この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

答え合わせ

(アッシュ&レフィーネ)

クノ/アッシュ > 午後9時、二人の秘密基地にて。アッシュは夕食を食べ終え洗った食器を拭いており、カチャカチャと陶器が触れ合う音だけが響く。靄がかったような心の内、その原因をどうにかしようと考え事をしていた。⋯遂に明日に迫った帝國領土「スーリ」への侵攻。戦争なんて今更で何度も経験した事ではあるが、いつぶりかに感じる大きな感情にに囚われていた。『もしも俺が、レフィーネが死ぬような事があったら。』縁起でもないし口には出さなかったとはいえ、汗のようにへばりつく確かな恐怖を拭えずにいた。お互いに気にしてないフリをして、晩御飯もいつもと大して変わらないクリームシチュー。少し野菜が普段より多かった気がする、代わりに口数は少し少なかったかも。その位で普段と変わらない食事、時間を過ごした。レフィーネを先に寝室へと向かわせ洗い物をしているだけのこの時間、少し一人で居るだけで沸々と湧き上がってくる怯えに黒い瞳を落として。   (5/24 16:37:00)
クノ/アッシュ > 拭き終わった食器を片付けると台所の灯りを落とす。寝室からも灯りは漏れておらず、もしかしてもう寝てしまったかと寂しさに苛まれるのも束の間。蝶番を軋ませると視界に入ったのは、窓から射し込む月明かりに照らされ寝台に座るリルの横顔だった。)「⋯すまん、遅くなった。⋯⋯⋯明日は⋯戦争だからな、今日は早く寝ないと。」((お世辞にも広いとは言えない寝台に二人、リルの左側に並ぶ形で腰を落としながら呟く。......大丈夫。何度も己に言い聞かせる。奈落まで一緒に行くと決めた。ずっと傍に居ると、守ると、離さないと誓った。愛する故に失う事への恐怖は高まっていき、せめてその体温を感じていようと体の横に置かれた小さな掌に自分の掌を重ねた。...早く寝ようなんて宣言とは裏腹に眠気は顔を出してくれず、アッシュもまだ眠りたくない、と心の内で考えてしまっていた。互いの呼吸だけが支配する空間と時間の中どれだけの間黙っていたのかも分からず、徐に自分の膝辺りに落としていた視線を上げ、首を曲げてレフィーネへと瞳を向けると、小さな声で呟いたのだった。)「⋯⋯リル。好きだ、愛してる。」   (5/24 16:37:02)


しめ鯖/レフィーネ > (ついに、ウェンディア王国が動く。ミトラとホーリアを攻められ、いつかは反撃するだろうと思っていた。戦争中なのだから当たり前だ。それがわたしの仕事――。だけどどこか現実離れしたような心地で、レフィーネは寝台に横たわっていた。明日この住処を発ち、向かうはスーリ。王都からほど近い砦を攻めるのに、今回野営は必要ないだろう。可能な限り早くたどり着き、相手の防衛が形成しきる前に牙城を崩す、といったところか。……眠らなければいけないけれど、眠れる訳もない。心臓を真綿で絞めつけられるようなふわふわした緊張感に支配されながら、何度も何度も寝返りを打ってあなたを待っていた。それから、どのくらいの時間が経っただろう。恐らくは数分、数十分だった筈。だけどレフィーネにはそれが永遠のように感じられて、いよいよ眠るのを諦めて寝台に座り込む。その時だった。)「……あ。」   (5/24 23:46:49)
しめ鯖/レフィーネ > (見計らったように家事を終わらせたあなたが側に近寄り、ほんの少しだけこわばっていた顔の筋肉を弛緩させる。)「……はい。そ、そうですね。…仕事、ですね。あしたも。」(『戦争』。その言葉を避けるように、自分の言葉で塗り替えてゆく。気が狂いそうな戦いの世界の中で、あなたはレフィーネにとって平穏な日常を噛み締める最も大きな存在だったから。黙って重ねられる手の暖かさを心に刻みつけるように目を閉じる。その肩により掛かりながら、幾らかの沈黙を交わして。)「……。」(『愛してる。』その言葉に、普段ならば素直に答えただろう。しかしレフィーネは、何かを訴えかけるような瞳でじっとあなたを見据えるだけだった。)   (5/24 23:46:51)


クノ/アッシュ > ((ああ、なんて喉奥で響かせる様な淡い相槌を最後に、互いの存在を確かめるよりも更に深く感じたいが為の愛を囁いて、再び沈黙が支配する。レフィーネからも同じ言葉を貰って、明日も生き抜く力が欲しい。ただそれだけのような、自分でもよく分からないモヤついた心をさ迷わせていたけれど、返ってきたのは視線だけで。レフィーネが何を求めているのかアッシュには読み取る事が出来ず、肩に一抹の重さを感じつつ、月明かりに照らされた眉を僅かに下げた。)「⋯⋯好きだ、愛してる。必ず守る、絶対に離さない。」((乗せた掌に少しだけ力を込めて、僅かに握り締めてから手を離し。細い腰に回して引き寄せると、もっと近くに感じようと自らも拳一つ分程度近付いて。瞳を覗き込み、真面目な表情でもう一度口を開いた。)「⋯だから、大丈夫だ。リル。」((レフィーネが黙り込んだ理由を、アッシュは明くる日の戦争に対する恐怖だと感じていた。自分と同じように、この幸せな時間が失われるかもしれないと思うと怖くて仕方ないのだと勝手に感じていた。...故に自分が必ず守ると、安心させてあげたいという気持ちから来る言葉だった。   (5/25 00:09:32)


しめ鯖/レフィーネ > (再び重ねられるあなたの言葉に、レフィーネもまた、同じように沈黙を返した。わたしも、たしかに…。そう、好きでした、ずっと。恐らくあなたが求めているであろう返答は、レフィーネの頭の中で人知れず反響するだけ。こちらを真っ直ぐに見据える黒い瞳を見れば、それが嘘偽りない事だって思える気がする。だけど――)「……シン。あ、あのですね。……お、おこらないで、聞いてほしいんですけど。」(ふっと目を逸らし、床についていた足の平を寝台にのせて膝を抱えた。)「もしもの話です。……あああした、どちらかが、……ひとりになるとするでしょう?」(どんなに音を潜めても、その震えた声は静まり返った夜に響くようにしてあなたに届いてしまう。)「……それでも、あああなたは、いっ、生きていかなきゃだめなんです。」(『どちらかが』なんて言ったそばから前提を覆して。覆したものなら、それだけではない。『奈落まで一緒』と言ったのは、他ならぬレフィーネであったのに。)   (5/25 00:33:22)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯うん。」((かくん、と小刻みに顎を揺らし頷いた。いつの日からか、アッシュの前では昔のように吃ることが少なくなったレフィーネだけれど紡がれた言葉が酷く震えた上に吃りがちで、膝を抱えた体勢も相まって後に続く言葉が単純なものではない、というのをアッシュの深層意識に植え付ける。喉を鳴らす音すらも聞こえたかもしれない、まるで奈落よりも明るく、夜よりも静かな静寂をレフィーネが撃ち破るのをただアッシュは黙って待っていた。)「⋯⋯⋯俺は⋯。」((以前のアッシュなら散々怯えて、黙りこくって、結局『嫌だ』だとかそんな事を呟いて居たはず。しかし今はしっかりと貴女の言葉を受け入れて、考える素振りを見せた。視線を少しだけ下げて、片方の手を強く握りながら言葉を探していた。レフィーネに対する想いは遥か以前に見つかっているのに。一時の逡巡を見せたアッシュが口を開いたのは、それから数秒が経った後だった。)   (5/25 01:05:26)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯ごめん、約束は出来ないけれど、生きる、お前も守るつもり。⋯⋯我儘かもしれないけど⋯⋯そう、でも。」((腰に回していた腕を解くと、片足を寝台に上げて、体をずらし向き直り。肩と膝を抱えるレフィーネの腕に手を回し、優しく抱き締めるようにして続けた。)「⋯リル、俺はお前に色々なものを貰った。最初こそ俺を認めてくれる、ずっと一緒に居てくれるお前が好きになったんだ、甘えていたのかもしれない。だけど⋯⋯、リルと過ごすうちに何もかも変わってた。ずっと一緒に居るうちにそんな切っ掛けもどうでも良くなるくらいに、惹かれたんだ。───だから、奈落まで一緒と言ってくれたのはまだ覚えているけど⋯⋯生きる。⋯リルも必ず、生きててくれ。愛しているから。」   (5/25 01:05:28)


