この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

舞踏会-恋とはどんなものかしら-

(レフィーネ&オウガ)

〆鯖/レフィーネ > (ビナとのダンスを終えて、息を整えながら飲み物を探しに隅のテーブルへ向かう。清涼な水が欲しいけれど、ここにそんな気の利いたものはなさそうだった。ジュースが少しだけと、あとはお酒、お酒……。普段ならば手に取ろうともしないが、なんとなくそれを飲んでみてもいいかなという気になったのは、春の終わりに人知れず16歳の誕生日を迎えていた事が起因していた。16歳といえば故郷の村では成人の扱いである。色々あったせいできちんとした儀式も何もできなかったけれど、この場を以ってひっそりと自分を祝ってあげてもいいのではないだろうか。だって、綺麗なドレスも着てるし…そうでもして自分のなかでけりをつけなければ、うやむやになってしまいそうだったから。並べられたデキャンタの中から一際きれいで透き通ったお酒を手にとり、グラスに注ぐ。それが最も度数の高い蒸留酒とは知らずに。)……こ、こんなとこ、千騎長に見つかったら―…ふふっ。(なんだか悪い事をしている気分。『でも、もう成人なんですもんね。』なんて心のなかで呟いた。)>千騎長   (5/2 23:29:59)


しぃずま@オウガ > 「おまっ!…お前なぁ…(と、あなたに声をかける者が一人。一時、ふわりふわりと花のように舞っていたあなたが、また花のようにふらりとここにやって来たのに少し驚いて、少し考えて、冷静になっていた途端に、オウガ好みな度の高い酒をグラスに注いだのを見て、かなり驚いた。今も気持ちが浮いているあなたには関係ないのだろうが。オウガはあなたを止めようとしたが…時すでに遅し、あなたはこくりと一口、酒を口にしてしまっていたのであった。)はぁ…成人して初っぱなからそれたぁな。(やれやれ、と額に手を付けば、自分もその透明な酒をグラスに注ぎ、ごくりと飲み干した。)まぁ、こういう経験をしとくのも、大切だろうが、なぁ…(水のように透明な蒸留酒が一層水のように見えてくるほど、オウガは顔色の変化がなかった。度数はとても高いはずだが…それこそ、成人したときからこういった度の高い酒を飲んでいなければ、慣れないくらいは。)まぁ俺も調子にのってそれを飲んじまったタチだ…お前は過失だけどな…(聞こえてるかは分からないが、と心の中でつけ足しながら、あなたの顔を見る。どういった反応を示すのか、多少なり興味本意で。楽しみにしてしまって。)」   (5/2 23:52:30)


〆鯖/レフィーネ > ……へっ!?(思考を読み取られていたかのように声をかけられ、思わずうわずった声を挙げてあなたのほうへ振り向く。口に含んでしまった蒸留酒は喉をかっと刺激して、振り返ったレフィーネの顔は苦味や熱さになんとも言えないしかめっ面をしていた。悪さをしているところを父親にうっかり見られたかのようなバツの悪さを感じていたけれど、かけられた言葉は思いの他優しい包容力を感じるものだった。)……わ、わわ…せんきちょ……って、成人したこと、いいい言いましたっけ!?(シンシアにも言ってないのに…なんて驚きに目を見開きながら、あぁ、そう言えば去年うるさいほどにプレゼントをおねだりしたっけ…よく覚えてたなぁ。なんて一人で勝手に納得して。)   (5/3 00:10:54)
〆鯖/レフィーネ > ……あ~…わ、わたし、これ…あんまり好きじゃ、ああありません。すごいですね、千騎長…良かったら、残りもあげます…。(まだ半分以上残っているグラスをテーブルの上に置き、つつ、とあなたのほうへ指先で寄せてみせた。)それより……し、知ってたんなら、なにかおおお祝い、してくれます、よね?(首を傾げながらにっこりとおねだりをしてみる。こんなに早く酔っ払うはずもないけれど、人を酔わせるのは酒だけではないのだ。)   (5/3 00:10:59)


しぃずま@オウガ > 「はぁ、言わんこっちゃない。(顔をしかめるあなたに、オウガは何か重いものが乗っかったような錯覚を感じて、肩を落とした。)俺は、人の事忘れねぇよ。(忘れられない、といった方が適切だろうか。オウガの人柄という呪いだ。悲しいかな、オウガは人を突き放すことはできないし、引き寄せてしまうのだ。あまりにも優しくて、真面目で、強くて、逞しくて、格好良くて…気づいたら周りに人が集まっている。それが、オウガには憎かった。「俺に関わらないでくれ」、その一言が言えない自分が憎かった。殺してしまいたかった。だがそれも、人を悲しませることになる。友の死に心を打ちひしいだから。友の魂が背を押してくれたから。師の言葉が今も頭から離れないから。今こうして、生きている。)あぁ、生きてるな。(あなたの驚いた声を聞き、オウガは微笑みながらそう呟いた。)っと…そうか。んじゃ、遠慮なく飲ませて貰おうじゃねぇか。(無神経な訳ではない。酔っぱらっている訳ではない。というか、こいつはいいのかな、と思いながらグラスを受け取ったくらいだ。薮蛇だろう、と気遣って、その言葉は口にも気にも全くせず、残りをぐいと飲み干した。)   (5/3 00:49:06)
しぃずま@オウガ > お祝いねぇ…お前ももう子供じゃねぇんだから、欲しいものは自分で買ったらいいじゃねぇか。(と言って、意地悪な顔をしつつ少しあなたの反応を待ってみる。)…なんてのは冗談だ。欲しいものがありゃ何でも言いな。出来る限りで、あげてやるさ。(何でも、なんて言えば、あなたがとんでもない物を欲しがるのは少し見えていた。なのでオウガは、「出来る限りで」の部分を強調して言った。)まぁそれにしても、お前は変わったとはいえ図々しさは残ったまんまだな。(いやしんぼなあなたに罰を与えるように、その太い中指であなたの額へデコピンする。)」   (5/3 00:49:09)


