この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

舞踏会-もう飛ぶまいぞこの蝶々-

(アッシュ&レフィーネ)

クノ/アッシュ> 副団長と分かれたアッシュは、真っ直ぐ会場を横切っていく。先のような自信の無い落ち込んだ表情はもう既にそこにはなく、ただ何かを決めたのか、実直な瞳だけが一点に向いていた。体には変わらず重みを感じていたけれど、それを周りから感じられない程度には真っ直ぐ一歩一歩進んで行った。⋯迷うことは無い。俺はもうリルを忘れられない。愛しているんだから、手離したくないのだから。躊躇う暇なんて俺には無い。珍しく腕まくりもせず、正しく着こなした制服に式典用のマントを翻し。慎ましやかに談笑する人混みと踊る男女の間を縫って、愛する背中へと近づいて行った。)「⋯⋯⋯⋯。」((人混みを抜ければ、知り合いの女性騎士二人と談笑する横顔が目に映る。その内の二人が先にこちらに気付いて、はっとした表情を浮かべる。続いて貴女も此方に気付くのだろうが、確認する前に貴方の肩へと手を置いて、有無を言わさず引き寄せた。)   (5/3 03:06:24)
クノ/アッシュ> 「レフィーネ」((短く放たれた言葉からは彼らしくなく、躊躇いも吃りも何も感じられない。気弱な感情すら影も形もなかった。マントに貴方を包み込むように一度だけ抱擁し、再び一歩離れてじっと貴方を見下ろす。⋯⋯⋯他の奴と何をしてても⋯今までの事は考えないようにしよう。これからは絶対に俺だけを見ててもらうし、俺がお前を誰よりも愛してやる。全部、忘れさせればいい。)「俺がお前を一番愛してる。⋯だから、俺から離れるな。俺だけを見ててくれ。」((片手で貴女の掌を下から包むように握ると、もう片方の手で貴女の顎を少しだけ持ちあげ。⋯⋯それ以上はまだしなかったが、そのまま貴女のことを見つめていた。視線を逸らすことすら許さないとばかり。女性騎士だけではなく、辺りには自分の事をよく思わない人だっているはずなのに、それても周りの目すら気にせずに。   (5/3 03:06:26)


しめさば/レフィーネ> (千騎長との踊りを終えて知り合いの女性騎士達と談笑していると、彼女達の視線が自分の肩より上に向けられた事に気づく。ぎこちない小さな会釈からして騎士団の人間の誰かだろうと振り向こうとーーする間もなく引き寄せられると、式典用の大きなマントに付けられた百騎長の徽章が目に止まった。)……シ……あ……。えっ。(頭上から降るレフィーネの名を呼ぶ声は迷いのない響きで、何か心境の変化を思わせた。防衛戦から帰還したあの日から騎士団本部でも避けてしまっており秘密基地に寄り付いていない事もあって、『あぁ、いよいよこの関係に引導を渡されるのか』と青ざめながらあなたの顔を見上げる。ふわりとマントの中に誘われ、外からは見えないその厚いカーテンのような内部で強引に抱きしめられ、動揺の声を漏らす。)   (5/3 04:11:31)
しめさば/レフィーネ> )…あ、あの!…ひゃ、百騎長、殿っ…!(シンシア、とは流石に呼べない。かわりに出てきたとっさの呼び声が字ではなく、百騎長と騎士の関係だった頃ですら一度も口にした事のないようなよそよそしいレフィーネらしくもない呼び方だったのは、衆目を気にしての事だった。レフィーネのその小さな声が届いているのか届いていないのか、一歩下がったあなたの口から続けた出た台詞には、数秒間言葉を失った。年の差がありすぎる私たちの奇妙な関係は、騎士団には当然ひみつで。それは何よりもあなたのためを思って決めていた事であったのに。)………あ、あの…えっ?……百騎長、の、ののっ、飲み過ぎなんじゃ……、……っ!   (5/3 04:12:03)
しめさば/レフィーネ> (なんとか言葉をひねり出そうとするも、あなたの手の動きによって黙らされる。顎を触る指は少し上に向かって力が込められ、瞳を見るようにレフィーネの顔ごと小さく動かした。獲物を捕食する鷹のような眼差しに、レフィーネはごくりと喉を鳴らし、一瞬にして心臓の鼓動を早まらせる。耳の前を、つう、と冷や汗が流れた。)>しんしあ   (5/3 04:12:28)