しめ鯖/レフィーネ > 「……シン。」(返ってきた返答は、意外なものだった。縁起でもないことを口にして、怒られても仕方がないと思っていたのに。仄暗い月明かりに開いた瞳孔を回された腕に向け、戸惑ように何度かまばたきをして、絞り出したレフィーネの声はいっそう震えていた。)「わ、わからないんですよ……。……あの、シンシアが…う、うそついてるとか、思ってる訳じゃないです。……あああなたは、わっ、わたしが知る限りで……いちばん、誠実なひとです。……だけど、わたしとキ…キスしたのとか、い、言ってましたよね。ミトラで…あのとき、あああの、はじめてって。……ほんとうですか?……う、嘘じゃないですか?……いえ、そんなこと、……些細なんですけど。そうでも、そうじゃなくても、気持ちは、かわりませんし。……ただ、そうなら……どうしてそんなふうに簡単にああ愛してるとか―――ごめんなさい、………纏めてから、話すべきですね。」(柄にもなく、散らかる言葉にレフィーネ自身も翻弄されていた。不安からか、長い耳を片手で触りながらふう、と重い息を吐き出して。)   (5/25 01:26:01)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯───っ」((順々と放たれる言葉、思考の破片をそのまま言葉にしたように散らかる言葉を受け、アッシュは黒い瞳を見開いた。喉を鳴らして。眉を潜めて目を伏せる。わななく肩の震えが腕を通じて貴女にも伝わる筈。まるで自分の想いを否定されるような言葉に思わず反論の様に口を開いてしまう。)「⋯⋯俺はっ⋯本気でお前のこと⋯⋯」((口をついて出た形の無い言葉を途中で止めて、再びアッシュは俯いた。散り散りのレフィーネの問いを頭の中で組み立てながら、落ち着きを取り戻そうと深く息を吸い込んだ。過呼吸にでもなってしまいそうな程に瞬間的に苦しくなった胸が少しずつ落ち着きを取り戻していき。 抱く腕は少し弛めてからぽつり、ぽつりと口が動き出す。)   (5/25 01:55:16)
クノ/アッシュ > 「⋯初めてだ。だから自分の想いをどう形にすればいいのか分からなくて、選んだ言葉だった、⋯リル。俺はお前とずっと一緒に暮らしていたいって、思ってる。毎日俺の作ったご飯を食べて美味しいと言って欲しい。いつかお前に料理を教えて、俺よりも上手に作れるようになるお前を見たりとか⋯、⋯そんな些細な幸せが欲しい、お前も幸せにしたい。もう、好きとか大好きとかの気持ちじゃ足りないんだよ⋯っ、簡単にだなんてっ⋯!⋯⋯⋯⋯はぁ⋯、⋯⋯はぁ、⋯⋯っ」((アッシュも君と同じようだった。ばらばらの思考は収まりが付かなくて。愛している、その定義を探したけれど、答えが見つからない。経験が無いからかもしれないけれど、好きからいつの間にか変わっていた気持ちにアッシュも追いつけなくなっていた。激情に駆られて息を荒らげると抱きしめていた腕の力を再び強めて、震える声で付け足した。)「⋯⋯あの時、約束しただろ⋯お前に、もっと大事なもの送るって⋯」   (5/25 01:55:20)


〆鯖/レフィーネ > 「だって……!」(否定の言葉を返そうとするレフィーネの声音は、もう今にも泣き出しそうな色をしていた。)「……『共犯者』ですよね、わ、わたしたち。そういう、『取引』でしたよね。……舞踏会で…「あなたの女」だといわれましたけど。それって、いつから…?身体を重ねたから、ですか?……ゆっくりすきになってくださいと、いっ、言いましたけど…シンは、す、すきになれといわれたら、すきになって、きらいになれといわれたら、きらいになれるんじゃないかってくらい、素直すぎて、まっすぐすぎて……。こわいんです!わ、わたしじゃなくても、よかったんじゃないかって。……考えたくないのに!」(喋りながら、レフィーネの目からはぽろぽろと涙が零れていた。ミトラでのことも、あそこまで思い切れたのも、戦時中という状況が刹那的に駆り立てたと言えばそれまでだけが、『取引だ』と思えばこそ、そう自分に言い訳出来たからこそというのがあったのだ。神の導きならばという建前の元に流されるように重なった事への揺り返しが、しわ寄せが、思いもよらない所で出てきた事に、レフィーネ自信も戸惑っていた。)   (5/25 02:13:36)


クノ/アッシュ > 「......お前が居ない間、俺は何にも手が付けられなかった、お前以外でも良かったなら舞踏会で、あんなこと言わない⋯!!お前じゃないと嫌なんだよ、体を重ねた事も切っ掛けだったのかもしれないけれど⋯昔はただの可愛い奴程度だったのに、自分でも分からないうちに、でもお前の顔も声も何もかも全部、リルだから好きなんだよ⋯!⋯⋯リル以外の人を愛する事なんて出来ない。⋯ 誰にも渡したくなくて、どんな手を使ってもリルが欲しかったから、強引に舞踏会ではああ言った⋯⋯。だから⋯⋯⋯っ⋯」((何処が好きか、他の人でもいいんじゃないか、そんな問いに対する答えが出てこない。あるのはただ絶対的な自分の自信だけ。それをリルに上手く伝えられない事が歯痒い。そんなアッシュが取った行動は酷く強引なものだった。徐に腕を離して、自分のうなじに両手を回し、外されたのは昔から付けている鈍い鉄色のロケットペンダント。   (5/25 02:48:36)
クノ/アッシュ > 首を抱き締めるように両腕をリルに回し何も入っていないそれを付けてやると、ゆっくりと腕を下ろした。⋯⋯今の自分にはこれしか無かった。)「⋯⋯俺は⋯これからも大人になっていくリルをずっと近くで見ていたい⋯、失敗ばかりでも頑張ってるお前を支えてやりたい。⋯⋯⋯結婚してくれ、リル。今の俺には空っぽのコレしか贈れないけれど⋯この中に少しずつ、変わっていく俺達の写真を入れていきたいって、思ってる。」((今の自分に出来ることはこれしか無かった。強引ではあるけれど、気持ちを伝えるにはこれしか。準備も何も出来ていないが、今伝えるべきだと思った。月明かりを受けて胸元で輝くそれから視線を上げると、黙って貴女を見つめるのだった。   (5/25 02:48:38)


〆鯖/レフィーネ > (首元を彩る鈍色に一瞬、戸惑いの表情を見せたレフィーネであったが、抵抗という抵抗はできなかった。何を言おうとしているのか、なんとなくわかってしまう。だけど――お願い、まだ――)「………。」(切なる願いは届かずに、あなたの唇が動いた。目の前で起きている事がおとぎ話みたいに現実味のないものに感じられて、すう、と感情が引いていく。自分でも驚くべきことに涙はぴたりと止まり、長い間あなたの黒い瞳を見つめて、それから、もう一度ぽろりと一筋の涙滴をこぼした。)「………わかり、ました。」   (5/26 00:02:35)
〆鯖/レフィーネ > (あなたの気持ちが嫌なわけではない。嫌なわけがない。奇妙な形で始まった関係が、そんな風に明確な答えを出してくれるのなら、腑に落ちてもいいはずだった。だけど、自分の中で渦巻く喜びも悲しみを、整理できていないいろんな疑問を、ついぞ共有できなかった事が、レフィーネの心にぽっかりと穴を開けてしまった。このひとは歳上だれけど、自分よりもずっと純粋なんだ。――見合わない。見合う気持ちを返してあげられない。ぜんぶ共有したいだなんて、わがままだったのでしょう――。それでも、明日終わるかもしれない命なのだと思えば、あなたの言葉を否定することなんてできるはずもなかった。精一杯の答えだった。)   (5/26 00:02:40)
〆鯖/レフィーネ > 「……あ、ありがとう、ございます。わたしも、大好きです。もう…変なこと、聞きませんから、寝ましょ……。お、おやすみなさい、アッシュさん。」(布団に潜り込み、あなたから顔を背けてレフィーネは背中を丸めた。――これで良かったのだ。卑怯と言われたってかまわない。神様に嘘をつく好意でも構わない。これが最後の夜になるのなら、余計なノイズはいらない。好きだから好き、そう、それでいいのだ。――こんな孤独を知るのは、わたしひとりでいい。)   (5/26 00:02:45)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯っ」((レフィーネの頬を伝う涙。震えた声で発せられた了承はまるで感情が冷めきったかのようにアッシュには感じられて、胸の内を占めて溢れる〝愛〟が暴れ出す。問いの意味は理解出来ていた、アッシュの中では何故そんな事を聞くんだ、と大声で言ってやりたいような内容だった。『こんなにも愛しているのに。』⋯何段飛ばして駆け上ったか分からない程だけれど、抱く気持ちは本物以外の何物でもないとアッシュは疑ったこともなかった。でもレフィーネには半分も伝わっていない、伝えられていない。巡るのは問いに対する答え。ここまでの気持ちを抱くのが初めてだったから?違う。リルだから好き。それじゃあ答えになってない。味方になってくれて、優しくされて、流された?そんな訳が無い、俺は俺の意思で好きになったんだ。⋯レフィーネを安心させたいが為、もっと伝えたいが為に自分へ潜っていく。深く潜らなくても、探さなくてもそこにある、ただ好きの理由を思うまま正直に口に出来ずにいた。   (5/26 19:30:58)
クノ/アッシュ > 押し潰されるような悔しさに俯いているアッシュの耳に届いたのは、諦めや妥協、色々を押し殺したような声。向けられた背中にアッシュは、ずっと押し込めていたが故の反動を止めることが出来なかった。)「⋯⋯⋯⋯っリル⋯!」((これが最後の夜だとは思いたくない。けれど絶対は無い。だから⋯なんて理由を付けようとしたけれど、そんなのじゃない。ただリルが好きだから俺は⋯⋯。アッシュに背中を向けるレフィーネを跨ぐようにして手を動かし。レフィーネの頭の反対側、横に手を着くと斜めになる体勢で見下ろして。寝台に着いていない方の手で肩を掴んでレフィーネを仰向けにさせる。肩には手を置いたまま涙の滲む目元を見詰めて、呟いた。)「⋯好きだ。⋯⋯やっぱりまだ⋯寝たくない。⋯しよう。」((リルを前にすると歯止めが効かなくなってしまう。明日に備えてと抑えていたものが爆ぜ、下腹部から喉を通って熱が排出される。抵抗がなければ顔を落として、そのまま唇を触れさせるだろう。   (5/26 19:31:00)


