この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

胡蝶の夢

(オウガ&咲夜)

しぃずま@オウガ > 「(…眠っている、はずだ。)」   (6/1 22:51:22)
しぃずま@オウガ > 「(そう思わせるほど、王牙の気絶をした姿は、山の如く静かで、炎のように激しいものを内に秘めた力強さを依然持っていた。鬼…速き風であり、静かなる林であり、制圧力は炎のようで、動かざる山。それが、10年も千騎長を勤める、重鎮の鬼。いくら彼が包帯で巻かれているとはいえ、いくら彼が魔術を使えない状態とはいえ。近づいてはならないという鬼気を、溢れだしている。新兵でなくとも人によっては近寄ることさえも憚られるといった悪魔的、妖怪的な存在として見ている節がある。動かないからこそ怖いものもある。当たり前だ、全く動かない鬼より、笑って気楽な鬼の方が柔らかくて接しやすい。そして、そんな鬼の空気が籠った医療室に新しい空気を取り入れたのは、サクヤ。あなただった。)」   (6/1 22:51:24)


骨牌/咲夜 > (千騎長が生きている。鬼が、生きている。その戦闘の凄まじさから夜早く寝ない子供を叱りつける際に用いられるようになった帝國の悪夢、そんな貴方の生存が伝えられたのは咲夜が本営へと戻って間もなくのことだった。しくじったと思った。よかったとも思った。相反する苦い気持ちを抱えながらも、帝都へと護送された貴方の治療をするため咲夜は医務室へと足を運んだ。最初に感じたのは鉄錆びた血の匂い。小鼻をひくりと膨らませると鉄格子の嵌められた牢獄のような窓を睨み付ける。相手は意識のない怪我人だ、そう咲夜を案内した部下に告げようと唇を開きかけるも、寝台に横たわる貴方の姿が伏し目がちな灰銀色の瞳に映った瞬間、言葉を改めた)……ご苦労様です、後は任せなさい。   (6/1 23:16:29)
骨牌/咲夜 > (意識のない貴方の躰から発せられる覇気。呼吸をすることでさえ躊躇われるだろう。それに何より……咲夜は傍に歩み寄ると片手をそっと貴方の額へと伸ばし、伝承に伝わる鬼さながらの奇妙な突起物に掛かった髪を撫でて指で梳いてやった。数か月前に出逢った時は大柄ながら人好きのする好漢に感じられたが今はどうか。双眸を細めるとゆっくりと息を吐き出した)さて、これはどうしたものだろうね。火津彌の阿呆……。   (6/1 23:17:08)
骨牌/咲夜 > (この姿では国に返った時なんと言われるか。それに香々夜家の魔術は生命力を操る魔術。更に生命力を活発化させて果たして今の姿を保てるか。まだ帰国の手筈はついていないのに思わずそんなことを考えて、ここにはいない誰かに対してぽつりと恨み言を呟いて、貴方の傷づいた手に自らの手を重ねた。一回りは違うだろうか、大人になりかけの子供の小さな白い手が修練の結果出来たのだろう武骨さをにじませる剣蛸をさらりと撫でる。そうして、瞼を閉じると肺一杯に空気を吸い込んだ。喉を通り身体全体から発せられる透き通った高い声が病室に響き渡り、指先から手を通じて生命力が貴方の身体へと流れ込んでゆく) ひふみよいむなや、こともちろらね、しきる、ゆゐつわぬ、そをたはくめかうおえにさりへ てのますあせゑほれけ……。   (6/1 23:17:17)


