この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

シチュー

(ビナ&梟)

ミカ@梟 > 「(尊華帝国、医療所。噂の流行病に侵された人間が集う場所だ。何十という喚き声が、木霊する様に飛び交う地獄の様な一室で、一足先に平静を取り戻した梟はその鬱陶しさに対する苛立ちを隠しきれずにいた。数分、数時間と、過ごす内にその苛立ちも沸点に達し、とたんに引っ張れるように飛び起きては、医療従事する者たちの目を掻い潜り外へと抜け出した。勢いよく扉を開け放ち、幾日ぶりかに吸い込む外の爽やかな空気は彼の心を洗い流すようで、物静かな外は彼の心を、赤子を宥めるように落ち着かせる。徐に黒で塗り固められた空を見上げれば、時間は夜だと気づくだろう。長いこと寝ていた事に、はぁ、と憂鬱げなため息を清涼な空気に混ぜれば、ズキズキと痛む腹を押え、近くへの河川へと歩を進めた。)……痛てぇ……何考えてたんだか、随分と手酷くぶっ刺したもんだ」   (4/28 02:23:36)
ミカ@梟 > 「(正直、発症していたことすら曖昧だ。苦しんでいたことは確かだが、そこで何があったかは定かではない。しかし、かつての仲間を想い、罪の意識に押し潰されそうで、どうしようもなく、ただただ許しを乞うていた事だけは覚えている。そこから命からがら拾われた彼は、記憶の糸が絡まってしまったかのように、なんとも複雑な心情だった。あの感覚はなんだったのか。自分が自分で無くなってしまうような──、そんな、気難しい事を考えている内に、ぐうぅ、と彼の腹は唸り声を上げていた。この所一切何も口にはしていない。限界に達した腹の虫が、夜を迎えて泣き喚くかの如く。咄嗟に腹を押さえるが、多大なる空腹感は留まることを知らない。そんな彼は、ふわりと香和う懐かしい匂いにつられ、川の傍を歩いて回った。)」   (4/28 02:23:38)


レモネ/ビナ > (川岸。雨の降る音に似たせせらぎの音が、涼しい風とともに頬に当たる。ランダムに行く、雲がふわりと行く様はこの世界の行末のよう。雲を掴むように、掴みどころがなく、雲はどこへ行くのかもわからない。今の乱世に当て嵌めるのに、これほど適任な役者がいるだろうか。さら、さらら、澄み透おった水音にしばらく耳を傾けていると、まるで耳が聾したかのように、静謐に支配される。パチリ、という薪の弾ける音で、ようやく音の存在を思い出した。背もたれ替わりの眠そうな羊は、呑気にめぇ〜と鳴いている。絨毯の下に感じる砂利の存在を、痛くなったお尻で感じながら、うぅんと大きく伸びをしてから欠伸をした。全く、世の中は今大騒ぎだというのに、ここだけ隔離されたように長閑で、状況と世間とであまりにも乖離しているのに不思議な錯誤を感じざるを得ない。コトコト中から泡立ち、煙を放つ鍋の中身はいい頃合いだ。乳白色のドロリとしたスープは、具沢山。流石に、川の水そのまま使えば暴露者の仲間入りなので、そんな間抜けな事はしない。ちゃんと蒸留したものを使っているとも。)   (4/28 02:40:28)
レモネ/ビナ > 「ふぁぁ……。 混ぜるのだーるい……。ん〜……」(眠い目を擦ってから、おたまでぐるーりぐるり、シチューをかき混ぜてみると、具がゴロゴロと大きくし過ぎたのか混ざりが悪い。まぁ、慌てない、急がない。こういう時調子乗ると失敗するのは知っている。しかし、芳しい香りだ。暴露者が増えすぎて、物価が下りに下がるのは、不謹慎ながらもありがたかった。経済が回らなくなるのは、色々な不都合が生じるものの、こう言った面では有難い。だからこうして普段はできないような具沢山、ゴロゴロ野菜シチューなんて作ってみたのだが、いやはや、だからと言って少し作りすぎたと困ったように苦笑いを唇に塗った。)>ミカさん   (4/28 02:40:40)


