この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

未定

(白梅&獅子唐)

クロ:白梅 > ( カタン、と軽い音が、最低限の物しか置いていない部屋で響く。白梅は小さく溜息を吐き、部屋を見渡した。白梅の居るこの空き部屋はそこまで汚くは無いのだが、薄汚い壁も隅っこに溜まっているちょっとしたホコリも、見てしまえば少し憂鬱な気持ちになってしまう。だが、これからする行動を考える方が滅入ってしまう。そんなのではダメだ、と感じた白梅は首を軽く降り、小さな窓から差し込む月明かりを見詰めた。月夜が小さな窓から顔をのぞかせる。目を細め、窓に近寄り月夜を見る__嗚呼、確かこの位の時刻だったか_   (5/20 01:23:00)
クロ:白梅 > 事は数日前。獅子唐の腕が悪化し、切り落とすしかないという話を聞いた事から始まった。以前獅子唐の腕を見た白梅は心配になり、何度か気にかけて居たが、白梅は回復魔術は得意ではない。ただ、自然回復で何処まで行けるのか、というのを見守るだけだった。しかし、その腕が回復するという事は無かった。悪くなる一方だったのだ。 そんなある日、いつも通り見舞いに獅子唐の自室へと足を運び、お茶会と云う物をしていた時の事だった。 あの心地よく心に響く低い声で、頼まれたのだ。『 腕を切り落として欲しい 』と。 まるで夢を見ている様な気分だった。寧ろそうであって欲しかった。しかしそんな甘い世界では無かった。 話の詳細を聞けば聞くほど、焦り、困惑し、迷い…決意した。そう、了承したのだ、腕を切ると云う事を。 そうと決まれば話はトントン拍子で進んだ。切る日、方法、場所…。 何度も何度も自問自答、自問他答した。しかし、結局は切るという方向に進んだのだ。 それが、獅子唐の望みであり、救いだと信じて__。   (5/20 01:23:02)
クロ:白梅 > 薄汚い部屋の真ん中には大きな治療室のベッド。 木製の椅子も少し汚れてはいるが幾つか重ねられて置いてある。 布もある。水も出る。必要最低限の物は、ある。 _今宵は腕切り日。妾が闇も切り落としてみようではないか_なんて、意気込みをぽつり、と心の中に零した。)   (5/20 01:23:11)


山葵:獅子唐 > ……失礼します(そう、いつもと変わらぬ低い声とともに、部屋の重い扉がきぃ、と開く。少しホコリっぽいその空き部屋に一人、窓の外から覗く月を見上げる白梅を見つけ、ゆっくりと近付く。かつん、と渇いた革靴の音を鳴らせば、遮るものが何もない部屋には良く響くだろう。)……こんな、一兵卒の願いを聞いていただき、ありがとうございます。…元帥の手を汚してしまうことを、お許し下さい。(そう、胸に当てた右手は…既に指の先の感覚も無いのか折り曲げられる事も無かった。完全に腕だけを動かしている状態だった。)……もう、猶予も御座いません。…貴女になら、託しても大丈夫だと。…恐れ多くも、そう感じてしまいました。(くるくる、と片手で器用に軍服の袖を捲る。既に悪化し壊死した部分が、腕の関節間近まで迫っていた。見れば見るほどに痛々しいそれは、いっそ切り落としてしまった方が楽だと思えるくらいの酷い物であった。)   (5/20 01:32:14)