クノ/アッシュ> 貴女の必死そうな言い訳は、一瞬だけシンシアに勘違いをさせるには十分であった。この関係を終わらせたくて焦っているんじゃないか、そう一瞬、一瞬だけ思ったけれど。⋯⋯⋯約束も儀式も誓いも、あの時々の貴女が、無邪気な笑顔以外に沢山見せてくれた自分だけへの表情は嘘じゃないと信じていた。ここで自分が怖気付いたならそれこそ、一巻の終わり。本当に好きならば、やれるだろう。⋯⋯))「⋯⋯(⋯リル。)」((どくん、どくん、と早鐘を打つ鼓動に急かされながら、貴女をじっと見詰めて口だけを動かした。本当は僅かに、囁く様な声を出していたかも知れないけれど、それは楽団の演奏と周囲の喧騒に掻き消される。聞こえているとするならば、耳の良い貴女だけ。そのまま漆黒の瞳に貴女の瞳を映したまま揺らめかせ⋯⋯貴女の顎を持ち上げる指に意識を僅かに向けたのだろう、ぴくりと指先が動いた。)   (5/3 04:36:38)
クノ/アッシュ> 「⋯これが答えだ。⋯⋯⋯⋯⋯っ⋯。」((そのまま背中を曲げて瞳を少し細めると、斜め上を向く貴女の顎を支えながらそっと唇を落とす。互いに触れ合うだけの口付けではあったが、たっぷりと長い時間、貴女の口を塞ぎ込んだ。片手は繋いだままに。辺りの静寂が伝播すると、そこで丁度楽団の演奏も止まる。騒がしかった筈の会場は、衆目を集めやすい中心近くで行われた行動に静まりかえる。⋯⋯それでもアッシュは口を離すことはなく。暫くしてどよめきや噂する声、囃し立てるような声がが戻って来てから漸く、触れていたのを名残惜しそうに離すのだった。)   (5/3 04:36:40)
クノ/アッシュ> 「⋯⋯⋯いい、俺だけ見てろ。恥ずかしい事なんてない。」((変わらぬ集まってくる視線、話していた女性騎士だって、囃し立てる所かまじまじと此方を見ている。視界の端にそれが映るも自分は貴女だけを見詰め。きっと恥ずかしがるであろう貴女の手にきゅっ、と優しく力を込めると僅かに持ち上げて。腰に手を回して引き寄せながら、告白を。)「お前は、レフィーネ、奈落まで一緒だと言ったよな。⋯⋯⋯俺と踊ろう、レフィーネ。⋯⋯これから、二人でずっと。」((今更愛してるなんて言葉は口にしなかったけれど。その言葉は確かなプロポーズだった。胸元に引き寄せた貴女の顔を見つめて、真面目な表情を口角をほんの少しだけ上げて彩った。⋯⋯途切れていた音楽が、再び始まろうとしていた。   (5/3 04:36:47)


しめさば/レフィーネ> (真名を呼ぶ声は小さかったけれど、たしかにレフィーネの耳を擽った。ざわざわとした騒音の中で不思議とあなたの声は聞き取ることができる。なんとか効果って、名前がついてたような…と論理的思考に逃げてみようとするも、次なるあなたの行動によって思考という逃げ道すらも断たれる事となった。いつもより軽い接吻、なのに、人前で躊躇せずに行われた事、そのあなたらしくもない大胆さはレフィーネを物言えぬ石像のようにするのには充分であった。レフィーネだけではない、その場に居合わせた招待客達も同じようにして固唾を飲み、驚きに静まり返ってゆく。レフィーネは目を見開いたまま硬直し、手を握り返す事すら出来ない。理解しがたい、得体の知れないあなたの行動に豹変の兆しを感じつつ、押し寄せる感情の波にレフィーネは今にも錯乱しそうだった。嫌われた訳ではなさそうだという安堵、羞恥、動揺、高揚感、背徳感が、ぞくぞくとした感覚と共に体の中を廻り巡る。演奏も途切れ、時間が止まったような静寂はほどなくしてぽつりぽつりと、響めきになって戻ってきた。)   (5/3 13:08:51)
しめさば/レフィーネ> ……っ、は…あの、ちちちち違っ……(長い耳の先まで朱に染めあげながら周りに言い訳のようななにかを口にしようと辿々しく口を開くが、次なるあなたの一言『俺だけ見てろ』の呪文に……身体も思考も、支配されるのは一瞬だった。腰に手を回して引き寄せられ、あなたの黒い瞳に釘付けになる。多分もう、なにを言われても逆らえそうになかった。)……っ、……!(何か返事を返そうにも、それは言葉の体を為さずに吐息となって漏れる。しかし、囃し立て煽るような言葉を投げかける観衆のせいで、沈黙が返事というわけにはいきそうもなく。レフィーネはこくこくと、小刻みに頷いた。 再び音楽は流れはじめれば、レフィーネは身体の芯を抜かれたかのようにあなたについてゆくしかできないだろう。)   (5/3 13:09:12)