しぃずま@オウガ > 「(帝国の悪夢。故に、王国の英雄。いやはや、皮肉なものだ。英雄とは悪夢である。力を持つものであるために、その2つに挟まれる評価をされる。もっとも、その評価で簡単に変わるようであれば、千騎長など勤められるはずもないが。朦朧とした意識の中で、扉の開く音が聞こえる。白銀の髪、黒を基調としていて、紫が所々にちりばめられている服装。顔までははっきりと見えなくとも、なんとかその概要だけは掴んだ。しかしまだ、そこから何か連想できるほど頭は働いていないが。……ご………ま…す…あ…はま……なさい。ノイズが掛かっているように朧気な声。それを聞いて、声を出すということを思い出したのだが…ものを口にしようとして、喉に何かつっかかった。)ぅ…ぁ…(喉の内側の瘡蓋が取れて、吐き出される。それは傷にも思えるが、意識が混濁した中で、意識が戻り始めている予兆だ。細い目で、ぼー…とその、朧気ながらも美しい中性的な人を見つめている。)」   (6/1 23:55:25)
しぃずま@オウガ > 「(はっきりとしない意識の中で、生きるという本能が働きすぎた。薄く開かれた瞳からは黒い閃光が現れて、白いあなたを見つめている。殺意。敵意。生存本能。その3つが強く込められた。殺意で空気をピリつかせ、敵意で空気を冷酷に。そして生存本能で、空気を恐々に。これが、並の者では入りきらぬ「間合い」とううものが、眠っていながらも発動されていた。が、その力強い静寂は、破られた。その要因は、他でもない「サクヤ」の魔術であった。めし、めしと、何かきしむような音とその痛みによって、オウガは完全に意識が回復した。しかし、それにしても煩わしいものが額から骨が突き出てくるような感覚だ。伸びきるだけ伸びたあとは、黒い鱗のようなもので、少しずつ少しずつ鱗に支配されていった。)」   (6/1 23:55:45)


骨牌/咲夜 > ……あせゑほれけ(低い声が貴方の喉より溢れ出る。言葉にならないその声は魔術によって喉を酷使したがゆえ深い傷を負っているのだろうと予想された。閉じた瞼を持ち上げて貴方を見下ろす。話さなくていい、そう言いたいけれど一度呪文を唱え始めた以上は別の言葉を紡ぐことは出来ず、貴方を安心させるように優しく撫で摩った。そうしている間に瞼が動く。よかったと肩の力を抜いたのも束の間、薄く開かれた瞼の隙間から此方を見詰める黒曜石の瞳から発せられる底冷えのする気配に背筋を冷や汗が流れ落ちる。そんな瞳で視られるとは思っていなかった。わたしは貴方のなにを知った気でいたのだろう。先の戦でまさかと口にした時もそう。たった一度しか逢ったことのない相手に、気を引き締めなければ気圧されたことを悟られぬよう病人相手に背筋を伸ばすが、その目前で貴方の身体に変化が生じた)   (6/2 00:18:04)
骨牌/咲夜 > これは、いったい……!(呪文を唱え終わり、まだ呼吸を整えられず息が上がっていたがそんなことを気にする余裕など咲夜にはなかった。長い時を生きたこの身でも初めて見る光景だった、誰かに助けを求めるべきかと一瞬、扉へと視線を遣るがそうなれば刀を抜かれる方が早いだろう。咲夜は自分の身体に流れる生命力を譲渡したばかりで今も細い線となって力が注ぎ込まれている。戦闘になれば止めることは難しい。やはり殺すか?憂慮の後に咲夜は手に力を込めると声を掛けることを選んだ)しっかりなさい、オウガ千騎長。貴方は異国の地で行き倒れる男ではないでしょう!   (6/2 00:18:13)


しぃずま@オウガ > 「ぐあ…あが…!(治った喉から、痛みに押し出されて声があふれでた。角の根本、頭の真ん中の、生え際よりも少し上の辺り。急激な肉体の変化に、そこから血が吹き出していた。酷い痛みだ。脳を直接殴られているかのように、ガンガンする。青筋を額に浮かべ、目をクワと開いた。その痛みに、我を忘れて「自分を傷つける敵」だと判断したあなたに拳を振りかざす…が、それは、あなたの言葉のおかげで、寸前までに間に合った。)…なんだ、アンタだったのか…(寸前で止められた拳からは、強い風が押し出された。服が翻ったり、髪が舞ったりするにはいいくらいの風。アンタだったのか、と驚きつつ申し訳なさそうな顔で言った。その後すぐ、いじろうとして意外に伸びていた髭を触りながら、すまない、と謝った。)」 「…ガハハ、敵国の…確か、中将だったか。名前はまだ聞いてなかったよな…   (6/2 00:45:39)
しぃずま@オウガ > ま、アンタに助けられるとは思ってなかったよ。…計算高いアンタのことだ。何か裏があるのか?なんて聞いても答えねぇだろうから、他の兵士さんとかに聞いて来るべき時まで待ってるよ。(起きた先にあった光景は、監獄のような場所だった。その状況に最初こそ少し驚きはしたが、今は既に軽口を叩くことができるほどに意識もしっかち)」   (6/2 00:45:41)


