この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

出会い

(セリヤーナ&レオナ)

フルディア/セリヤーナ > (日は高く南を少し過ぎたころ、鹿を追って一人森の中を駆けまわっていた。のだが、残念ながら見失ってしまった。こっそり近づいて弓を射かけるなり魔術で仕留めるなりすべきところを、こちらの存在に早々と気づかれてしまったのがいけない。手ぶらで帰るのもなんだかおもしろくないので、もう少し散策してからキャラバンに合流することにしよう。)「ん…この辺はあまり来ない場所だな…」(気づけば森の端までやってきていた。王国との境界が近く、無防備にうろつくには適さない場所だ。とはいえそんな戦争の事情で大地に境界を引こうなんてなんとなく腹立たしいし、好奇心が勝った。少し散策してみることに。)「へぇ…森の深いところとはまた違った木々が育つんだね…草原の動物たちも木陰で休んでる。」(こんな動物を狩っていったら驚かれるだろうな、とひとり笑いしながら。)   (5/30 23:52:49)


骨牌/レオナ > (帝國と王国の戦争。スーリ攻城戦への出兵を未熟という理由で拒否され王都を守護する予備兵に回されたレオナは、傷一つ負うこともなく王都の兵営で王国大敗の報を受け取った。沈みかえる兵営は息をするのも憚られるようで、戦に出ることができなかったこの身が酷く小さくそして惨めに思えて警戒してくると言い残し街を飛び出していた。気が付けばおひさまは中天を過ぎて、辺りは鬱蒼と茂る深い森。このまま歩いてゆけば故郷に帰れるのだろう、そう思うけれど家族と暮らしたあの家にはきっとヨズアの人達が暮らしているのだ。もしかしたら家族連れで。悔しさから唇を噛み締め、泣くまいと顔をあげたその時だった)   (5/31 00:06:31)
骨牌/レオナ > ひやっ!だ、だれですか!!(がさりと茂みが揺れたかと思えば隣を駆け抜けて行く鹿、そしてさらに視線を奥へと向ければその先に立つ貴女の姿が見えた。綺麗な銀髪が太陽の光を反射してキラキラひかる、綺麗だ、けれど今はそんなことは重要じゃない。太陽に愛された褐色の肌をみて大きく双眸を見開くと呪文を唱えようと小さな両手を前に突き出す、けれど緊張から呪文は言葉にならなかった)ふ、ふるき、かみの、あたしの望みは、いかづちを……!!う、ぅぅ、うっ、うわあああああああん!!(かわりにぽろぽろと涙が溢れ出て、気が付けば声をあげて泣いていた)   (5/31 00:06:42)


フルディア/セリヤーナ > 「だれっ…ぇと…?」(草原から声がするので振り向けば、まだ幼いが王国の魔術師のようだ。ずいぶん嫌われているようだが、これでは戦闘になるようなこともそうそうないだろうな…)「えーと…ここらの森に何か用かな…?キミははぐれてきたの?……そういう感じでもなさそうだね?」(慰めてみようと試みるが、こちらを見る目はずいぶん冷たい気がする。まあでも戦争やってるんだし、そういうこともあるだろうなと納得する。)「ボク自身、ウェンディアや尊華は嫌いだけども、出合頭にキミみたいな娘をやっちまおうってほど狂気的ではないつもりだよ。ホラ、ひとまず泣き止んでよ。そのあとでやっぱり勝負したいなら、受けてあげるからさ。」(なんともやりにくいなぁと独り言ちながら、野の花を幾輪か摘んでつるでまとめ、ごく小さな花束にしてみせる。これで落ち着いてくれればいいけど。)   (5/31 00:22:03)


骨牌/レオナ > うっ、うぅ、ひぐっ……あたしは、わたしはウィンディア聖騎士団のっ、きしだんのっ(誰という言葉とともに近付く足音、私はもうただの女の子じゃない、ここはかっこよく騎士団だって名乗らないと、そう思うも嗚咽にまみれた言葉は正しい音にならない。これでは魔術師失格だ、長すぎる服の袖で何度も何度も涙を拭う。けれど涙がとまらなくて)れおな、れおな!あたしは、れおな!(自分でつけたばかりの名前を繰り返した、皆の前で演説していた強い太陽のような輝きをもつあの人に憧れてつけた獅子にあやかった名前。ここはわたしの森だと言いたくて、まるで自分たちの森かのように当たり前の口振りでいう貴女を袖の下から涙に潤んだ赤い目で睨み付けるけれど、魔法の使えないただの少女の眼力なんて猫のパンチにすら負けてしまうのだろう)   (5/31 00:35:26)
骨牌/レオナ > ……うぅ、ひぅ、うぅ、なにっ、これぇ?(どうやら相手に戦う気はないようだほっとしてしまう自分の弱さが憎い。もっともっと強くならないと、頑張らないと、そう思いながら涙を払い続けるレオナの前で貴女は素敵な花束を作ってみせた。ちいさな、ちいさな花束だ。昔、家族とピクニックに出掛けた時、おかあさんが作ってくれた花束に似ている。小さな肩を震わせながら、貴女の瞳を見上げ、そっと手を差し出した)   (5/31 00:35:32)


