この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

飲み比べ

(雅螺&火津彌)

極夜@雅螺 > 「あーいやいや、そういう目的じゃないから結構結構。……やれやれ、幾ら職業とはいえ、片っ端から声掛けて疲れないのかな」(花街、というと如何にも如何わしい目的を想像しがちではあるが、本日尊華の花街を訪れたのは単純な理由だ。酒が飲みたい。以上。単純明快に片付いてしまう目的を花街で果たす意味があったのかは別として、夜も更け始めた頃、寝静まる街の昼の生気を吸い上げたように此の夜更の街は賑わっている。鮮やかな朱色に行き交う人の群れ、むわりと立ち込める人の熱気。──やー、久し振りに来たけど相変わらずだ。ともあれ、そういう目的じゃない僕が何時までも彷徨くのも頂けない。花街らしく花開く連中は好きに遊んでとはいえ、さて、僕の目的は酒なんだよね──嗚呼、艶かしく咲く花を摘み取りに来た連中を咎めはしないが、流石に暑苦しい。人の欲望を匣に詰めた街を底無し沼のような笑みで歩き抜け、適当に目についたやや静謐な飲み屋に身を翻す。店主の歓迎の声に片手を上げ、店を見回し)   (4/20 23:02:50)


〆鯖/火津彌 > ……あー、その。……ご亭主、申し訳ない。昨晩は部下にずいぶん飲まされてな。あまりよく覚えていないのだが、私はこの店に随分と居座って管を巻いてそのまま眠りこけたそうじゃないか……ほんまか?……やなくて、つまりその謝罪をしに来た。……少ないが、……おっと?(とある飲み屋の店先。玄関は暖簾一枚で仕切られており外からほとんど丸見えであるのにも関わらず、ひと目を憚らずに火津彌は立ち話をしていた。私服の着物をまとっているとは言え黒地に紫の半襟はほとんど軍服と変わらない色合いで、少しでも誠意が解るようにと言う意図から選ばれたものだった。奥へ入りたいのは山々であるが、入ってしまえばまた常連や店主に囃されて一杯だけとなるに違いない。酒で失態をしたばかりの彼にとってそれは避けたいものであり、何とも居心地が悪そうに口籠っていた。)   (4/20 23:20:34)
〆鯖/火津彌 > (目の前の店主は暖簾の外側に行き「まあまあもういいですから。や、どうですか?」なんて火津彌をあしらいながら通行人に声をかけている。すると一人早速捕まったらしく、長身の男が店主と共に暖簾を潜ってこちらにやって来た。刹那、凍りつく。顔見知りであった。焦ってあなたから背中を向けると、避けたかったはずの店内奥へとすたすた歩き始めて)   (4/20 23:20:39)


極夜@雅螺 > 「おっと?此れは重畳。烏が獲れれば良いと思っていた所に鶴が罠に掛かったな」(乱雑に帯に差した刀を手持ち無沙汰に指でなぞりながら、周囲と比べてしまえば幾分静かとはいえ、矢張り夜の浮き足立つ空気を求めた人々の声が自由気儘に飛び交っている。奥に目線を向けた、刹那。見知った後姿に目を細め、思わず唄うような調子で言葉を紡ぐ。首を傾げる店主に「奥に行っても?」とだけ伝えてみようか。──さて、あれは確か、あー……今は佐官だったな、火津彌か。何を訊く訳でもないが、折角の昔馴染みだ、語らいあって夜を明かすのも悪くない。酒を入れると話が進むものだよ、いや嘘だ。僕はそうでもなかった。火津彌に酒入れたら面白そうだな、いやいや何でもない──人々の口から吐き出される酒気が店の雰囲気さえふわりふわりと揺らして酔わして揺蕩わせる。面白いと予測した事なら実行しようと求め続ける気質もあって、態とらしく下駄の音を響かせ、奥へと向かう背中にけたけたと声を張り)「──さて、一人なら一献如何だい?釣れない答えは期待してないよ」   (4/20 23:33:17)」


