この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

飲み比べ

(火津彌&竜灯)

しめさば/火津彌 > (がやがや、ざわざわと頭上を飛び交う生産性の無いたくさんの話し声はまさしく、蛙鳴蝉噪であった。博打がどうだ、女がどうだと。全く、品の無い場所へ来てしまったものだ。……嫌いかと言われれば適切な言葉が思い浮かばないけれど、ただなんとなく自分はここに居てはいけないような心持ちがして火津彌は細くつり上がった目を瞬かせる。が、その喧騒よりもうんざりするのはどちらかと言えば、机の上に群生し始めた麦酒の空瓶の林。……もうこんなに空けよって、竜灯め。僕の事を便利な財布やと思ってんちゃうか。……兵の徴集がうまく機能せず失敗に終わった美虎攻城。全ては人望の無さが災いしたのだと悔い、改めて一兵卒から地道に目をかけてやろうと決心したところまでは良かったものの、思わずいつもの皮肉が口から出そうになる。蟀谷を抑えて唸りながら、火津彌は誰も酌をしてくれなかった自分の麦酒を流し込む。わりと近代、ウェンディアから渡来したこの麦酒は独特の苦味があり、口の中で弾ける感覚も火津彌にはまだ慣れなかった。)   (4/19 16:20:04)
しめさば/火津彌 > ……流石やな、こんな”しゃれた”酒を蟒蛇みたいに……。すまない女中さん、僕はやはり清酒を一合頂けますかな。(酔いが回ってきたのかうっかり出てしまったいつもの尊華節。話題を変えよう、と思わず火津彌もこの店の蛙鳴蝉噪に紛れる。)……あー、その、どうやお前、あっちのほうは。え?誰ぞ善い人でもおらんのか。(自分で言っておきながらあまりに下世話でうんざりした。火津彌はあなたの前だといくらか調子が狂ってしまうようだ。)   (4/19 16:20:09)


クノ@竜灯 > 竜灯の口は、タダ酒という最高の潤滑油のお陰で、いつにも増して忙しなく回っていた。時たま女中を呼び寄せては「今日もまっこと繁盛しちょるのう、たまにはタダで飲み食いさせてくれんか?」と声を掛けて、きっぱりと断られたり。それすらも竜灯にとっては肴であり、次々と麦酒の瓶を開けていくのだった。⋯⋯机の上に空瓶が溜まって来た所で、対面に座る長髪の男の言葉におぉ、おぉ、と頷いて瓶を掲げながらに目を閉じ、自慢げに高説を垂れる。)「んー、火津彌さんはあれじゃあないですかの、もっと外国を知るべきだと思うんです。⋯⋯なんといいますかのう、尊華人という枠組みを抜け出してこう⋯⋯俺のように世界を見ゆうんです!」((ばっ、と両手を広げて、世界の大きさを表すかの様に笑うと、「ウェンディアの文化もいい所だらけですきに!!」とそのまま握った酒瓶を口につけ。ぐいぐいと角度を付けていき。後ろ手をついて上体を逸らし、瓶の角度がほぼ垂直になった所で鳴っていた喉は止まる。   (4/19 16:49:16)
クノ@竜灯 > ⋯⋯次の瞬間口を離したかと思えば、大口を開いて瓶を振り、最後の一滴まで呑もうとする汚さを見せつけ。都合良く火津彌に呼ばれてやって来た女中に指を一本立てて、「俺にも同じのをもう一合くれんかー?」と無遠慮に注文を重ね、机の空瓶をまた一つ増やし。───直後、貴方らしからぬ話題が飛んできた事に片膝を立て、ひゅう?と口を窄めて軽快な口笛を返すと。顎に手を当てて瞳をどこかいやらしく細めた。)「火津彌さんにしては珍しいですなぁ?⋯⋯⋯そうじゃなー⋯⋯えへ、つい最近一緒に居酒した女性はまっこと美人だったぜよ。汀さんと言うての、げに、まっこと、あれは尊華美人じゃった。」((最初こそニヤニヤした笑みを火津彌に向けていたが、汀さんという女性の事を口にするにつれ、くぅ~、と記憶を思い出して噛み締めているかのような表情に変わっていき。最後には「素敵な人と言われましたしのう!!!」と惚気顔で言い放つのだった。   (4/19 16:49:18)


