この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

神は、そこにいる。

(ビナ)

レモネード/ビナ > (思うことがないと言えば、嘘になる。)「………。」(窓の外を見た。雨だ。ぽつりぽつりと、水の中にいるようなくぐもった雨音が、何故だかわたしの心をどんよりとさせた。)「戦争は、人を終わらせるのに。人は、何故戦争を終わらせることができないのだろうか。」(不意にでた『言葉』は、そんな、疑問の『言葉』だった。生まれて、死ぬ事含めての人生と言うならば、何故その終わりを早める行いができようか。いや、だからこそ、折り合いがつかないのだろうか。もう、どの国も『終わらせすぎた』。『終わらされた以上に、終わらせないと、終わらない』。パタンと、読みかけの本を閉じた。ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア。言葉に魔力が宿るこの世界で、言葉の祈りが、届くのならば。)「戦争を、終わらせてください。」(こんな簡単な祈りも、叶えられない神は、それは神なのだろうか。そして、神と信仰を人を殺める道具にしてしまった人間は、果たしてそれを信仰と言えるのだろうか。雨が降っていた。)   (5/7 03:05:12)
レモネード/ビナ > 「『言葉』の意味は、忘れられてしまったのだろうか。」(それはーーー)「………あ」(簡単なことだ。)「晴れた………。」(神は、そこにいる。)「……綺麗……。雲の隙間から、光が………」(ただ、それだけの話なのだ。 膝の上の、本に目を下ろす。『次に憐れまれ、言葉を与えられた。これを用いて伝え合い、分かり合い、戦い合うように。』)「戦い合うように………。」(神は、それを望むのか。)「そんな、『言葉』は、弱すぎる。」(古いヨズアの神々は、まだいるのか。シュクロズア様………。虹は、ここからだと、大きく見えた。泣き腫らしたような空模様だったものは、不思議と満足そうに、晴れた。雨雲は、まるでもっと相応しい場所へと、移動していくように。守山の方へ、流れていった。まるで、戦いを喜ぶかのような、そんな虹を、パタンと本を閉じ、わたしは睨みつけた。)「『言葉』を知る者は……気づかないのか。人間の断片。主はーーー『洞観』す。」   (5/7 03:05:26)
レモネード/ビナ > (神は、全てを見通すだけだ。神の望みは、それだけであると、わたしは信仰する。神は人間に干渉しない。きっと、本当の神というのは、こちらの様子を、誰にも気づかれないように、そっと、伺うだけだ。そう、信じるのだ。だから、神は戦争を終わらす事もない。しかし、戦いを望む事もない。)「やっぱ、空、きれいだね。」(割れた空を仰ぐ。神は、そこにいると。あそこから、わたしたちを見守るだけであると。誰よりも、今という、人間の断片を、洞察する。それが、わたしの、信仰であった。戦争は終わらない。神が始めたものでないから。『人間』が終わらせないといけないのだ。命の水のように。人が、人を終わらせないように。神は、わたしの信じる神でありますように。)「ダー ニト ロロイ ………」   〆(5/7 03:05:41)