この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

二人だけの秘密

(ヴァンジャンス&婀娜)

大和守/ヴァンジャンス > 「…………」(固質で冷たい音が、静寂が包む廊下に響いては消える。ウェンディア聖騎士団本部、其処を一人の女性ーーこの聖騎士団の騎士団長である彼女、ヴァンジャンスは一人歩いており、現在の時間を目に見える形で表している月光が差し込む窓の前で、不意に彼女は立ち止まり、色鮮やかに輝く丸い月を見上げる。それは何時にも増して美しく輝いている様にも見え、ヴァンジャンスは思わずため息を一つ。あの月の様に、或いは朝を照らす太陽のように。自分も誰かを支えてみたい。誰かを助け、そして支えるような存在になってみたい。不意に沸き上がったその思いに一瞬、彼女は無意識にその表情を羨望に変えようとするも、それに気付けば平静を保とうとする。何時からだろうか。こんなにも強い思いを抱いたのは。どうにも、氷を溶かされてから自分自身の強い思いが出てくるようになったような。その変化は良いことなのか悪いことなのか、彼女には判断が付かない。また悩みが出来てしまったと、彼女はまた一つため息を溢せば、微かに羨望の色が混じる瞳を再び月へ向け、それを見つめていたのだった。)   (5/18 23:44:03)


山葵@婀娜 > …考え事かい、団長(乱立する石の柱の影、其処からするりと現れるは夜空よりも暗い烏の濡羽色のドレスを纏った男で。つい最近密偵に行ったばかりだからなのか、まだ染まりかけの金髪には黒が混じっている。)…そんなに黄昏てるって事は…やっぱり考え事だね。(何かへの渇望の色が見え隠れする彼女の瞳にふ、と口紅を塗った口角が上がる。月明かりが乱反射し虹色を生み出す白銀の髪色が彼女の儚げな雰囲気を更に演出しているようにも感じられた。)……良かったら飲むかい?…キミと同じ…24年物の白ワインだ。(直ぐ近くのバルコニーへと彼女を案内し、そこに置かれた白ワインをグラスに注ぐ。白く弾けるワインは、ヴァンジャンスの白銀と黄金の髪色を混ぜ合わせたような鮮やかな金色だった。   (5/18 23:57:26)


大和守/ヴァンジャンス > 「……ッ、……何だ、貴様か」(貴方の気配に気付いていなかったのだろう。声を掛けられれば微かに肩を揺らし、そして勢いよく振り向いて。其処に貴方の姿が目に入れば安堵したように息を吐き、そして簡単に見抜かれてしまった事に、「貴様には敵わんな」と肩を竦め苦笑しつつそう溢して。)「……綺麗な色だな」(バルコニーへと案内され、グラスに注がれた白ワインの色を見てはそう溢し。その鮮やかな金色は彼女が羨望するあの月と同じもの。思わず先程の思いが再沸しそうになれば、それを掻き消そうとするかのようにグラスを手に取り、ワインを口にして。ワイン等の嗜好品はあまり口にした事が無い。何が良くて何が悪いのかの判別は彼女には分からないが、少なくともこのワインは美味しいと、そう感じた。呑む経験が浅い故完全に個人の感想ではあるが。)   (5/19 00:13:02)


山葵@婀娜 > なんて言ったって密偵だからね、表情を読むのには慣れているのさ。(苦笑を浮かべる彼女にそう微笑み掛ける。その表情はヴァンジャンスとは相反していた。)…あの月と同じ金色をしている。…と思ったね。…綺麗な色だよ、本当に(最後の言葉はワインではなく、ヴァンジャンスを見て呟かれた言葉のようにも聞こえた。…少し急ぐようにワインを手に取り口にする彼女に少し眉を下げれば)……まるで、何かに焦ってるみたい。…肩の力、抜きなよ。…夜は何人にも塗り替える事ができない星空がある。全てを受け入れる星空だ。…そんな中で何かに焦ってたら、楽しめるものも楽しめなくなってしまう。(そう言い此方もワイングラスに指を絡め、くい、と一口含む。舌の上で転がす冷たいワインは、シュワシュワと溶けていった。)   (5/19 00:33:36)


大和守/ヴァンジャンス > 「……ふ、流石だな」(微笑む貴方を見ては、それに釣られたようにヴァンジャンスも薄く笑みを浮かべていて。何時の間にやらころころと表情が変わるようになった彼女。友人を失ったことで蓋をしたのが、貴方や氷を溶かした彼のお陰で再び開こうとしているのだろう。)「……そう、だな。……肩の力を抜く、か……」(貴方のその言葉を聞いては、ヴァンジャンスは何処か困ったような表情を浮かべて。どうにも、肩の力を抜くというような事が出来ない。やり方が分からないのだ。幼少の頃より、彼女は親の過度な教育が側にあった。だからだろうか。それのやり方すらも彼女には分からないのだ。再び一口ワインを流し込めばグラスを起き、そして礼儀が悪いと理解していながらも肘をつき、貴方をやや上目遣いになりながらも見つめて。どうしたら良いのか、と問うように。)   (5/19 00:53:15)


