この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

片付けの依頼

(レフィーネ&雷鏡)

しめさば/レフィーネ > (王都の人通りの多い広場で、レフィーネは紙を握りしめて立っていた。その目は心なしか少し潤み、眉毛は下がって、意気消沈といったところか。人々の伝言などに使われる掲示板の方へ歩み寄り、意を決したようにその手元にある丸められた紙を広げて貼り付ける。『急募:不用品の破棄を手伝ってくれる方。 報酬:銀貨3枚 並びに 不用品を持ち帰って下さって構いません。』 あぁ、なんて恥ずかしいことか。片付けひとつまともに出来ず、とうとうお金で解決する羽目になるとは。 縺れながら錯雑を極めるかのようなレフィーネの思考回路は魔術との相性は良く、唯一突出した特技になり得たものの、はっきり言って生活力は著しく低い。泣きそうなほどの自己嫌悪を覚えながら、お願いしますと神に……いや、紙に祈った。)   (4/13 23:56:41)


グレー/雷鏡 ◆ > さーて…今日はとりあえず掲示板を見てみるか…(と、王都の掲示板を覗きに行ってみることにした。彼の依頼の大半の理由は掲示板に貼り付けておいた彼の宣伝紙のおかげであり、特定の場所に居るだけで依頼が舞い込んでくるのだということにした。その場所というのは、適当にゴザを引いてリュックをおいて…まるでピクニックでも来ているのかとツッコみたくなるほどの適当さ加減でとりあえずの仮店舗としているわけだ。そんな営業スタイルは彼がウェンディアの特に王都内で依頼を探す際に用いている。そんなこんなで今日も今日とて、仕事探し…!と、行きたいところだが…掲示板の前には明らかに見覚えのある顔が。)よっ。どうかしたのか?(と、以前、神楽という尊華の人間に対しての伝言を依頼した者を見かけた。そして、なぜか悲しそうな顔をしていたので声をかけたという次第だ。そして、掲示板を見て…紙が貼り付けてあったのでとりあえず読んで内容の理解…そして、なにゆえそのような顔をしているのかの理由を察した。)なるほど…片づけのお手伝いをしてほしいのか…   (4/14 00:09:22)


しめさば/レフィーネ > (後ろから軽快に声をかけられて振り向くと、見覚えのある〝何でも屋〟の少年がいた。降って湧いた好機に口を開けて喜びを露わにし、この人ならば依頼をするのにぴったりだ。えーと、確か名前は……)ら、らっ…ライキョウさん!(掲示板を見てふむふむと、得心がいったようにひとりごちるあなたに縋るような思いでレフィーネは言葉を続ける。)うあぁ、そ、そ、そうなんですっ。……助けてくださいぃ……。(聖騎士として一線を張っている時からすれば考えられないほど情けない声を出してスカートの裾をぎゅっと握りしめる。自室は聖騎士団の寮なのだが、もしも快諾が貰えそうならばこっそり窓から入れるとしよう。移民風の見た目だからと言って大丈夫だとは思うけれど、この間会った元旅団員の少女の事が少し頭を掠めて、一応戦争に従事する施設なのだから念には念を入れた方が良いだろうと思ったのだ。)   (4/14 00:19:45)


グレー/雷鏡 ◆ > ああ。このくらいの依頼なら朝飯前だ。それに、要らないものがあるんだったら、それをこちらは持ち帰ってもいい…つまり、俺のものになるんだからまあこれ以上役得な仕事はねえな。よし。引き受けよう。(と、彼は考え始める。もしその相手にとって要らぬものがこちらにとって頗る役に立つような代物ならばそのまま貰い受ければ良し。そうでないなら、売りに出してお金に変えるのもいい。どちらにしても依頼によって入るお金以上の利益がこちら側にはあるからだ。)それじゃあ、そこに案内してもらおうか。まあ、俺は力持ちでサバイバルスキルも身についている。身を潜めるくらい、屁でもないぞ?少なくとも獣の類に見つからないように身を潜めなければならないからな。   (4/14 00:27:39)


