この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

灰と炎

(アッシュ&オウガ)

クノ/アッシュ > 千騎長、執務室にて。少し解れたシャツ姿の男と騎士団制服に身を包んだ立派な体躯の男が二人、向かい合っている。))「⋯⋯⋯⋯。」((⋯⋯千騎長。大柄な体格にか、その豪胆な性格にか。かつてと変わらない上司の姿に俺は、萎縮してしまっていた。リル⋯⋯レフィーネに連れられてやってきたは良いものの、レフィーネは俺を置いて報告に行ってしまった。いつまでも引っ張られて、支えられてばかりじゃいけない、その為に態とこの場を設けてくれたのか⋯、⋯⋯多分違うのだろうけど。俺から、言わないと。今まで自分勝手に動き続けてきたのだから、その責任くらいは。自分より遥かに高いあなたに視線を合わせようと、俯いていた顔を上げ、瞳を僅かに泳がせてから、拳を握って声を絞り出した。)「⋯⋯その、千騎長。あの⋯」((喉が締まる感覚に表情を歪ませ、今一度息を深く吸い込んで。)「⋯⋯すみませんでした⋯」((深く頭を下げた。視線を床に落として、男は続けていく。声質は重く、それでいて弱々しい。それでも強い意志を感じられる声色で頭を下げたまま。)   (4/8 00:06:21)
クノ/アッシュ > 「⋯勝手に騎士団を去り、逃げてきた罪が、⋯⋯他にも沢山の罪全て、許されるとは、思っていません。⋯⋯⋯⋯それ、でも⋯⋯。」((拳に力が込められて、肩が微かに震える。心無しか頭を更に下げたように見えるだろうか、あなたには見えないが、強く眉を顰めて)「⋯⋯お願い、します。⋯⋯⋯⋯騎士団にまた、戻らせて下さい⋯⋯!!!」   (4/8 00:06:23)


しぃずま@オウガ > 「(積み上げられた書類。仕事はすでに終えられていて、目の前の問題に対面する準備は、もうすでに整えられていた。怠惰な行動を嫌うオウガにとっては、この程度の仕事量、バッシュ…いや、今はアッシュと呼ぶべきか。彼の再入団についてを終わらせるよりも簡単な仕事だ。)…俺は…(怒るべきなのかもしれない。戒めるべきだったのかもしれない。しかし、オウガには難しいことだった。怒りなど持っていないから。持たぬものを作るのは、オウガには、いやウェンディア人には難しい。一方執務室は、そんなオウガのもやもやした気持ちを無視するかのように、一点の光に照らされて、素朴ながらも明るい雰囲気を作り出した。)
 しぃずま@オウガ > 電球にでも、なりてぇな。(なんて、冗談混じりに言う。だが、これは本音だ。この状況を照らす者になれれば、どれ程楽に人生を歩めるのだろうか。)誰に許してほしいんだ?…「アッシュ」。   (4/8 00:40:12)
しぃずま@オウガ > 電球にでも、なりてぇな。(なんて、冗談混じりに言う。だが、これは本音だ。この状況を照らす者になれれば、どれ程楽に人生を歩めるのだろうか。)誰に許してほしいんだ?…「アッシュ」。   (4/8 00:40:12)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯っ。」((どんな言葉を返されても。そんな覚悟はとうの昔に出来ていた。あいつとの誓いは、今の俺にとっての全てで、生きる理由で、希望だから。頭を下げたまま、「バッシュ」は身構えた。続く言葉に耐える為に、揺らがない為に。燃え尽きた灰に再び灯った不安定な炎を保ちながら、黙りこくっていた。だが。)「⋯⋯、⋯え⋯⋯。」((続いた言葉は、いつか大切な人に掛けられた言葉と重なるもので。どきりと鼓動を跳ねさせた瞬間、頭に置かれたのは大きな手。そのまま大きな力で持ち上げられて、視線は自ずと上を向く。そこにあったのは、熱く、優しい炎。自分よりも一回りも二回りも、大きく立派に、消えることなく燃える炎。黒瞳にそんなあなたの姿を幻視する小火。人にこうして動かして貰ってばかりの彼は、あなたの言葉を受け入れていく。)「⋯⋯俺、は⋯⋯。」   (4/8 01:15:58)
> ((言うべきか、言わないべきか。胸の内のどろどろとしたものを吐き出してしまいそうになった。見透かすあなたに、全て。自分が何故、どうしてここに居るのか。誰に引っ張ってもらってここに来たのか、なぜ騎士団に戻りたがっているのか。甘く浅ましい共犯の誓を口にしてしまいそうになった。かつてはリルに、今は千騎長に、皆に甘えてばかりの弱さを口にしたら、楽になれるような、あなたになら赦されるような気がしたから。心地良い熱に暖められ、バッシュは逡巡をあからさまに瞳に映す。弱々しく瞳を細め、拳を握り。⋯⋯伸ばした腕はあなたの手首に弱々しく添えられた。)「⋯⋯ありがとう、ございます。」((あなたの寛大さに、優しさに。漏れる息に乗るのは、甘えか、それとも。選択はすぐに現れた。そっと、僅かに力を込めて自分の頭から退かすようにして。俯きがちに呟いた。)   (4/8 01:16:02)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯⋯⋯すみ、ませんでした、本当に。⋯⋯すみません、千騎長。⋯⋯すみ、ません⋯⋯」((何とか絞り出した感謝の声のあとは、何度も何度も謝罪が繰り返されるだけ。繰り返す度に声は震え、肩は力無く落とされる。きっとあなたには何もかも、俺が何故ここにいるのかも全部お見通しな気がして。リルに甘えたかっただけなんて、浅ましい理由なのも全て。なのに何も言えない、真実を口にできない自分の愚かさに対する謝罪と、黙っていなくなった事への謝罪、殺してしまった仲間への謝罪、⋯⋯もう、謝なければならない事柄ばかりで、どうしようもなく。あなたが何かを口にする迄、ただ譫のように同じ言葉を繰り返すことしか出来ずにいた。)「⋯⋯⋯す、みま⋯せん⋯⋯っ」   (4/8 01:16:18)