骨牌/咲夜 > (血が溢れ出る。黒い鱗に覆われた角の根本から溢れた血、それがどれだけの痛みを伴うか咲夜には見当もつかない。振り上げられた拳に身を竦ませることもなく瞳を細めた。強引に神島を帝国領としたその時から殴られる覚悟はできていた。しかし、その拳は振り下ろされることはなく、長い白髪をなびかせるだけに終わった。風貌は大きく変化してしまったが、その表情は以前出逢った時と変らず清々しいくらい好感の持てるもので、千騎長へと上り詰めた貴方の人柄を現わすかのようだった。違和感があるのだろう長い髪を弄りながら謝罪を口にする貴方に言葉を詰まらせて唇をぎゅっと閉じた。その言葉を先に言わねばならないのは咲夜の方だったから。)……ご無沙汰しております。あの時以来になりますね、神島では貴方を裏切ってしまい申訳ありませんでした。   (6/2 01:10:56)
骨牌/咲夜 > (無意識に視線を逸らそうとしたが、ここで貴方の眩しさから逃げてはいけない。そう自ら言い聞かせて正座をすると畳のうえに両手で三角を作り頭を下げる。部下には決して見せられない姿だが、この部屋にいるのは貴方とわたしの二人きりだ。尊華人らしく見栄を張る必要はないだろう。神島戦以降続いていた喉に小骨がささったかのような悩みからは解放されたが、続く言葉の鋭さに自分たちの仕出かしたこと想起させられた。瞳を伏せて迷いながらも言葉を紡ぐ)挨拶が遅れましたね、わたしは尊華帝國中将官、香々夜咲夜と申します。貴方のお噂はかねがね。一騎当千の貴方に帝國は何度、煮え湯を飲まされたか……こんなことを言うと変に思われるでしょうが、わたしは貴方が神島に来ず、美虎に留まって下さったことに感謝しているのです。あれ以上罪を重ねずにすみました。   (6/2 01:11:06)
骨牌/咲夜 > (裏があることは否定できない。自分は帝國の軍人だ、その身を確保した以上はなんらかの益を出さねば中将官は務まらぬ、それでも……懐から丸い手鏡を取り出して差し出す)貴方の身柄は、この咲夜が責任をもって王国にお返ししますが、これを……そのお顔では祖国に戻りづらく感じてしまうのでは。貴方が別の道を望むのであれば、帝國に屋敷を用意いたしましょう。   (6/2 01:11:15)


しぃずま@オウガ > 「(唇をつぐんだあなたを見て、オウガはどうかしたのか、と優しく問いかけるように、微笑みで対応した。そこから先にどんな言葉があるのかは流石に分からないが、何か後ろめたいものを持っているのはわかる。しかしそこから出たのは、オウガにとっては予想外な謝罪だった。)…なんだ、そのことかよ。大丈夫、俺はお前を恨んでなんかねぇさ。…今のアンタの話を聞いて、余計に薄まったよ。あの狐はさすがに、見逃せねぇけどな。報いってのは悪者にしか似合わねぇのさ、ガッハッハッハ!(あなたの謝罪を、豪胆に笑って飛ばす。そういう雰囲気が嫌いなのか、謝られたら笑い飛ばすのがオウガの振る舞い方だ。その姿は逞しく、鬼と信頼される力を持つに値するものである。それを見ると、余計にオウガという人物像をわかってきただろう。) 「ちょ!ドゲザなんていらねぇよ!(と、一瞬は逞しく見えた鬼だったが、あなたが頭を下げるのに相当焦ったらしく、その肩をがっしりと掴んで無理矢理起こさせた。)   (6/2 01:54:26)
しぃずま@オウガ > 仲間を裏切り、挙げ句裏切った仲間に頭を下げさせるなんて最低だ。俺が本当に頭を下げてもらいたいのは、ホヅミだけさ。あいつにゃ少し、いや、だいぶ、ちゃんとした指導が必要だ。(オウガも畳の音をあぐらの状態で座った。)」 サクヤ、か。改めて、俺は聖騎士団千騎長「オウガ」だ。よろしくな。(あの、初めてあったときのように、オウガは手を差しのべた。手をにぎるという文化。今ならば、しっかりと、心を込めて手を握ることができる。仕事としてではなく、ただ単に「オウガ」として、「サクヤ」として握れるだろうと、そう願って。)あぁ…そうだな。角も爪も生えてちゃ、戻れねぇや。…一旦、どこかの屋敷ででも貸してくれよ。   (6/2 01:55:06)