〆鯖/ほづみ > (顎に手を当ててこちらを揶揄うようににやついた笑みを浮かべるあなたに、『まぁな』と一言だけ返す。次に水を得た魚のように饒舌になりながら惚気る姿に、火津彌は少し苛つきを覚えた。)……そーかそーか、良かったな。ま、軍込める人というだけで寄ってくる女も多いしやな。お前もはよう出世したらええ、もっと好い目に遭えるぞ。……それこそ『尊華人という枠組みを抜け出して』金髪美女と密通と洒落込めるかもしらへんで。……尊華の女と違ごて、髪質も細いし、色白やしなぁ。   (4/19 17:20:14)
〆鯖/ほづみ > (あなたの好きな丁半博打の賽子にひっかけて揶揄い返す。さらに負けず嫌いから少しばかり張り合うような色をちらつかせて自分の役職の高さを匂わせ、さらにウェンディア人の女と遊んだことがあるとでも言いたげな口ぶりで科白を締めた。もっともそれはただの見栄であって、頭の中に登場した身近な尊華人は女装をした男なのだが。その間者の姿を頭から振り払うように頭を少しふるって、顔にかかる長めの前髪を払う。あほか、僕は。こんな事で張り合ってどうする。)……ほんで、その汀さんという女性とはどこで知り合ったんや。(到着した二合の徳利一本を見て、猪口を手に取りながら尋ねる。一合を二本言うたのに……まぁいいか。こいつが先刻のように徳利に口をつけて喇叭呑みでもしなければ、別に。)   (4/19 17:20:23)


クノ@竜灯 > 『はよう出世したらええ』その言葉に、皮肉か!?火津彌さんがそこに居る限り俺の昇進はきっと無いぜよ!!と心の中で悪態を吐くだけに留めることが出来ていた竜灯だが。更に続けられた台詞にはやはりと言うか、同じように負けず嫌いで見栄っ張りの悪い所が出たのだろう。「ですのう、奥手な尊華美人も良いけんど、中々気の強いウェンディア美人も悪くなかったですき。」⋯⋯と腕を組んで思い出すフリをしたのだった。だが、ウェンディア人には言葉が上手く通じず相手にされる事があまり多くなかった、そんな苦い記憶が蘇った為か最後に一瞬見せた表情は明らかに歪んでいた。⋯⋯互いに何とも言えない空気の中、やって来た助け舟。運ばれてきた清酒のお陰で何とか嫌な記憶から逃れられそう。机に置かれるが早いか自分の分のお猪口を左手に、徳利を右手に持ち。貴方の徳利に、並々と相変わらず雑に酒を注ぎながら答えるのだった。   (4/19 17:50:51)
クノ@竜灯 > 「汀さんはですのう、丁半博打で勝った帰りに花街で会うて、そのまま引っ掛けた感じです。なんか親の商いで転々としとったらしいき、色々教えよったんですよ。⋯⋯⋯いやぁ、あの日はついちょったのう、お陰で呑みすぎて勝ち分が一晩で飛んでもうたぜよ!」((今度は自分のお猪口にも酒を注ぎ、おっとと、と零しそうになりながら大笑いし。くいっ、と一杯目は一口で煽り。「か~!汀さんみたいな美人とまた飲みたいのう!軍人じゃき頼れと言っておいたき、火津彌さんもどっかで会えるかもしれんですのう?」と空になったお猪口を軽く回しながら、頬杖を付いて見つめながら、にんまりと笑った。   (4/19 17:50:53)