しぃずま@オウガ > 「(お前はまだ、灰じゃない。お前はまだ、死んでない。お前はまだ、大火に戻れる。そんな言葉を投げ掛けてはいけないだろう。成長は、気付かない内に過ぎるもの。過ぎさせてこそ、成長は続く。その灰に埋もれた小さな火は、まだ舞える。オウガは炎だけでは飽きたらず、木となり風となりあなたを大火に戻すことを、今ここで決意した。誰に動かされたとか、誰に引っ張られたかなど関係ない。)   (4/8 02:01:59)
しぃずま@オウガ > 後押しを力に変えることは、された側にしかできねぇ偉業なんだぜ?(添えられた腕に押されるがまま、オウガは手を下ろす。こいつはもう、自分の知る若造なんかじゃない。あなたの成長を目にしたオウガは、満足げに、一瞬だけ、目を瞑りながら微笑んだ。それはあなたの目には写らなかったのかもしれない。はたまた心を貫いたかもしれない。そんな刹那であった。)そんなに謝んな。空にいるあいつらは、お前を責めたりしねぇよ。そんな奴に育てた覚えはないからな。(彼らの顔を思い出す。それで悲しむなんてことは、しない。むしろ思い出し笑いをしたくらいだ。あなたの目の前で悲しむなんて真似をしたら、あなたはまた辛くなって、謝るだけになってしまうだろうから。)逆に、あいつらの分もお前が生きてやればいい。吉報を届けようじゃねぇか、戦友たちによ。」   (4/8 02:02:03)


クノ/アッシュ > 「⋯⋯⋯⋯せん、きちょう⋯⋯俺、は⋯」((手が退けられても、その温かさは健在で。妬ける程の熱に、羨望すらした。俺があなたの様に強く、優しい人間だったのなら。⋯⋯⋯どうせ俺には無理な話だから、せめてと優しさに甘えて、後ろめたい事何から何まで口にして赦されたい、と再び欲が渦を巻く。なのに俺は、リルとの一瞬が何よりも忘れられなくて、自分だけのモノにしたくて、結局は口に出来ない。どっちつかずの灰色では無くなったけれど、ただ一人、大切な人にばかり荷物を背負わせているようで、言いかけた何かを堰き止めた。────強く逞しく優しく、完璧なあなたの背中は、憧れで居させてください。いつかあなたの様な男に、もし、もしもなれる日が来たら、その時はリルに恩返しがしたいから⋯。握りしめた拳をそっと、解き、少しだけ視線を上げた。あなたの口元辺りまで持ち上げたら、澱んだ瞳を細め、ほんの微かに頷いたのだった。⋯どうやら、一瞬微笑んだあなたの顔には気づかなかったようだが。)   (4/8 21:28:40)
クノ/アッシュ > 「⋯⋯ありがとう、ござい、ます。⋯⋯⋯もう、居なくなりはしません。だから、⋯お願いします⋯。」((───リルが居る限り。心の中に浮かんだ一言は酷く自分勝手なもので。⋯気付かないフリを、してしまった。 )〆  (4/8 21:28:41)