この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

命の水-治療失敗-

(静香&咲夜)

命の水-発症-(静香&咲夜) から

骨牌/咲夜> ……幸せ、ね。(眼尻をさげて至福の表情を浮かべる貴女。それは誠の幸せなのだろうか、いったい何が原因でそうなったのかは皆目見当がつかないけれど、突然降って湧いた出来事による幸せは本当の幸せとはいい難い。あどけない笑顔を浮かべる貴女に剣を振るうことはたとえ峰打ちであったとしても抵抗があり心が痛む、故に険しい表情は寸毫も崩れることなく最後まで確実に一撃を叩きこめば、倒れる貴女の躰を抱きとめようか。腕にかかる細身の軽さは乙女と呼ぶにふさわしく、それ故に此度の事件の主犯への怒りが胸を満たした)これで済んだらいい話だが。貴女だけに構っているわけにもいかないのが、わたしのつらいところだ、許せ。   (4/26 22:38:39)
骨牌/咲夜> (伏し目がちな双眸を横に流して、肩に寄せられた貴女の耳朶にそっと謝罪の言葉を囁いた。そうして、診療所に置いてある貴女がいつも腰かけているだろう椅子にその躰をおろすと、患者用のベッドシーツを切り裂いて華奢な四肢を椅子に固定していく。患者用の拘束具でもあればいいのだが、診療所のどこに収納されているのか分からなければ簡易的な措置を講じるほかなく、椅子に縛り付けられた貴女の姿をみて口惜しさから唇を噛む。必死で暴れでもされたら怪我をする可能性があるし、そうでなくとも手首や足首には痕がついてしまうだろう。嫁入り前のうら若き女性に傷をつけるなど貴女が治癒に長けた巫女とて許されることではない。せめて貴女のかわりに雨屋家の保護に向かうのが罪滅ぼしになるだろうか。最後にちらりと名残惜しげに貴女へと視線を投げると、後のことは屍兵に任せ、軍服を頭から羽織り雨が続く帝都へと飛び出した)〆   (4/26 22:38:49)