〆鯖/レフィーネ > (背を向けてみても、眠れる訳もなく。ざわつく心に覆いかぶさるようにしてあなたの顔がレフィーネの顔に影を作った。何度も告げられた言葉がもう一度唇から溢れるのと同じくして、二人の唇が触れる。あなたの熱い息が、喉を通って体内に届く。)「……っ…ん、……シン……。」(ぴく、と耳を動かしてあなたの呼吸を拾う。舌から侵入しようとしてくる荒削りな情動に答えるべくどうにか自分を絡ませようとするも、苦しくて切なくて、もどかしくて。息継ぎを必要としたレフィーネは、ふっと顔をそむけた。)「……っはぁ、…はぁ…‥。」(心とは裏腹に身体は火照るし、身体とは裏腹に心は求められれば求められるほど、孤独を覚える。食い違う二つの自分に、引き裂かれそうだった。)   (5/26 20:04:55)
〆鯖/レフィーネ > 「…あのっ、えと、……そ、そういえば今日はだめですよ、その、そろそろ……」(とっさに出た言葉に自分自身がはっと思い治った。……あれ?そう、そのはず。そろそろ……来ても良いはずなのに。)「……あ、れ……?あ、いえ、……だからつまり、」(起き上がり、服の上から自分の下腹部のあたりを擦る。遅めの初潮が来たのは14歳の頃で、まだ安定してないと言われればそれまでだ。だけど思い返せば――)「……………あの………最後に『来た』の…いつでしたっけ……?」   (5/26 20:04:59)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯ん、⋯⋯っ⋯⋯⋯⋯ル⋯」((呼ばれた真名に最早条件反射の様に自分だけが知っている名を零す。口と舌は裏腹にリルを求める事だけを考えているようで、確りと発音することは出来なかった。段々と息が苦しくなってきたが自分が息継ぎを必要とする前に体の小さなレフィーネが先に限界を迎えたらしく。しかし一瞬の息継ぎを終えて今一度潜ろうとしたアッシュとは違い、顔を背けて呼吸を整えるレフィーネに少し早くなった自分の呼吸を合わせていた。待ちきれずに喉を鳴らし、また顔を近づけようとしたアッシュを静止したのは、何故かアッシュもすっかり忘れていたとある事情であった。)「⋯⋯あ⋯そういえば⋯⋯そう、だったか⋯」((告げられた言葉にそんな時期だったか、と胸の内で独りごち。考える余裕もなく求めていた自分を叱咤してしまいたくなった。寂しさに我を忘れていたような気さえする。   (5/26 20:52:26)
クノ/アッシュ > 未だ熱が収まることは無かったが、何とか情動を抑えようと瞬きをしたその時。徐に体を起こしたレフィーネに自分も覆い被さっていた体を退かし。下腹部を撫ぜるのを黙って眺めて⋯⋯投げ掛けられた問いに記憶を掘り返す。⋯⋯⋯思い返せば。)「⋯え?⋯⋯あれ。たし、か。⋯⋯2、3ヶ月前だったような。⋯⋯⋯そうだよな、多分。俺の記憶が正しかったら⋯⋯」((⋯自分の記憶が正しければだ。不安でそう付け足したものの⋯、恐らく、その位だった筈。⋯⋯それが意味するのは。常識として知っているその意味は。そこまで考えた所で、体を支配していた熱が引いていくのを感じた。先程まで覆い被さっていた為に少し無理がある斜めな体勢から体を直し隣に座り直すと、下腹部に下げていた視線を上げながら、落ち着いた声色で喉を震わせた。)「⋯⋯もしかして⋯、リル、これって⋯⋯」   (5/26 20:52:37)


〆鯖/レフィーネ > (瞳孔を見開き、あなたと目を合わせながらしばらく交わされた沈黙。一瞬のうちにたくさんの思考が迸った。『――どうしよう。――嘘――嬉しい――困った――だって、これから戦争――いや、もしそうなら、それ以上に優先されるべき事なんてある?――ない。嬉しいに決まってる――そう考えるのは、おかしい事?――だって、まだ何もわかってないのに――ただあなたと添い遂げられる理由を見つけられたならって――卑怯な考え。――あなたはどう思ってる?――嫌われたくない、捨てられたくない…――悩んじゃだめ、悩んじゃだめ――たった一人でも、わたしは、――だって、かみさまの――違う。信仰じゃない。あなたが好きだから、だし…――覚悟がないまま、したわけじゃないし…――でも、――待って。――心の準備が。』)「……っ……」   (5/26 21:38:05)
〆鯖/レフィーネ > (レフィーネの言葉を待っていたかもしれないあなたに、それらしき答えを返すこともできず。ずりずりと寝台の端まで逃げよう移動し、淵に手をかけて立ち上がる。すたすたと台所のほうへ歩き、流しに両手をついて息を吐いて――寝台のほうへ戻ろうかと足を動かして、やっぱり台所へ引き返して。コップに水を汲んでそれを飲み干す。うろうろと、落ち着きのない行動を散々した挙げ句、観念したように食卓の椅子をひいて、静かに腰をかけた。それは、もはや今夜は眠るまいという意志のようにも思えた。)「……まっ、まだ、なにも、わからないですから。」(そう口にした瞬間、押し殺していた不安がどっと溢れ出してくるのが止められなかった。)「……そう、なにも……何も解ってないんですよ、わ、わたしたちは。……もし、そうなったらどうするとか、き、きちんと話したことないでしょう?……それは、まだ、シ、シンシアが、アッシュさんとして再会してから季節はひとつしか、移り変わっていないし。あああ当たり前です。――なのに、なのに、気持ちだけがどんどん大きくなっていっていること、こわいって、お、思いませんでしたか…?」   (5/26 21:38:18)
〆鯖/レフィーネ > (それは潜めた小さな声であったが、狭い秘密基地に響き渡る。今夜はずっと何かを求めるように口を噤んでいたレフィーネだったが、ようやくあなたへの問いかけをはじめた。)「………何も知らないんですよ、わたし。あ、あなたの両親のことも、こっ、子供の頃も遊びも、ど、どんな女性が好みだったとか、まあせいぜい食事の好みくらいは、わっわかるようになりましたけど。――何も、話してくれないじゃないですか。いえ、わ、わたしも……聞かなかったこと、ですけど。……あまりに、あまりに色々ありすぎて。」(戦争や、狂水の災害や、騎士団長の入れ替わりや。幸か不幸か、二人は”話題”に事欠く事がこれまで無かったのだった。腑に落ちないとか、不安を共有したいとか、自分でもよく解っていなかった感情にレフィーネはやっと答えを出せた気がしていた。きっと、たぶん。ただ話をしたかったのだ。震える息を吐きながら、あなたの姿をまっすぐ見据えて、言葉を紡ぐ。)「…………わたしの愛すシンシアは、そこに、いますか?……ちゃんと実在していますか?」   (5/26 21:38:25)


クノ/アッシュ > ((互いに瞳を合わせる静寂の時間。互いの息遣いだけが聞こえるような薄暗い部屋での沈黙。酷くゆっくりと流れ始めた思考は少しずつ、ごくごく緩やかな坂道を転がっていく球の様に加速していく。『俺とリルの間に』『もしかしたら⋯』『⋯⋯嬉しい。』『愛しい』『⋯明日は戦争⋯⋯』『⋯どうしよう、リルを行かせたくない。』『俺が絶対に守る』『⋯⋯』『⋯⋯⋯⋯俺は────』緩かな坂道が加速を緩めていく。立ち上がり移動するレフィーネを、まだそうとも決まっていないのに支えようと伸ばした腕は届かずに宙を切り。遅れて寝台から立ち上がり、台所と食卓のある部屋の入口へと差し掛かった所で、レフィーネが水を飲み干すのを目にした。その後も落ち着きのない行動を見せている間、アッシュもまた胸の内の言葉をそのまま口にしようとして、噤んで、を繰り返していて、結局レフィーネが椅子を引くのに合わせて、自分も対する椅子の横へと歩を進める事しか出来なかった。)   (5/26 22:46:20)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯うん。」((レフィーネがぽつり、ぽつりと続けていく言葉に対し、アッシュは最初の静かな相槌を最後に黙りこくる。時折、相槌とも呼べない程に小さく零れる頷きの様な声以外は終始、レフィーネの話を黙って聞いていた。木製の丸机に視線を落とし、薄ぼんやりとした瞳のまま呟かれる言葉を黙って噛み砕いていた。⋯⋯⋯何もかも、レフィーネの言う通りだった。気持ちばかり先行していたことも、レフィーネに自分のことを殆ど話していなかったことも。⋯自分はどうやら、肥大する感情に追い付けず、何処か振り回されながら突き進んでいたようだった。そう、一人胸の内で呟いた。きちんと話す暇もなく、詳しく知ることもなく。自分のことを話していないのもだし、リルの多くは知っているつもりではだったが、それすらもきっとまだまだ。⋯⋯アッシュなりに、漸く落ち着いて自分を見ることが出来ていた。自分とレフィーネの関係性を考えることが出来ていた。   (5/26 22:46:22)
クノ/アッシュ > ⋯⋯最後か、少し間を空けて顔を上げ、自分を見上げるレフィーネにアッシュも視線を合わせ。震えがちな息と共に放たれた言葉を耳にして、静かに椅子に手を掛けた。)「⋯⋯。⋯⋯⋯リルの。⋯愛する⋯⋯⋯⋯いや、〝俺は〟⋯ここにいる。」((丁度レフィーネの対面にあった椅子を引き出すと、地面を擦らないよう少し持ち上げて浮かせる。そのまま丁度レフィーネの左側、成る可く近く、それでいてお互いに顔が見える位置へ。丸机を時計と見立て、レフィーネが12時ならばアッシュは9時の位置へと椅子を運び、静かに腰を下ろし。机に片手を載せ、言葉の続きを口にした。アッシュなりの答えを。)「⋯俺は⋯そう、リルの言う通りリルの事が好きだってそればかり、だった。⋯⋯俺は確かにここに居る。リルが愛する俺かは、俺には解らないけれど⋯知って欲しい。今まで、お前のことばかり知りたくて聞いてた分、俺の事を話すから。⋯⋯もっと知って、⋯それで愛してくれたら、嬉しい。」   (5/26 22:46:37)
クノ/アッシュ > ((徐に手を伸ばしそっとレフィーネの手を取ると、どこか下手くそな笑顔を浮かべて、優しく握りしめた。)「⋯俺とお前が出会ってから⋯俺がアッシュとして出会ってから色々あったよな。⋯⋯楽しかったこと、嬉しかったこと、幸せだったこととか、⋯一杯あるから。⋯⋯だから。」((下手くそな笑顔はゆっくりと普段の表情へと戻っていき。裏腹に手を握る力も弱まっていく。)「色々なことを⋯⋯話そう。⋯俺の好きなリルの⋯楽しそうな笑顔、見せて欲しい。」((最後にまた見せた穏やかな微笑みは、淡いものではあれど自然な笑顔だった。   (5/26 22:46:48)