クロ:白梅 > おお、来たか。( 失礼します、と声を掛けれ、窓から視線を外し声の主へと向ける。いつもの低い声が白梅の身体と部屋を包み込む。近寄ってきた獅子唐の姿は、何処と無く暗く見えた。だからこそ、白梅はわざと明るい声色で応えたのだ。 勿論、腕を切るのは正直恐ろしくも思える。しかし、今白梅が暗くしてどうするのだろうか。 やると決めたのなら、思いっきり心の臓まで切る勢いでやってやろうではないか、と考えた結果が、それであった。)   (5/20 16:26:58)
クロ:白梅 > いや、構わぬ。兵の願いを受けるのも妾の務め故、そう気にするでない。( けらけら、と笑い声を出しながら改まっている獅子唐の右肩をぽん、と軽く叩く。無論、これもまた先程ど同じ意味である。 何せ白梅自身、正直な話"仲間"に向かっての氷の荒治療(?)をした事が殆ど…というよりも1度もないのだ。火傷をした友達の為に氷を出す、程度ならあるのだが、自分で切り、止血すると云う荒治療は今回が初めてだ。_まぁ、最初で最後だと良いのだがな_目を少し伏せ、本の数秒間ネガティブ思考に浸る。しかし、獅子唐の黒く禍々しい腕を見てしまえば、そんな思考に浸っている暇も無いのだと実感をした 。)   (5/20 16:27:00)
クロ:白梅 > まぁ、獅子唐。御主は生にツタの如くしがみつく事だけを考えていると良い。( ふん、と軽く鼻を鳴らし上から目線で言いつつ、治療室のベッドを人差し指で軽く差す。その後、軍帽と上着を脱ぎ、椅子の上に置き、髪の毛を縛り直した。そして目を閉じ、「 あ - 」と軽く、小さな声を出す。_いける、なんたって妾は尊華帝國軍、元帥である。何より、幼い頃から氷と触れ合ってきたでは無いか_と、自身を勇気付けた後、獅子唐の方を向き「 妾の準備は万端である。」と、いつもの凛とした声色と表情をした )   (5/20 16:27:09)


山葵:獅子唐 > ……分かりました。(彼女の明るい声色。それが救いにも思える。笑い声と共に肩に手を置き、「気にするな」と言ってくれた彼女に此方もゆっくりと頷くと、軍服に手を掛けす、と脱ぐ。薄いシャツ一枚になれば、此方も覚悟を決めたように白梅を見つめ。)……気をしっかりと保つ事だけに専念します。……一思いに、切り落として下さい。(上から目線の彼女にふっ、と笑み溢して見せる。彼なりの強がりだろう。…そうして指定されたベッドに仰向けに寝そべり、ふぅ、と軽く息を吐いた。もう恐怖はない。   (5/20 16:36:25)


クロ:白梅 > ( 薄いシャツ1枚になった部下…そう、獅子唐の姿を横目に、白梅も覚悟を決めた。「 そうだ、その意気である。いいか、意識をできる限り保て。妾の戦友よ、部下よ…いや、" 妾の獅子唐よ " 」ふ、軽く息を吐きながら上から目線で相手を見下ろしつつ、先の言葉を述べる。   (5/28 23:51:16)
クロ:白梅 > _嗚呼、嗚呼、なんという事だろう。まさか、まさか罰でもないと言うのに可愛らしい妾の部下の腕を切り落とすだなんて、何と世界は非情であるか、月夜は妾達を天から見下しているだけなのか、ならばこの世はオダマキの華か、紫陽花の世か。しかしこれが運命だと云うのであれば妾は従おう、運命ならば、彼の腕を切り落とした後は良い未来が見えると決まっているも同然である!妾を見縊るでないぞ、今すぐにその忌々しい腕を切り落としてやるからな__なんて、表情を崩さずに目を閉じつつ心の中で吐き捨てるが、これは心に残る煩悩を捨てる為の物である…つまり、集中する為に心の中でこの様な言葉を吐き捨てたのだ。   (5/28 23:51:19)
クロ:白梅 > _息を吸う。息を吐き出す。大きく、大きく。 そして、手を叩き、時間を止める。 気を纏え。解放せよ_ 目を閉じたままの白梅が深呼吸を終えた途端、両手を思いっ切り叩きつけた。 部屋にパァンッと、軽い音が響く。一瞬、時が止まったのではないか、そう思える程の緊張感。ふわりふわりと、いつもの様に宙を舞う髪すらも、静かになる… )   (5/28 23:51:31)
クロ:白梅 > 目覚めよ。世界の理、生命の華。 静なる流れが龍と成す。 月の癒し、陽の照らし。 地に埋められし氷花の根。 廻るは輪廻、薊の預言。 差異に産まれし忌み子の絆。 繋ぎ止めるは茜糸。 鮮血交わり一蓮托生。 氷柱氷花 之 断切 之 御手。 ( 淡々と述べていく詠唱が、終わるにつれて辺りが白く氷柱…つまり霜柱で溢れかえる。獅子唐の腕の周りに行くに連れ、少しずつ霜柱が高く、高くなる。詠唱を終え、目を開き右手を思いっきり高く揚げ「 咲き誇れ!! 」と叫べば、バキ、と何か壊れるような音と共に地面から大きなギロチンの時に使用される程の薄く、されど鋭い氷の刃が産まれ出る。 刃は軽々と点を目指す為に布団を貫き、腕をも軽く貫いた。 ぶしゅ、と肉を切断する音が、白梅の耳に鮮明に聞こえる。一瞬の出来事とはいえ、固定されてない腕を貫いたのだ、多少何処かに引っかかってしまったかもしれない。 彼女は彼の肉の切れる音色の次に、叫び声を聞かねばならぬかもしれない )   (5/28 23:51:41)


