この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

命の水-発症-

(静香&咲夜)

診察(静香&咲夜) から

枡/静香 > 王国を裏切った、ですか。…何かの教えに従おうと思っていても、心の奥底ではそれを受け入れることが出来ず苦しむこともあるでしょうし、私達は魔術師である以前に人の子でありますから、感情や考えはどうしても誤魔化し切れません。裏切りは許されない行為ですが、考え方を変えてみれば、私達だけでなくこの国に住む全ての人に、今一度改めて自分の生きる場所について、…この国に対してどのような考えを持っているかを改めて考え直し、そして再認識することが出来る。そんな良い機会になるのではないでしょうか? 私は少ししか生きていません。知識も乏しいです。何が正しいか なんてわかりませんが、それでも自分を強く持っていたいと思っていますから。(家族を裏切って家を出てきた、そんな自分の現状と少しばかりの重なりを覚え、つい早口に喋りすぎてしまう。すべての言葉を言い終わればハッとして「すみません」と小さく謝罪した。)   (4/24 21:56:49)
枡/静香 > (たとえ戦争が起こっていようとも、実際自分の身に何かが起こらない限りは実感できない人もいるのだ。だって、目に見える世界にはいつだって“普通”が広がっているのだから。裏切者がいるかもしれないと言う事実は、周りの危険に対して鈍い者にとっても危機感を覚えるようなキッカケとしては十分なように感じた。)   (4/24 21:56:51)
枡/静香 > なるほど。魔術を使う為に必要な声が出なくなってしまってはいけませんから、そちらも軽く診てしまいますね。では包帯を…あら?(相手の腕に巻かれた包帯を取ろうと相手の目から視点をずらした。一瞬見えた窓の外__人がたくさん倒れているような、そんな異様な景色が見えた気がして。彼女に小さく断りを入れれば部屋から、そして診療所から出る。外はいつからか雨が降っているようだった。ふらり、目の前を歩く人が支えを失ったように倒れる。雨に濡れるのも構わず慌てて駆けよれば、相手は自分の存在に気付いてもいないようだった。何かを呟いている。_何を? それより、目に映ったのはやはり、倒れる人や意味の分からぬ行動を取る人達ばかりだった。混乱して痛みを覚えた頭を押さえる。何が起こっている?つい先ほどまではいつもと何ら変わらぬ普通の日常だったはずだ。倒れた人物は脈こそあるようだったが、やはり様子が変だった。水が欲しい水が欲しいと、それしか言葉を知らぬように繰り返し呟いていた。)水なら診療所にあります。取ってきますから、暫くはここに居てくださいね。   (4/24 21:57:00)
枡/静香 > (自分の着ていた上着を脱いで相手がなるべく濡れぬように被せた後、水を取りに行こうと立ち上がる。瞬間、今まで感じたことのない感覚に襲われた。視界が歪むような、動きにくいような、あれ、自分は何を?確か私は診療所で治療をしていて、でも今外に居る。何故?体に刻まれる音が大きく、直接脳に伝わっているような。他の人にも聞こえるのではないかと疑ってしまうほど鼓動が激しい。…心臓が動いている。生きている。私は今、生きている。それってすごくしあわせだ。雨の音が歓声のように騒がしい。私は今、幸せだ。世界の全てに祝福を受けている。) …っ、はは。あはは!みて、きいて!聞いてくださいお父様!お母様!わたし、いま、凄く幸せなの!ッは、ふふふ、みんな私の事を理解してくれる。誰も私の事を止めはしないわ!ねぇ、とってもしあわせ!しあわせなの!   (4/24 21:57:35)
枡/静香 > (解放感、今の自分は世界一恵まれていると勘違いしてしまいそうになる多幸感。どうしよう、こんなのダメなのわかってる。これは私の意志じゃない。その思考も飲まれていく。それほど、気分が高揚していた。ステップを踏もうとした足が絡まって、診療所の扉に凭れ掛かって落ちる。そうだ、咲夜さんにも教えてあげなくちゃ。私が今幸せだってこと。立ち上がっては扉を開けて、彼女がいるであろう個室へと歩いた。)   (4/24 21:57:37)