山葵@婀娜 > …ふふ。(人間とは、こうも短期間で変われるものなのか。一番初めの就任式。あれから彼女の印象は随分と変化した。勿論、当時の厳しい彼女のままだと思っている騎士だっているが、少なくとも己は彼女の雰囲気がかなり柔らかくなった、そう感じている。…それ故の、笑みだった。)……そう。…ん?どうしたのかな?(肘をつき、困ったように上目遣いで此方を見つめる彼女に、此方も首を傾げる。どうしたのだろうか?……少し考え、答えに辿り着く。力の抜き方が分からないようだ。彼女の事情は分からない。が、きっと沢山苦労してきたのだろう。それ故に分からないのだ。息抜きの仕方が。)……分かった、……おいで?(がた、と突然席を離れると、いきなり腕を広げヴァンジャンスを見つめる、…どうやら、ハグを求めているようだ。…これで、少しでも彼女が楽になれれば良いのだが。)   (5/19 01:09:38)


大和守/ヴァンジャンス > 「……ぇ、あ、あぁ」(どうやらあれで伝わったらしい。流石密偵だと驚嘆し、だが貴方が席を立ち、腕を広げた意図を少しばかり遅れて理解しては、やや動揺しつつも頷いて。)「……ん」(席を立ち、まだ動揺が抜けきれていないのか恐る恐るといった様子で貴方を抱き締める。だが、貴方を抱き締める力は弱く、慣れていない様子だった。しかし、普段滅多に感じる事のない温もりに、ヴァンジャンスは微かに落ち着いたかのような、安心したかのような笑みを浮かべて。少しばかり抱き締める力を強くする。それはまるですがるかのようなもので、それでいて幼い子供のようだった。)   (5/19 01:21:38)


山葵@婀娜 > ……ん。(慣れない様子で、ぎこちなく抱き締める細い腕。対して此方はぎゅ、と背や腰に腕を回して少し強めに抱き締める。…暫くして、彼方からも抱き締める力が強まった時、ヴァンジャンスが安心したような笑みを浮かべているのに気付く。)…息抜き、できた?(幼い子供のような彼女に問い掛けると、そのまま背中をぽんぽん、と優しく撫でてみた。)   (5/19 08:51:04)


大和守/ヴァンジャンス > 「……あぁ。…………お前は、暖かいな」(貴方の問いに小さく頷く。貴方のその温もりによって、今まで入っていた力が溶け、少しばかり彼女の行動が幼くなっているような気がする。彼女は背伸びしていた子供"そのもの"なのだろう。貴方の温もりに小さく頬擦りを。その温もりをもっと感じていたいというように、貴方を抱き締める力を微かに強くし、ぽつりとそう溢して。前述の通り、彼女はまるで子供の様なのだ。背伸びはしていても、ただの子供のようなものなのだ。今の彼女は背伸びを止めているのだ。故に普段ならば確実にしないような事さえ無意識にしてしまうのだ。今だけは、少しだけでも誰かに甘えていたいのだろう。)   (5/19 20:27:56)


山葵@婀娜 > ……ふふ、団長も暖かいじゃないか。(心が溶かされ、幾分も幼く見えるヴァンジャンス。彼女はもう十分に暖かかった。子供のようにすりすりと頬擦りをする様も愛らしい。守ってあげたくなってしまう愛らしさが芽生え、もっと彼女の側に居たいとも考えて。…本当に心が溶かされたのは、こちら側だったのかもしれない。)…時折、こうやってリラックスしないとね。(そう微笑み、彼女の手を取る。ゆっくりとその手にキスを落とすと、その真っ赤な口紅が少し付着して。)   (5/19 20:38:04)