〆鯖/レフィーネ > 「……はい、はいっ…。うんっ、ごめんなさい…ふ、振り回して……。」(その声は安堵したように、落ち着いた低い響きに徐々に変わっていた。)「…いっぱい、聞きたい事あったのに……えへへ、どこか、いっちゃいました。…な、何から話そう。……」   (5/26 23:22:44)

クノ/アッシュ > 「⋯いいや。」((見詰めて短く切った言葉は穏やかで落ち着いているものの、〝もうそれ以上謝らなくていい〟という意思表示だった。)「⋯⋯昔の俺の事、リルと⋯いや、アッシュとして出会ってからのこと。どっちから聞きたい?⋯俺も話したいことが多くて迷うよ。」   (5/26 23:27:15)


〆鯖/レフィーネ > 「そ、そうですね……昔の事から、聞きたいです。……それこそ、まだ、バッシュさんですら、なかった頃のこと。……そ、その字はいつ、何歳の時に…どんな願いを込めて、つけたのですか?」   (5/26 23:29:49)



クノ/アッシュ > 「⋯⋯父さんが、聖騎士でさ。小さい頃に死んだんだけど、憧れてて。俺も父さんみたいに強い聖騎士になりたくて⋯⋯、⋯攻撃、みたいな意味の言葉だよ。」((頭をかいて、昔の強さばかり追い求めていた頃の自分を思い出して、恥ずかしそうに小さくはにかんだ)「⋯⋯恥ずかしいけどさ。」   (5/26 23:34:54)



〆鯖/レフィーネ > 「そうなんですか、お、お父さんが…‥。」(改めて、自分はいかにこの人を事を知らなかったのか思い知った。両親が亡くなっていて、その所為で真名を失ったという事はなんとなく耳にしていたけれど、小さい頃にいなくなっていた事も、聖騎士だった事もはじめて知ったことだった。)「……騎士団の中にも、お父さんを知っている方、居るんでしょうかね…?オ、オウガさんとか……。――シンは、どっち似なんですか?」   (5/26 23:38:46)



クノ/アッシュ > 「オウガさんは⋯⋯知ってるよ。⋯あ、これも話してなかったかな、俺が入団したのが10年前、オウガさんが千騎長になったのも10年前なんだ。確か会った時は...あんまり似てないなって言われたよ。⋯⋯どっちかと言うと、母さんに似てたみたい。」(「自分ではよく分からないけど。」と付け足して、懐かしい記憶を思い出すように瞳を細めた。   (5/26 23:44:23)



〆鯖/レフィーネ > 「へええ……。」(あなたを知れば知るほど、興味深くて、嬉しくて。レフィーネの声色はだんだんと、明るいものになっていく。)「……それなら、おお母さん、きっと、び、美人さんでしょうね。」(『美人さんだったんでしょうね』――とは、言わなかった。会ってみたいけれど、もうそれも叶わない。せめて眠っている場所にくらい行ければ、と思った。)「…シンの産まれた、おうちって…まだ、残ってますか?」   (5/26 23:50:41)



クノ/アッシュ > 「⋯⋯ああ、すごく優しい人だよ、母さんは。」(思い返されるのは母との日々。父が死んでから一人で働いて、俺を育ててくれた母さん⋯⋯。⋯涙は流す事は無かったけれど、表情はとても優しいものに変わっていて。続いた問いにぱち、と瞬きを一度見せると、ずっと握ったままだった手を離そうとしたが力を弛めた所で止め。握っていない方の指で西側を軽く指さした。)「王都の西の外れだけど、まだ残ってるよ。⋯⋯今度一緒に行こう。⋯俺も⋯⋯レフィーネの故郷に行ってみたい。」   (5/26 23:56:34)



〆鯖/レフィーネ > 「……そっか、そうなんですね。……王都なんですね。」(あなたの指の先を見つめ、無邪気な印象の微笑みを浮かべて、その手を握る。右手と右手、左手と左手がくっついて、次にあなたに向けた眼差しは少しいたずらっぽかった。)「……い、今から行ったら、何時間ですか?」(半分は冗談、半分は本気。その意図が伝わるように小首を傾げて問う。明日のことを考えれば、二人とも恣意のままに振る舞っていい立場ではない事はわかっている。だけど――)「わ、わたしは…どうせ眠れないから。」(共犯者を募る、一言だった。)   (5/27 00:05:37)


クノ/アッシュ > (「ああ」と頷こうとしたアッシュだったが、もう片方の手も握られて少し驚いたように口を開いたまま固まった。両手を繋いで悪戯っぽい視線を向けられれば、自然と笑顔が零れてしまう。予想外な問いを投げ掛けられて、その笑顔はなりを潜めるが。穏やかな空気が消えることは無かった。)「⋯⋯そうだな、⋯⋯電車の切符が取れれば二時間あれば着くよ。」((ちらり、時計を見ればまだまだ時間はある。⋯⋯最悪取れなくても⋯そこまで考えた所で。両手を取ったまま、ゆっくりと立ち上がった。)「⋯⋯今から、行くか?リル。」   (5/27 00:17:12)


〆鯖/レフィーネ > (ぱあっと目を輝かせて、愛しき共犯者の手を一瞬離れる。寝台の下にしまっている小さな裁縫箱から何かを取り出してからそれをポケットに入れ、ひざ掛けのブランケットとあなたの騎士団制服の上着を手にとってもう一度駆け寄った)「……い、行きます!」(制服を手渡し、自分は寝間着にしているワンピースの上からブランケットを羽織って秘密基地の扉に手をかけて、もう片方の手を伸ばし、あなたの手を求める。歩きながらも、おしゃべりは止まらなかった。)「………わ、わたしの故郷は…話したことありましたっけ?カーヤの外れの、田舎の村なんですけど。く、くだものがいっぱいとれるんです。桃や、杏は市でも買えますけど、いつか、いっしょにいったら、あっあけびとか、野いちごとか、た、たべさせてあげたいなあっ…。」   (5/27 00:41:45)


クノ/アッシュ > 愛しき相手の行動は早かった。自分が声を上げるが早いか、ブランケットと自分の制服を手に取って来てくれたレフィーネにくすり、と笑い声を零すと制服を受け取って袖を通す。「ああ、行こうか。」なんて少しカッコつけた様な返事と共に手を握り、並んで月明かりと夜風の中へと踏み出した。鉄道駅に向かう途中も、楽しい会話は尽きる事が無く。リルと話したいことだらけでアッシュも、口が止まらなくなっていた。)「昔に一度な。⋯⋯そうだな、カーヤで取れた野いちごでケーキを作ってやるよ。⋯その、色んな〝お祝い〟の日に。」   (5/27 00:51:41)



〆鯖/レフィーネ > 「ケ、ケーキかぁ、たのしみです……あっ、で、でも、カーヤにはアーモンドの木もあって…その、」(あなたの言葉の意味を考え、繋いだ手をぎゅっと握って。少しはにかみながら小さな声で呟く。)「…ドラジェとか、つ、つくれますか?……えへへ。」(レフィーネなりに、少し勇気を出した問いだった。アーモンドを砂糖で包んだその砂糖菓子の意味するところを、あなたは知っているだろうか。)   (5/27 00:58:27)



クノ/アッシュ > (きゅっと握られた手。その感触に緩まる心と裏腹に、手には少しだけ力を込めて。さっきとは違うレフィーネの笑顔に胸がじんわりと温かくなった。)「⋯作った事は無いけど作り方は知ってる。カーヤにアーモンドが有るなら丁度いいな、沢山必要になるかもしれないし⋯⋯頑張るよ。」((一度目先に向けていた視線を隣へと戻し、ふっ、と息を吐き出しながら笑う。握っていた手の力を緩めたかと思えば、指を絡めて握り方を変え、見えてきた駅に息を零した。)「⋯⋯混んでないといいな。」   (5/27 01:09:28)



〆鯖/レフィーネ > (沢山必要になるかもしれない、という言葉。穏やかな笑顔と、指を絡めるようにもう一度握られた手に、『――喜んでくれてるのかな?』と思いながら。まだ何もわからないままであるし、飛び上がりそうな喜びを抑えて、レフィーネは口元を緩ませた。じんわりと心を暖める幸せを噛み締めて、駅へ向かう足取りを早めた。)「……急がなきゃ。さ、最終列車、そろそろじゃないですか?……ん、こ、この時間だし、混んではいないとおお思いますけど……」   (5/27 01:17:24)



