この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

出会い

(フィヨルド&糸依)

フラッペ/フィヨルド > むっ………一人間風情が我によくぞ話しかけたな。普段ならば重罪だが…丁度案内人を探していたところだ。寛大なる神に感謝せよ。……して、なんだ?理由か?我がこの街に来た理由、というものと解釈しよう。知りたくば、貴様も付いてくるが良い。その服、昨日にも同じ服を着ている人間を見た。貴様はこの国でいうところの軍兵であろう?それなりに知がある筈だ。見た所…おい、帽子が邪魔だ。面を挙げよ。顔だ、顔を見せるのだ。神の命であるぞ。(果敢にも我に近寄ってくる背の低い童を見て、子供ならば無礼講は仕方があるまいとて、鼻で笑いつつ、悠々とした態度で彼の者の言を待つ。さて、声色から察するに女であろうその人間が、遜ってこちらに物を申す。名は告げぬが、己の立場を弁えているようで、良いだろう、今日の我は気分が良い。神の慈悲をくれてやる。……男は、右手で持ち上げて背負っている袋を離そうとしない。何も持っていなければ、男は無遠慮にも顔を掴んでいた事だろう。怖気付く女の顔が見たいと言い、早くしろ、と急かすように声色を低くし、威圧する。常人ならば泡を吹いてしまうような、神と言うよりは悪魔寄りのオーラを放って。) (17:53:15)


ぽぺ/糸依 > 「は?」(嫌悪と軽蔑、それから不安を伴った声が音として発される前に、なんとか喉奥で塞き止める。なんだこいつ、絶対変人じゃん。仮にも此方は軍の人間、最悪権力をふるえる相手は少なくない筈だ。なのにこの男は。それをものともしない素振りどころか、逆に私が見下されている?? もしや普通に上の人間? 他人に興味のない私が彼が誰かなど、言われたとしても覚えている筈もなく。なんとも言えぬ圧に気押されながら、やはり少し引け腰になってしまい。それでも放たれる言葉の一つ一つを聞き逃すことができぬのは、同じく彼の纏う圧の仕業なのだろう。)「か、顔? ……断る由なし。さはれ、これでご満足か」(男の言うには、顔を見せろと。理由は定かではないが、断ったらヤバい気がする、と私の中の本能が危険を知らせている。……自分が精神の強い人間だとはゆめゆめ思ってもいないが、全く弱いものだ、情けない。震える声と手をなんとか抑え、帽子を取っては両手で抱えるように胸の前に持ってくる。自然と見上げる形になったそこで、貴方には茶髪を一つに結った青い瞳の女が見えるだろうか。) (18:39:19)


フラッペ/フィヨルド > ふははは、良い顔をしているぞ、少女よ。怯えているな、この我に対し。だが怯えつつも神たる我と会話ができるだけの勇気を認めてやろう。(帽子を外し、少女がこちらに顔を向ける。畏怖と困惑が混じった、年頃の少女に相応しい面構えをしている。期待通りの顔だ。神の称賛を送りながら、空いている手で糸衣の頭を雑に撫でる。それにしても…懐かしい気分だ、人と話すのは。昨日もあの気紛れな店主と会話をした筈なのに。街の風貌も少し変わっただろうか?道中、昨日には見えなかった店が並んでいた。1日とはかくも大きな物であったか、と感心する。)では行けぃ!麗しき案内人よ、神たる我を導く許可をやろう!我が神名はフィヨルド!目的は追って話すとしよう!昨日この場所にあった店まで案内せよ!(自己満足的に笑いながら、物理的にも言葉的にも相変わらずの上から目線で命令を下す。寛容な神は先立って自らの神名を明かした。神は自重を知らない。少なくともその周辺にいた人々の多くがその名前を聞き取った筈だ。そうして、注目の的となった中で、同じく注目されている少女に任務を伝える。言い終えた後、フィヨルドはなぜか誇らしげな顔をしていた。) (19:21:05)