クノ/アッシュ> 再び近付いた綺麗な瞳にアッシュもまた、視線も心も奪われる。花があしらわれたドレス、少しの化粧が原因か顔も普段より大人びて見えて、〝綺麗な女〟だとアッシュは心から思った。舞踏会という儀式も並べられたご馳走も普段なら呑めないような高い酒も、貴女が横に居なければ意味が無い。昂っていく正直な想いのまま、アッシュはこくこくと頷く貴女を見下ろし瞳を逸らす事なく、少し低く感じられる声色で奏でだす。今度は喧騒にかき消されないようにはっきりと。)「レフィーネ。⋯俺以外を見るな。」((もう自分以外は見て欲しくない。腰に回していた腕に力を込め、背筋を擦り上げるようにして背中に腕が移動する。密着する程に引き寄せると、一度止めた言葉の続きを口にする。)   (5/3 14:53:38)
クノ/アッシュ> 「遅れたけど、凄く綺麗だ。俺はずっとお前しか見てない。お前にしか興味無い。⋯レフィーネ。」((数拍程度の僅かな時間だが、一度区切りを入れた。心の整理、なんて事も無い、言葉を選ぶ為でも無い。飾り気ないこの服装と同じ、見ての通り着飾る事は自分には出来そうに無いから、ただ伝えるだけ。息を継いで、その間も瞳はずっと貴女を見つめたまま。)「あのな、絶対に他の奴に好きなんて言うな、あんな風に甘えるな。もうお前は子供じゃないんだぞ、お前は俺の女なんだ。⋯これからは俺が何があってもお前を守る、自分の女は俺の手で。だから、俺の傍から二度と離れるな。⋯⋯⋯⋯────愛してる、リル。」   (5/3 14:53:42)
クノ/アッシュ> ((⋯あんな風に誰にでも甘えてられる様な子供じゃない。約束もしたし、ずっと一緒と誓った。もうリルは女なんだからな。最後の一言はほんの小さく呟くと、背中に回していた腕をゆっくりと上へと持ち上げて、肩に乗せる。そしてその右腕を真っ直ぐ上げて、貴女の左頬に添えた。包み込むように添えた掌。きめ細やかな肌を感じて、親指で左目の下を優しく擦るように移動させながら、人差し指と中指で耳を挟み込んで貴女を見詰めた。⋯踊ろうとは言ったし、既に曲は始まっていたけれど、俺には簡単なステップしか出来そうにない。想いを吐き出して出来た脳のキャパシティを何とか利用して、貴女をリードしようとそのまま、月の女神が顔を覗かせるバルコニーへと。手を回して肩を抱き、マントに包みながら会場を横切っていくのだった。   (5/3 14:53:52)