クノ/アッシュ > 「⋯⋯あ。そうかもな⋯急がないと。」((夜間に列車に乗った経験の少ないアッシュは正確に時間を把握していなかった。レフィーネの言葉に小さく声を上げ、レフィーネを置いていかない程度に歩を進めながら、さっきのレフィーネの言葉を思い出して、⋯⋯幸せな想像のせいか思わず笑い声を零してしまった。)「間に合うかな。⋯⋯⋯⋯ふふっ。」((暫く歩いていくと、駅の入口に設置されていた列車の時刻表へと向かい。ダイヤが記載された看板に視線をさ迷わせながら、列車が通っているかを探した。   (5/27 01:28:28)



〆鯖/レフィーネ > 「ええと、今、時間は……」(西部行きの列車がどの街へ行くのかも自分にはよくわからないし、看板を見るのはアッシュに任せ、レフィーネは駅に置かれた時計を見て時刻を教えた。)「……どうですか?あっ、あれかな?……」(石炭を動力にした列車が蒸気の音をたてながら、こちらへ向かってくる。しかしあまり失速していない気がする。王都が停車駅じゃないなんてことは、ありえないはずだが――……)   (5/27 01:35:03)



クノ/アッシュ > 「⋯⋯えっ?⋯⋯」((最終列車を逃した事に気づくと同時にレフィーネが此方へ向かってくる列車の存在に気付く。「間に合わなかったみたい」と言葉を零すことも忘れて、失速すること無くどんどんと大きくなる列車の影、星空を隠す白煙。⋯⋯答えを導き出すまでに数秒の時間を要した。)「⋯⋯リル!⋯あれに乗るぞ!」((貨物列車だ、なんて答えを出す時間すら惜しい。レフィーネの手を引いて、構内へと小走りで駆け出した。切符を確認する車掌すら居ない、淡い灯りに照らされる空間を駆け抜けて、今まさに遅くはないスピードで駅へと入り込んできた貨物列車と鉢合わせた。   (5/27 01:42:02)


〆鯖/レフィーネ > 「はっ、はい!」(あなたに手を引かれて、先頭が牽引する無蓋車のひとつに飛び乗った。鉄骨に手をかけてなんとか上から侵入し、積まれた木材を伝って内部に足をつける。)「……はぁ、はぁ……。」(急いで飛び乗ったことと、少なからず悪事を働いている事への高揚感で高鳴る胸をあなたにぴったりとくっつけ、ぎゅっと抱きつきながら呼吸を整える。)「……ふふ…に、任務成功ですね。み、密偵みたい。」(天井のないコンテナから見える景色は、駅の屋根を通り過ぎて白い煙越しに星空を仰いだ。)   (5/27 02:03:16)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯ふぅ⋯、⋯⋯。」((...誰かとこんな事をするのは初めてだ。本当に共犯者になってしまった、なんて心の中で独りごち、ぴったりくっつくレフィーネの背中に片手を回し、優しく腕で抱き留めて釣られるように空を仰いだ。)「⋯ふふ、ああ。⋯⋯共犯だな、俺たち。」((数秒とせずに見える景色は星空と白煙に染まり。外の景色を見ようかと思ったが、未だ息を整えているであろうレフィーネを気遣って⋯いや、ただ近くに居たかっただけかもしれないけれど、再び腕の中のレフィーネを見つめて穏やかに笑っていた。)「⋯⋯そういえば、二人でこうやって遠出した事も今まで無かったな。⋯⋯ずっとしたかったから、嬉しいよ。」   (5/27 02:12:02)


〆鯖/レフィーネ > 「そうですね、う、嬉しいです…!あぁ、列車一本で行けるなら、もっと、はやくに、いいけば良かった。…ふふ。」(息を整えて、あなたのお腹に背中をくっつけるようにしてレフィーネは座り直した。何を話そうか、何を聞こうか。まだまだ彼女は、あなたを知り足りない。)「シン、あのう、へ、変なこと、聞いてもいいですか?」   (5/27 02:23:30)


クノ/アッシュ > 「うん、本当にな。」((お腹ぴっとりと背中をくっつけられて、小さな背中から体温が伝わってくる。自分よりも幾らか薄着のレフィーネには無蓋車の夜風は寒いだろうか。同じ体勢だった⋯いつかの広場でのデュオ⋯⋯あの時の約束を思い出しながら、包み込むように両腕を回して優しく抱き締めた。)「⋯⋯ああ、何でも聞いて。リルには⋯⋯リルだけにはもっと俺の事⋯⋯他の人には言いたくないことも、どんな事も全部話したい、知って欲しいよ。」長い耳に顔を寄せるように横顔を覗き込み、レフィーネの前で組んでいた両手を離し、今度は手首を掴み直して、さっきよりも力を込めて抱いた。   (5/27 02:33:49)


〆鯖/レフィーネ > 「それじゃ、え、遠慮なく……。……あ、あの。シンは、本当に女性経験、な、ないんですか…?娼館とか、行かないタイプですか…?」(自分との行いが初めてだったかどうかがそこまで気になったわけではない。ただ、純粋に疑問でならなかったのだ。聖騎士と言うだけで言い寄ってくる女性も居そうなものだし、少なからず、ロマンスの一つや二つ、あったのではないかと。)「恋したこと、ないわけじゃ、ないですよね?」   (5/27 02:39:19)


クノ/アッシュ > 「え、遠慮ないな⋯⋯。⋯⋯ああ、リルが初めてだった。娼館には⋯他の聖騎士に連れて行かれた事はあったけれど⋯結局手も出せずに終わったよ。興味はあったけど、なんか、⋯もっと大切な人としたくて⋯⋯。⋯⋯⋯さ。」((付き合いで連れて行かれた事はあれど、⋯⋯今思えば金の無駄遣いだったかもしれない、俺が払った訳じゃあなかったけれど。申し訳なさから払ってくれた騎士には「良かったよ」なんて言ったのを思い出しながら⋯⋯最後に少しだけ抱く腕に力を込めた。)「⋯⋯⋯恋⋯と呼べる程のものは無かったかもだけど、似たような思いは抱いたことがある。⋯⋯これも聞きたいか?」   (5/27 02:48:09)


〆鯖/レフィーネ > (あなたらしいといえばらしいエピソードに、ほっとするやら拍子抜けするやら。恋とは呼べなかったかもしれないだなんて言いながらも、やっぱりそれに近い事は経験しているのだという事に、ちくりと胸を刺すような痛みを覚えて。『なんて自分勝手なんだろう』と、少しばかりの自己嫌悪を覚えた。)「……あ、……ううう…うーん……き、聞きたいです。……うん。…お、教えてください。」(聞いたのは他ならぬ自分なのだし、途中まで聞いたからには最後まで聞かなければ、ありもしない妄想に今後苛まれる事になるだろう未来は見えていたから。)   (5/27 02:56:29)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯⋯昔、まだリルが騎士団に入る前に沢山俺に話し掛けてくれる人が居て。⋯なんでこんなに話してくれるんだろう、話すのも楽しいし、凄く笑顔が綺麗な人だな、って。⋯⋯それだけ。」((レフィーネが悩ましい声を上げたのが少し申し訳ない。⋯⋯本当に『恋とは呼べないようなものだったから。』恐らくレフィーネも拍子抜けするようなエピソードだったかもしれない。少し困ったような笑い声を響かせてからも、未だ笑い混じりの声で続けていった。)「⋯ごめん、ほんとにそれだけ。⋯⋯全然でしょ、それにリルの笑顔の方が何百倍も素敵だよ。⋯⋯その人には結局それ以上何も俺からも言うことなく終わったようなものだったしな。」   (5/27 03:03:55)


〆鯖/レフィーネ > 「うん、うん……。」(語り始めたそのエピソードは「それだけ」の言葉ですぐにしめくくられ、胸を撫で下ろすまでもないようなものだった。気にならないと言えば嘘だけれど、この少しの切なさもきっとあなたを想う愛しさに変わるだろう。)「…ほ、ほんと?……ん、うれしい、です……。」(吐息混じりの声であなたに甘えながら、しばらく背中に伝わる温かさを噛み締めていると。)「……くしゅんっ……!」(寝間着にブランケットを羽織っただけの格好で無蓋車の風に晒されるのは流石に少し肌寒かったようで、レフィーネは小さなくしゃみをひとつした。)   (5/27 21:59:06)


クノ/アッシュ > (小さなくしゃみを零したレフィーネを眺め、僅かな息を零すと抱き締めていた腕を解き。後ろで衣擦れの音を立てたかと思えば)「⋯⋯⋯⋯ほら、リル。」((自分の騎士団制服をそっと背中に掛けてやった。)「丁 袖も裾もリルよりは大っきいからきっと暖かいぞ。⋯⋯⋯俺の母さんに元気な笑顔を見せてやってくれ。」   (5/27 22:07:50)


〆鯖/レフィーネ > (着ていた上着を脱いで背中にかけられると、レフィーネはそのままの姿勢でふるふると首を振った。)「…あっ……わ、わたしは、大丈夫です。ブランケットもあるし……シンが風邪、ひ、ひいちゃいますから。」(そう言いながらもレフィーネは、無意識に膝をより立てるようにして、お腹のあたりを暖めるようにして丸くなった。)   (5/27 22:13:06)


クノ/アッシュ > 「体だけは丈夫なんだ。⋯⋯それにリルとくっ付いて居れば十分温かい⋯⋯だから少しだけ温まっててくれ。」((制服を肩に羽織らせたまま、熱を求めるように立てた膝でレフィーネを軽く挟み込み。同時に再び腕を回してぴとりと背と腹をくっ付けた。そのままぽつり、と零したのは穏やかな響きを帯びた言葉で。)「⋯⋯俺はさ、お前の笑った顔が昔から大好きだったんだよ。⋯⋯それこそ、バッシュだった頃から⋯⋯」   (5/27 22:22:49)