骨牌/咲夜 > 言いようによればそうなる。これで誰がどちら側に組しているのか分かりやすくなったのは事実です。そして、わたしはそれらに対処しなくてはならない。この国は二つに割れております、貴女の……おや。(鼓膜を震わせる静かだが力強い普段の貴方からは少しだけ離れたような声音に目を細めて耳を傾けた。貴方の言葉には一理ある。今回のことがなければ誰が仲間で誰が敵かは分からなかった。それに、平和に慣れ切った者たちの喉元に選択という名の刃を突き付け、冷水を浴びせることに成功したのだ、カンフル剤としてはこれ以上ない出来事だろう。問題があるとすれば、それは自分が軍の上層部で孤立しているということだ、それが不利益になるとは思わない。これまでもひとりでやってきたのだから何をいまさらと内心、鼻で笑いもするが、それでも誰か身内を作っておくに越したことはなく、ならば巫女の中でも有能な若手で知られる貴方をと思い、桜色に染まる唇を開くが、包帯に女性らしい細い指先が伸びた矢先に、貴方の優しげな薄茶色の瞳が何かへと引き寄せられた。なにが起きたのか、問うこともできず、外に飛び出して行く貴方を見送れば、改めて貴方の見たものへと視線を向けた)   (4/24 22:26:27)
骨牌/咲夜 > これは?……いったい、帝都で何が起こっている。(雨をさけるように道を走っていたかと思えばばたりと倒れる人々。敵襲、報復、そんな言葉が脳裏をかすめたのは、先の神島で苛烈なまでの戦いを行った当事者であるからだ。倒れた人に上着を掛けてこちらへと戻って来る貴方へと視線を移せば、細い眉が中央へと不快気に寄せられた。それは、心地よい空間、なぜか本音を吐露できる優しい人を奪われたことによる怒り、胸の中で仄かに燃え上がり始めたその感情にぎりりと歯噛みすると、痛めた喉でゆっくりと呪文を唱え始めた)……聖なる威力、比類なき知啓、永遠の物として我よりさきに造られしものはない、汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ!――逝け、我が兵たち、帝都を救うのだ!   (4/24 22:26:44)
骨牌/咲夜 > (背後に現れたるは地獄の門、そこより這い出る屍の兵は神島の攻防戦により随分と量を減らしており、舌打ちをひとつ、呪文を切り替える。命令を受けた屍兵たちは扉や窓をあけて民を救うべく外へと出てゆくが、厄介なのは……)お嬢さん、幸せそうなところ悪いがね、止めさせて貰うよ。(これ以上ないほど幸せそうな顔をして、家のことを口にする彼女。貴方を傷付けたくはない。体を濡らす雨が、三つ編みの先から零れ落ち床を濡らすのも気にせず、個室へと足を踏み入れた貴方に向かい合えば腰に差した剣へと手を伸ばす、そして居合の要領で引き抜けばその束で貴方のみぞおちを殴打しようかと足を運んだ。)貴女が狂気にのまれてなんとする!、貴方は医者だろう!しっかりしなさい!   (4/24 22:26:53)

枡/静香    >     ……あ、咲夜さん、ふふ、咲夜さん聞いてください、わたし、わたし今凄く幸せで、ぅ、っは、ふふ。…あ、ぇ?(居た、いた。目的の人物を見つければ幸せそうにふやけた笑みを浮かべる。まるで言われたことをしっかりとこなし誇らしげな子供のように。元々の予定であった相手の治療の事などすっかり忘れ、私は穏やかで優しい波の中を彷徨うことに集中していた。しかしどうだろう、とても気分の良い自分とは違い、相手は険しい表情を浮かべて此方を見ているようだった。どうして、なんで?しっかり伝えなくっちゃ。私はこんなに幸せで、幸せってことは良い事なの。だからそんな顔をしないで、と。説得するために相手に近付こうとすれば、どうやら相手は剣を抜いたようだった。思わず怯み動きが止まる。“斬られる”と思ったのはほんの一瞬で、どうやら相手は自分を斬りたいわけではないようだった。相手は自分をその剣で殴ろうとしている。どうしよう、避けなければ。)   (4/24 23:20:46)
枡/静香    >     (考えはするものの溶け切った思考とふらつく足ではどうにも叶わず、決して小さいとは言えない衝撃が腹の少し上の方に走る。人間の急所のひとつでもある鳩尾。そこを腕の良い相手に殴られてしまえば、意識が飛ぶのは避けられなかった。一瞬で綺麗に見えていた世界が黒く染まり、自分をほめて元気付けてくれていた音も小さくなっていく。一瞬の出来事だった。)   (4/24 23:20:48)

命の水-治療失敗-(静香&咲夜) に続く。