見を言ってもらわねば困る。自身の独断だけでこの交渉を終わらせたくはない。"交渉"なのだから。話し合いをしなければ意味がない。緊張を静める為か、中将の貴方が注いでくれた茶を、飲む前に軽く会釈をした後に一口含み。微かに音を鳴らしそれを嚥下すれば茶碗を置き、再び敵国の貴方達を静かに見据えた。)   (6/12 09:30:10)


クロ:白梅 > ( 静かに流れる時を身体全体で、脳内で感じつつ咲夜の言葉を頭の中に入れつつ騎士団の2人をじっと見る。何とも言えぬ不思議な感覚。まるで時間が体にまとわりついているかのような、不思議な違和感。それを正し、心地よい風とさせるのは中将の言葉。 _嗚呼、此奴は本当に交渉が、否、人との対話と云うべきであろうか。真に上手い。良い、良い。_なんて、咲夜の言葉に関心を持ちながら再度茶を1口。湯呑みを置きつつ、静かに目を閉じ、ゆっくりと開く。既に落ち着いているのだが、より一層心を静かに、落ち着かせる為の行為をすれば、周りの音が先程よりも鮮明に聞こえて来て。 _雨音が、響く、響く。)   (6/15 01:56:52)
クロ:白梅 > ( 不意に、咲夜の手が此方に向かって来るではないか。手と顔を数回交互に見詰めれば、意図を理解し咲夜の発言を注意深く聞ききつつ、思考回路をぐるぐると。 _だがどうしたものか。咲夜の発言のみの方が良い気もするのだが。否、妾の発言を残さねばならぬか。何と発言しようか。何と伝えようか…_ そんなこんなで中将は美虎の要求を。 騎士団の長がすんなりと要求を受けている姿を見つつ、口を静かに開き、凛とした声色を部屋に響かせる。 「 妾…否、我等は、尊華帝國軍中将が述べた通りの内容を主等に要求する。勿論、妾を含め、妾の1部の子達は其方に雪崩の如く矛先を向けても良いのだが…そうはいかぬからな。主等も子達を犬死させたくないだろう?まぁ、心配は要らぬであろうがな。 __敵を見誤るでないぞ、長達よ。」   (6/15 01:57:17)
クロ:白梅 > ( 最初は大きく凛として。途中で軽く身振り手振りをいれつつスラスラと言葉を発する。だが最後に。ぽつり、と呟かれた低い声色の脅し。これらの言葉は白梅なりの意思表示。尊華の中将の言動は尊華の意思とでも思わせる様に、信用している姿を態々見せるようにしてあまり深堀せず。だが白梅を含め、好戦派達の意見を言わない訳にもいかないが為に、本当は乗り込むつもりだった、と伝える。だが白梅は、自身の部下たちを犬死させない為にも、ぐっと抑えている、というのを伝える。勿論、白梅はこんな事をしなくても良いと理解している。だがしかし、念には念を、というものである。煽りにも取られるかもしれない発言を言い終えれば、すん、と鼻を鳴らして重心を少し後ろにする。 かさり、と右顔に纏わりついている包帯が白梅の耳に響いた。_外は雨が強く地に打ち付け、雷鳴が遥か遠くで響いていた。)   (6/15 01:57:27)


ゆう。/ソウ > 成…程…そうですか…(このまま何も起きず穏便に物事が終わると思っていたソウは稚拙な予想を遥かに上回る意外な事を言ってきた。然しそう言われればそうだ。是を好めばもしかしたら千騎長の命さえ危うい。其処に彼の気持ちを囃し立てるように耳を聾すような雷鳴がした。そんな事にはビクともせずに今一番いい判断は何なのかを頭の奥で考えた。狭い額から溢れ出て首筋に伝わり流れる汗を喉仏に付いた所で袖で拭う。然し最終的には彼の中で考えが決まった。重い口をゆっくり開けようとすると隣の団長が表情一つ変えず、その交渉を飲む旨を伝えた。   (6/17 14:46:54)
ゆう。/ソウ > その後は彼方側の元師からも圧力をかけられたが考えは変わらなかった。すると団長からちらりと視線を向けられた。ソウは自分の意見を伝える為、少し湿った唇を開いた。)私も団長と同じ考えです。オウガさんの命が第一です。犬死なんてさせません。(元師をちらりと見てから口を閉じ彼方側に何も悟られまいと平然を装い茶を口に含む。少し雲の途切れ目が見えてくる。これから晴れるのだろうか。虹が見えるといいな何て呑気なことを考え外を見つめる。   (6/17 14:47:09)


