この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

舞踏会

(スティーラ&婀娜)

ぽぺ/スティーラ > 「あはは、皆ようやるわホンマ……見とる分には楽しいけど、踊るんは可愛いコ相手やないと御免やなぁ」(きらびやかな衣装、反響する洒落込んだ音楽。夜空に散らばった一等星の輝きを濃縮したような目映い光景。紳士淑女が手を取り合い、芸術作品を共同作業で造り上げるように踊るそれは舞踏会。翻るフレアスカート、小気味良く鳴るお高い革靴、風に乗った匂いは鼻を擽り腹を鳴らす。ありとあらゆる魅力にとりつかれたその場に、俄に似つかわしくない滑稽な笑い声を響かせる。ホールの隅、壁に凭れては右手でくるくるとシャンパンを回す彼女が纏うのは、南瓜のような赤の強いオレンジのドレス。パールが所々にあしらわれただけのシックな……いや、あまりにも簡素な造りのその衣装は、到底このイベントを楽しもうとしている人間が着るものではないだろう。   (5/5 23:11:39)
ぽぺ/スティーラ > 先ほどからスティーラがしていることと言えば、陳列した料理をつまみながら、輪を作り踊る人々を眺めるだけ。口先ではまだ興味を仄めかしているものの、腹も膨れた今、話し相手でも居なければもう帰ってしまいたいぐらいだった。体重を更に壁に預ければ、後ろで纏めた髪の束が首筋を刺してどうも不愉快で。添える程度に薔薇のコサージュを添付した網の髪留めを払って、邪魔なこれをどうにかしたいのは山々なのだが。どうせ手入れも何もしていないのだ、ならば雑に纏めていた方が御目汚しにならぬというもの。時計に視線を滑らせながらシャンパンを一口。賑やかな旋律に隠すように、ため息を漏らした。)>山葵さん。   (5/5 23:11:41


山葵:婀娜 > …おや、スティーラさん。踊らないのですか?(壁に寄り掛かり、絢爛豪華な会場を半ば面倒くさそうな目で見つめる赤茶色の髪の女性に近付いてくる、赤いマーメイドドレスを纏った金髪の男。ぐ、と髪をかき上げ彼女の側に近付けば、手にしたワイングラスをす、と近付ける。どうやら乾杯を求めているようだ。)どうだい?この絢爛豪華な舞踏会が…キミにはどう見えているのかは…検討も付かないけれど(何て目を細め微笑む姿はこの会場によく映えていた。彼女の髪に付けられた薔薇の髪飾りを見つければ、「綺麗だね」なんて呟く。スティーラの赤茶色の髪には、真っ赤な薔薇の髪飾りがよく似合っている)   (5/5 23:20:24)


ぽぺ/スティーラ > 「ん、あ。キミは……」(中性的な、しかし鳴り響く音楽の中ではっきりと聞こえた、己を呼ぶ声。規則的に針を進める時計から視線を移せば、深紅のマーメイドドレスが目を惹いた。次に綺麗な金髪、これはまた、是非一度その艶やかな金色の糸達を弄ってやりたいものだ。……彼はなんと言ったか。そう、婀娜、だったか。ウェンディアの為に字を敵国に売った奴。…売った、では聞こえが悪い、勝利の為に贄としたのだから。彼とてれっきとしたウェンディアの人間。尤も、そこまで国の為に尽くせるその精神は自分には到底理解できぬものだが。掲げられたのは相手のグラス、社交辞令にキミと乾杯を。カン、と鳴らせばシャンパンの泡が弾ける。……花火には些か小さすぎるな。)「あはっ、退屈やとかそないなことはあらへんよ、じゅーぶん楽しんどるから。……せやなぁ、言うなら。ちょっとウチには、眩しすぎるかな?……なんてな!」   (5/5 23:44:10)
ぽぺ/スティーラ > (気品の文字を蹴飛ばした自分とは違い、何となく佇むだけなのに、彼はなんとも様になっている。身体の輪郭は男そのものなのに、ラインの出るマーメイドドレスなんて着ているものだから、ちょっと違和感。悪口ではないが似合っている、とても彼らしくて……型に嵌まらぬ容貌が、とても新鮮で。……おめでたく頭に咲くのは、貴方のドレスとお揃いの造花。生憎口説きは間に合っている。「冗談は大概にしいや、そのうち誰かが本気にしてまうから」と眉を下げては笑む。まるで赤土から生えたのに、立派に咲き誇りましたね!とでも揶揄されそうな格好なのに。感性は人によるから一概になど言えないのだが、きっとお世辞なんだろうとは想像できる。)「婀娜サンはほら、踊らんの?キミみたいな人やったら引く手数多なんとちゃう??」(彼の話術には気を付けないといけない。仮にも密偵、口論や騙しあいにおいては一介の騎士よりも数枚も上手だろう。いつしか此方を詮索されかねない、とグラスを色とりどりの集団に向けては話題と気を逸らす。お世辞の歌にはお世辞の返歌、なるべく嘘だとわからぬように。   (5/5 23:44:22)


山葵:婀娜 > ……あは、キミは実に表情に出やすいね。…何が、とじゃ言わないけれど。(此方を疑う目。自分を望んでいないのは何となしに分かる。彼女の心は既にここに有らず、だろう。ならば話す意味はないだろうが…俄然興味が湧く。)…もう十二分に踊ったからね。…なんて、嫌味っぽく聞こえるかな?(くく、と冗談めかして話すが、その目には何も写っていない。貴女を写すのは、その手の中の真っ赤なワインだけ。)キミは…怖がっているようにも見える。不思議な人だね。(きっとそんな訳無いんだろうけれど、そう微笑むと、まるで鮮血のような赤を飲み干す。その姿はまるで、御伽噺に出てくる吸血鬼のようだ。)   (5/5 23:54:17)


ぽぺ/スティーラ > 「ははっ、人間らしゅうてええやろ??……それに比べて、キミはなんか機械みたいやわ。何考えとるかわからんし…………まあ、せやからそういう役職に就いた、ってことなんかな???」(ほら、そういうところ。全くもって……苦手だ。此方とて話術は得意だというのに、本職にかかれば所詮は伊達。嫌いとか好きとかじゃないが実にやりにくい相手だ。さしずめ変化球の多いピッチャー、打ち返せても並大抵の打者では凡打止まり。片足に体重を乗せて、少しでも貴方との距離をとっておく。キミとの間に走る縦断の切れ目、そこから此方は私有地につき、無断の立ち入りは禁止する。……なんてね。)   (5/6 00:16:36)
ぽぺ/スティーラ > 「いやいや、流石一枚目サマは格が違うなぁ」(何気ない会話の、筈なのに。見え透いた化けの皮を被った者同士、緊張の糸を張り巡らせた会話が続く。この冷戦に於いては、きっと一つの綻びが敗北を意味するのだろう。満たされたワイングラスとは反対に、どちらの言葉も、瞳も虚ろ。)「まさかぁ、面倒なだけやで。……まぁ、こんなおちゃらけた娘を相手に選ぶ物好きもそうおらんやろって!」(特別踊りが下手な訳でも、他人の馴れ合い自体が鬱陶しいわけでもない。……ただ、キミの予想は的中した。裏返った声が正解を示唆する。面妖なその仕草に気を向ける余裕もなく、ただべらべらと言葉を連ね、彷徨う視線はシャンパンの泡へと落ち着いた。御開きの合図を待ちわびて、儚く弾けて消えるこれにだけ意識を向けていたい。……まあ、どうせ許してはくれないんでしょう?翡翠は静かに彼を捉え、探るように訴える。)>山葵さん。   (5/6 00:16:38)