ぽぺ/糸依 > 「……は、はぁ。お褒めに預かり光栄です」(…………んな訳ねーだろこのイカレ男!!! 何が勇気を認めるだ、何が神だ、勝手に頭撫でて子供扱いすんなこの変人! 私もう21なんだよあぁはいそんなに童顔ですかそうですか! あとついでにセクハラで訴えるぞ、その背負った袋魔術で塵にしてやろうかア"ァ"!? ……と叫びたい程、内心フリーズを通り越して最早怒りに震えていた。自分のコミュニケーション能力が乏しいせいか、相手の対応が異様なのか、はたまた両方か……。まともに会話を交わせる状況下を作ることなど困難を極めていた。乱雑に撫でられたその腕の下……貴方からは視界の影になったそこで、視線で殺人を犯すかの如く、睨むように見上げてはいたものの。声だけは取り繕えていたのは、貴方が本当に何かしらにおいて偉い人だというのを、まだ信じていたから。保身という安全策、つまり私はチキンだ。そしてこいつは頭のネジが粉々になっている変人だ。__そして、まだまだ狂気の行進は私を巻き添えにして止まらない。)   (4/24 12:11:26)
ぽぺ/糸依 > 「神名……私の字は糸依にございます。ところでフィヨルドさん、此処に店がありしはもう三ヶ月も前のことです。昨日は市も開かれておりませぬし……記憶違いではないのですか??」(彼が名乗るその光景にやはり違和感を覚えるものの、名乗られれば名乗り返すのが礼儀……と私は習っている。彼のように周囲の目線を釘付けにするような勇気はないので、若干声を抑えつつ、胸に手を置いたまま軽く膝を曲げて会釈の代わりとする。……私の記憶が正しければ、現代において名乗ることのできるのは字と真名の二つであった筈。過去の歴史を遡ったとしても、少なくともウェンディアと尊華でそのような文化は今までに存在していない。英名ということはヨズアの民である可能性もあるが、ヨズアに関しても記憶の限りはなかった……筈。記憶が曖昧にならないうちにまた文献でも読み漁ろう。……神名が歴史上で存在しないとあれば、やはり今までの一連は彼の戯言?? と、難しい顔で考えを巡らせていたが、それよりまず先に対処すべき事態が発生する。   (4/24 12:26:24)
ぽぺ/糸依 > フィヨルドさんの言うには、昨日ここには店があったとのこと。しかしその言葉は可笑しいのだ。ここに店が構えられていたのはもう随分前のことだし、移動市場が開かれるのはここではない、ついでに昨日でもない。話が噛み合っていない以上は連れていきようがない。目を開いてはわかりやすく驚いて、一度彼に確認をとる。……もうそろそろ良いだろう、と彼の腕を頭から払おうか。……髪が乱れてしまった、正体の割れぬ男から視線は外さずに、結っていた髪を一度ほどいて。)»フラッペさん。   (4/24 12:31:35)


フラッペ@フィヨルド > フ…ふむ?その筈は無かろう、我は確かに昨日の10月12日にこの街に来訪している。貴様の勘違いではないのか?だが確かに、昨夜とは様子が違って見えるな。覚えのない民衆も増えている(神は全ての民に目を向けている。国、人種問わず、世界に生きる者達全てが親愛なる人の子であるからだ。勿論、その全てを救える訳ではない。人も神も、その命を以て救えるのは世において極少数、である。さて、男とて神の一端_______と思っている_______なのだから、街に訪れる度に出会う人全てを記憶していた。神が持ち合わせている心眼などあろう筈もない。極寒の、利便など一つも無い極限地帯で死の危機と隣り合わせになりながら生き抜いた。生きる為に必要な知識を、方法を、無我夢中で磨き上げた。鍛え上げられた動体視力、突飛した記憶能力が、まさに『神』と表現してもおかしくない目を宿したのだ。そんな、自らを神と名乗る男は、再び辺りを見回した。この街にはつい1週間前から四度訪れているのだが、いつ来ても違った様相を見せてくる。飽きさせぬ街だと思っていたのだが、果たしてその認識が異なっていたのだろうか?そんな筈はない、我が記憶に偽りなし。)   (4/25 00:20:18)
フラッペ@フィヨルド > だが…そんな事はどうでも良い。仮に我の記憶違いだとして、糸衣、お前の目的はただ一つ、変わる事はない。神たる我が身をその店まで連れて行くのだ。礼金は出そう。そうだな、この肉と皮を売った額の5割やろう。ここでは貴重とされている獣の物だ、それなりに値は張るだろうな。元より我は金にあまり興味がない。財や金は人が世を回す為に用いるものだ。あれっぽっちが無ければ助け合えぬ世とは、人は腐るばかりよ…(そう言って、糸衣の頭で遊んでいた手を戻すと、男は袋を持ち上げ直し、ここぞとばかりにその大きさを揺らしている。男の住む氷山には、人の味を覚えた獰猛で頑強な生き物しか生息していない。そこにしかない木、花も多く生育している。それ故、彼が山を降りて都に持ってくるものはあまり見かけない珍しいものばかり。その量も相まって、かなりの値段で売れる事は間違いなし。最も、その店まで辿り着けたなら、の話であるが。)   (4/25 00:20:34)