〆鯖/レフィーネ > 「……いえ、でも…。」(頑固にあなたの申し出を断ろうとしたレフィーネであったが、腕を回して抱きすくめられるように体を密着させられると、無意識に膝を立てていた自分に気づいた。寒さから熱を求めていたわけではない。『ああそうか、こんなに圧迫しちゃ、いけないのかな…?』と、また、考えるともなくはっと強張らせていた体を緩める。)「……ふふ、…調子の、い、良い事ばっかり。そんなこと、い、言ったら。わたしだって、バッシュさんには色々、お、お世話になりましたから。……大丈夫ですよ、もう充分、あっ、温まりましたから。」   (5/27 22:32:37)


クノ/アッシュ > 「良いから、な。もう少しだけ着てろ、リル。」((ぽん、と制服が掛けられたレフィーネの肩を軽く叩くと同時に、後ろの方から響き渡ったのは大きな汽笛の音で。何となくレフィーネを抱いていた腕を僅かに緩めて、無蓋車の縁に手を掛けて体を持ち上げた。そこから見えたのは遠く離れた王都の灯り。かなり小さくなってしまった王都の影だけど、不思議と寂しさを覚える事は無く。我慢出来ずにリルにも声を掛けてしまった。)「⋯⋯なあリル、見て。⋯⋯もう王都があんなに遠くだ。⋯⋯⋯あんなに⋯⋯」((二人だけの時間。王都という普段通りから遠ざかる事は、アッシュに強い非日常を感じさせた。自分が騎士で、明日に戦争が控えているという事を一瞬忘れてしまう程の景色だった。   (5/27 22:43:32)


〆鯖/レフィーネ > (言いくるめられるようにして肩を叩かれ、それ以上口答えできなさそうな雰囲気に少ししゅんとしながら、レフィーネ自身もなぜ自分がそうなるのかいまいち測りかねていた。自分の体を気遣っていてくれる事に違いはないし、あなたに声をかけられて同じように身を乗り出し列車の轍を振り返れば、すぐに気持ちは切り替わった。)「……うわ、ほ、本当ですね!…そっか、貨物列車は、途中で駅に止まらないから…お、思ってるよりも、はやく着けそうですね?…わ、っと…‥」(強い風に煽られる髪が鼻を擽り驚きで再び中へ引っ込むと、あなたの服の裾を掴んで何か言おうとする。)「……あの……」(今夜はいっぱい、あなたの事を知りたい。たくさん質問しようと思っていたけれど。――言葉が出てこない。頭の中をひとつのことが支配して。)「……。いえ、あの、シンは…わ、わたしに聴きたい事とか…ないですか?」   (5/27 23:11:12)


クノ/アッシュ > 「そうだな、もう少ししたら⋯⋯」((何て言い掛けると同時に、レフィーネが中へと引っ込んだのを見て、やっぱり風を直接浴びるのは寒かっただろうかと思考を回す。⋯⋯それも服の裾を引っ張るレフィーネの行動に思考の隅に追いやられてしまったが。「うん。」と極僅かな声で返事をするものの、続きは直ぐに紡がれることは無く。数拍遅れてやってきた問いに対して困ったように口元を指で擦ると、「沢山あって困るな⋯⋯」と零してから向かい合うようにして自分もしゃがみこんだ。穏やかだった瞳を真剣な眼差しに変えて。)「⋯これからの事を沢山、聞きたい。⋯例えば⋯⋯リルにもし⋯子供が出来てたらのこと。⋯俺は⋯その内お前に騎士を辞めて貰って、その分俺が働くつもりでいる。家を出る前からずっと考えてた。⋯⋯リルは⋯⋯どう思ってる?」   (5/27 23:33:20)


〆鯖/レフィーネ > 「……え、っと……」(切り込まれた質問にレフィーネは一瞬たじろいだ。複雑な感情に、自分が今どんな表情をしているのかもわからなくて、それを見られまいとあなたの胸に顔を埋めるように額を当てた。)「……ん、その……な、なんていうか……。」(子供の事を考えたら、どちらも騎士でいるのは難しいだろう。産まれてからの事は解らないけれど、少なくともレフィーネはすぐに戦えない状態になる。そんな事はレフィーネだって考えていた。だけど、レフィーネはあなたの話まだついていけてない、というよりも、彼女にとってその話をするのには、大事な前提を欠いたままだった。ようやく絞り出された言葉に震える唇はさみしげで、蚊の鳴くような声を漏らした。)「………わたしは――……そもそも…………なんですけど、……あっ、あなっ…あな、たがっ……」(平常心を保とうとすればするほど心は乱れ、淡々と喋ろうとするほど口は吃ってしまう。震える指で今にも零れ落ちそうな涙をぱっと抑え、顔を背けて言葉の続きを紡いだ。)「…………望んで、なければっ、――……ひとりで、」   (5/27 23:58:31)

クノ/アッシュ > 「⋯⋯⋯」((胸に顔を埋めたレフィーネを優しく抱く。冷たい夜風が落ち着きを取り戻させてくれる。瞳に溢れた涙を抑えるその姿に胸がちくりと痛んだ。様々な思いが込み上げるけれど、感情の方向性は全て同じ方向に向いていた。黙って貴女を優しく抱きしめて訪れるのは数秒間の沈黙。聞こえるのは車輪と蒸気機関の排気音と互いの呼吸のみ。黙って貴女を抱きしめたまま、アッシュはゆっくりとしたペースで話し始めた。)「⋯いつも俺を支えてくれてありがとう。明るくて優しい所も、だけどまだ少し子供っぽくて不器用な所も、それで頑張る姿も⋯⋯何よりリルの笑顔で俺は幸せでいれた。⋯俺だけに見せてくれる笑顔も大好きだ。これからも俺の事を支えて欲しい。お前の事を俺も支えたい。二人でずっと⋯⋯。」((穏やかにではあったものの、自分の気持ちを精一杯伝えたいのを我慢出来ずに伝えてしまう。⋯⋯でも、まだレフィーネに聞きたいことがアッシュには何個もあった。数秒の間を置いて、腕の中のレフィーネにもう一つ、大事な質問を問い掛けた。)   (5/28 00:24:07)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯リルは、⋯レフィーネは、俺の事どう思ってる?⋯どんな所が好きとか何でも、どんなに些細な事でも良いから何でも聞きたい。⋯⋯教えてくれるか?」   (5/28 00:24:09)


〆鯖/レフィーネ > (あなたの言葉、そして問いかけを最後まで聞き届けたレフィーネの心情は――――絶望だった。言いたい事がこれほどまでに伝わらないのは、男と女だからか、それとも、あなたと彼女だからなのか。察してほしいなどと傲慢な考えを持っていたわけじゃない。彼女にとってはずっと伝えていたつもりだったのだ。何度も、言葉にして問いかけていたつもりだったのだ。もはや問いかけにまともに答える事を放棄し、レフィーネはぼろぼろと大粒の涙が溢れる瞳であなたを見据え、一歩後ろに下がった。)「……――わ、わたしが、……喋ってる、途中でしょう。」(その声は怒りに震えていた。自分や、自分の矜持を守る為の怒りではない。ちょうど子熊を奪われようとしている母熊のように、切羽詰まった怒りだった。)   (5/28 00:51:20)
〆鯖/レフィーネ > 「……一人で、と、言いました。こ、こ、こどもは、一人で育てます。もう、ああああなたが父親に、むっ、向いていないということは、今、はっ……きりと。わ、分かりました。…ドラジェの事を聴いた時もっ…!私がくしゃみをした時もっ…!あなたの心の中に、この子は居ないってことが、わかりましたからっ……!!わたしはっ、わたしはっ…とっても、う、う、嬉しかったんです!不安だったけど、怖かったけど、それ以上に、あっ、愛するあなたとの子が本当にこの中にいるのなら、涙が出そうなくらい、う、うれしくって、ほかにもう、なんにもいらないってくらい、満たされてたんですっ……あなたは、あなたの心に住むわたしはっ、え、え、永遠に……少女なのでしょうね!"二人で"……?いいえ、いいえ、三人でと、いっ、言ってほしかった!い、いってほしかったのに!」   (5/28 00:51:39)
〆鯖/レフィーネ > (怒りのままに拳を振りかざし、レフィーネはあなたの胸に掴みかかった。)「もしも、もしも。お、俺だって、う嬉しかったなどという寝言を、のっ、のたまうつもりならば。本当にあなたには、しっ、失望します!それでも、あ、あなたは。魔術師ですか?って……!!神様ですら、言葉にしなければ、つ、伝わらない、この世界で!!!」   (5/28 00:51:44)