骨牌/咲夜 > (神島での謝罪を行った咲夜に対して貴方は優しく微笑んで見せる。発言の裏という言葉を口にした貴方のように、本来であればその優しさの裏に潜む深謀遠慮を読み解かねばならないのだろうが、裏というものが見えない笑顔だ。優しさの滲む笑顔も、豪快な笑い声も太陽神を崇拝する国の男らしい。肩を引かれるのにあわせて身体を起こし、僅かに視線を持ち上げる。貴方が告げたオウガというその名前を聞いて牙と言う字を思い浮かべた。王国の剣である貴方には相応しい名前だ。促されるまま手を重ね、握り合う。この行為で思い出されるのはやはり密会の時の出来事だ。ただの「オウガ」と「咲夜」で再会できたらどんなによかったか、口惜しさから貴方の体温を残す手を胸元でそっと握りしめると凛と声を張り上げた。恨んでいないという貴方の言葉は嬉しかった、けれど帝國の将官として果たさねばならぬ役目もある。咲夜は座りなおすと高い所にある貴方の顔を見上げた)   (6/2 21:03:49)
骨牌/咲夜 > オウガ殿……、此方こそ恨まないとおっしゃって戴けたことに心より感謝を申し上げる。指導が必要だというのも同意。けれど、火津彌はわたしの部下。部下の不始末は上司であるわたしの責任、あれが裏切ったのも国を想ってのこと、わたしが至らぬが故でしょう。上の人間に従うのが軍人です。美虎では大将官すら出兵しておりましたから、下の立場である者たちは逆らうことも難しかった筈。オウガ殿も百騎を預かる身、貴方の部下が不始末を起こせば貴方が頭を下げるのではありませんか?(ぎゅっと握りしめた手を放す。自分の言葉に勇気づけられるように背筋を伸ばし、貴方の黒い瞳を射貫くように見据えたが、その先にある柔らかな願いを見て気迫が自然と和らいだ。あぁ、なんと言おうか。ついと顔を逸らすと誤魔化すように長い髪を照れ隠しでそっと撫でた。   (6/2 21:04:00)
骨牌/咲夜 > )申し訳ない、すこし熱が入り過ぎました。少々息苦しい思いを味わうかもしれないが、屋敷については必ず。起きたばかりの貴方にする話ではなかったですね。なにか、別の話でもしましょうか……。(そう言って世間話でもと考えるがどうしたって話題は互いの国だったり、貴方の容姿だったりになってしまう。戦時中で将官同士、これではまた白熱してしまいそうで困ったように眉尻をさげて笑った。)なにか、いい話題でもと思ったのですが、ままならないものですね。早く戦が終わってくれれば、貴方の国のお話をなんの気兼ねなく聞けるのに。   (6/2 21:04:12)