骨牌/咲夜> (こうして協定は実現した。誓約書が交わされ互いの判が押される、静謐な沈黙が場を支配するなかで突然にして帝國・王国双方に伝えられた報告があった。伝令官が差し出した報告書を読んだ咲夜は相手方へと視線を向ける、時同じくして伝えられた内容、今日まで戦には無関心であった尊華帝の名で下された宣旨には予想も出来ない事柄が書かれていた。咲夜はちらりとこの未来を予想した副団長へと視線を投げる、王国が帝國より早く情報を得ていたとすればことであり密偵はなにをしていたのかという話にもなるが今それを問うたところで無駄でしかない。今すぐ国に帰り出陣の準備をしなければならないだろう、それにしても余りにも都合がよすぎやしないだろうか、まるで星神が導いているような。咲夜は僅かな疑問を抱くが時間が惜しい、協定はシュクロズア討伐後に施行する、ということで話を纏めて通り雨が去った後を追い掛けるように双方足早にその場を後にするのだった)   (6/21 11:32:24)
骨牌/咲夜> (そして、時が流れた。シュクロズア――ヨズアを救う者の名前に相応しい圧倒的な力をみせた男との戦いを制した両国の上層部は一同に会した。前回の会談よりも場の雰囲気が穏やかに感じられるのは天候のせいだけではないだろう、共にシュクロズアという強敵を倒したがゆえに信頼とまではいかないまでもそれに似た僅かな感情が芽生えたのは確かだった。咲夜は右筆が纏めた文章を確認するとほっと一息ついてみせた)これで協定はなりました。美虎の住民に関してはそのまま旧来通りの生活を送れるよう文化の強制などは致しません。政務を行う上で幾つか土地を接収することはありますがどうかご容赦願いたい……とはいえ、今までにない協定です。大陸が地続きであるにも関わらず、これまで互いの文化がまったく異なものとして独立していたのは偏に流通が通わなかったから。公の交易を認めたことで双方の国で大きな改革がおきるでしょう、はっきり申し上げれば   (6/21 11:32:40)
骨牌/咲夜> (最初こそ穏やかな表情を浮かべていた咲夜であったがそこで居ずまいを正してじっと前を見詰めた。長い睫毛に縁取られた灰銀色の双眸は眼前にいる二人の視線を通りすぎて遥か彼方、これから起きるであろう時代の変化を見詰めていた)シュクロズアの言葉など妄言に過ぎません。法螺吹き小僧がいくら『狼がくるぞ』と騒いだところで誰も信じないように、ですが……水は低きに流れるもの、互いの文化が交じり合い技術の革新がすすめば国民は神を捨てるでしょう。人は困難に直面した時、自分達の理解を超えるものに直面した時、神に祈るものです。困難が減り、世界への理解が深まれば信仰は自然と薄れてゆく。その時、狂人の言葉をちょっとだけ借りてみようと思うことはあるかもしれません、なにより――この世界の大多数の人々は、魔術が嫌いですから。(咲夜はそう言い切ると吹っ切れたように嗤った。   (6/21 11:33:03)
骨牌/咲夜> この場にいる魔術師たちを見渡してから自分の少女のような両手へと視線を落とす、彼らにこの言葉の意味の半分だって伝わらないだろう、なぜならここにいるのは魔術という才に愛された者たちだから。大陸中を見渡してもこれ以上はいないだろう、故に分からない。この世界では呱呱の産声をあげた瞬間に才のあるなしで人生が決まってしまう、血反吐をはくような努力を繰り返しても魔術の才というのは覆し難い。咲夜はある男を思い出す、彼とて出自に恵まれずそれを憂いているが才能に恵まれた時代の勝者、軍や国の上層部に昇り詰めるためには魔術の才がなければ務まらず、人は生まれた時点で振り分けられてしまう。この身こそその象徴のようなもので、同じ年に生まれた子供が、曲がった腰の痛みに悩み、数歩進めば息が切れ、立ち止まり俯く、その横を真っ直ぐに背筋を伸ばして歩いてゆく。人はその影をみてなにを思うだろうか、才のない者は必ず自問自答したに違いない。『なぜ自分は神に愛されなかったのだろう』と。   (6/21 11:34:04)
骨牌/咲夜>生まれた瞬間からハズレの烙印を押され、前世に悪行を重ねた、親に愛されなかった子供、という苦しさを抱えて生きるより、神なんていないと思ってしまった方が遥かに楽なのだ。それは才のない子供をもった魔術師の親にもいえること。愛する吾子が神から見捨てられた存在だと認めることなぞで来やしない。彼らは技術を愛するだろう、いつか魔術を超えるために、ある者はいった『十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない』と。ならばこの先、如何なる困難が立塞がろうとも人は神に反逆を続ける、魔術があるがゆえに)長話が過ぎましたね、これにて終わりにしましょう。どうぞ、尊華の地での旅行を楽しんでください。(元帥が団長殿に地元を案内されては、などと冗談を言いながら咲夜の協定はここで終いとなった。窓の外を見れば七色の虹、眩しい日の光に双眸を伏せた。   (6/21 11:34:23)
骨牌/咲夜> もしも神々が人に神罰を与えたとして、人がそれを技術で乗り越えれば、人は神を超越できる。その先になにがあるのかは分からない、けれどあるとすれば魔女狩りであろう。羨望、嫉妬、人は理不尽を乗り越えるため魔術を殺す。その時は自分と自分に連なるものは魔術を持たぬ大多数派であればいいと、咲夜は思うのだった。)〆   (6/21 11:34:37)