〆鯖/ほづみ > ほう。花街でなぁ……っとと、おいっ、おいおい雑やなあ、もう。……そらお前、素人違うんちゃうか?阿呆やなぁ。素敵な方だのなんだの言われたか知らんが、僕なら真に受けへんわ。(大分酔いが回ってきているのか、火津彌の口調の砕け方にも拍車がかかってきている。泥酔と言うほどの事ではないが、恐らく数値にして四〜五分目といったところか。くい、と猪口の酒を煽ると、これよこれとばかりに目を細めて恍惚の表情を浮かべる。左肘は机の上に置き、片膝を立ててすっかり寛ぎはじめてしまった。)   (4/19 18:54:49)
〆鯖/ほづみ > ほーお。軍人だ、とすっかりばらしよったか。あ、そうか。お前は軍服のまま賭場に出入りする癖があるんやったな……頼むからはよその悪癖は直してくれ。ほんでその汀とかいう女はさしずめ軍人狙いか?金があると思って近づいたのがお前ときたか、竜灯。くくく……皮肉やのお、面白い、いや面白い。花と皮肉は尊華の宝、ってな。(厘都の廓言葉に似た訛りを強くさせながら言葉を返す。これはもはやあなたを貶めるための目的ではなく、単に楽しくなってきているのだ。どちらが機智に富んだ言い回しが出来るかという言葉の応酬が。)   (4/19 18:55:02)


クノ@竜灯 > 「いやぁ、あん人はまこと、慎ましやかでのう、琥珀のような瞳に形の良い唇、ほんで何より尊華の女じゃった。⋯⋯⋯ん?」((何処か引っ掛かった気がして竜灯は眉を僅かに歪める。気持ちよさそうな貴方の顔とは裏腹に思考は酷く冷静に回り始めた。⋯⋯確かに、汀さんは完璧な女性だった。けんど、それが本当に汀さんなのか。────────違う!!汀さんはいい人じゃ、絶対ありえん!俺が疑ってどうするぜよ!⋯いかん、本当に何を考えとるちや。僅かに肩を揺らして溜息を吐くと、いかんいかん、と頭を振り。今一度お猪口に清酒を注ぎ、疑いと共に勢いよく流し込んだ。はぁーっ、と熱く酒臭い息を漏らしながら、最終的にぽそりと口から出たのは「⋯⋯良い人じゃった。」彼の中で結論はついたらしい。相変わらずペース早く、再び酒を継ぎ足しながら、貴方の皮肉気な喋り方に不満そうな表情を浮かべ。互いに頬杖を付き合って見合うと溜息と共に、さながら片手を顔の前で否定するように立てて振った。)   (4/19 19:23:22)
クノ@竜灯 > 「何を言っとるがじゃ火津彌さんっ、俺がそういう小難しいは苦手じゃき、得意じゃないの知っとるじゃないですか。⋯⋯いやあでも、俺なんかよりも火津彌さんの方が金あるやいか!!しもうた、佐官に火津彌さんという人が居ての、みたいな話もしてもうたぜよ!まっことしもうたの、こりゃいかんちや!!」((あーっ!!と頬杖を解き、己の膝を強く叩いてしもうた!!!と繰り返してから顎に手を当てて、貴方の顔をじーっ、と頬杖をついたまま見つめ。)「⋯⋯いや、やはり花は咲きたてじゃないといかんの。」((ふっ、目を閉じて笑い、かなり直接的に失礼な事を口にし。再びお猪口に口をつけた。こういった冗談が、竜灯が昇進出来ない理由の一つでもあるのだった。   (4/19 19:23:24)


しめさば/火津彌 > (声だけでなく身振り手振りまでうるさいこの男は、喜劇役者のようにバタバタと動きながらこっちを見つめてみたり膝を叩いてみたりまた見つめてみたりと忙しい。つられるようにして何度か頬杖をつく腕を組み替えたりしながら、あなたの話にふんふんと耳を傾ける。あなたと火津彌とはすっかり2合の徳利を空にしてしまい、火津彌は立てていた膝を戻して胡座の状態になって、ひらと片手を上げて給仕を呼んだ。)……僕の話までしたんか、お前。どうすんねん間者の類やったら、まぁええけどな……あ、すまんが同じのを――四合たのむ。ん?(注文を通している間に放たれた竜灯の意趣返しに、文字通り斜に構えてくつろいでいた上体をぴんと起こしてそちらを見やる。こいつ、言うやないか。)……ふ、そこまで言うんなら試してみるか?どちらがその汀という女を先に落とすか。…ふはっ、お前にだけは負ける気せぇへんわ。   (4/19 19:37:46)