骨牌/咲夜 > ……あなたは、……わたしは。(短く告げられた肯定。どこか物悲しさを帯びた言葉に、それで終わりなのだと思った。けれど、それで終わることなく数秒後、耳朶に触れたのは自らの名を呼ぶ貴方の優しい声だった。思わず双眸を開いた。いつも何かから逃げるように伏せられていた瞳が貴方を見上げると戦慄く唇は知らぬうちに言葉を口走っていた。きっとあなたは王国の人間で、わたしは帝國の人間なのだと言おうとしていたのだろうけれど、互いの立場に囚われた咲夜の頑なな心を溶かそうとするか貴方の言葉に打たれ、なにも言えなかったのだ。そんなわたしを貴方は美しいという。混乱した。名家に生まれ、姉は国母となり、自らも軍で出世し、皮肉の混じった美辞麗句は飽きるほどに聞いてきたけれど生き様を褒められたのは初めてのことだった)……貴方を、ずるいとは思いません。貴方の言葉に救われたのがわたしですから。   (6/2 22:52:32)
骨牌/咲夜 > (振り返った視界の端に貴方の手が映った。大きな手だ、その武骨な指先がなにをしようとしていたのだろうと考えて、はっとした。そんな、駄目だ。自分の中に浮かび上がった感情を打ち消すのは人よりずっと長く生きて来た癖に難しくて、白い頬にさっと朱が差したのが自分でもわかった。顔を隠そうと片手を口元に添えてみせるけれど、困ったことに軍服には着物と違って長い袂がない。あぁ、馬鹿だなぁ。これでは人を阿呆呼ばわりはできない。恥ずかしさから顔を伏せてしまうけれど貴方の眩しいばかりの笑顔はしっかりと瞳の奥に記憶されていて、忘れたくても忘れられない。共にいたいという言葉に終には耐え切れずに立ち上がってしまった)……ごめんなさい。   (6/2 22:52:45)
骨牌/咲夜 > (咄嗟に口をついて出た言葉は謝罪だった。貴方の眩しさから逃げるように後退る。帝國の中将官として好戦派を抑え込んで来た日々、この国で貴方のように平和な世に向かって一緒に頑張ろうなんて言ってくれるものは一人もいなかった。王国を攻めろ、ヨズアを滅ぼせ、大陸を統一せよ。それで一体どれだけの血が流れ、どれだけ人が幸せになれるのだろう。皆得られるかも分からないものに手を伸ばすばかりで背後を振り返りもしない。だからずっと独りだった。それでいいと思っていた。独りだって闘えると思っていたのに、胸を熱いものが込み上げる。目頭が熱くなる。)   (6/2 22:53:03)
骨牌/咲夜 > ……ごめんなさい。(もう駄目だった。勝軍の将が敗軍の将に背中を向けて逃げ出すなどありえない。理性では分かっていても、感情を抑え付けることはできなかった。泣き顔を見られてはならない。貴方に背中を向けて扉に手を掛け立ち止まり消え入りそうな声で呟いた)――わたしも、あなたの国に、オウガの国に生まれたかった。(その声、貴方に聞こえただろか。震える肩は貴方に見えていただろうか、聞こえなければいい、見えなければいい、あぁけれど。扉を開くと外に待機していた兵に顔を見られぬよう顔を反らして歩き出した。わたしは反逆者だ。胸に満ちる思いはあまりにも苦かった)   (6/2 22:53:23)


しぃずま@オウガ > 「そうかい。(救われたと、そう伝えられれば、どういたしましてなんて無粋な言葉は口にせず、ただそれを満足げで、優しくて、炎の焼き付けるほど熱く。炎の照らしつけるように暖かく。炎の燃え尽きるように微かな声で。微笑んだ。オウガには、その言葉がどれほど深く刺さったのかわかっていない。罪作りな男だ、鋼の矢を確かに突き刺しておきながら、その傷がどれほど深いのかわかっていないとは。放っておいたら、もう一度弓を撃ってしまうだろう。それほどに矢の本数が多く。多いというのに一本一本を無駄にせず確実に当てる名射手だ。狩人。その鋭い言葉で多くの人の胸を切り裂き、突き刺し、その熱い声で多くの人の氷を溶かし、暖め、その強い力で多くの人の壁をぶち壊し、打ち砕いてきた、狩人。)」   (6/2 23:54:21)
しぃずま@オウガ > 「あ…(熱くなる頬に、間抜けな声が溢れた。産毛のさわさわとした感覚。頬のぷにぷにとした感触。そして、熱のじわりとした感覚。そして。たぶんこれが、自分の頬が赤くなる感覚なのだろう。そうだ、その熱い感覚が伝播した。…あなたのことが好きだから。争いたくはなかったなと、本気で思う。仲間が死ぬのは仕方がないことだと、敵からすればこちらの死は喜びだ。味方からすればあちらの死は喜びだ。悲しむのは筋違いと、そう考えていた。故に、これほどまでに「生きていてほしい」と、そう思った人は初めてだ。ここまで謝る声に心を揺さぶられたのは初めてだ。)…なんでだ?(依然優しく微笑みながら、問うた。その答えは、あまりにも、残酷だった。)」   (6/2 23:54:49)
しぃずま@オウガ > 「…あぁ、俺も…だよ。(あなたが去ったあと、鬼は小さな声で答えた。聞こえなかったはずがないじゃないか。聞きたくなくて、聞きたかった声を、聞かなかったふりなんてできるはずがないじゃないか。太陽の導きは残酷だ。「この壁も、壊して見せろ」と、そう言うのか。…あぁ、望むところだ。ふと、監獄のような医務室に飾られた花瓶を見た。そこには、「胡蝶蘭」が添えられていた。)はは…あなたのことを愛しています、か。(そう。いつかレフィーネに教えられた、花言葉だった。…うん、そうだ。)…あなたのことを、愛しています。(噛み締めるように、改めて、口にした。)」   (6/2 23:54:52)