クノ/アッシュ > 「リ、ル」((言葉は喉奥で詰まり、それ以上意味のある音を発するのを止める。涙を溢れさせて離れていくレフィーネに手を伸ばす事も出来ずに、その場で力無く腰を落としてへたりこんでしまった。レフィーネの激しい感情の発露を言葉として身に染み込ませながら、絶望と悲しみと、愛と喪失感と、自分でも訳の分からない初めての感情の奔流に翻弄されながらみるみるうちに瞳に涙が溜まっていく。胸ぐらを掴まれながらも、アッシュは何一つ言葉を発することが出来なかった。しようとはしたのだろう、だが口を空けるだけしか。『制服を着せたままにしたかったのも、リルだけの為じゃない、リルの体調が悪くなったら大切な子も辛いかもしれない』『ドラジェが沢山必要になるかもしれないっていうのも、子供が産まれた時にもお祝いで作ったりすると聞いたことがあったから。』『嬉しかった。』『うれしい』『嬉しかったから、だから一緒にって⋯⋯』その全ての言葉を口にする事も、追い討ちのように告げられた最後の言葉でついぞ、口にすることは出来なかった。   (5/28 02:11:54)
クノ/アッシュ > 背筋から力が抜けて、背後の壁に倒れるように凭れ込んだ。がたんがたん、と車輪の振動が伝わる度に体が跳ねて、その度に瞳から涙が落ちる。今更アッシュの胸の内に『役立たず』だとか『ごく潰し』だとかそんな自己卑下の感情はなかった。そこにあるのは変わらない好意と愛を上手く伝えられなかったことへの絶望だった。) 「⋯お⋯⋯おれ、がリルと本当に心か、らっ⋯⋯!!一緒にって、これから⋯⋯って、おもってること言いたくて⋯ぇっ!!⋯げほっ!⋯⋯⋯⋯っリルに伝えたくて、分かって欲しくて、おれの⋯⋯っ!!」((息が苦しくて何度も何度も喉奥で声が詰まる。背中から列車の振動が伝わる度に胃の中の物が逆流しそうな程。何度も苦しそうな咳を繰り返して途切れ途切れに言葉を紡ぐ。掴まれた部分の少し下、胸辺りに力無く片手を乗せると『気持ちを伝えたかった』と濃い皺を作り。)   (5/28 02:11:56)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯⋯⋯俺は⋯リルとなら幸せだって⋯寝る時、うまく伝えられなかったことを⋯⋯⋯⋯、ぐ、ぅう⋯⋯お腹の中の子供が大切で嬉しくて⋯⋯⋯だからどうしても三人で一緒に暮らしたくて、それだけが俺の幸せで⋯⋯!⋯⋯ぁ⋯⋯⋯⋯」((失望するって、言われたのに。⋯⋯⋯思った時には、遅かった。シャツを握っていた腕の力を緩めて、ボロボロと最後に幾粒かの染みを作った。)「⋯⋯⋯リルと、俺と、お腹の子と三人で、ずっと一緒にいたい⋯」((最後の一言を呟く時にはもう、羽虫程度の力しか残っていなかった。   (5/28 02:12:10)


〆鯖/レフィーネ > (はあはあと息を切らして、レフィーネはへたり込んでしまったあなたを見下ろし、即座に己の失言を後悔する。ここまで言う必要があったのだろうか?この人を失って、自分はこれからどうやって生きていくつもりで啖呵を切ったのか、と。だけど、彼女の中では自分と一緒に居たいがためにずっとあなたが話を合わせている可能性が捨てきれなかった。負担が増える事もどちらかは騎士でいられない事も解っていたから、望んでいないのなら、どのみちいつかどこかで破綻する。ずっと一緒にはいられない。だったら、あなたとお腹の中の子と天秤に掛けなければいけないのなら、自分の気持ちよりもただその小さな命に敬意を払いたかった。ずっとその授かりものを待ち望んでいた夫婦とは違って、突然の事だけれど。それでも、ずっと待ち望んでいたのと同じくらいに喜んでこの世に迎え入れたかった。たった一人でも、この世界で一番の祝福をしてあげたいと思っていた。   (5/28 21:37:09)
〆鯖/レフィーネ > あなたの喜ぶ姿が見られないのなら、言葉にしてもらえないのならば、勇気を出して聴いても良かったはず。いつものレフィーネなら、そうしていただろう。だけどたった一言『嬉しいですか?』と尋ねる事ができなかったのは、そう聴かれてあなたが嬉しくないと答えないはずがなかったから、意味のない事だとたかをくくっていたのだ。あなたから言ってもらえないのならば、意味がないと。)「……っ……」(あなたの、言葉にならないような感情の吐露を耳にして、どうすればそれが伝わるのか熱った頭を回転させる。最後の一言には、目をぎゅうっと瞑って。)   (5/28 21:37:18)
〆鯖/レフィーネ > 「……ばか、ばかっ…。そ、そういう事は、はやくっ…はやく言ってくださいっ…本当に、あ、あなたはねぇっ……!…そ、そういうところですっ……!」(へたり込んだあなたに合わせて木材が積まれた地面にしゃがみ込み、項垂れる頭に両手を伸ばして思い切りきつく抱きしめると、もはや止めどなく流れる涙は拭われる事もなくあなたの髪を濡らした。)「……本当に、獣みたいな人。……あ、愛してるに決まってるでしょう、い、いつも言ってるじゃないですか。あ、あなたの私への気持ちだって、う、嘘じゃないことくらい、わかってます。ばか、わからずや、そんなに、そんなに寂しかったんですかっ……。」   (5/28 21:37:23)


クノ/アッシュ > 「⋯っく⋯⋯ぅっ、⋯⋯っ!⋯⋯う⋯⋯」((糸の切れた人形の様にへたり込み、胸に当てていた手を床に力無く落として、とめどなく溢れる涙をシャツに何度も零して染みを作る。自分の体とレフィーネの下半身だけが映る視界は、強風に煽られた湖のように歪んでぼやけていた。最早自分に残された想いを口にする事は出来ずしゃくり上げながら肩を揺らした、貴女に抱き締められるまで。)「⋯⋯⋯⋯っ!!」((抱き締められても体を跳ねさせる事すら出来ず、詰まったような声にならない声だけを残し、俯いたままに体が強ばった。ただぼろぼろと雫だけが貴女の肩を濡らした。抱き返そうと必死で腕に力を込めて、肘から上を僅かに持ち上げて小さな⋯⋯だけど強い感情の込められた嗚咽混じりの頷きを返した。)「⋯⋯う、ぅ⋯⋯!!⋯⋯⋯⋯おれ⋯⋯。⋯⋯⋯う、れしかっ⋯⋯!⋯⋯リルと⋯俺の⋯⋯⋯っ!」   (5/28 22:04:25)
クノ/アッシュ > ((聞き取り辛い吃り声を零して何とかレフィーネの腰に淡い力で手を添えると、少し苦しげな声を上げた。⋯⋯抱き締められたからではない、そう言って貰えるのが嬉しくて、最初から『嬉しかった』とただ一言、気持ちを伝えられなかった事が悔しくて、喪失感と絶望の縁から急に引っ張りあげられるような急激な感情の変化に振り回されたが故の苦しさだった。   (5/28 22:04:26)


〆鯖/レフィーネ > 「……なきむし。……どうするんですか、お、お父さんがそんなんで。」(声色は先程より少しだけ柔らかく、囁くような響きを持って。抱きしめていた腕を緩め、耳の下から黒い髪をかきあげるようにして細い指をさしこむ。少し落ち着いてからようやくレフィーネも、あなたの気持ちが見え始めていた。気持ちに置いていかれていたのは自分ではなく、この人のほうだったのかもしれない。自分とレフィーネの事にけじめをつけなければ前に進めなかったのだ。それに気づかずに、『愛している』の一言を早く言ってあげられなかった事。そっくりそのまま、自分に返る行いだった。)「……でも、いいですよ。…あ、甘えても。……私も、少女で、いっ、居られる最後の夜かもしれません。だから、あなたも……シンシア。」   (5/28 22:30:34)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯う、⋯⋯あぁ⋯⋯。⋯⋯⋯っ」((腰に当てていた手を漸く体に回すことが出来た。普段とは違い力は弱々しいもの。まるで大切なもの⋯⋯強く力を掛けたら壊れてしまいそうなものを抱きしめるような暖かな優しさを込めたものだった。何度も頷いて、喉奥で響かせるような肯定を零して黙り込む。腕の中の二人が大切だけれど、その前の気持ちに決着を付けられたことで、続いたレフィーネの言葉にも頷きつつ漸く、前に進む事が出来るようになっていた。)「⋯⋯嬉しい⋯、リルと⋯⋯俺とお前の間の⋯大切なこの子となら⋯⋯ 三人で居られるなら何も⋯二人がいればもう⋯⋯⋯⋯俺は⋯⋯っ!」((我慢出来ず、腰に回していた腕を肩辺りに移動させてぎゅうう、と力強く抱き締めたのはアッシュにとっての甘えだった。一瞬だけ見せた甘えを最後に、ゆっくりと首に回していた力を緩め、濡れた瞳を真っ直ぐ合わせて、深呼吸。覚悟⋯いや、最初からそうしたかった。⋯⋯漸く少しづつだが落ち着きを取り戻した声で呟くのだった。)「⋯急いで飛び出したけどさ⋯⋯忘れ物は無いよ。必要な物は全部ここにあるから。⋯⋯だからリル、このまま⋯⋯」   (5/28 22:58:06)