しめさば/レフィーネ > (あなたの承諾によって依頼は成立し、そのまま騎士団の寮へと足を運んだ。『引っ越しを考えているので荷物を減らしたいのですが…何を捨てればいいのかわからなくて。ライキョウさんは旅人さんなので身軽で凄いですね』なんて、辿々しく吃りつつそんな他愛のない話も挟みながら。寮につくと、あなたをこっそりと窓から招き入れる。きちんと換気されて埃は取り除かれ、森林のような香りがするレフィーネの自室は汚いとまでは言わないものの、何しろ情報量にあふれていた。壁に添って這うように吊り下げられたいくつものドライフラワー、買い物やtodoリストなどのメモ、間抜けな顔をした鳩時計。小さな窓は太陽神に祈りを捧げるための祭壇代わりなのか、窓辺にごちゃごちゃと小さな酒器が置かれ、上にはサンキャッチャーがしゃらしゃらと揺れている。白で統一されたベッドの枕元には分厚い本が4,5冊と、なんとも形容しがたい禍々しい柄と形をした手縫いのぬいぐるみらしきもの。)   (4/14 00:40:28)
しめさば/レフィーネ > サイドテーブルにはぐちゃぐちゃと糸が絡んだようにしか見えないレース編みのドイリーと、何故か砂時計が三つ。それからランタン、どこかの土産物らしき香炉、マッチ、羽ペンなど。床には木箱が一つと、蓋つきのハットボックスが三つ。蓋のない木箱からは端切れや裁縫道具、刺繍枠に入った繕いかけの布、いくつかの毛糸玉や編み棒がのぞき、とにかく溢れる物、物、物。ただ奥に設えられた仕事用の机だけが聖域のように整然としていて、その上には羽ペンと、ハーモニカだけが鎮座していた。)……が、が、がらくたみたいなものしか、ないのですが……欲しいものがあれば、い、言ってください。とにかく、ものを減らしたいんです……。   (4/14 00:40:55)


グレー/雷鏡 ◆ > …ある程度ぐちゃぐちゃであることは想定していたが、これは…(と、その部屋を見て唖然とする。そして、彼は品定めを始める。彼は…その糸やドライフラワー、そして人形を見て…とあることを考える。焚き火の燃料になりそうだと…)燃えるものはすべてこちらに寄越してくれ。とりあえず焚き火の際の燃料に利用することはできるだろうからな。それと…(と、ハットボックスの中身を開けて覗き込んてみたり…羽ペンを見つめたりする。)もし羽ペンが要らぬのならそれもたのむ。書類にサインをするときに必要だろうからな。(と、そう付け加えた。)   (4/14 00:50:02)


しめさば/レフィーネ > は……も、も、燃やっ……!?(あなたの口か出たあまりにも無慈悲な言葉に、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で目をぱちくりさせる。と、狙いすましたかのように鳩時計が間抜けな鳴き声をあげて正午を告げた。)え、え、その、もっ、燃えないものは、ほとんどあああありませんよ?服とか全部、もっ、燃やしてしまったら、わっ、わたし、着るものがなくなりますっ……!ぬ、ぬ、ぬいぐるみだって、がんばって、作りましたし……。貰い物とかは捨てられませんし……。ま、薪がほしいなら、それはいくらでもあげますっ。まっ、松でいいですか?……って、そうじゃなくて。も、燃やすのはダメ……!そ、そんな強引な方法をとるなら、ほ、ほ、報酬は払いません!(取捨選択を手伝って欲しかったのに、全部棄てるとでも言いかねない極端な発想に思わずレフィーネは語気を荒らげる。しかし、レフィーネの言い分もまた極端で、彼女に従っていたらこの部屋のものは何一つ減る事はないだろう。難航しそうな行く先を見つめるかのように、時計の鳩は焦点の合わない瞳で明後日の方向を向いて揺れていた。)   (4/14 01:03:15)