大和守/ヴァンジャンス > 「……私が暖かい……?」(貴方のその言葉に、ヴァンジャンスは子供の様に小さく首を傾げて。彼女の行動通り、貴方の言葉が理解できなかったのだろう。暖かいなどと、言われた事はない。むしろ冷たいと言われた事の方が彼女にとっては多いだろう。それだからこそ、同じく冷たい氷の魔術が得意になったのか。故に、貴方の言葉はヴァンジャンスにとって上手く理解出来なかったのだった。)   (5/19 20:55:55)
大和守/ヴァンジャンス > 「……あぁ、そうだな……っ、ちょ、お前……ッ!?」(微笑む貴方の言葉に小さく頷き、そう口にして──貴方が手に口付けを落とせば、分かりやすく動揺する。そもそも、彼女は誰かに触れられるのは苦手としている。だからこそ、手とはいえ口付けをされるという経験は無に等しいのかもしれない。氷を溶かされようと触れられる事をあまり好んでいないというのに、貴方に触れられるのはさしたる抵抗も覚えないのだ。……慣れていない口付けを落とされ、動揺が今だ収まっていない今のヴァンジャンスの顔を見てみると良い。きっと面白い事になっているだろう。何せ、普段から表情を変えない彼女だ。そんは彼女が今、貴方に顔が見られないように片手で口元を隠している。分かりやすく言えば、赤面しているのだった。)   (5/19 20:55:57)


山葵@婀娜 > そうだよ、暖かい。…今のキミは、とても暖かいんだ。(ふふ、と微笑み首を傾げる彼女に意味ありげにそう答える。そうだ、誰の目から見ても、今のヴァンジャンスはいつもよりも随分と暖かく接しやすい印象を持っているだろう。それに、心をある程度溶かされた彼女は、やっと人らしさを…もとい暖かさを取り戻したのだ。)…あは、真っ赤だよ、ヴァンジャンスさん。(団長、ではなく彼女の字でそう呼び掛ける。真っ赤になった彼女はまるで熟れた林檎みたいで可愛らしい。真っ白い肌が耳まで染まり、何よりいつも表情一つ変えない彼女の崩れた表情を幾つも見る事が出来た。きっと今夜は酒が旨いだろう。)…ボクで良ければ、貴女の側に居させてくれないだろうか。(その言葉を呟けば、彼女を真っ直ぐな瞳で見つめる。初めて彼女と出会った時の、疑いの含まれた真っ黒な瞳とは違う。貫くような熱く鋭い視線が、彼女をじっと見つめていた。)   (5/19 21:08:40)


大和守/ヴァンジャンス > 「う、うるさい、見るなっ」(赤くなっていると言うことが容易に理解できる程の熱さ。それを指摘されれば、普段浮かべないような表情を見られてしまった事への羞恥に更に頬を赤く染めていて。顔が熱い。今の姿を見られてしまうとは、彼女にとってかなりの羞恥だろう。しかも、字で呼ばれた瞬間ーーその事に、微かに胸が高鳴ったのを感じる。ヴァンジャンスは感情に少しばかり疎い所があるが、しかしこれは何となく察しがつく。友人であった彼にもこんな感情は抱いた事が無い。つまりそれは初めての感情なのだ。その感情に動揺しつつ、少しばかり頬の赤みは収まってきたのか顔から手を離せば、微かに赤みは残っているが貴方に向き直って。)   (5/19 21:54:48)
大和守/ヴァンジャンス > 「…………ーーはい」(貴方のその言葉。貴方の真っ直ぐなその瞳。まるで貫くかのような、熱い意思の籠ったその瞳を向けられ、ヴァンジャンスは思わずそう答えていた。そんなにも想われていると分かる瞳を向けられて、どうして否と言えようか。ーー此方も貴方を想っているのだから。まさか貴方も同じ思いを持っているとは思わなかった。自分にそんなにも思われる価値などない。ましてや、自分にそんな思いを持ってくれる訳が無いだろうと。ーーだから、この思いには蓋をしておこうと思っていたのに。自覚したその思いが、こんなにも早く報われるとは。貴方と同じ。貴方と同じ思い。そう思うだけで、貴方への想いが溢れる。溢れて止まらないその想いが溢れ、それは涙となって右目から溢れ落ちる。それは悲しさからではない。ーー溢れ零れる、喜びによるものだ。)   (5/19 22:15:55)


山葵:婀娜 > ……良かった。……ボクが貴女の、星になる。もし貴女が道を踏み外したって、また救いましょう。…何度だって。(右目から零れ落ちる涙を、そっと拭う。確かに容姿は中性的だが、その手は骨張っていて力強い印象が与えられた。)……ん、あは。…改めて言うと、何だか恥ずかしいね…(そう呟くと、少し顔を背ける。どうやら照れているらしく、暫く目を泳がせ……そして、はにかんだ笑みを向けるのだった。)   (5/19 22:32:13)