〆鯖/レフィーネ > (『人の事を忘れない』…その言葉が少し悲しそうな響きを孕んでいたのに、レフィーネは気づけなかった。それもまたきっとあなたのつらいところなのかもしれない。弱さを見せぬ、いや、見せられぬ一鬼当千。レフィーネの申し出を快く受け入れ強い酒を顔色一つ変えずにあおってみせたのも、レフィーネにこれ以上飲ませる訳にいかないというさり気ない配慮だったのかもしれない。あなたの優しさはいつだってあまりにもさり気なくて、それがあなたを苦しめているかもしれないなんて事を、その心の内を、誰が知っているというのだろうか。)……うー。そう、ですけど……千騎長に祝ってほしいんですっ…。(年の離れた兄か父親を前にした時のように安心しきった顔で、レフィーネは口を尖らせた。ほしいものといざ言われてみても思いつかず、えーと、と少しの間逡巡を見せた。仮にも百騎長として団に席を置いている身であるからして、買えないものはそんなにない、実を言うと物欲も、そんなにない…。)……わっ…!ちょ、ちょっとー…。   (5/3 01:14:19)
〆鯖/レフィーネ > (考えていると額にあなたの中指がぱちっとあたった。痛くはなかったけれど手で抑えて、『子供じゃないなんていいながら、子供扱いなんだものなぁ…』と思った瞬間、ある名案が思いつく。)……え、ええっと…、じゃ、おおお金で買えないものがいいです。……「もう子供じゃない」って、いいいましたよねっ?こんな言葉を知っていますか、…おっ、オウガさん。(す、とテーブルの側から離れて姿勢を低くし、スカートの裾をつまんでお辞儀を見せながらその映画めいた台詞を口にする。)…レディと、花売り娘との差は、ど、どう振る舞うかに、あ、あるのではありません。 どう、扱われるかにあるのです。(あなたにこの言葉の真意が解るだろうか。『男性から誘うのが筋でしょ』とでも言いたげな、いたずらっぽい笑みを浮かべて、成人のお祝いを。「子供じゃない扱い」を、レフィーネは求めた。)   (5/3 01:14:36)


しぃずま@オウガ > 「(その鬼には、流れきって、血も、乾ききって、涙も、ない。オウガはそんな人間だった。だが民草たちはその事実だけしか受け入れられなかった。戦友の死を誇りに思い、そして前を向いて歩くオウガは、遺族たちにその顔を殴られた。「涙は流せないのか」と。戦友の死に心を痛め、そして黙り込んで追悼するオウガは、遺族たちにその頬を叩かれた。「嗚咽は出ないのか」と。戦友の死が何度も襲い、そして死に損ずるオウガは、遺族たちにその頭を蹴られた。「お前は死なないのか」と。全て、全て、全て、あれもこれもそれも、強さを保つための、上部だけの自分なのだ。滝のように涙は出したいし、雷のように嗚咽は吐きたいし、虫のように誰にも知られず死んでいきたい。若い頃だった。誰よりも優しいから、孤独に死んでいきたいと思っていた頃だった。嘆かわしい過去だ。)   (5/3 01:57:36)
しぃずま@オウガ > 今は、お前らがいるしな。(戦友たちは皆死んだ。いるのは老練の先輩たちと、娘息子のような、若い者と、少しばかりの同年代の者しかいない。だがそれが、オウガの心を変えたのだった。「千騎長に祝ってほしい」と願うあなたの声を聞けば、暗くなっていた顔も、後ろを向いている時ではない、と、いつものように戻った。)辛気臭ぇ顔は、今の俺には似合わねぇ。友よ、見ているか。(俺はこんなにも幸せだ。友よ、貴方たちのお陰で。あぁ、とても清々しい気分だともさ。笑って見ていてくれよ。)がっはっは、本当、図々しいもんだ。…いいぜ。(とても大人びていて、レディらしい純白のドレスを着飾り、風に解ける、木葉のような短い緑の髪。宝石のように輝き、未来を見据える翡翠の瞳のあなたの手を、着古されていて、年期の感じる渋いスーツを身に付け、ずんと佇む鬼の立ち姿を思い浮かばせるような、重い錆色の髪と髭。全てを吸い込んでしまいそうなほど純粋な黒い瞳のオウガが、取った。)共に踊ろう、ミス・レフィーネ。   (5/3 01:58:09)
しぃずま@オウガ > (恋とはどんなものかしら。甘酸っぱくて、優しいの?それとも辛くて、厳しいの?それを知るのは、愛する者同士だけ。今宵は二人とも、それを知る由はないのかもしれません。)」〆   (5/3 01:58:13)