この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

氷と炎

(ヴァンジャンス&オウガ)

大和守/ヴァンジャンス > 「────我が心は我が主の元に在り。其に背く事永久に有らん事を此処に誓いし──其の御心のままに、其の御心が示すままに──永久に凍てつけ、太陽の名の下に」(────ぽつり、感情の乗らない声が魔法を発動させる為の呪文を紡ぐ。彼女の得意なものである氷の魔術、それを発動させれば凍える程の冷気を刀身に纏わせ、訓練用の人形に向けてそれを振るう。目に見えぬ程の速さでそれは振り落とされ、刀身が人形に触れた瞬間にその冷気を更に冷却させれば、その人形もろとも凍り付く。刀身は魔術を発動させた故か美しく氷に覆われており、それで不便になるのかと思いきや、ヴァンジャンスにとってはこの状態が一番やり易いのだとか。得意の剣術と得意の氷魔法。得意のものを合わせたから更に良いものになるとは限らないと言われていたりするが、これに関しては例外のようで。鋭く息を吐き、剣を鞘に納めれば金髪混じりの白髪を揺らして一旦休憩するかと思考する。騎士達が集まり己の技術を高め合う、熱気の籠る訓練所。ヴァンジャンスは長時間居た筈なのだが汗一つも浮かんでおらず、涼しい顔を──否、その顔に何も浮かべず、無表情のまま休憩用の椅子へと腰掛けて。)   (5/9 18:47:42)


しぃずま@オウガ > 「(今期の団長は、なかなかの強さを持っている。オウガがそれを見て最初に出たのは、そんな上から目線な感想だった。それは、彼がさらに大きな動きで汗を垂らさないことができるからだ。やはり、地力では千騎長を超えることはない、ということなのだろう。だが動きこそ驚きはしないものの、魔術の力には目を見張るものがあった。上等だ、と彼は、勝手にライバル心を燃やした。)1本…集中…(彼は、人前では滅多に出さない愛剣、「炎剣」を取り出した。それだけで、周囲の人はどよめき、その場から離れた。あなたは叙任してすぐだ。彼の動きを見たことがないあなたは、本当にそれほどなのかと疑うだろう。だがそれは一瞬で晴れることになる。)   (5/9 19:24:17)
しぃずま@オウガ > 我の魂は炎にあり、炎なくして魂は生きぬ。鬼の業火剣に宿り、鎧崩れて血肉を燃やす。戦地に咲くは金蓮花。戦地に響くは憤怒の声。戦地に香るは火炎の馨香。千を燃やし尽くす一鬼当千のその炎よ、今この時、我が炎剣(エンケン)へ憑くがよい。太陽の名のもとに。(右手に持ったサーベルの黒い刃に炎が宿り、赤い紋が走る。すると彼は一瞬で構えた…かと思えば、もうすでに人形の目と鼻の先に居た。ふっ、と小さく息を吐く音が、耳元でささやかれるように鮮明に聞こえれば、剣筋も見えないまま人形はバラバラになっていた。)…はぁ、動かねぇ相手は面白くねぇぜ。(それは、歴戦の者が放つに相応しい言葉であった。強さを持つ人間は、ただの人形では満足できない。…そう、彼が人前で真剣を出さず、木剣で戦うのは、こうならないためだ。木剣ならば、動きの練習くらいにはなる。…しかしそれが真剣だとどうだ。一瞬でバラバラにしてしまうではないか。しかしそのインパクトはあなたを驚かせるに足る、と彼は考えていたので、今回珍しく取り出したのだ。)   (5/9 19:24:43)
しぃずま@オウガ > …団長さん。(そしてその驚きの間に、あなたへ近づくことができると考えたからだ。彼はずっと気になっていた。あなたがなぜ、そんなに冷淡な声で呪文を唱えるのか。いや、なぜそんなにも…苦しそうなのか。それを知るために彼は、まずあなたに近づこう、と考えたのだった。あなたを救うために。)私は、貴女の剣たる鬼、千騎長オウガと申します。これからよろしくお願いします。(その声は、冷たい氷のようなあなたの声とは真反対の、暖かい炎のような声だった。その顔は、冷たい氷のようなあなたの無表情とは真反対の、暖かい炎のような笑顔だった。その術は、冷たい氷の魔術とは真反対の、暖かい炎の魔術だった。その炎が氷に近づき、今溶かそうと触れ始めるのだった。)」   (5/9 19:25:07)


