この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

舞踏会-何と柔らかなそよ風が-

(婀娜&ビナ)

山葵:婀娜 > ………。(ぐい、と年代物の赤ワインを呷る、真っ赤なマーメイドドレスを身に纏った男が一人。豪華絢爛なこの場で、自身よりも立場が高い者達への挨拶も程々に、一人晩酌代わりの酒を嗜んでいた。その表情には何処となく面倒臭げな表情が垣間見えるが、何処となくkpの一件により亡くなった者達を儚むような憂いを含んだ瞳だった。す、とテーブル上のサーモンとレモンと生クリームを挟んだ小ぶりなパイを摘み、口に運ぶ。さくりさくりと音を立てて口の中で合わさるサーモンの塩気と、レモンと生クリームの酸味。その絶妙なバランス加減には舌鼓を打ち)」   (5/3 01:44:34)


レモネード/ビナ > 「わっ……」(美味しそうな料理に目をつけて、そのテーブルに寄れば、その人が目に映る。『綺麗』な人だと、素直にそう思った。女性的な綺麗でも、男性的な綺麗でもない。ただ、言葉通りに、『綺麗』という型に当て嵌められたような、目眉良い顔立ち。鼻筋が通るべき場所に通って、目は有るべき場所にあって、口も然るべき場所にあって、ふんわりとした髪は煌びやかな金色で、ドレスはそれらの要素を見事に引き立てて。だから、あなたの食事の所作も、お手本みたく様になっていて、独特の雰囲気がある人だな、と。そう思った。そのせいか、わたしは自分のお皿にあなたと同じもののパイを盛り付けようとしたその動きを忘れてしまった様に止め、その代わりにあなたの食事の風景を不躾ながらジッと見つめてしまっていた。)>山葵さん   (5/3 01:52:53)


山葵:婀娜 > ………ん?如何されたかな、可愛らしいお嬢さん。(時が止まったように此方を見つめる少女の存在に気付けば、ふふ、と優しく笑みを浮かべてそう尋ねる。絹のように美しい純白の髪を持つ少女がとても愛らしく思えて、その手で揺れていた真っ赤なワイン入りのグラスをテーブルに置くと、改めてビナと向き合って。)…お嬢さん、初めまして。僕は婀娜。今日は、このパーティを存分に楽しもうじゃないか(そう優雅に微笑んで見せると、かかとをクロスし上品なお辞儀をして見せた。)   (5/3 02:06:39)


レモネード/ビナ > (そうして、自分の中の時間が動き出す。音が動き出し、あなたしか目に入れてなかった他の物の存在が存在すると訴えかけてきた。揺れる。赤が。あなたのドレス。グラスのワイン。)「わ、わわっ、えと、ご丁寧にどうも……。アダ、さん。わたし、ビナって言います。そ、その。すみません。見つめてしまって。わたし、綺麗だなって……はい、変です。」(あまりにも自然にカーテシーをあなたがする物だから、わたしは遅れて慌てたように、練習したこの挨拶をちょんと返そうか。それから、続け様に謝罪を一つ。社交界という未知の世界、何が不敬に値するのかもよくわからない。しかし、それでも、突然見知らぬ人物が他人のことをジッと見つめ呆けるのは不快な気分にさせるだろう。しかし、それ程彼女…?彼…?は気にしていないようで、硬い物が喉を通り過ぎた感覚の後気分がすっと軽くなる。)>山葵さん   (5/3 02:16:55)


山葵:婀娜 > そんなに緊張しないで、肩の力を抜いて?折角のパーティだから楽しまなくちゃ。ね?(あわわ、と慌てふためき此方に謝罪をする少女、改めビナ。綺麗だな、なんて言われれば思わず表情をほぐさずにはいられない。きっと今の自分は笑っているんだろうな。)そうかな?僕はビナさんの方が可憐で可愛らしいと思うな。お花みたいだ。(様々な花が咲き乱れる中、一輪だけ一際光を放つ花。そんな存在が今の彼女だろう。くい、と一口ワインを口に含み舌の上で転がせば)…僕、このパーティには少しだけ特別な想いがあってね。このパーティは、ただの舞踏会じゃない。この騒動の中で動いてくれた全ての人々に感謝を捧げる為のパーティなんだと思う。僕はあまりこの事態に動くことが出来なかったから、そんな想いは人一倍強い…なんて、自惚れちゃったりしてさ。   (5/3 02:30:43)