グレー/雷鏡 ◆ > ああ、失礼。あんたが真に要らないと思うものだけ。だな。何も全部が全部寄越せとは言ってないさ。一応いうと、俺は売りに出すというのも手じゃないか?とも考えてはいるさ。そうすることで次の人の手に渡ったときにその人も喜ぶんじゃねえか…?とも思ってるからな。(と、先程の失言を訂正する。)   (4/14 01:20:33)


しめさば/レフィーネ > ほ、ほんとうに要らないもの、ですか……うーん…うーん。(それがわかれば苦労しないのに、と思いながら頭を抱えて唸りはじめてしまった。まるで哲学だ……必要って何?不要って何?何がわたしの人生に必要なの?人生ってなに?)…………わ………わかりまし、た。(一瞬のうちに行われた思考の回転により、思ったよりも早くその答えは出た。)ぜんぶ燃やしましょう!(明後日の方向。瞳がぐるぐると渦を描くように泳いで、知恵熱で頰が紅潮していた。………混沌(カオス)。)   (4/14 01:29:00)


グレー/雷鏡 ◆ > おい、しっかりしろ。あんた、今さっき言ってたことと今言ってることで矛盾が生じているぞ。(と、相手を正気に戻すべく、ツッコミを入れる。そして、相手に深呼吸をして頭を冷やせと言うことも伝えた。)…しかし、あんたはこんだけ物を溜め込むってことは…過去に縛られてちゃぁいないか?俺が思うに、こう何でもかんでもものを溜め込んじまうやつって言うのは…たいてい何かしら悩みを抱えていたり、過去に執着しちまってるんだ。過去の思い出にばかり気を取られて…それをいつでも思い出せるい出せる様にという事ばかりに何もかも溜め込んじまうのさ。違うか?(と、相手に向きなおり…)ときにはその過去にも蹴りをつけなきゃなんねぇときが来るってことだ。今はもう使ってないものは、つまりその過去とのつながりが無いものは、潔く捨てるか…それとも、お金に変えれるだけの価値がありそうなものはそうしちまうのが早いんだよ。そうすればその過去の思い出が他の人にとって新たな出合いになる訳。もしそうでなかったとして、あんた自身が前に向かって歩いていくことができるようになるのさ。   (4/14 01:43:02)


しめさば/レフィーネ > ……はっ……へ?……か、過去に縛られてないか、ですか……?(放り込まれた思わぬ言葉に、ぽかんとあなたの瞳を見る。これでは本当に禅問答ではないか。しかし、魔術師…つまり、〝言葉を知る者〟としてか、何でもかんでも真に受けてしまう性格故か、一考してみることにした。前に進むと言う言葉は今のレフィーネにとっては一つのキーワードだ。罪から目を背けずに、突き進んで行く。その先に待つのが太陽の御国か奈落かわからなくても。歩みを止めないと決めたのだ。聖騎士としても、ひとりの人間としても。…………なんて、本当に飛躍しすぎたかもしれない。片付けひとつで奈落だなんだのと考えてる自分が少し馬鹿馬鹿しくて、レフィーネは笑みをこぼした。)……ふふっ……ごめんなさい……ふふふ、そっか、そっかぁ。んふ、ふふふ。(その笑いはレフィーネの気持ちを軽くして、凝り固まった頭を解してくれた。〝たかが片付けじゃないか〟と。)   (4/14 02:03:26)
しめさば/レフィーネ > )……うんっ、そ、そうですね。ひ、ひとつずつ、やっていきましょう。……メモやドライフラワーは燃やしてください。羽ペンと砂時計とランタンは差し上げます、う、うう売れるなら売ってください。それから…………(ようやく進み出した過去との決別。この片付けが終わった頃には、少し報酬に色をつけてもいいかな、なんて考える。しがらみのない旅人のあなたに、幸あれと。) 〆  (4/14 02:03:59)