この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

命の水-治療失敗-

(獅子唐&白梅)

クロ:白梅 > お'' 、ッ、ぅ"エ" ッッ ンぐ、ッッぉ"ぇ"ッッッ( 酷い嗚咽と嘔吐音が、木のバケツの中へと消えていく。苦しそうに何かを喉から何度も何度も捻り出す音や、嘔吐の独特な腐臭まで加わり、部屋全体へと、不穏な空気と共に広がっていく。少し垂れ気味で可愛らしい、不思議な程真っ黒だが、虚ろげな目には涙が溜まり、ぽたり、ぽたりと頬へとつたい、「 ヒュ - …ッ、ヒュ ー ッッ 」と空気が口から漏れる。あの凛とした声を出し、立派に尊華の為に働く元帥の姿とは思えない、哀れな病人の姿。自身が吐き出した、目から零した物が、勿体なくて堪らず酷く獣の様な声で「 あ"ぅ、…、わ、 ら" わの、み "ず 」なんて苦しそうに呟けば、何度も咳き込む。白梅は、簡単に言えば病状が悪化していた。水は欲しがり、全て吐き出し、それを見て何度も何度も苦しそうに悶えながら水を要求する。その繰り返しだ。見るに堪えない元帥という女性の姿が、この部屋、白梅の自宅にあった。   (4/28 01:22:45)
クロ:白梅 > 先程迄、見舞いに来てくれていた人達が居たせいで、頭の可笑しい姿は見られたかも知れないが、必死に、必死に、目の前で吐くのを我慢していたせいかもしれない。_運が良かったのか、悪かったのか。苦しむ姿を見られないのは、運が良かったのかもしれない_なんて、フラグであるけれど )   (4/28 01:22:48)


山葵:獅子唐 > ………元帥。入りますよ。(その言葉と共に戸が開かれる。先程見舞いに来て、今し方仲間と共に帰った筈のもじゃもじゃ頭の男。部屋全体を呑む酸い臭いに、彼がどんな反応を示したか。色付きの眼鏡と月明かりの逆光によりそれは分からなかったが、握った拳が震えているのはわかった。)……元帥。失敗します。(桶の中へと吐かれた吐瀉物も気にも留めずに彼女の側へと歩き、正座の姿勢を取る。彼女の中の貴重な水分が奪われていく苦しさが自分にも痛い程分かってしまう。だからこそ。)……元帥。口をゆすぎましょう。そのままだと……口の中が気持ち悪いでしょうから。(きっと彼女は、口をゆすいだ水を吐くことさえ勿体無い、そう言う考えに陥っている筈だ。だがそこは否定しない。痛い程、その気持ちが分かるから。未だ口を付けていない新しい水筒から水を注ぐと、深淵のように深く暗い瞳の白梅の前に差し出す。)   (4/28 01:34:14)


クロ:白梅 > ( 扉が開き、見覚えのある顔が1つ。周りの景色が曲がり、煌めき、歪む中、その顔だけは、しっかりと見えた。_確か、主は、先程の_「 し、 し " とう … 」。白梅の苦しげな表情の中に、少しの驚きが出る。目を開き、先程のを見られたのかと思うと、心が荒ぶる。_見られた、恥ずかしい、水が欲しい、悔しい、辛い、苦しい、水が欲しい…水が、水が、水が_思考がどろどろと脳内で溶けだし、白梅を酷く混乱させた。そんな時の、水。注ぐ音で胸が高鳴り、注がれる水を見て愛する人を見詰めるかの様な視線を送る。だが、必死に、必死に、残り少ない理性とも言えない様な物にしがみつき、差し出された水を見ないようにし、獅子唐の顔を出来る限りしっかりと見詰め、片手を伸ばし、服にしがみつきながら、「 わら"わ、は、…ッ、ヒュー…ッ…ッ、口を、ゆ"すぐ、…ッ、為、げほ、…ッ飲み込まぬ" よ、ぅ''、背中を、なぐ、…ッ 」と、掠れた声で伝えた。   (4/28 02:04:11)
クロ:白梅 > 口を濯ぎたい気持ちは、あるのだが、どうにも吐いたばかりで水が欲しいという気持ちが噴水の様に溢れて止まらない。水を見れば、飲んでしまうかもしれない。だが、気持ち悪くてしょうが無いのも、事実。手先が痺れ、_上手くコップを掴めるかどうかも分からない_そんな心配を他所に、白梅は震える手でコップを受け取った。_嗚呼、美しい、美しい、これを濯いで口から、体内から出すなど勿体なくてしょうが無い__はぁ、はぁ、と息を切らし、蕩けた顔で水を見つめ_白梅は水を口に含んだ。 )   (4/28 02:04:14)