しめさば/レフィーネ> (低く落ち着いた声色で紡がれた魔力のある言葉。背筋を撫で上げられ、レフィーネとあなたの胸がぴったりくっついた。揺るぎない視線と共に発せられた熱っぽい言葉は、頭上からではなく骨を伝導し、くっついたあなたの身体から、レフィーネの身体の中に響いた。数秒の拍に返事を待っているものだと思い喉の奥を鳴らすも、音が邪魔をしてうまく思考がまとまらない。音楽や舞踏会の喧騒ではない、自分自身の心臓の鼓動が、ばくばくと、眩暈がする程騒いでいたから。)……アッシュ、さん…。(『わたしだって』『迷惑かけてごめんなさい』『あなたしか見てない』『どうしたの』『粧し込んだ姿も、誰よりあなたに見て欲しかった』『嫌いになったんじゃないんですか』『言われなくても、他の誰かなんて眼中にない』『本当にシンシア、あなたですか?』膨大なパズルのピースだけがあり、組み立てることが難しい。『好き』『好き』『好き』考えてるうちにピースは増え、よりレフィーネのキャパシティを奪いながら増殖を加速させていく。)……っは、はい……はい……はいっ……。ご、ごめん…なさい……わ、わたしは……あなたの、です……   (5/3 16:32:37)
しめさば/レフィーネ> (これまで、どちらかといえばレフィーネは導く側だった。『あなたの灯台となります。』その誓い通りに振舞ってきたつもりだし、アッシュのほうだって『剣となり盾となり、尽くします』の言葉通り、甲斐甲斐しくレフィーネの世話を焼いてきた。それこそ、年の離れた兄か、父のようですらあったほどに。そんなあなたの言葉は今や、レフィーネを従順な愛の奴隷となさしめる。火照った頬を手のひらで包まれ親指でなぞられると、長い耳がぴくりと動き、次にその耳を挟まれ、思わず甘い声が漏れる。)……んっ………   (5/3 16:33:49)
しめさば/レフィーネ> (こんな場所で!レフィーネは羞恥に爆発しそうだった。お願いだから、ここから連れ出してほしい。でないと公衆の面前で、どうなってしまうかわからないから。……その思いが通じたのかどうか、マントの中に隠されるようにして会場を横切り、淡く青い月光が照らし出すバルコニーにへ導かれる。喧騒が少しだけ遠くなり、二人っきりになった瞬間、レフィーネはあなたに抱きついてから俄かに顔をあげ、潤んだ瞳を向けた。)……シン、も、もうだめ。………鎮めて。(熱い息と共に吐き出された懇願。自ら望んでマントの中に隠れながら、右足をあなたの足の間にするりと入れ、絡めた。)   (5/3 16:34:23)


クノ/アッシュ> マントに覆い隠すようにしながらリルを連れ立って、会場を横切って行く間にも、アッシュは早鐘を打つ胸の高鳴りに歩くペースを早めてしまわないよう気を付ける事で精一杯であった。あからさまに此方を見てくる不躾な視線、興味の視線の他にもきっと、幾つか違う感情を向けられていたのかもしれないが、アッシュはそれでも歩を乱すことは無かった。全て吹っ切れた訳では無いが、隣に愛する人が居ることだけで、触れ合えている、自分の腕の中に居る事だけで十分であったから。どこか逃げるようにではあるが、青い月明かりが照らすバルコニーへと場所を変え。喧騒と熱気が遠ざかり、夜風が冷たいと感じさせる程に火照った体に⋯ぴとりと熱が触れるのは一瞬の事であった。)「⋯⋯っ」   (5/3 17:19:59)
クノ/アッシュ> ((自分が放った言葉もあり、跳ねるような言葉もあり、⋯リルとこうして触れ合うのが少し久しぶりということもあって。アッシュもまた、貴女と同じだった。場所を変えたのも殆ど無意識ではあったけれどきっと、貴女がこうしなければ自分からこうしていたかも。そう思える程には彼もはちきれんばかりだった。続けられる、甘く熱っぽく溶解しそうな呪文。胸の内で此方を見上げる切なそうな瞳には⋯自分を惹き寄せる魔力が宿っていた。心にも、体にもするりと入り込むレフィーネに、アッシュもまた熱混じりの言葉を零すのだった。)「⋯リル。⋯⋯ああ、俺もずっと、我慢してた。」((ふわりとした緑髪を梳くように掌を乗せて、耳、頬と撫で下ろし、鎖骨の辺りで掌を止めると、静かにもう片方の手の人差し指を己の口に当てた。)「⋯愛してる。」((何度目かも分からない、たった一言の愛を月明かりに溶かし。片手で貴女の背中を支えると、ゆっくりと手を動かした。⋯⋯月の女神のみぞ知る秘密の舞踏会。誰よりも情熱的なダンスを踊る二人だった。   (5/3 17:20:00)