ミカ@梟> 「(にしても、一体この国に何が起こったのか。ふらりふらりと揺らぐ意識を必死に抑えつけ、鈴虫の鳴き声に導かれるまま、覚束無い足取りで歩を進める。──1、2分程度だろうか。コトコトという音、それと匂いの元出は案外近くにあったものだと知る。見れば華奢な少女が、ぐるぐるとシチューを掻き混ぜて居るではないか。晩食の支度だろうか、体に見合わぬその量は到底少女の胃袋に入りそうにない。誰か連れ人が、とぐるりと周囲を見渡すが、それといった人影はなく、少女ただ独りだ。美味そうなシチューの香りに煽られて、腹がぎゅるると音を上げるが、その前に聞くべきことがあるだろう。──この国に、一体何が起こったのかを。真相を得るため、動く度にじんわりと痛む腹に苛立ちながら、少女へと声をかけた。)……そこの女、悪ぃがこの国に、尊華に何が起こったか教えちゃくれねぇか。ちとばっかし寝坊しちまったみてぇで、なんも知らないんだ。(つう、と額から汗が流れる。腹の痛みが想像以上に荒立ち始めた。だが、そんな事には意にも介さず声を絞り出す。酷く掠れた声だが、聞き取れないほどではない。態度は悪いが、彼の切迫した心情は察してもらえるだろうか。)」   (5/4 23:53:03)


レモネード/ビナ> 「『ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア。美味しくなーれ、シチューよ混ざれ。コク出し、旨出し、美味しくなーれ。』………うん。たぶん、おいしくなった。」(多分、美味しくなっているはずだ。だって、それが言葉の力。違うけど。とある事情から、『覗く』魔術しか発動できないビナは、唱えるだけタダなんてノリで、鍋底を掻き混ぜながら、鍋の味を大いなる存在に嘱する。そんなふうに、適当な時間を過ごしていた。薪がはじけるのと同じように、彼の声は突然ビナの鼓膜を揺らした。)「———この国の、こと………。」(声のする方を見れば、弱々しい彼がいた。『冷たい氷のような男』だったが、今の彼はまるで今にも砕けてしまいそうな『氷膜』のよう。そして、ボロ布のようだった。使い古されて、捨てられる直前のように、ボロボロの姿。頬は窪み、至る箇所に骨張った凹凸が見受けられる。見れば分かる。【命の水】の暴露者だ。精機を失った目をしていないことから、彼は治療を受けた後と見受けられる。だが、まぁ、しかし、鋭い五感を持つわたしは、あなたの腹の虫の不機嫌さを聞き逃しはしなかった。)   (5/5 00:09:27)
レモネード/ビナ> 「じゃあ、教えるかわりに条件ある。」(わざとらしく)「———その条件とは………」(真剣な表情にすれば)「———このシチュー、作りすぎたから…一緒にやっつけてくんない、かな?えへっ」(と、お茶目に笑いながら、少し横にズレて、空いた絨毯のスペースをポンポンと叩いて合図しようか。)>梟くん   (5/5 00:09:41)


ミカ@梟> 「(一緒に食べよう。そう言われた彼はなんとも疑り深い顔を貼り付けて、疑心の眼差しを彼女に向けた。──しかし、なんとも茶目っ気のある表情で誘いを持ちかけてくる彼女。拍子抜けしてしまうような笑顔に、あっさり毒気を抜かれたらしい。のそのそと動いた梟は、どさ、と音を立てて座った。腰を下ろせば、傷の痛みが多少和らいでいく。正直、腹と背中がくっついてしまうような、極度の空腹に苛まれていた彼は、それを紛らわせるのであれば毒でもなんでも食いたい気分だった。その目と鼻腔で捉えた煮えるシチューのお陰で、その食欲は一層深まっていく。幾日振りの飯だろうか厳密には覚えていない。キラキラと輝く白色のスープ。ごろごろと煮えている大雑把に切られた具達は、なんとも食べ応えがありそうだ。)……よくもまぁ、こんなに作ったな。……だがまぁ、それを食わせてもらえるってんならありがてぇ事だが。(死にかけを拾ってもらった身だ、多少の感謝を示しつつ、矢継ぎ早に口を開いた。)それで、さっきの質問だ。シチューでもなんでも食ってやるから、何か知ってんならなんでもいい、教えちゃくれねぇか。」   (5/5 00:50:43)