山葵:獅子唐 > ………。元帥。……どんな姿であろうと、元帥は誇り高き軍人です。………ボクの、憧れですから(驚きを含んだ苦々しい表情。見ると心が痛み、来ない方が良かったのではないかと。そんな考えが頭を過ぎる。…ぶんぶんと首を横に振りそんな考えを消し飛ばせば、服にしがみつかまれ。縋るような、掠れた声で背中を殴れ、そう伝える白梅の細い手にそっと手を重ねれば、分かったと答えるように首を縦に振る。)……。(目の前の、弱ってしまっている存在。普段は気丈に振る舞い、気さくな彼女がここまで弱っているのを見るのは初めてで、言い表せないが、ドキドキした。……自分より5も歳上なこの女性は言わば高嶺の花。それが今はどうだろう。雨に濡れた子犬のように弱ってしまっていて。)……元帥。お背中の方…失礼します。(邪な考えを振り払うように、水を含んだ白梅の背を叩く。すぐさま痛む背を労わるように、そっと撫でてやり)   (4/28 02:18:21)


クロ:白梅 > ( _憧れ。そうと言われてしまえば、やるしかない。その言葉に気分を良くしたのか、ふにゃり、と幼児の様に笑みを零す。だがそれは一瞬の出来事であり、すぐに苦しげな表情へと戻る。_申し訳ない事をしているのは、重々承知だ。だが、今は愛しい部下を気遣えるゆとりすらない。__すまぬ、獅子唐_。ぽつり、と心の中で述べる謝罪。優しく労わってくれる部下に、今は甘えるしかない。水を口に含めば、頼んだ通り背中を叩いてくれた。衝撃で、口が軽く開く。それを利用し、無理矢理口に自身の指を2本入れ、喉を広げ、口を開く。「 ~ ッッ、 げ ほッ 」と、苦しそうに咳き込み、口に含まれていた水が吐き出される。指を口からゆっくりと抜く。「 は ~ ッ_は ~ …ッッ 」と、荒い息遣いを整える。背中を、優しく撫でてくれているのが心地よいのか、少しずつ息が整い、水が体内から出た事に対しての気持ちが少し薄れた。   (4/28 02:42:00)
クロ:白梅 > それでも水が無いのは辛い。辛い、つらいツラい…悲しい、痛い、苦しい、少しずつマイナス的な思考が増え、白梅の脳内を犯し始めた。ぽろぽろと涙を零し、その溢れる涙に、勿体なさを感じる。芋虫のように這いつくばって動いたせいか。布団に寝ていたせいか。一つ縛りにしていた髪の毛が少し緩む。白梅の涙腺も、同じように緩んだらしい。悲しげに、哀れな病人の元帥は、獅子唐に「 わらわ、の、姿は、だれにも言わないでくれ 」と、小さく、涙を零しながらそう述べた。 )   (4/28 02:42:03)


山葵:獅子唐 > ……(一瞬だけ。ほんの一瞬、幼児のような笑みを見せた白梅に、少しだけ安心する。直ぐに苦しそうな表情へと戻ってしまう彼女には心が痛むが、現状が変わる事はない。自分で水を吐き出すのを見ると、この人はまだ、己を持てているんだと。そんな事が分かる。少し緩んだ一つ縛りの髪の毛を見ると、「失礼します」と断りを入れてから慣れた手付きで再び縛ってやり。女性の髪に触れるのは恐れ多いが、しのごの言っている場合ではなく。)……えぇ、えぇ。……誰にも言いません。…早く貴方が…白梅様が元気な、いつも通りの姿で皆の前に現れる事ができるように、尽くさせて頂きます故。(小さく、弱く、彼女もまた一人の女性だと言う事が分かる。普段なら絶対に見せないであろう彼女の涙を。…白い絹製の布で、優しく拭き取り)   (4/28 03:01:38)
山葵:獅子唐 > ……元帥。……少しでも気が和らぐよう、少しばかし…術を唱えさせていただきます。気休め程度にしか、なりませんが。(そう呟けば、彼女をそっと寝かしてやり、ぶつぶつと何かを唱え始め。)ナウ マク サ マン ダ バ ザラ ダン センダ……(唱える言葉は、低い声に乗せ部屋に響く。不思議な力を含んでいるようなこの言葉はあくまで気休め。そう自分に言い聞かせ、無力さから逃げているだけだった。)   (4/28 03:01:40)