クノ@竜灯 > 「ついついの、最近の情勢が不安やからと言うちょったもんで、帝國軍も何と言うかその、です⋯⋯⋯⋯のう?⋯⋯⋯⋯まあ、みたいな事を話してしもうたぜよ。」((詳しく知っている訳では無いけれど、流石にその話は、火津彌さんに直接関係している事であるから、敢えて皆まで言わずに止めて。これはあまり言わん方が良かったかの、と内心反省しながら、「間者だったら極刑者じゃの!」と頭を掻いて、空気を保とうと笑い声を上げた。そろそろ継ぎ足そうかと徳利に手を伸ばした所で貴方が先に気付き、注文するのを眺めていると、此方に視線が向き。んん?と眉を上げ。⋯⋯⋯⋯続いた言葉に、頬杖を付いたままにい、と口元を弛め。)   (4/19 19:58:17)
クノ@竜灯 > 「おぉ、珍しく火津彌さんがやる気出しちょる。良いぜよ、金だけが全てじゃないと証明したるきに!!汀さんは絶対に惚れるに決まっちょる!!負けたら⋯⋯⋯⋯」((折角だし賭けようか、と腕を組んで楽しげな表情を浮かべていたが。⋯⋯負けた時点で相当なモノを失っている事に気づき。一度頷いてからバツの悪そうな顔で「⋯⋯⋯別にそれはええか⋯、可哀想じゃき。」と肩を下ろした。   (4/19 19:58:19)


しめさば/火津彌 > (あなたの言葉ににやりと口角を上げる。酔っているせいか、すっかり負けず嫌いの心に火が灯ってしまった。もはや猪口でちびちびと飲むのももどかしくなってきた火津彌は机の隅にある四角い枡を手にとり、波々と注ぐとそれをぐいぐいやり始めた。)……っぷ、はァ……。ふ、ふふ。面白い、面白いのう、竜灯よ。……僕に勝つ気で、お、おるとはなァ?……ひっ…く。……そのことば、そっくりそのままかえしたるわ。おとことしての誇りを賭けとんのや、これいじょう、賭けるものなんて……(ごくりと飲み下した酒は肚にたどり着くと胃の底でかっと熱くなった。これよこれ、込み上げる酒気……。)…ぷぁー……。ない、やろ?(あまりに”酔狂”な遊びの提案は、火津彌をどんどん酔わせていく。そもそもすでにかなり回っていたのだ。あまり顔に出ない方であるから、あなたの目には突然火津彌の呂律が回らなくなってきたように見えるだろう。)   (4/19 20:30:33)
しめさば/火津彌 > ……というかやな。さっきなんや、口ごもったやろ?わかってんねんで。あの、あれ やろ。……あのなあァ、ぼくはべつに、中将を裏切ろうとか、な?一矢報いようとかおもってたわけ、ちゃうのよ!……あ、あの人はァ…ぼ、ぼくに目をかけてくれてたし、こっ、交渉がせいりつした時点で、そら、もう、いけっちゅうことやろ、なあ。なんの後ろ盾もない僕を呼んだ言うことは、そういう事でしか、ないやろがっ……。千騎長とやらはド阿呆やとおもったで、ほんま!戦争してんねん、戦争やで。……思わんか?なあ、なあ……そうは、思わんか…………っ?(”管を巻く”という表現がこれほど似合う酩酊ぶりもないだろう。一兵卒に目をかけてやるつもりが、すっかり聞き役に徹させて、上司としては迷惑甚だしく。火津彌の愚痴は彼が眠りに落ちるまで、しばらく続いたのであった。)〆   (4/19 20:30:48)