レモネード/ビナ> 「まぁ、『君が知りたがってる情報にも関係するちょっとした理由があってね』。具材が安かったから、買い過ぎちゃて……えへ、んでね、ん……調子に乗って普段作れないよーなもの作ろうとしたら、分量しくったちゃた。あははっ、ほんとばか。」(なんて、木彫りの滑らかな曲線のお碗に、できた乳白色のクリームシチューをとろりと分配しながら、そう作り過ぎた訳を説明して自嘲した。盛り付けた器の中には、根菜、葉菜、そして肉が、ゴロゴロとやたら具がでかく、温かいシチューが並々注がれていただろう。その揺らめく湯気が立ち昇るお碗を、また同じ木彫りのスプーンと一緒にあなたに渡そうか。その温もりは、まるで凍りついたあなたの体を芯からじわじわ溶かすよう。なんて、別に腹拵えの料理一つにそれ程の期待はしていない。だけれども、同じ釜の飯を突つく仲には、それくらいの魔法は似合いでしょう。)「そうだなぁ……何から話せば、いいのかな。んん〜……」   (5/5 01:06:46)
レモネード/ビナ> (もう一つの木彫りのお碗にシチューをぼてぼて注ぎながら、悩むように唸った。ちびちびと、お碗を両手で持っては、熱々のそれをアヒル口になった唇に触れるように味わうか。それから、すこし魔を置いて、『一つ』言った。)「『雨が降ったんだよ』。悪夢をたっぷり染み込ませた、苦く苦しい、雨が。」(と。)>梟さん   (5/5 01:07:02)


ミカ@梟> 「えぇと、そりゃつまり、どういう事だ。……厄介な事が起きちまった、ってことは分かるぜ。(尊華は強い。易々と領土を落とされた訳でもないだろう。ならば災害か。うぅんと、唸っては思考の深くへ。災害が起きてしまったような、そんな様子は街には見られない──いや、1つ。自分も経験しているではないか。深く、どうしようもない多幸感と罪悪感の渦にはまってしまった、あの泥濘の底のような意識。苦しく、自らの命さえ投げ出してしまおうと思えるような、最悪な感覚。その元凶が街に撒かれたとすれば──、ぐるぐると巡る思考。そんな集中を遮ったのは目の前に差し出された一杯のシチューだ。ふわりと香る懐かしい香りは、少年時代を思い出させるよう。掌にじんわりと伝わる生暖かさが、彼の固まった心をゆっくりと、丁寧に解くようだ。)雨……?その雨が、一体……(ぐわ、と脳を揺さぶられるように、一片の記憶を思い出す。気がおかしくなる前の、最後の記憶。確かその日は、ぐっしょりと通り雨に濡れて──」   (5/5 01:40:30)


レモネード/ビナ> 「『水』って、普段の生活に必要不可欠だよね。わたしが作った、このシチューにも、水は使われているし。喉が乾いたら、水を飲む。川の水、井戸の水、水は生活の基盤にある。その水って、どこからやってくるのかな。殆どはね、『雨』だよ。」(シチューを一口頬張れば、ホロリと具は解けるように、旨味となって溶けていく。ワイルドに切り分けられた具材は、素材本来の深い味わいを、クリームの濃厚なソースがねっとりと絡みつき、濃厚な余韻を残して喉を下る。そのあとは、口腔の奥から香るスパイスと、温もりのような余熱が、空白の味わいを楽しませた。そんな舌の楽しげな賑やかさに対して、例え話の内容は冷たく濡れて、真剣だった。)「ねぇ、おじさん。想像してみて。『もし、その雨に、人を狂わす性質があったら』。」(そんな、恐ろしい例え話を持ちかけた。ああ、彼女の最初に話した『前提』の話の通りならば、想像するのも恐ろしい大事になることは、火を見るよりも明らかな自明の理であると。)「それは、それは愉快なことになると思わない?何があったのか、『もう分かるんじゃないかな』。」>梟さん   (5/5 01:55:54)