ぽぺ/糸依> (悩んだ末に選んだのは否。彼が金銭価値についてどう思うかは勝手だが、金はこの世の回りもの、地獄の沙汰も金次第と言うではないか。喉から手が出るほど欲しいのは確かだが、そもそも考えて得体の知れぬ他人に弱味を握られれのもたまったものではない。今の私はさぞ複雑な表情をしているだろう。忙しなく指を絡ませ気を紛らわせるものの、やはり受けとるべきだったかと煩悩は止まらず。それを振り払うように彼に背を向け、彼の望む場所へと先導するように足を進める。気が変わらない内に案内してしまおう。装飾をかざしながらちらりと振り向き、貴方を横目にに手招く。)   (4/27 01:55:30)
ぽぺ/糸依> 「!!…………ふむ、私を買収する算段で? ……五割、中々に魅力的ではありますが、兵の役目は治安と秩序の保持に候。それが賄賂で動いたとなれば帝國の威厳にヒビを入れかねませぬ。……です故、それは受けられぬご相談。となれば私に利益は無し……但、悩める市民を据え置くなどとは帝國軍の名が泣きます。獣の肉や皮の販売所にございましょう?それならば、同じものかはわかりませぬが近場に商を構えし者を知っております。ここより南に下りし場、着いていらっしゃいまし」(暫くは不機嫌さを面に出し話を聞いていたが、報酬と聞いて気持ちがぐっと揺れ動く。ただ面倒なだけの案内なら御免だが、金となれば話は別。聞けばかなりの高額、連れていけば本が買えるとは何とも美味しい相談だ。心が弾み、連日の任務で積み重なった倦怠感も吹き飛んだ……のは良いのだが。今は市民の手前、互いにそんな気はなくともここで私欲私利に走れば帝國の名を汚すのは明らか。肯定を寸前で飲み込み、一旦格闘。どうする、どうする糸依よ。)   (4/27 01:49:09)
ぽぺ/糸依> 「神無月!?またご冗談を、今の暦は卯月の十七……貴方の仰る日はもう半年も前のことにございます。半年も前となると店がありしも不思議ではありませぬが…………」(とここで、帽子を口に加え髪を結いつつ辺りを見渡す。奇妙な見世物を見物する観客達は群衆で、人の輪の中に取り囲まれたステージには大柄な男と私。ふと自分が居た場所に視線をやればそこには席を外していた同僚が居た、いや助けろよ。声を出さずに助けを求めれば首を横に振られた、薄情な奴め。……まぁ自分ならばこんな場に割って入っていくなど絶対にお断りだが。さて、神だのなんだのと頭がおかしいのはわかっていたが、またつくづくおかしなことを言うものだ。何せ今は花が色めき聖歌をさえずる春。山々が頬を紅に染める秋はもうとうに過ぎている。彼が訪れたという店がここにあったかなんてさらさら興味がないので記憶にも留めていない。あちこちにうねりまるで揃っていない茶色のカーテンを漸く束ねれば、再び頭に帽子を鎮座させマントの襟を上げる。さて、この男は正気か?今一度、僅かに傲慢の欠けた彼の顔を見上げる。)   (4/27 01:34:54)


フラッペ/フィヨルド> (こちらの言を聞き、にわかに驚く糸衣が自分に告げた現刻…演じている訳ではないらしい、6ヶ月さえも瞬きの様に感じるとは、神たる我が身がそうさせているのだろうか。どこか物寂しさを感じさせてくれるな、だがそれも心地良い。人間の成長とは正しく日進月歩。この街が以前よりも格段に良き顔を覗かせているように、人の世界とは常に成長を続けるもの。人間よ、六月あまりの時間をくれてやったのだ。我を失望させるなよ。…神無月……あぁ、この国ではそう呼ぶのだったか。煩わしいことだ、いずれ、全能の神である我が均さねばなるまいな。)   (4/28 01:06:25)
フラッペ/フィヨルド> 己が國に忠義を尽くすか、軍人…いや、兵、か。財に媚び諂うことなくあくまで國の腹心であろうとする志、賞賛に値しよう。だが我は気に入らない。お前は今逃げようとしているのだ。自らの欲を国のお顔を汚さぬ為などという下らぬ理由で律し、善き人であろうと振る舞っている。隠す必要はない、あの時、我の話を聞いているお前の目は実に輝いていたぞ。本能で生きる人間の、汚れなき美しい瞳だ。お前は手の届く場所に宝を捨てている。勿体無いと思わんか。それを拾わんとするのは人として当然、極自然の事だと思わないのか?なお断ると言うのなら________ッ、なんだ……貴様等ッ……!よくもその薄汚れた眼で許可もなく、この我を凝視したなッ……!!!!万死に値するぞ、魂の囚人が………!!!   (4/28 01:06:27)
フラッペ/フィヨルド> (不意に、身体中に電流が流れたような気がした。頭が痛い。歪むようだ。感覚が麻痺しているのか、何をした訳でもなく、舌がヒリヒリとする。思わぬ事態に、持っていた袋をどすんと落とす。バランスが崩れ、その場にぐらりと倒れ、あろうことか片膝を地に付けてしまう。それだけでも神にとっては最高級の屈辱なのだが、最も怒りを煮えたぎらせたのは、自然の病ではない、不自然な程の急激な症状ということだ。明らかに通常の病と異なる。毒物か何か仕込まれたか、この女に。…否、瞳は逸らしていない。おそらく別の要因か。だとしても、おのれ、神たる我にこのような細工をしようとは、そして民衆にこのような醜態を晒してしまうとは。宴の参加費すらも払わぬ野次馬どもが、今すぐに消え去れ、さもなくば…………地に伏し天に召すが良い………ッ!!!!)   (4/28 01:06:38)

命の水-治療失敗-(フィヨルド&糸依) に続く。