〆鯖/レフィーネ > (脱線した列車のように蹉跌をきたそうとしていた二人の思いは、大きな衝突を経てようやく元のレールに戻る。時間にして一瞬でも本当にあなたと袂を分かつかもしれないという冷たい時間は、永遠に感じる程恐ろしかった。あなたを抱きしめ返し、その暖かさを噛み締めた後、ようやく。随分前に問いかけてきたあなたの言葉に、遅ればせながら返事をするのだった。)「……こ、これからのこと、話そうって、い、言ってくれましたよね。…‥ちゃんと、言ってくれてた。……そう、そういうことも、きちんと、話さないと、い、いけませんね。」(目尻を下げ、控えめに微笑みを作ってみせる。もし本当に二人の子供ができているなら……二人の百騎長はどうするかの決断をしなければ。どちらも騎士でいるのは難しい。身重の自分はすぐに戦えなくなる。だけど、だけど。――この人ひとりを戦場に送り出すのはどうしようもなく辛くて。長い逡巡の後、間を持たせるかのようにまだ纏まっていない思考をぽつり、とこぼした。)   (5/28 23:26:11)
〆鯖/レフィーネ > 「……戦争になんか、行かせたくないなあ。……なんて、今更なに、いい言ってるんでしょうね。……明日は、攻城なのに。……帰らなきゃ、いっ、いけないのに。」(レフィーネのほうも甘えを見せてしまい、自己嫌悪に苛まれそうになりながら頭をもたげると。腰に回されていた手の力が緩み、瞳が合い、あなたの呼吸が深く、静寂を裂いた。)「……え?」(あなたの言葉の真意を図ろうと、その真剣な瞳を覗き込む。まさか、とは思うけれど、自分が勘違いしているようにしか思えなくて。)「……このまま?……このまま、……な、なんですか?」   (5/28 23:26:16)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯このまま、着いたらさ、リル。医者に診て貰おう。」((首に回した腕を解いて両肩に掌を載せると、レフィーネのお腹をちらりと一瞥してから、顔を上げて瞳を合わせた。)「⋯そしてここに、リルと俺の子が居たら。」((何度も何度も言葉を分けて、しっかり伝わるように、話し合えるように。汽車は僅かな坂道に入ったのか動きは重く、力強く白煙を黒く変えながら進んでいく。)「⋯⋯三人で居れたら他に必要なものなんてない、帰る必要なんてない。騎士なんてしなくても、一緒にいられれば俺はそれだけで。⋯⋯嬉しくてっ、幸せだ。」((するりとレフィーネの右頬を撫でて、思わず口元を綻ばせた。瞳は潤んだままだけれど、真剣な瞳から穏やかな喜びを移した色へと変わっていく。)「だからもしその時は、一緒にどこへでも行こう。帰る場所は俺達三人が居る場所だ。⋯ただいまが言えなくなるかもしれない騎士なんて、俺は捨てる。⋯俺とリルと、きっと居るこの子と一緒なら。」   (5/29 00:05:23)


〆鯖/レフィーネ > 「……ほ、本気…正気、ですか?……」(ごくり、と喉を上下させ、緊張にばくばくと高鳴る心臓を抑えるように服の襟元をぎゅっと掴んだ。『二人とも百騎長なんですよ?何も言わずに駆け落ちしたら……』否定の言葉は浮かぶけれど、言葉になるよりも先に感情が溢れ出て止まらない。)「……そんなに……」(そんなに思ってくれていたのに、『望んでいないかもしれない』だなんて思ってしまった自分を恥じ入った。右の頬に触れるあなたの手の甲に、自分の手のひらを重ねる。)「……大罪ですよ。み、見つかったら……投獄じゃ、す、済まないかもしれませんよ。……もう、『太陽の御国には行けません』よ……。それでも、それでも…?」   (5/29 00:42:22)
〆鯖/レフィーネ > (いつかあなたに言った覚えのある言葉。だけど、あなたの答えはもう聴いている。『どこへでも』と言ってくれたのだ。――いつかの約束が、重なる気がした。答えは、あなたの言葉を聴いてからにしよう。レフィーネはポケットに手を入れて、家を出る前に突っ込んだものがきちんとあるか確かめた。――故郷、カーヤの伝統的な刺繍を施した短めの紐。婀娜さんに教えてもらって、少しはうまく出来たと思う。……自分の中で、「なにかふるいもの」なんて、これしか思いつかなかった。)   (5/29 00:42:26)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯当たり前だ。そんな事、前から決めてたじゃないか。」((頬に触れた手にレフィーネの手が重ねられると、アッシュは僅かに浮かんだ口元の笑みを深くして懐かしむ様に瞳を細めて俯いた。これまでを思い返していた。アッシュとして出会った広場から今までのこと全て。一瞬の回想を経て再び顔を上げると、また言葉を紡いでいく。)「⋯⋯奈落へ。⋯何処へでも行くよ、一緒ならどこへだって。⋯投獄だろうが何だろうがさせるもんか、ずっと俺が、何があってもリル達を守る。」((最後に思い返したのは黄昏の砂浜と夜闇の舞踏会。そこで交わした二つの言葉。思い返せばとっくの昔に自分の気持ちは固めていた。ただ変わったことと言えばそれはただ一つ。ゆっくりと息を吸って、レフィーネの首に掛けたペンダントをもう片方の手で摘み。笑みを殺して真剣な眼差しに戻ると、顔を近づけた。)「⋯⋯もう約束じゃない、⋯⋯誓う、 汝の傍を離れぬ男となる事を。⋯⋯そして。⋯リル達を守る父となる事を。」((最初で最後、最大の共犯。坂道を登り終えようと力強く吐き出される黒煙は、頭上の月すらも覆い隠そうとしていた。   (5/29 01:23:08)


〆鯖/レフィーネ > (決意に満ちたあなたの力強い声色は、もう涙に濡れてはいなかった。レフィーネは気恥ずかしささえも覚える事なく、しっかりとあなたの眼差しに向き合う。暗闇の中、星明かりに照らされてぼんやりと見える双眸は黒辰砂のように、強い輝きではないものの力強く、透き通るような美しさを放っているように感じた。夜が作り出す影はあなたの眼窩の、鼻の、頰骨の、唇の、顎の、頬の傷の、輪郭の凹凸に沿ってあなたの表情を色濃く写し、昼に見るものとは全く違っていて。息が止まるような、心地を覚えた。産まれてくる子はあなた似ならいいななんて思いながら、大きく一度、こくりと頷く。あなたの手が動くと、一足先に貰っていた『ふるいもの』が、レフィーネの頸を少しだけ引っ張った。続く誓いの言葉には、厳かに目を瞑り。儀式のように黙りこくった後、彼女も旋律に似た独特の節回しで続きを詠唱する。)「……誓います、あなたの明日を照らす灯台となる事を。」(ぱっと俯いていた顔を上げ、潤んだ瞳ではにかんで。)「私たちの天命を、この子に捧げます。」   (5/29 02:10:57)


クノ/アッシュ > (ああ、俺がこの世に生を受けた意味はこの日の、きっと今からの時間の為にあったのだなとさえ思う瞬間だった。止まっていた時計が動き出したかのような、えもいわれぬこの感情は何かと言われれば、愛やら幸せだとか⋯⋯それに近いものだとは思ったけれど、本当に、言葉では言い表せない。産まれて来る子は、リルのような綺麗で強くて優しくて暖かい子なら良いななんて思いながら、誓いの歌を静かに聴いた。最後に見せてくれた、大好きなはにかんだ笑顔を見てしまってアッシュはまた涙を零してしまった。)「うん、⋯⋯うん、ああ。⋯⋯⋯嬉しいっ!⋯リル!⋯⋯リルっ!!!」((シャツの袖で擦っても止まらず、はらはらと零れる雫を不思議に思うアッシュだったが、きっと今まで見せたどんな顔よりも嬉しそうな満面の笑顔を浮かべると、首に手を回して強く抱擁を返し。直ぐに腕を弛めて再び視線を合わせ。)   (5/29 02:39:18)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯ああ、俺達の分の天命も捧げよう⋯そうしたらこの子だけは神様も見ていてくれる。俺達の大事な⋯⋯、⋯⋯急な式だったからさ、リルから贈られるものは無くても⋯俺にとってはこの子が⋯何よりも嬉しい贈り物だ。ありがとう、リル⋯ 。」((汽車は長かった坂道を登りきり、黒煙を再び白く染めながら速度を上げて軽快に下り出す。鳴らされた汽笛の音が、謳っているかのようだった。   (5/29 02:39:22)


〆鯖/レフィーネ > (あなたの心底嬉しそうな声を聴き届けて、潤みを湛えていたペリドットの色をした丸い瞳からまた、玉の緒が切れるかの如く感情の結晶が溢れ出した。星明かりを細かく反射し光る玻璃のようなそれは、睫毛が上下する瞬きと一緒にぱっと弾き出される。後はもう、止めどがなく。ぱたり、ぱたりとあなたの首や肩に散らばり落ちる様は、夜明けを彩る朝露に似ていた。)「……シン、嬉しい、わ、わたしも……。う、…ひ、っく……あぁあ……好き、大好きっ!」(これから罪を犯そうという二人に似つかわしくない、天真爛漫で幸福を宿した表情を互いに見せ合って笑った。この笑顔と、お腹の子と、もう一つあなたには贈り物がある。答えを聴いたのだから、次はわたしの番。レフィーネは手に持っていた紐をあなたの手に握らせて、気恥ずかしそうに囁いた。)「……それは、カーヤの伝統工芸で……。むかしから、お、女の人が、男の人に、贈ってきた、魔除けのアミュレットです。模様と色に、い、意味があって…白は、誠実さを。蔦の緑は、縁を。実の赤は、燃える想いを。」   (6/1 02:40:42)
〆鯖/レフィーネ > (白地の織紐に、途切れる事なくパターンになった草の意匠。盛り上がった糸の部分を指でなぞりながら、古くからの思いを紡ぎ直すように言葉を続けた。)「……こっ、この実は、クランベリーなんです。…鶴(クラン)の姿に似ているから、…夫婦円満の、えっ、縁起をかついで、村では使われていました。…鶴は、一度つがいになると、最後まで添い遂げると、いっ言いますから。…これを、左の足首につけると、あっ、相手がいますって意味になるんです。」(ふう、と息を吐き、レフィーネはまた照れくさそうに微笑んで。表情を見られるのが気恥ずかしいといった様子でひと思いに顔を近づけ、勇敢な所作で唇を重ねに行った。鳥がベリーを啄むような、短く、あどけない接吻。)「……シンシア。……あなたの…およめさんにしてくださいっ…。」(罪深く温かい結婚式は、ひっそりと、秘密の場所で――………二人の行方は、誰もしらない。)〆   (6/1 02:40:50)