この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

食事の誘い

(梟&糸依)

ミカ@梟 > 「(太陽が天頂を通過した頃、ふと、梟は目を覚ます。まだ開ききっていない目をぎこちなく窓へ向ければ、随分と長い事寝ていた事に気がついた。固まった身体を解しながら、ゆっくりと身体を起こし、部屋の湿った空気を丁寧に吸い込んでいく。体全体が心地よく痺れ、意識と身体がまだうまく繋がっていない。意識は起きているはずなのに、全身の細胞が睡眠を求めて反抗しているようだ。そんな、力の入らない指先で、残り少なくなってしまった机の上の煙草を手に取った。とん、とん、と箱ごと膝にそれを打ち付け、傷だらけの指先で繊細にゆっくりと1本を取り出した。乾いた唇で緩く挟むと、マッチを用いて火をつける。紫煙が一筋の糸のように流れ、霧散し、窓から差し込む陽射しの中できらきらと粒のように輝いていく。」   (5/11 13:53:38)
ミカ@梟 > 「(煙が肺の中を支配し、身体の目覚めに至ったのか、梟は徐に部屋の扉を開け放ち、カツカツ、と靴音を建てて外へ出る。そこは兵舎の中庭、さらさらと流れる風が煙草の煙をかき消し、暖かい気温は季節の変わり目を知らせている。一歩その庭へ踏み込めば、今は塞がりつつある腹傷が、ズキズキと傷んでより一層、梟の意識を鮮明なものへと引っ張りあげた。痛みによって額に皺を寄せ、どさ、と庭の中心に腰を下ろす彼。本調子に戻れるのは、もうしばらく先になりそうだ。そう、鬱を混ぜたため息を漏らせば、雲一つない晴天を見上げるのだった。)」   (5/11 13:53:40)


ぽぺ/糸依 > 「…………はー、クソが」(開口一番の何も包まぬ稚拙な暴言、送る相手は硝子の扉。茶の長髪に碧の瞳と見るからに尊華の人間であろうその女性が放ったとは思えぬ施、罵倒にはなんの捻りもなかった。踵を返さず後にしたのは行きつけの書店。その入り口には“臨時休業”の四文字が書かれた紙が忌々しく貼り付けられていた。つかつかと徐にブーツの底へと怒りをぶつけながら、手にした麻の鞄の中にがま口財布を乱暴に入れる。ジャリ、と小銭が財布の中で音を立て、妙に腹立たしい。部屋の整理をしていたら、前に隠し場所を忘れた臍繰りが突如出てきたのが昼前のこと。揚々と書店に向かったのはいいものの、あろうことか天運は味方してくれなかったようだ。買いたいものがあったのに、と眉間に皺を寄せながら兵舎への帰り道をゆく。)   (5/11 14:24:44)
ぽぺ/糸依 > 「全く、なんで、今日に、限って!」(すれ違う人を視線で殺める勢いで睨みつつ、愛しい私のコレクションが待つ兵舎の個室へと急ぐ……のを止めて。中庭から空へ立ち昇る一筋の揺らぐ糸。足を踏み入れればそこには……あまり、会いたくない人が居た。私が救えなかった人。怒りに沸騰ていた心はすぅっと腹の奥から冷めていく。命を蝕む水からも、裁きの雷からも、何も手助けできなかったのが、酷く心残りだった。何か謝礼をしないといけない、手持ちは十分にある。)「…………もし」(驚かせぬように、と貴方の左から声をかけて……そこで静止。正しくはフリーズ。この後何をどうやって話せばいいんだっけ。腰を下ろした貴方を見下ろす形で、冷や汗が一筋。名前は知っているとはいえまだ他人、趣味も何も、共通の話題など思い付かないし作れない。ぐるぐると堂々巡りを繰り返す頭の中で、悲観的な部分だけはやけに明瞭で。こいつも何吸うのか、見るからに身体に悪そうなのによく摂取できるなきしょく悪。とか余計なことばかり考えてしまう。話しかけたことを後悔しようにももう遅くて、嗚呼、とことんついてない。)>ミカさん。   (5/11 14:24:46)


ミカ@梟 > 「(短くなったシケモクを、捩じ切るように地面へと押し付ける。息絶えた火種は残り香を風に乗せて消えていき、梟の鼻腔の中には濃い煙の余韻が残っていた。物静かで、心地の良い天気。それだけで、梟が記憶の中に意識を沈み込ませるのは、少しの時間もかからない。命の水、守山防衛。身体を酷使し、寿命を縮めるには十分過ぎる出来事だ。だが、こうも死の淵に立たされようと生き延びてしまった自分に、嫌気がさしては暗澹となりまさっていた。いつになったら仲間に──、だんだんと気持ちに翳りが見え始め、憂愁に陥り浸る寸前、ふと、聞き覚えのあるか細い声が聞こえた。)あんたは、確か……(既に記憶の中に浸っていた最中。振り返った先に居た女性の顔をすぐに思い出すことが出来た。だが、どうした事か。整った顔立ちに浮かぶのは憂いの色、どこか情けない目付きをした彼女はどこか申し訳なさそうだ。)」   (5/11 15:22:39)
ミカ@梟 > 「……なんだ、その顔。辛気くせぇ、同情誘うようなツラしやがって。──何か用かよ。(彼の発音には、幾分か棘がある様にも感じる。少し強めで、吐き捨てるような、不貞腐れてしまった少年のようだ。彼女から目線を外し、正面へ。まるで食事を邪魔された猫のように、不機嫌そうに懐へ手を突っ込めばひとつ、煙草を口へと咥えた。こんな態度をとって、彼女は気を悪くするだろうが。だが、彼も彼女に対して怒っている訳では無い。なんというか──、どうにも情けなくて仕方がないのだ。)」   (5/11 15:22:41)


ぽぺ/糸依 > 「あ……え、っと…………」(ぐっ、と心を鈍く、そして重く刺したのは申し訳なさと遠慮。ほら、こういうこと言われるからどう話したらいいかわからないんだよ。高々と空から大地を照らすのはウェンディアの神、なんだよ、敵国の一介の兵がこんな様なのがそんなに愉快か、悪趣味な。日光を遮るもののない庭、高い襟で締まったブラウスのせいで首元がやけに熱い。言葉を失った喉がショートを起こしたようにも思える。……気が滅入る程に澄み渡った空が今は憎くてうざったい。……何か用かよ、と言われたところで。謝罪の案は驚く程何も浮かばなかった。素晴らしい程に何もかすらない私達だが、ここでそのつっけんどんな態度に便乗して、「何もないですよーだ、バイバイ!」なんてのは納得できない。この猫だか梟だかわからんコイツに、何がなんでもお返しをしてやる。そう意気込めば、ふぅっと息を一つ。……今は昼時、思い返すはここ最近の他人との会話。)   (5/11 15:50:50)
ぽぺ/糸依 > 「……既に昼食は聞こし召されたのかと伺いたく。まだなのであれば、持ち合わせがありますので畏まりの代わりに食事へお誘いしようかと」(麻鞄から取り出したのは、固く高い音をさせながら登場した財布。現元帥に私がそうされたように、しかしどこか冷たくあしらう他人行儀な口調で要件を述べる。彼が不貞腐れた子供ならば、此方は意地を張った子供といったところ。國に仕える兵がこんなにも幼稚で良いものなのだろうか……彼も、私も。)>ミカさん。   (5/11 15:50:52)