〆鯖/火津彌 > (背中に浴びせかけられるのは耳慣れた飄々とした諧謔。ああ、ここまでか……。巧い切り返しをなんとかひねり出そうとはしてみるものの、おそらくこの方が相手では煙に巻けまい。……先代元帥、我螺。くせ者揃いの帝國軍の中でも一際腹の中が解らぬこのお方を相手に真っ向から舌戦を仕掛けたところで、柳に風と言った調子であしらわれるのは分かりきっている。いかにも愉しそうなあなたとは対照的に、下手くそに口角を引き攣らせながら火津彌は振り返った)……堪忍ですわ、我螺様。……私が鶴と言うのならば、見逃してくだされば絶世の美女になって後ほど恩返しに参りますのになぁ。美しくも女もないむさ苦しい軍人風情の酌があなたの酒を不味くさせへん事を祈ります、はは……。(言いながら椅子を引いて、あなたを上座に誘う。座敷の席では長くなりそうだから、せめて。)……この店はなんでもありますよ、王国舶来の麦酒もありますし。……私はあまり好みませんがね。……まぁ、清酒は中々です。我螺様は確か大吟醸がお好みでしたか?(あなたの隣、横並びになりながら火津彌は下座のほうへ腰掛けた。)   (4/20 23:55:31)


極夜@雅螺 > 「僕は話し相手が欲しい。僕にとっての恩返しというなら誰かに話し相手をして貰う事だ。女は求めてないかなあ、そもそも絶世の美人の基準なんか人其々だ。鶴が佳人に化けたって、それつまり其の鶴は人を化かす化け物だったという解釈も出来るだろう?いやいや、恩返しに化かし鶴が来てもねぇ」(飄々と嗤う表情の中に自分の意思を欠片も見せず、其の癖に口からはひょいひょいと諄い言い回しばかりが飛び出して来る。はて何の話をしていたんだったか、鶴が化け物という話だったか?等と揺蕩う思考を取っ払い、謙遜する事もなく素直に上座に腰を下ろそう。──さて、鶴をとっ捕まえた訳だが如何するかな。煮て食うか焼いて食うか。いや冗談、俺は話し相手が欲しいだけだ。一人酒というのも別に悪くはないんだが、大空を掴んだ鳥も一羽よりは番と飛んだ方が楽しいだろう?同じ事だよ、其処まで鉄みたいに硬まられると現役の頃の振る舞いを思い出すよ──)「僕は何でも飲むけどねぇ、確かに大吟醸も良いんだが。折角清酒が美味いなら其れを貰おう」   (4/21 00:11:25)
極夜@雅螺 > (ぐだ、と気怠げに頬杖をつき、空に浮かぶ月が人の群れを見下ろして嗤うような三日月の笑みをことりとも壊さずに手際よく注文だけ済ませて彼にちらりと視線を向けてみようか。はてさて、現役の頃の部下の顔や性格は必要最低限の事しか頭に入れていなかったが、やたら苦労性の人間であったのは覚えている。そんな彼が酒をよく嗜んでいた覚えはないのだが、何故こんな場所にいるのやら)「ところで汝は態々花街の飲み屋に何の用事だい?俺が知る限り桜の花を抱いて遊ぶような気質でもなかったように思うんだが。いや飲み屋に来てる時点で其れはないか」   (4/21 00:11:35)


〆鯖/火津彌 > 「…では私も同じものを。清酒を二合、頼む。……ああお嬢さん、こういうのは上座からと決まっとるのや、私は後で宜しいですわ。」(おしぼりを運びにきた女中に注文を通しながら細かい小言も忘れずに挟む。大凡自分のほうが老けて見えたから、年功序列に従ったのだろう。あなたの姿は二十も前半にしか見えず、それがまた謎めいた雰囲気に拍車を掛けていた。かたやこちらは気苦労のせいで歳よりも老けて見えると言われる事が多く、その違いは何だろう。やはり貴族様とは苦労を知らずに育っているのだろうか、なんてあなたの気も知らず心の中でひとりごちる。改めてあなた、そして火津彌へとおしぼりは渡され、火津彌はそれで手を拭いながらあなたの言葉になんとか返事を切り返す。)   (4/21 00:50:39)
〆鯖/火津彌 > ……あー、それはその……。まぁ、なんですか。昨晩部下と共にここで一杯引っ掛けましてな。そいつが随分と酩酊しよったんで、謝罪に参った次第ですわ。……美女は嫌いやないですよ。帝國軍のご婦人達も、黙っていれば可愛らしいもんですがねぇ。まぁ、気が強くなければやっていけないのでしょうが。一度しおらしい顔を見てみたいもんですな。(赤と共に失態もさらりと部下になすりつけながらそう答えた。いかにも飲み屋に似合う色話も続けて漏らす。)   (4/21 00:50:44)

続く