レモネード/ビナ > 「ふぁ……あり、がとうございます……アダさん……」(あなたの言う通りだった。あなたの見る物をほっと安心させるような自然に筋肉が弛むような微笑みに、思わずわたしも何ともはなしに無心な微笑みらしいものを浮かべようか。せっかくの舞踏会。貴重な経験だ。なんと言ったって、この舞踏会の、裏の主役はわたしたち。これほど貴重な経験があるだろうか。いや、無いだろう。そう、確信できる。ならば、少しでも楽しもうじゃ無いか。そんな、当たり前の事を、当たり前のように教えてくれたあなたは、きっとそよ微笑みの通り優しい人なのかもしれない。語る『言葉』の節々に、そのような気配を察することができるから。)「お、おはっ……そ、そう、かなっっ!」(あなたがワインを下の上で転がすように、言葉を下の上で転がされ、わたしも同じく転がされていた。緊張したら、弛緩したり、かと思えば羞恥心を擽られたり、でも恥ずかしいというより、嬉しいの方が大きいだろうか。   (5/3 02:54:51)
レモネード/ビナ > あなたの赤色のドレスと同じくらいに耳が赤くなるのは、美しいと思っていたあなたからお褒めの言葉を頂戴した欣幸の至りの気配の確からしい。しかし、照れてばかりもいられない。なんとか顔に集まる熱を分散させようと、あー恥ずかし、と手をパタパタ顔の前で煽げば)「そう、ですかぁ……。」(と、返した。出来ること、出来ないこと。此度の事件は難しい扱いだろう。わたしはたまたま薬草学に触れる『決意』を夕陽に誓っていたが為、特効薬の作成に乗り出した。だが、もしも、そうではなかったら?わたしは、きっと、怯えるだけだっただろう。見えない敵の脅威に。狂気の忍足に息を潜め、明日の我が身を神に無事でありますようにと、自分が自分でありますようにと手を合わせることしか、出来なかったろうに。でも、あなたは、少なかれど、何かを成した。それはあなたの誇るべきことで、そう思えるのはあなたの誇りの高さなのだろう。)   (5/3 02:55:07)
レモネード/ビナ > 「わたしは……」(故に、わたしは余計な事を言う。)「わたしは、少しでも、成した事があれば……それは、『逃げなかった』ことだと、思います。仲間を失い、理不尽に、踏み潰され、立ち上がることすら否定されようとも、争い、迎え撃ち、敵を睨みつけ、犬歯を見せ、戦う。何か自分にできる事を探そうとした勇敢さは、わたしは、その『強さ』を認められる物であると、思うのです。」>山葵さん   (5/3 02:55:17)


山葵:婀娜> ん、良い顔になったね。(微笑みを浮かべ嬉しそうな表情を見せてくれるビナに、うんうんと頷き。彼女の優しい笑みは何故だか心が安らぐ。周りの雰囲気にも負けぬ程に柔らかなオーラを纏った彼女が、益々愛おしく見えてきて。)勿論!キミは美しい。僕なんか目じゃないくらいに…ね!(顔の前で手をぱたぱたと煽ぎ真っ赤に火照った顔を冷まそうとする行為を微笑ましげに眺めていれば、彼女の雰囲気が変わる。逃げなかったことだと。認められる物だと。力強く、そして優しい彼女の言葉には、何故だか背中を押されるような、そんな気がした。)……ありがとう、ビナさん。…キミの言葉には不思議な力があるね。…それこそ、魔術みたいに。(その言葉に嘘偽りの様子は無く、黒い瞳孔は真っ直ぐビナを見据えていた。)   (5/3 03:12:59)


レモネード/ビナ> 「ちょちょ、たんま……照れるってば。ん、アダさんも、その、ほんと、綺麗なんです。お人形さんみたいな、造形美と言いますか。池様とも、言いますか……。」(幾らか冷やかな輪郭に柔らかい質感を宿しているような、いわゆる近づき難い高雅な美。高嶺の花。そこまでは良いのだが、その上に男性的な清潭さのような物を重ね合わせられているような、不思議な感じ。だからこそ、筆舌に尽くしがたい、独特の貫禄を醸し出していたのだ。熟れた葡萄酒の酒気、渋味の中の惑わす蜜のような甘味、そしてその中に薔薇の花の如く燃え盛る熱、糸を引いてまるで全てを束ねるように、あなたはまるで、ワインのようだった。)「ああはは。そうなんです。全ての『言葉』に、魔力を宿る。人を苦しませることも、幸せにさせる事もできる、広義の魔術であると、この世界の人間は、誰でも知っています。わたしは、呪文のような、わかりやすい『言葉』よりも、こうした『力ある言葉』を探求する、求道者。その道の果てを求め、旅をしているのです。」(黒真珠と思しき、透き通った、しかし風穴のようなあなたの目に、わたしは真っ直ぐに見返した。)>山葵さん   (5/3 17:46:49)