大和守/ヴァンジャンス > 「……あぁ」(涙を拭う、貴方の骨張った男らしい手。それすらも愛しく感じ、思わずヴァンジャンスは柔らかな笑みを浮かべて。こんな思いを誰かに抱くとは思っていなかった。自分がそんな思いを抱いたなど、今でも信じられない。照れている様子の貴方を見てはそれを可愛らしいと感じ、ふと何かを思い付いたのか貴方の耳元に口を寄せ、囁く。ヴァンジャンスのそれは真名だ。貴方ならば教えても良いと思った。貴方ならばと、信用しているからこそそれを口にする。顔を離したヴァンジャンスのーージェンティーレの表情には、酷く穏やかな笑みが浮かんでいたのだった。)「ジェンティーレ。……私の真名だ」   (5/19 22:48:15)


山葵:婀娜 > ……!(自分が抱く考えに少し信じられない、と言った様子を見せるヴァンジャンス。そして柔らかな笑みを浮かべる彼女に此方も嬉しくなってくる。…耳元で、何かを口にする。一瞬、何か分からなかったその単語は、直ぐに彼女の真名だと分かった。)……ジェンティーレ。…綺麗な名前だね。……ボクは…シェーネフラウ=K・アインホルン。…長いよね。(此方も返すのが礼儀だろう。…それに、彼女と同じように気を許していたから。久しぶりに口に出すと長い真名に感じ、少し困ったように眉を下げた。)   (5/19 22:57:46)


大和守/ヴァンジャンス > 「……良い名前だな……シェーネ、と呼んでも良いか……?」(真名を名乗り返してくれた貴方に、そして真名を綺麗だとの言葉を聞いてはジェンティーレは嬉しそうな笑みを浮かべる。困ったように眉を下げる貴方を見ては、笑みを浮かべながら良い真名だとそう口にして。愛称で呼んでも良いかと提案しては、大丈夫だろうかと微かに心配そうな表情を作りながら、貴方の返答を待っていて。)   (5/19 23:07:59)


山葵:婀娜 > ありがとう。…うん、勿論だよ。…その代わり、ボクもジェーン、って呼んで良いかな?(愛称で呼んでも良いか、そんな彼女の言葉に嬉しそうに笑顔を浮かべるとこくり、と頷く。そして此方も愛称で呼んで良いか、そう尋ねれば、微かに心配そうな表情を浮かべるジェンティーレの頭をよしよしと優しく撫でて)…でも、表ではまた団長、って呼ばさせてもらうね。…何だか特別感があって良いね、ボクら二人だけの秘密、みたいな?(そうやってはにかんだ笑顔を浮かべるシェーネは、何処となく照れ臭そうに頬を染めていた。)   (5/19 23:26:07)


大和守/ヴァンジャンス > 「……嗚呼、勿論だ」(柔らかな笑みを浮かべ、貴方の問いに快く了承して。頭を撫でられれば瞳を閉じ、まるで猫のようにそれを喜んでいて。)「…………ッ、何故そんなにもこっ恥ずかしい事を堂々と言えるのだ……!!」(二人だけの秘密。そんな貴方の言葉を聞いては、その響きに何故か頬を染め、貴方をぽかぽかと叩いてみて。だがそれには力が籠っておらず、それはただの照れ隠しなのだろう。誰かと共有する秘密も何もかも、ジェンティーレにとっては初めての事なのだから。)   (5/19 23:38:49)


山葵:婀娜 > …ふふふ(猫のように擦り寄り喜ぶジェンティーレがあまりにも愛らしく、思わず笑みが溢れてしまう。彼女の髪の毛はさらりとしていて絹のように触り心地が良く、幾らでも触っていたくなる。)…?…あはは、そんなにキザなセリフだったかな?(力無く繰り出される打撃はあまりに弱々しく、全く痛くない。照れ隠しからなのだと気付けば、笑ったままで彼女の照れ隠しに付き合うように打撃を受け止めて   (5/19 23:46:28)


大和守/ヴァンジャンス > 「むう…………」(それが照れ隠しだと気付かれてしまったのか、笑ったままそれを受け止められれば頬を膨らませて。何とか仕返しをしてやりたいと思考を巡らせるも、良いものが思い付きそうにない……。)「……好きだぞ、シェーネ」(どうしようかと思考を巡らせ、そして果てに何かを思い付いたのはそれらしく、再び貴方の耳元に口を寄せては、言葉を紡いで。そして、貴方が何かを言う前に唇でそれを塞いでしまう。相当恥ずかしいのだろう。羞恥により頬が再び赤く染まっていて。どうだ、と言うように悪戯っぽく笑みを浮かべて、だがすぐにそれは柔らかな笑みへと変わって。溢れて止まらない『好き』と『愛』を表すように。月明かりが微かに照らす中、再びジェンティーレは言葉を紡いだのだった。)「……愛している」____〆   (5/20 00:09:27)