大和守/ヴァンジャンス > 「…………ほう……」(一つ、小さく溜め息を溢しては、微かに視線を自身の膝辺りへと落とす。そうして間もなく、辺りから何かを驚くような、感嘆するかのような、いわばどよめく様な気配を感じる。それに次いで一斉に動く音が聞こえ、ヴァンジャンスは微かに顔を上げては今の状況を見る。──そこには、まるで炎と共に踊る──否、炎を制する、まるで鬼のように強い人物が居た。貴方の動きをじっくりと観察し、そしてだからこそヴァンジャンスは微かに表情を変える。──強いと、素直にそう感じる。貴方には期待できそうだと思い、表情には出さないまでも内心貴方に対する期待を高めていっているようで。)「……オウガ、か。…………先程の貴様の剣術、実に見事であった。どうやら貴様には期待できそうだ。……これからも、日々精進しろ」   (5/10 00:16:39)
大和守/ヴァンジャンス > (ふと、此方に近付いてきた貴方を、相も変わらず冷たい──何も感情の感じられない瞳で見つめ返す。自分とは違う、まるで真逆の暖かい──炎のような声。自分とは全く違う人種。貴方と自分は根本から違うものなのだろうと感じ、無意識に眉を潜めてしまうのだが、丁寧な名乗りを聞けばそうかと小さく頷いて。次いで小さく口を開いては、感情の籠らない無感情な声色でそれだけを口にして、ヴァンジャンスは口を閉ざす。それ以上話すことはないと示すかのように口を開かず、そして剣の入った鞘を外せば膝へそれを置き、少しでも休憩する為なのか、黄金の眉毛に彩られた、それと同じく黄金色の瞳をゆっくりと閉ざして。)   (5/10 00:16:47)


ずまし@オウガ > 「(やはり、触れども簡単に溶けるものでもない。見てくれから解るほど、氷の密度が高い。ただ触れるだけでは、表面を溶かすだけで意味がない。包み込まねば、とそう感じた。しかし今は不可能であることはわかっている。それには、薪が足りない。だから今から、少しずつ撒いていくことにした。)…ありがたきお言葉です。(と、一言言うと、あなたの隣へ、踏み込みすぎないよう少し隙間を空けて椅子に座り込んだ。)私は努力してきたんです。そう言われなくても、やりますよ。   (5/10 00:53:34)
ずまし@オウガ > (目を閉じて、精神を統一するあなたの隣で、力強くその決意を示した。この発言といい、強さといい、貴女にとっては、とても頼りがいのある人物とそう考えただろう。しかし、彼は真面目ではあるが、人並みに失敗する。失敗してきた。だからこそ、人の身になって誰かを救おうと言う心を持てたのだ。今の貴女は、昔の彼に似ている。友を無くし、心も共に無くしてしまった彼に。だが、その心を立ち直らせて、今の救う気持ちを持たせた者がいる。弟子である「ゼダス」と、旅人の「ビナ」と…そういえば、名前も知らないのに助けてもらった人がいた。…かの人。まず、かの人には戦友をまた作れるほどに立ち直らせてもらった。次に、ゼダスには…彼は知らないだろうが、人を救おうという気持ちを持たせてもらった。そしてこれも、本人は知らないだろうが、その気持ちを後押ししてもらった。だから今度は自分が、その人たちになりたいと、そう思ったのだ。簡単に話を終わらそうとは思わない。)   (5/10 00:54:19)
ずまし@オウガ > 聞いてくれなくても大丈夫なんですが…(と、言いつつも、話す気は消えない。)まぁ、うざったいうるさいと言われても、私は貴女と話し合えるまで話しかけますから。…私は、貴女と信頼関係を築きたいと思ってます。なぜって、その方が仕事も潤滑にこなせますし、何より…(少しもったいぶる。その先にある言葉が、重要なことだと示すように。)楽しく生活できますからね。(しかし、その先にあったのは予想外の言葉だった。馬鹿げている、ふざけているのか、何を言っている。そんな風に貶されるのが普通だと言えるほどに予想外な。赤鬼は、閉じたあなたの瞳を開かせようとしている。そこが出来なければ、救うなんて到底できっこない。)」   (5/10 00:54:40)