ミカ@梟> 「………ッ……雨か、そうか。(彼女の言葉に、ぞわ、と身の毛がよだつ。メキメキと組み上がるピースは、彼の疑念を確固たるものへと変化させていった。最後の記憶、雨に全身を侵されたあの日。自分の精神を蝕んだ水は、この街に降りしきった。いったい何人の人がそれを浴びただろうか。いや、浴びるだけではない。飲料水に使われるのであれば、口にする事もあるだろう。その感染経路の多さは、計り知れないものだ。そんな恐ろしいものが水を介してバラ撒かれ、多くを蝕んでいったのだろう。──そこで一つ、彼の頭には疑問が浮かんでいた。)……神様って奴が愚かな人間に裁きを、って訳じゃねぇんだろ。誰かが意図的に……ってんなら、笑って見過ごせる話じゃねぇな。(手に伝わる暖かい感覚。その美味そうなシチューには、手がつけられていない。あまりのスケールの大きさに、彼の思考は、空腹を差し置いて完全に持ってかれていた。一体どこの誰が──)……どこの誰だよ、こんなご大層なことやらかしやがったのは。1発殴ってやらねぇと、どうにも気は晴れそうにねぇぞ。」   (5/5 02:19:58)


レモネード/ビナ> 「はふっはふっ、あ、ちゃんと安心してよ。このシチューには、沸騰させて、蒸気だけを集めて、『蒸留』したものだから。『これ』、この川の水を蒸発させて、残ったものね。」(匙の進みが悪いあなたのことを見兼ねたわたしは、もしや、このシチューに何も手を加えてない水を使っているのではないかと疑いを持っているかもしれない。そんな疑いを持っているかも知れないあなたに、ちゃんと加工した水を使っていると、一応の説明をして。そうすると、思い立ったように鞄をガサゴソと徐にあさり始めると、やがて一個の小瓶を取り出した。それをあなたに渡すのだ。瓶の中にはさらさらとした結晶状の白い粉。)「これが、『悪夢の正体』。それが、水の中に溶けているの。だから、ね?このシチューにその粉ぶっかけたら、また水ばっか求める中毒者にぶり返しってわけ。」   (5/5 02:39:53)
レモネード/ビナ> (なんて乾いた笑みを浮かべていた。その目に、楽しげな様子は全く宿していない。どちらかと言えば、この悪夢のようなからくりに、耐えきれない怒りを宿していただろうか。しかし、その怒りの矛先は、今この場所にいない。行き場所をなくした感情は、まるで眼前の火の粉の迸りのように、鋭く煌めいて散った。)「勿論神様の思し召しなんかじゃあないよ。わたし、旅をしてるの。雨が降ってから、ウェンディア王国、ここ尊華帝國、そしてヨズアの神島。三国を回って、気づいたの。明らかに、『ヨズア人に水の暴露者がいなかった』。——わたしはね、『シュクロズアリ旅団』がクロだと、思う。」>梟さん   (5/5 02:40:04)


ミカ@梟> 「そこは心配しちゃいねぇが……薬物みてぇなもんか。随分とタチの悪い事をしやがる。(差し出され、渡されたひとつの小瓶。さらさらと流れるような、その中の粉、その小粒のひとつまで悪意を秘めているようでどうにも気味が悪い。こんなものを見境なくばらまいた、人間と思えぬ悪魔の所業。──きっちりとツケを払ってもらわねば。)……勘弁してくれ。充分って言える程、死の淵は楽しんだよ。あぁ、思い出すだけで気分が悪い。(そんな調味料はごめんだ、と言わんばかりに嫌悪を示した彼は、突き返すように白粉が入った小瓶を相手へと送り返す。彼女の思う所と、彼の感情は同じだ。ふつふつと湧き上がる怒りの感情は、彼の血流を巡り、自然と拳に力が入る。だが、今は体を労わる事だ。仕返しは、その後。思い出したように匙を取り、少し冷めてしまったそれを勢いよく口へと流し込んだ。ごろごろとした食感に食べ応えを感じながら、久しぶりの食事を楽しむとしよう。)」   (5/5 03:52:51)
ミカ@梟> 「──シュクロズアリ、旅団。(怒りに任せてそれを噛み締めるように、静かにその名を呼んだ。“ヨズアを救う者達” 。名を聞くのは初めてではない。だが、怒りを明確に覚えたのは初めてだ。ゆっくりと、シチューの最後の一口を頬ばり、足元にその器を置く。)……美味かった。ご馳走様、助かった。(ぼそっと出た言葉。少なくとも義理は感じているのだろう、素っ気ないが、小さく感謝の意を示した。)」   (5/5 03:52:52)