フルディア/セリヤーナ > 「騎士団のレオナ、うん、ありがとう。ボクはセリヤーナ。旅団のメンバーだ。まだ半人前だけどね。」(こんな小さな娘も騎士団に入るのか、と驚きつつも、幼いながらに気持ちのこもったまなざしに、彼女なりの信念を感じずにはいられなかった。)「あまり馴れ馴れしくするのはきっと立場上よろしくはないのだろうけど、出会った記念の挨拶くらいはしてもいいよね?」(おそるおそるといった風に差し出された震える小さな手に花束を握らせて。でも彼女に触れて慰めることはしなかった。きっと彼女もそれを望んではいないのだろうし、それが解決にならないだろうことはわかる。)「ところで森に入りたいの?ボクはあまりお勧めしないけど」(大人たちはもっと割り切った対応をするだろう。よくて人質、王国との交渉の材料にされるだけだ。)「まぁ散歩にはいい天気だよね?実際ボクもこうして散歩に来たわけだし…」(レオナが落ち着くのを待ちながらとりとめのない話をして場をつなごうか。いけない、天気の話しかすることないな。ぽりぽりと頭を掻きながらそこらの木に寄り掛かる。)   (5/31 00:53:16)


骨牌/レオナ > ……せりやぁな?っ、う、あなたは、旅団、なの?(貴女は驚いた表情を見せるけれど、動転した少女の瞳にその隙ともいえる変化は映っていなかった。涙で濁った視界とは異なりクリアな耳に届いた貴女の名前を追い掛けるように震える唇で紡ぐけれど、その後に続いたのは旅団、つまり敵組織の名前だった。旅団員は全員が魔術師だ、思わず聞き返したのはこんな若くて綺麗な人があのにっくい旅団員だとは思わなかったからだ。きっと頭にヤギみたいな大きな角が生えた、でっかい身長の、悪魔みたいなやつらの集団が旅団だと考えていたからだ。困惑に視線を揺らしながら花束が掌に触れた瞬間、ぎゅっと握りしめて胸元へと引き寄せた。はらりと小さな花弁が足元へと舞い落ちる。)   (5/31 01:11:39)
骨牌/レオナ > ……わかんない、あたし。(森に入りたいのか、という問いに首を横に振った。レオナを素直にさせたのは貴女の繊細な心遣いと小さな花束だった。兵営から逃げ出してきたとは言い出せなくて、もごもごと唇を動かしながら、爪先で地面にぐりぐりと穴を掘る。そうしているうちに貴方は背中を木に預けてゆったりした雰囲気を醸し出す。戦わなくていいのかもしれない、でも本当は私を油断させるつもりなのかも。最期の涙を指先で振り払うと、その場から動くことなく身を乗り出すようにしてじっと貴女の姿を見詰めながら、散歩という穏やかな言葉の違和感にそっと言葉を返した)セリヤーナは、えっと、セリヤーナさん、だよね。セリヤーナさん、は、王国をやっつける準備をしてるんじゃないの?   (5/31 01:11:47)


フルディア/セリヤーナ > 「そうだよ、旅団の一員だ。キミが騎士団に誇りを持っているように、ボクも旅団としての矜持がある。」(少しシンとした雰囲気になるだろう。でもそれはレオナを一人の魔術師として敬意を払うことの表れでもある。) (森に入りたいのか、の問いには"わからない"。素直な子だな、と思う一方で状況が膠着することに少し頭を悩ませた。が、それもすぐに杞憂に終わる。もじもじとした年相応ともとれる可愛らしいしぐさとは裏腹にその問いと視線は力強かった。) (さぁっと一陣の風が吹き抜けた。何と答えるか少しの逡巡を経て、)   (5/31 01:35:56)
フルディア/セリヤーナ > 「そうだね、その通りだよ。」(彼女に緊張が走った、気がした。)「あぁ、もちろん戦う時には相応の手順を踏むさ。いまキミをどうこうしようってわけじゃない。」(少なくともボクはね、と一言付け足して。)「でもやっつける、とは少し違うかもな…ボクらの望みは再興さ。その過程でウェンディアが滅ぶなら、ウェンディアはその程度なんだろうさ。」(自分でも自分のことをよくわかってるわけじゃない。でも彼女の問いに誠意は尽くしたつもりだ。)「さて、日も傾いてきたし…そろそろボクは帰らないと。今日の夕飯も狩らないといけないし。キミはどうする?」(都まで遠いんじゃない?と尋ねて。)   (5/31 01:36:08)


骨牌/レオナ > ほこ、り?(森の音さえも決してしまうような貴女の静かだが芯の通った声、誇りってなんだろう、まだレオナにはよく分からなかったがそれでも貴方がその〝誇り〟に似た〝矜持〟というものを自分の中に持っているということは分かった。揺るぎない強い眼差しは、いつか見たあの人の瞳に似て自分が目指している強さと重なって見えた。足元に落ちた花弁を風が攫ってゆく)……さいこう? 分かんないよ、でも、でも、セリヤーナさんはあたしたちのこと滅ぼすんでしょ。それってやっつけるのとなにが違うのっ!?そうだ、あたしのお父さんとお母さんを殺したみたいに!みんな、みんな殺すんだ!   (5/31 01:53:29)
骨牌/レオナ > (〝再興〟という言葉はまだ9歳になったばかりの少女にはあまりにも難しい言葉だった。それが何を意味するのかは分からないが滅ぼす、という言葉は分かった。だって最近何度も耳にすることだから、王国が、わたしの故郷が消えてなくなっちゃうってことだ!胸元に寄せた花束へと視線を落とす、貴女はとても綺麗な人でとても優しい人だと思った。けど違った。貴女は敵だ、込み上げる涙を堪えて赤い瞳で精一杯貴女を睨み付けた。もうなにも奪わせやしない、今度はあたしがおばあちゃんを、皆を護る。私は魔術師だから。きっとこれが貴女のいう誇りなのだろう。興奮したレオナの耳に貴女の誘い文句は届いてはいなかった、ぱっと踵を返すと小さな体にはまだ随分と長い団衣の裾を翻して駆けだした。息を切らして走りながら、まだ貴女から貰ったものを持っていたことを思い出し、ぱっと花束を投げ捨てる。森に吹いた風は小さな花束を何処かへと攫っていった〆)   (5/31 01:53:38)