大和守/ヴァンジャンス > 「…………ならばそれで良い。何も言うことは無い」(『言われなくともやる』と、貴方のその言葉に小さく頷いて言葉を返せばそれきり口を閉ざす。理解しているのならば、此方からは何も言う必要はない。むしろ、理解していてくれている方がまだ良い。理解させる手間が省けるからだ。その分、貴方はヴァンジャンスにとってかなりの好印象を抱かせただろう。隣に、しかし隙間を空けて座ったのを気配で感じとれば、一体何なのだと疑問を抱く。あれ以上話すことは何もないと思っていたのだが、どうしたのだと。)「…………信頼関係など、戦の前では不必要であろうが。…………一体何を言っているのだ、貴様は……」   (5/10 01:24:04)
大和守/ヴァンジャンス > (貴方のその言葉。それにヴァンジャンスは一瞬耳を疑った。それ程までに、貴方の言葉はヴァンジャンスに驚きをもたらしたのだろう。しかし、瞳は開かない。顔も上げず、微かに怒気を──否、怒っているのではない。貴方の言葉が“理解できない”のだろう。“信頼関係”など、ヴァンジャンスにとっては必要ない。不必要である。……むしろ、そんなもの邪魔だとしか思えないのだ。何が楽しくてそんなものを築かなければいけないのかと、そこまで思う程に。だからこそ、彼女にはそれが“理解できない”のだ。心の奥底に仕舞い込んで、誰にも見せないように、心を殺して鍵を閉めて、隠してしまった感情があるから。)「…………──余計な人間関係を築くだけ、喪った時の傷は深い」   (5/10 01:24:22)
大和守/ヴァンジャンス > (──『ならば最初から、そんなものを作らなければ良いと言うのに』。それは彼女の独白の様なものなのだろう。誰にも向けていない、一番近くに居る貴方にすら向けられていない、ただの独り言。まるで囁くかのように小さく──だが、何時もの無感情などではない。その言葉には深い懺悔の想いが強く強く乗せられている。それは友人を喪ってから初めて、他人の前で露にした感情なのだろう。いつの間にかヴァンジャンスはその瞳を空けており、静かに床を見つめている。その瞳にも深い後悔が見てとれる程に詰まっており、自ら鍵を閉めて隠してしまったその感情の一片、それが露になっていた。)   (5/10 01:24:30)


ずまし@オウガ > 「(あぁ、やはり似ているな。「信頼は不必要」その一言で、予測は確信に変わった。貴女は、大きな壁に突き当たっている。そこでずっと、壊すということを理解できぬままくすぶっている。彼が、そうなっていたときと同じだ。背を向けて、踞って、ぐすぐすと泣いている。たった一つの大きな屍をずっと見つめていたくて、先に進めずいる。その過去にケジメをつけられずにいる。簡単に、貴女の気持ちが解るとは言えるはずがない。人は人なのだから。しかし、似ているのは本当だ。それを考えて、貴女になんと答えようか。あのとき自分は、なんと言ってほしかったのか。)   (5/10 02:10:37)
ずまし@オウガ > …物を語る上で。(理解できない、そんな顔の貴女に、はっきりと聞こえるように、その言葉には覇気を纏わせる。その先の言葉は、優しく、元の暖かい声で語られた。)必要、不必要でだけでは語れない物もある。有益だからする、無益だからやらない。気持ちってのは、そういうもんじゃ、ないでしょう。(少しだけ感情的になるが、その後は悲しげに、数秒頭を下げる。しかし、また数秒後には頭をあげて、話を続けた。)喪うことなんて考えて、何があるんです?それこそ無益ってもんでしょう。…それを守れるくらいの気概を持ってくださいよ。喪わせまいと、そう考えてくださいよ。…私は、いつかは喪うものを何度も作っている。それを愚かだバカだと言うのは勝手です。   (5/10 02:11:13)
ずまし@オウガ > (後悔を孕んだ瞳を、垣間見た。貴女は、どれだけ苦しんでいるんだ。救わねばならないと、そう考えさせるほどに。)友が死んでいくのは、いや、人が死んでいくのは、悲しい。ですが、人が死なない戦争はありません。だから、人との一時一時を大切にして、喪ったなら彼らの幸福を祈る。私はそうしてきました。(散っていった戦友達の名を、顔を、思い出す。あの絶望した顔を、涙の跡が残った顔を。しっかりと頭に残っている顔を。だが、彼らも、空の世界で幸福に過ごしているはずだ。だから、それが空の上だけでも、続くようにと祈る。そうして彼はまた、新しい一歩を踏み出している。鮮明に、彼らとの思い出を踏みしめながら。)   (5/10 02:11:33)
ずまし@オウガ > 守りたかった者はたくさんいる。全員、守れなかった。…何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も、失敗しました。でもだからこそ、私はその失敗で亡くした彼らに背を押されて、ここまで来た。…喪っていいわけがない。でも、作らなければ始まらない。そうでしょう?(強く、ただ強く、言葉を発した。)喪うまで、大切にする…喪ってしまっても、未練がないように。…これは言い訳です。でも…私は逃げない。努力して、それでもダメなことがある。そのダメを消すことはできないのです。だから、それに私は逃げない。全ての人の死から逃げない。救える人を救う、という方法で。」   (5/10 02:11:46)