レモネード/ビナ> 「あはは、でも、それを知ったなら、少しでも多くの人に伝えてね。この『水』の質の悪いところは、その不明性。例えあなたのように治療に成功しても、水を摂取すれば、『また発症』する。根源が水である以上、それを知らなければ、永遠にこの悪夢は終わらない。本当に『悪夢』だよ。」(飲めばゆっくりと″命″を″水″のように溶かしてしまう、『命の水』。その冷たい恐ろしさは、あなたが身をもって経験した通りだ。その悪夢が、目覚めたと思えば、また引き摺り込まれる。貧乏くじだ。震える彼の手は激情の兆しか。あぁ、彼には大きな貸しを作ってしまったのだろう。愚かなシュクロズアリ旅団の『黄昏』は。冷たい『氷』のような夜の、すぐ側だ。)「うん、こっちこそ、シチュー、食べてくれてありがとね。君のおかげでなんとか鍋の底を拝めそうだよ。おそまつさまっ。」(器を置いて立ち去る彼の背中を追うように、こちらも礼の言葉を言っておく。しかし、それよりも、聞いておきたいことが、あった。)「まって。」(静止の声をかけた。)「今の私の説明を聞いて、何をするつもり?」>梟さん   (5/5 04:15:09)


ミカ@梟> 「さあ、俺がやらなくても誰かが伝えんだろ。知ったこっちゃない。とにかく、当面は気をつけりゃいい話だ、俺は同じ轍を2度踏まねぇ。(そんな人任せを口にすれば、徐に懐へ手を突っ込んだ。そこから取り出したのは、先日の一件で所々が血に染った煙草。その中から1つ摘み上げれば、マッチを燃やして先端を炙り始めた。ジリ、ジリ、と音を立てて燃焼を始め、先端は赤く炎を灯す。それを強く吸い込めば、肺いっぱいに煙を取り込んでいった。──やる事は見定めた。シチューを頬張り、怒りに身を震わせるだけだった彼が、今はどうだろう。討つべき目標を知り、討つべき理由を知り、討つべき覚悟を得た彼が背中に纏うのは、無慈悲で、残酷で、冷酷で、冷徹な、怒りに沸き立つ『紅翼の蒼』そのものだ。怒りをやる気に転化し、踏み込む足にも力が入る。礼だけ伝え、そのまま去ろうとする彼に背後から声が掛けられた。何するつもりか──、そんなもの聞かずとも決まっているだろう。)……どんな話にも“落とし所”ってもんが大事だ。分かるだろ? そいつがねぇとどうにも締まらねぇ。──だから、この話にオチを作ってきてやる。“めでたしめでたし”ってな。」   (5/5 04:51:51)


レモネード/ビナ> 「——そかっ。」(その顔は、どこか安心したようだった。この人ならば、わたしのかわりにシュクロズアリの尻拭いをしっかりと果たしてくれる。そう確信ついた。そして!その確信は信念と変わり、わたしに出来ることを探す心情へと昇華した。君は戦うだろう。戦って、その後は、どちらかが凍りつく。そればかりに甘えるばかりでない。わたしの落とし所は、わたしでつける。『それで、めでたしめでたし』。でしょ?字も知らぬ薄氷の人。しかしそんな氷膜のあなたは、割れずに鋭い刃物のような切れ味をチラつかせる。冷たい、殺意と、白く反射した、ぬらりと、血に照る翼のようだった。それが何よりも恐ろしく見えたし、頼もしくも、頼りなくも見えた。わたしは、作るんだ。薬を。あなたと同じ戦場ではなく、わたしだけの戦場で、戦う。そんな人知れぬ決意の炎を、あなたの熱に延焼されたのかも知れない。)「わかった。派手にやっつけてきてよ。おじさん。」(なんて言って、戦地に向かうあなたへ、エールを送るのであった。)〆>梟さん   (5/5 05:04:47)