この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

出会い

(糸蜘蛛&白梅)

あくび。/糸蜘蛛 > …ん?(夜の帳もすっかり降り切った夜更け。人気も無ければ日中ほどの騒々しさもない街中。こんな時間に不用意に、あるいは無防備に街中を歩いている者など、きっと自身を置いて他に居ない。なぜだか、そんな確信…もとい油断が彼の胸中に渦巻いていた。人は静けさ、暗さを嫌う生き物だ。故に、日中に活動し、夜は床に就いて体を休める。何時からかは知らないが、人にはそう言った習慣が根付いているのだ…​──無論、それは彼とて例外では無いのだが。そしてどうやら、彼の宛もない確信は無情にも外れ、街中をのんびり、のらりくらりと彷徨うように歩いていた彼の背中に、突如小さな衝撃が訪れた。何かがぶつかる音と共に、聞こえてきた小さな悲鳴と驚きの声。…夜ならばこそ、前を向いて注意深く歩かなくてはならないと言うのに。などと呆れ半分に思いながら、彼は自身の背後を振り返る形で身体を反転。その際、白銀の髪がふわりと僅かに揺れ動いた。)   (5/8 02:59:56)
あくび。/糸蜘蛛 > …こんな夜更けに、女人が独り歩きで考え事か、浮かぬ話だ。それ、手を貸してやろう。綺麗な着物が汚れては勿体なかろう。(相手の顔に見覚えは…無いようなあるような。曖昧に束ねられた記憶の糸を辿ろうが、確信を得られるような答えに巡り合うはずもない。気の所為だろうと鷹を括り、ぶつかった理由と共に謝罪を告げる彼女を黒い眼で見下ろし、身体を屈ませながら転んだままの彼女に片手を差し伸べた。相手が自身の出身国の総帥であることなど、彼には知る由もなく。)   (5/8 02:59:58)


クロ:白梅 > す、すまぬ、( _嗚呼、なんと言う失態、醜態_少しの羞恥を感じつつ、差し伸べられた手を素直に受け取り、立ち上がる。着物に付いた土埃を、軽く手で払い一呼吸を吐いてから、ぶつかってしまった相手の姿を見る。まず目に入ったのは、その美しい銀色の髪。この月夜にはもってこいの美しさ。_こうも美しい髪色では、月すら嫉妬に駆られるのではないか?_なんて、らしくも無いことを思うのは、先程まで考え事をしていたり、ぶつかってしまったりなど、アクシデンドがあったせいか。だが、はっとして直ぐに相手に対し「 すまぬ、先程御主が述べた通り、妾は少し考え事をしていてな。気が付かなかった。怪我はないだろうか、汚れが着いてしまったのならば、妾が責任をもとう 」と、頭を軽く下げ謝りつつ、相手の心配をする。勿論、白梅に悪気があった訳では無いのだが、余所見をしていたのは白梅の方。申し訳なさそうな、何とも言えぬ表情をしつつ、自身の真っ黒な目で、相手の闇夜の様な黒い目を見つめた )   (5/8 03:15:33)


あくび。/糸蜘蛛 > 良い良い、気にするでない。少しぶつかっただけ故、怪我もしておらんし汚れてもおらぬ。(夜遅くに街まで出てきて、散歩がてらに考え事をするくらいなのだから、家出をして来たわけでも、ましてや遊女などでも無いのだろうと大雑把な予想はしていたが、まさかそこまで気にされるというか、気を遣われるとは思っていなかった。道を歩いていれば、人間一度くらいは物や人にぶつかってしまうもの。そんな些細な過ち、明日には忘れていてもおかしくないほどの矮小な出来事だと言うのに、こちらの怪我や服の汚れなどを気にしている様子の彼女に、彼は小さな笑みを浮かべながら、気にしなくていいと言う旨を伝えた。その程度のことなのだ。水に流してしまえる程度の…そもそも、人にぶつかっても謝罪の一つもしない不躾な者すら珍しくない世の中だ。彼女のようにそれを気にする者の方が稀有と言えるかもしれない。)   (5/8 03:28:36)
あくび。/糸蜘蛛 > まあ、どうしてもと言うならその身体で払ってもらうのも吝かでは無いが。(彼が尊華帝國の団員や兵士などであったならば、きっと斯様に下劣で下品な誘いをすることは無かっただろう。だが、生憎と彼は尊華帝國の出身なれども、今は世界各地を渡り歩く流浪の身。そんな男が、各国の為政者や政治的な事情に詳しいわけもない。加えて言うなれば、彼女の格好は軍の制服でもない着物。彼は相手をそう自分と身分の変わらない一般女性だと思っているのだ。現に今、彼は先程までと変わらぬ笑みを浮かべながら冗談半分に近くの宿屋を指差している始末で。)   (5/8 03:28:51)