大和守.ヴァンジャンス > (──貴方の言葉を聞く。貴方の言葉、一言一句がヴァンジャンスの心に深く深く刺さっていく。それが、ヴァンジャンスにとっては何よりも深く、深く辛い言葉なのだ。貴方の言葉の中には、貴方が辛かったであろうと、それを伺わせる言葉達が多く潜んでいる。──貴方はずっと喪い続けた。彼女は生涯で唯一の友を、一人喪った。だからこそ、貴方と彼女の考え方はまた違うのだ。ヴァンジャンスはそこで止まっている。新たに踏み出す事が出来ていない。再び喪う事を過度に怖がる、まるで子供の様な、そんな彼女。──だからこそ、本当ならばまるで子供の如く純粋な心を持っている彼女、だからこそ。貴方ならば、自分が答えを出せず行き詰まっているこの状況への答えが、出せるのではないかと。不意に顔を上げ、貴方を見つめる。そこには素の彼女──微かに心を開いた、彼女の姿がある。不安そうで、そして泣きそうで、縋るかのような瞳。まるで子供のような、大人に助けを求めるかのような瞳が其処にはある。)   (5/10 03:02:37)
大和守.ヴァンジャンス > 「…………ね、ぇ…………」(ぽつり、ヴァンジャンスは呟く。それは問いを投げ掛ける前、彼女自身が落ち着かせる為の呼び掛け。緊張からか早まる鼓動を深呼吸を繰り返し行い無理矢理押さえ付け、そしてようやく決意したかのように貴方を見つめる。未だその瞳には不安が残っている。泣きそうな色もまだ残っている。それでも、貴方ならば答えを出してくれるのではないかと。貴方ならば、まだ未熟な自分を、答えを出せない弱い自分を導いてくれるのではないか、と。)「…………ずっと、ずっと独りで、……ようやく、ようやく信頼できる友達が出来た。…………その、友達が、……仮に死んでしまったとしたら。…………そうして、また、また……独りに、戻っちゃったら、…………ね、もしもそうなったら、……それでも、貴方は…………」(──今まで誰にも見せないようにしていた、幼い感情が姿を現す。言葉遣いも、何時もの高圧的なものから豹変している。ヴァンジャンスは、そこで言葉を選んでいるかのように口を閉ざし、そして、迷うようにしながらも再び口を開く。)   (5/10 03:03:12)
大和守.ヴァンジャンス > 「……あなたは、それでも逃げないの……?」(『全ての人の死から逃げない』。貴方のその言葉が一番、ヴァンジャンスの心に強く印象を残していたのだろう。もしも、生涯で唯一の友を亡くしたら。喪ってしまったら。その友が、自分を孤独から引き上げてくれた友なのだとしたら。それを喪っても、貴方は逃げないのかと。貴方はその“死”から逃げないのかと。それはヴァンジャンスの過去。唯一の友を喪い、そして他の死が怖くなってしまった。誰かを喪ってしまうかもしれないということに耐えきれなくなった、彼女自身の過去であり──独白だ。)   (5/10 03:03:25)