クロ:白梅 > ( 異常な精神状態のせいだろうか。慣れた手つきで髪を直す姿を見て、心地よいと。安らぐと。そう感じてしまう。涙を拭かれれば、此奴には、気を許せると思えてしまう。先程まで目の前で水を吐き出したりしていたのにも関わらず、落ち着いてしまうのは、病のせいか、甘える事の出来る、妹という立場に居たせいか。ぐちゃぐちゃの思考の中、白梅はふ、と今までの相手の顔を思い浮かべる。幻覚のせいで、思考回路が溶けている。盛ってしまっているかもしれないが、相手はとても辛そうな顔をしていた気がする。そう、相手に酷く辛い事をさせている。幻覚に苛まれても、水の依存による苦痛の中でも、それが理解出来てしまう。嗚呼、なんと不甲斐ない、情けない_ぎゅ、と唇を、それはもう、血が出てしまうのでは無いかと思う程、強く噛み締めた…が、其れは直ぐに辞める事となる。   (4/28 13:48:23)
クロ:白梅 > [ 気休め ]その言葉が頭に残る。彼は一体何をするのだろうか。ぐるぐる、ぐるぐると無駄な思考を続けていれば、その低い声が、部屋に響き渡る。鳥の囀りの様に、川のせせらぎの様に。気が揺れ、葉が擦れ合うように、その言葉…否、魔術は不思議と、白梅の頭の中へと、身体の中へと染み込んでいった。脳へと響き、心が震える。良い気持ちなのか、悪い気持ちなのか、幸せな事なのか不幸せな事なのか。太陽か、月か。ぐにゃりと視界が人一倍歪み、思考が纏まらない。_兎にも角にも、疲れてしまった。休もう。休まねばならぬ。だが目を閉じ思考の扉を閉じる前に、言わねばならぬ言葉がある筈、何だったか。何であったか__白梅は、布団の中で目を閉じ、小さく「 すまぬ、な_ 」と伝えた。この謝罪は、情けない姿を見せた事なのか、思考が纏まらずに、何を言えば良いのか分からないからなのか、それとも他の事柄なのか、その真相が分からないまま_ )   (4/28 13:48:25)


山葵:獅子唐 > ………こんな事しか、ほんの気休めにしかならない事しか出来ずに、申し訳ない。(そんな、普段は絶対に発さないであろう言葉をぽつり、と口にする。それが、ぱったりと事切れたように眠ってしまった白梅の耳に届いたかどうか。そんな事は分からなかった。…本来ならば彼女が休んだらすぐに帰るつもりだったが。彼女の吐瀉物が詰まった桶をそっと運び外へ。夜の月すら覆ってしまうような曇天から、月が顔を出している。下界を覗いているようにも思えてくる。) 光煌く所に闇蔓延り、咲かすは逢魔時、散らすは黎明。雲は低迷、空は曇天。今こそ影が地を覆い尽くす時。誰も知らぬ常闇に、異物を捨て去れ。(そう術を唱え地面へ桶の中身を流せば、それは月明かりより生まれた黒い影に吸い込まれていく。そうして軽く桶を洗って清潔にすれば、再び彼女の家へと戻り。窓を開け部屋に外の空気を軽く取り込み、濡らした手拭いを白梅の額にそっち乗せる。彼女の身体に纏わり付く汗をそっと拭き取ってやり)………今日はもう、自室へと戻ります。…明日、まだ陽も昇らぬ頃。…また訪れますから(そう呟くと、ゆっくりと立ち上がり。白梅の自宅を後にするのだった。)   (4/28 14:05:25)