この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

命の水-治療失敗-

(フィヨルド&糸依)

出会い(フィヨルド&糸依) から

ぽぺ/糸依> 「……成る程、一律有り。煩悩や欲を捨てられず旁で抱えてしまうのも、また人が生み出し織り成す生き様…………。それに金は幾ら貯蓄したところで損も少なし、筋は通っておりますね…………なんて、言うとでも思ったんでしょう?? 今回ばかりは何がなんでも受け取ってやらねえよーーーーだ!!! そもそも皆が皆欲に逆らわなかったら秩序なんて成り立たない治安クソの無法地帯が完成するだろ! そこでどうやって暮らしてけっつーんだバーーーーカ!!!! というかまずアンタ! 字が和名じゃない時点で既に尊華の人間かも怪しくて、しかも神だのなんだのと自信満々に発言しちゃうようなおかしな人から貰うものが何故安全だと言い切れる? いや絶対言い切れないね!!! 他の人はそれを良しとするかも知れないけど少なくとも私はそんな危険な真似なんて御免だね! 金は確かにたっっっくさん欲しいけどアンタから貰うぐらいなら理由こじつけて軍の犬でも何でも____は、????」(はやる気持ちを抱えてはさっさと別れてしまいたいその人に背を向けたのだが、背後から放たれたのはまさに図星をついた言葉。   (5/1 20:47:31)
ぽぺ/糸依> 煉瓦調の地面から前へ踏み出さんとしていた編み上げのブーツは、宙へと旅立つことはなくて。……何さ、野蛮人みたいな格好した奴が偉そうに私に何を説こうっていうの? 群青のマントの下で握り拳をわなわなと震わせ、視線は進路ではなく地面に陳列した長方形の模様一つ一つを映していた。沸々と込み上げるのは稚拙な怒り、プライドに下手くそな落書きをされたような悔しさ。……それらが産み出したのは、かくも理不尽な言葉達。尊華の至宝はどこへやら、古風で奥ゆかしさを孕んだ鍍金すら剥がれた、只の小生意気で面倒な女がそこには居た。顔を向けられないのは内心敗北を覚悟しているから、自分の放つこの『力』達が滑稽なほどに論点が擦れ、且つ矛盾していることなど自分でもわかっている。ただずっと相手から視線を背けていては失礼だし私が納得できない。『軍の犬でもなんでもやってやるし尻尾も振ってやるわ、ケッ!!』と下品にも舌を出して振り向こうとしたそこで。誰もかもが、それこそ全知全能であると称えられし神でさえ、期待も予想もしなかった展開が待ち受けていた。   (5/1 21:02:47)
ぽぺ/糸依> __地に屈した髪は怒りに呑まれ、その鋭い瞳は今にも命を射抜かんとしている。番狂わせの宴はいよいよ酣、やんややんやと騒ぎ立てるは無粋な参加者、主役は誰かって? 水に侵され心が浸水し、潤いを求め心酔しきった貴方しか居ないじゃないか! ……さて、こんな主役の乱心ぶりを見て脇役は……私は、どうする?)「……ッッ、誰かある! 此人を本部基地へ搬送する、人手を呼んで参れ……!! …………何ボーッとしてんだ、動けったら!!!」(憤怒にオーバーヒートを起こした思考は凍った背筋で瞬時に冷めた。病は無作為に、そして無慈悲に対象を定め襲う。何故いつも、怠惰を働き徳を積んでいない私ではなくて周りの人間が不幸を被らなければいけないのか、疫病神の如くたちが悪い。覚めた頭が辿り着いたのは、不自然な体調不良という驚異。彼の命を狙った第三者が彼の容態を急変させたという可能性もあったが、それより考えられるのは例の病への感染だろう。急な体調の悪化に感情の起伏。私を見捨てていた同僚を弾き出すように俄に大声で指示すれば、やっと自分の体も言うことを聞くようになった。さて、今やるべきことを考えろ、市民の避難よりまず患者の安否の確認だろう。   (5/1 21:15:42)
ぽぺ/糸依> すぐさま駆け寄って手当てを施したいのは山々なのだが、何かあった時に此方が手負いにならぬとは言い切れない。何せ自称神様だ、無礼だの何だのと危害を加えられてはたまらない。どこぞのうつけは酒よ酒よと喚いていたし、饒舌になる人や感情の豊かになる人、殺戮衝動を抱く色眼鏡マンすら居たのだからおかしな話ではないだろう。必要最低限の警戒を念頭に、恐る恐る貴方の近くへと足を運ぶ。何と声をかけるのが正解だ? どうすれば彼を怒らせることなく治療に及べる?)「……もし、フィヨルド殿。私の声が聞こえあそばしておられるのなら是非御答え下さいまし。……今、何が欲しゅうございますか?」(これが最悪の事態でないという僅かな可能性にかけて、とある回答が返ってこないことを望んで。此処は命の華が散る戦場にあらず。いくら私が貴方を嫌おうと、救える筈の尊き命を見捨てるなど言語道断。……いつもなら他人なんてどうでもいい癖に、こういうときだけ目覚めが悪いからって。身勝手なのは自分が一番わかっているから、だからどうか。今はこの手を、絢爛たる命を護ることに使わせてくれ)   (5/1 21:37:23)