ずまし@オウガ > 「(「まるで子供のようだ。」彼の心では、その感想がすぐに浮かんだ。苦しんでいるのを、人に打ち明けようと、そういう顔だ。氷は溶けつつある。瞳には溶けて出てきた水が貯まって、顔は溶けた氷のようにとても儚げで不安そうだ。)なんですか?(呼び掛ける声に、包み込むように優しく、語り掛ける。道の見えない貴女を導くように…貴女を抱いて、進むように。貴女が真に強くなるその時まで、私は貴女を助けようと。)それは、私が…いや。俺が答える質問じゃねぇな。…答えは、貴女の中にあるさ。(それは、貴女への問いかけだった。いつしか敬語も消えていた。)貴女は、逃げるのか?いや、それは意地悪な質問だな…貴女は、向き合うのか?   (5/10 03:41:54)
ずまし@オウガ > (友を喪って、そこから逃げ続けている貴女への問いかけだった。彼の選択は、「逃げない」。最初は自分も、そうだったから。信頼していて、自分の将来の道を切り開いてくれた師匠が、いつの日か血を流し死んでいた。それがオウガの見た、「人の死」の始まり。喪って、かなりの間挫折したが、その挫折でさえも師匠を悲しませるのだと思えば、次の友を作るのも簡単だった。しかし、それは貴女の答えではない。回答者は貴女しかいない。オウガが、何も知らない男が、答えていい質問などではない。そして、彼はそう問う内に、貴女の手を取り、人気のない廊下へ貴女を連れ込むと、)もう、答えは出たろう?…大変だったんだよな。(そう一言言って、彼は泣きそうで、華奢な貴女を、優しく、大きな体で抱いた。その身はあまりにも暖かくて、優しくて、大きかった。)   (5/10 03:42:25)
ずまし@オウガ > 泣くのは、我慢しなくたっていいんだ。悲しいとそう思うときに、思いきり泣いて、すっきりしようじゃねぇか。(その暖かさに貴女を包み込み、そしてその、救いの手で、貴女の背中を優しく叩いた。)誰だって、失敗はするんだ。…俺だってしてきた。貴女は、大事な人を救うのに、失敗した。だがよ…その行いを、大事な人が、咎めると思うかい?…失敗したっていいんだぜ。そのあと進めるのかどうかが一番大切なんだからよ。(貴女を抱いたまま、白と金の髪が生えた貴女の頭を撫でた。大丈夫だ、と語りかけるように。進め、と叫びかけるように。)」   (5/10 03:42:45)


大和守.ヴァンジャンス > (──『答えは、貴女の中にある』。『貴女は、向き合うのか』。その貴方の言葉達に、ヴァンジャンスは一瞬強烈な光を浴びたかのような如き錯覚を覚えた。救いを、導いてくれるのを望んだのはヴァンジャンスだ。だが、貴方がまるで光のような、太陽のような──まるで、炎のような。そんな眩しいもののように見えて、思わずヴァンジャンスは瞬きを数回。──嗚呼、彼は強い。数多の哀しみを乗り越えてきた、本当に強い人だ。そう改めて実感し、ヴァンジャンスは貴方のその強さに、自身が子供すぎるなとそこで実感する。これでは、背伸びをしているだけのただの子供だ。幼くて、広い世界の事を知らない、子供。──貴方の問いの答え、それはもう既に出ている。あっさりと答えが出た。恐らく貴方とこうして話をしなければ、きっと答えは出なかったのでは無いだろうか。何時までも世を知らない子供のまま聖騎士団の頂点に居たかもしれない。──感謝しても、しきれない。貴方の問いに答えるべく口を開いたものの、手を引かれ廊下へと出ればその行動への驚きに口を閉ざしてしまう──そして、その場での貴方の言葉。それに思わず涙腺が緩みそうになってしまう。)   (5/10 04:20:06)
大和守.ヴァンジャンス > 「……ッ、」(大変だったなと、そんな言葉を掛けてもらえたのはあの唯一無二の友人以来だ。抱き寄せられれば久し振りの人の体温に涙腺がはっきりと緩む。一筋涙が零れてしまう。──貴方もまた、ヴァンジャンスの亡き友人の如く優しい。優しすぎるのだ。こんなにも優しさが溢れているだなんて、彼女は知らない。こんなにも良い人ばかりが居るなんて知らない。──知れるわけがなかった。ずっとずっと、自分から逃げていたのだから。ひぅ、と喉が引きつる音が零れる。今にも泣きそうだ。しかしそんな情けない姿を見せても良いものなのかとも考えてしまう。)「…………、う、っあ、ッ……!! ────ッ、……っ!」(泣くのを我慢しなくて良いと。──失敗、しても良いのだと。貴方のその言葉に、ヴァンジャンスは今度こそ涙を流す。貴方を強く強く抱き締め、そして嗚咽を溢す。人前で泣くだなんて恐らく初めての事だろう。友人の前でも涙を溢すような事など無かった。だから。泣いても良いと、失敗しても良いと言ってくれて「ありがとう」と。自分を導いてくれて、今日貴方がしてくれた全てに向けて、「ありがとう」と。嗚咽混じりのか細い声で、彼女はそう紡いだ。) 〆  (5/10 04:20:43)