山葵@獅子唐 > あ”……がッ!?あぐぁッ、ッッ!!!!?!?!??(自身の腕を支点に展開される、美しい氷の魔術。氷刃が振り落とされ、ぶぢっ、と言う生々しい音と共に己の腕は切り落とされた。一瞬の猶予の後、焼けるような鋭い痛みが腕を貫く。その傷口から溢れる血は、魔術の瘴気に当てられドス黒く変色してしまっていた。)あ”ッ……ぎ、う”ぁ”ァ”ッ……!!!(獣のような低い唸り声を上げながら、正気を保とうと目を見開き歯を食いしばる。血走った眼は、虚げになりながらもしっかりと白梅を見据えていた。)   (5/29 00:17:43)


クロ:白梅 > ( は - ッ、は - ッと、荒い息遣いをする。叫び声が、白梅の身体を、心を、脳を溶かしていく。苦しそうな、痛々しい叫び声、断末魔。目じりと眉を下げ、悲しげな表情で、此方を見ている獅子唐の顔を見詰める。 こうも落ち着いて居られるのは、この魔術は戦闘用ではあるが、氷で千切った後、氷柱がその切り落とした部分に覆い被さるようにして氷の膜で包み込み、痛みと氷の冷えで殺めていく…というものだが、白梅はコレを利用して止血の役目もしようとしていたのだ。 勿論、詠唱も魔術も全て上手くいった。だから安心したのだ。 …安心してしまったのだ。)   (5/29 01:01:16)
クロ:白梅 > な、…ッ!?!?( 鮮血…いや、黒色の液体が噴水の様にビシャビシャと吹き出る。肉と骨が見えそうだが、どす黒い血のせいで何も見えない。しかし問題はそこでは無い。 氷の膜が、張られるはずの腕ではなく切り落とされた方の腕に向かって覆い被さるように崩れ落ちてしまったのだ。_何事か、どういう事だ、本来の使い方にならないように少し規制を掛けたせいなのか、_ぶわっと冷や汗が出る。ヒュッと、息を吸い込む。顔を真っ青にし、慌てて両手を獅子唐と両腕の方へと向ける。獅子唐後で、頬が、髪が黒く染っていく。) わ、妾の声に応えよ、長る、る生命、黒血の泉、浮氷、薄氷、纏いし大気の帯と弦、…( 途切れ途切れになりつつも、氷で止血する為の詠唱を唱え始める。しかし、声も手も、震えが止まらない。_獅子唐、獅子唐、嗚呼、何故上手く行かなかったのだこれでは、これでは、妾は、我が子に…?なんと言う失態、失敗、…_いつもの様に花に例える暇など無い。叫び声を聞いているせいで焦りが極まったのか、少しずつ悲痛な叫び声となりつつも、詠唱を続ける。   (5/29 01:01:34)
クロ:白梅 > 「 止めよ、輪を崩し、生命保ち四神の願い、!! 嗚呼、どうか、どうか、この流れるモノを止めてくれぬか、」 _願いが叶ったのか、少しずつ大気中を舞う水分が獅子唐の腕へと集まり、少しずつ、少しずつ凍っていき止血を始める。しかし、白梅の顔は氷のように蒼白だった。 )   (5/29 01:01:42)