山葵:婀娜> …ふふ。此処まで褒められるって言うのは、悪い気分じゃないけれど…如何せん照れてしまうね…(す、と胸に手を置き金色の髪を指で撫で。ワインのアルコールからなのか、照れからなのか。頬にはほんのりと紅がさされていた。)…そうか。言葉の、探究を。……凄いね。僕よりも幾分も若そうなのに。(真っ直ぐな瞳に、内心震えるのが分かった。彼女は只者ではない。彼女の言葉の重みの理由が、少し分かった気がする。)……これ、あげる。僕が使ってるのとおんなじ口紅なんだけれど。……あっ、僕が使ったやつじゃないよ!念の為に、新しいのを買っていたんだ。(そう微笑むと、彼女に一つの口紅を手渡す。真っ赤な、燃えるような赤。彼女の白い髪に、良く映えるような気がしたから。)   (5/3 18:09:06)


レモネード/ビナ> 「お返し、だよ。貸しは返す、わたしは義理堅いのさ。」(気取った感じに言ってみるわたしの顔は、悪戯好きな、ただの少女のようにだろうか。わたしの節回しは歌うように。単語を力を込めて糸で縫い合わせ。できた文章を口に出せば、その言葉に力が宿るものです。その様はまるで、寝付きの悪い子どもに絵本を読み聞かせするように、政治演説の小難しいながらに意思のこもった、あなたを喜ばすためのとっておきの呪文。褒めて幸せに、説教で悟らせ、お手の物。それこそ言葉の不可思議、言葉の探究者の権能。しからば。)「へっ、いいの、ですか……?」(あなたの口紅を受け取れば、あなたの唇を一瞥してから、また口紅に視線を戻す。水を含んだ艶やかな朱色は、あなたに美貌を糸で手繰り寄せ、手にする魔法の赤なのだろうか。わたしに、似合うかな。受け取ったそれを、そっと、わたしの唇に、使ってみた。わたしの、小さい唇の上を、赤いスティックが滑れば、わたしは赤く飾られる。化粧など、昔の記憶が蘇る。額に赤を塗る故郷の女性。燃えるような、血の赤は、あの夕陽と重なり——)   (5/3 18:27:11)
レモネード/ビナ> 「どう、かな……?変、かな……?」(顔をあなたに戻せば、少し、大人っぽくなった、わたしになれたかな。)>山葵さん   (5/3 18:27:22)


山葵:婀娜> …ふふ、そうか。これは一本取られた…かな?(悪戯っぽく笑みを溢したビナは、大人っぽい雰囲気が少し抜ける。幼さが垣間見えるそんな笑顔に、こちらは困ったように眉を下げて笑って見せるのだった。)うん。この赤はきっと、キミにこそ真の価値を発揮するろ思うから。(驚き、此方を見てからまた口紅へと視線を落とす少女。その様子は、お洒落を楽しむ女の子そのもの。小さな唇を覆う朱が、この場に置かれたグラスで揺らぐ、真っ赤なワインと重なり合って。艶やかな色を放つ口紅は、思った通り、否、想像以上に良く似合う。変かな?と此方を見つめてくるビナにふわり、と優しげな笑みを浮かべ「似合っているよ、ビナ」と告げた。)   (5/3 18:37:29)


レモネード/ビナ> 「あはは、ありがと、ございます。大切に使います。」(濡れたように赤い唇から、白い歯を見せて、ふにゃっと口角を弛ませたように微笑んだ。なんだか、最近貰ってばっかりだ。レフィーネちゃんから貰った花飾りは乾燥させて付箋にした。ガデューカおねーさんのアロマとハーブティーはゆっくりと大切に使わせてもらっている。ライキョウくんからは形にならない大切な言葉を貰ったし、そしてあなたからは口紅を。どれも、『言葉』ばかりを見ていたわたしでは持っていない物を貰った。)「あ、お腹空いていたんです。アダさんの食べていた物、すごく美味しそうだったので、わたしも、たべてみたいなぁ…って。」(なんて晩食は、続いていく。偶々、言葉の探究の道に巡り逢ったあなたは、優しく、抱擁されるかのような優しさを持っていた。蝋燭が、揺れる。ワインが、揺れる。ドレスが、揺れる。揺れた、金銀の髪の隙間から、覗かせた『赤』の唇は、『大人』の二人とも、柔らかに笑みを浮かべていただろうか。)〆>山葵さん   (5/3 18:51:35)