この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

診察

(静香&咲夜)

静香 > (所々に植物が配置された、清潔感のある少し狭い待合室に人はいない。診療に来た患者さんを全員見終わり一息つける、そんな時間だった。軍以外の人を見るようになったのは義務感や善意からというわけではなく、ただ腕を鈍らせないための方法として一番良かったから。それに、色々な世界を知るきっかけになるかもしれないし。乱雑にしまわれた診察記録を整理し直し、受け付けのような場所、カウンター前の椅子に腰かける。人がいないのは良い事だが。“暇だなぁ”なんて、そんなことを呟きながら、扉の方に目をやり。) 


咲夜 > (ぎぃっと音を鳴らして扉を開いたのは側近の青年だった。共に続こうとする青年に対して片手を挙げ、ここまでで構わないと告げれば咲夜はひとり診療室へと足を運んだ。消毒液の匂いのする待合室はさすが診療所だけあって清潔感があり、窓から差し込む穏やかな光と相まって透明感を覚える。思わずふぅと息を吐き出してしまったのも束の間、椅子に座る三つ編みの年若い女性の姿に気が付けば、背筋をまっすぐにのばしたまま其方に向かって足を進めて)やぁ、こんにちは。雨屋のお嬢さんだね。(敢えて貴方の名前ではなく生家の名前を口にするのは其方との繋がりを暗に匂わせるためであり、カウンター前に立った瞬間、かちゃりと鳴った勲章の音にはたと足を止めれば難しげに眉根を寄せた)私服で来た方がよかったかな?この姿だと他の患者さんが委縮してしまいますね。


静香 > (扉がゆっくりと開き、空いた空間から姿を見せた相手を見ては簡単に椅子に座り直す。あまり他人に教える事のない名を呼ばれれば反射で一瞬警戒してしまうが、どう見ても相手は自分の敵などではない。むしろ味方であろう人物であり。) 確かに私は雨屋ですが…。いえ、わざわざ着替えて来るのも大変でしょう?そのままで構いませんよ。…それに、上位の職に就いている方も利用しているとわかれば、変な行動を起こすような患者さんもいなくなるでしょうし。(いつも通りの柔らかい笑みを浮かべて相手を見る。噂を聞いたり姿を見かけることはあれど、直接言葉を交わすのははじめてだった。患者を悪く言ったようにも捉えられる言葉を言ってしまった。その事に気付けば、はっとした表情を見せ軽く謝罪する。) すみません忘れてください。…ところで、本日はどうなされましたか?


咲夜 > それじゃあ、甘えさせて貰おうか。治療を頼めますか?(自分に対して思わず身構えてしまう貴方をみれば、眉尻をさげて少女然とした面持ちに老齢な人物が浮かべるような穏やかな表情をみせるとその好意に甘えることにした。中将官である自分の登場に緊張を見せたのも最初だけ、気後れした様子もなく自らの調子で話す貴方の様子に感心したように顎を軽くひけば、先の戦いで怪我をした片手を持ち上げてみせる)いい、構わないさ。それなら足蹴く通わせて貰おうか。怪我をすると普段冷静な人も子供に戻ったようになるものですからね。字は静香だったね、巫女殿の働きは聞いているよ。(貴方の謝罪に気にはしないとゆっくり首を横に振る。戦場に出れば怪我をして母の名を呼ぶ老兵すらいるのだから貴方の言葉も尤もだろう。先ほどまで整理していた診療記録の束へと視線を向ければ、どれだけの数の患者を診て来たのか分かるというものだ)

(ミナコイのバグによりログが抜けています)

骨牌/咲夜 > そうですか、それはよかった。(穏やかなお嬢さんかと思いきや治療の話になると途端に目の色を変えた貴方の姿勢に少しばかり驚きを感じて、伏し目がちな双眸を縁取る長い睫毛が揺れた。遠目に怪我をした箇所を診せただけ、それも服の上からだというのに貴方は何かを感じたようだった。その僅かな表情の変化を目敏く読み解けば、口元に微苦笑を浮かべる。生命力を操る魔術を得意とする手前、簡単なものであれば自分で治せてしまう、そのため怪我というものとは縁遠く、酷い怪我ではないと過信していたのだろうと)   (4/9 18:49:43)
骨牌/咲夜 > それじゃあ、足蹴く通わせて貰いましょうか。あぁ、綺麗な名前だ。いい名を付けた。ふふっ、そう堅苦しくせずとも構わないよ。ここではわたしが患者で、貴方が先生なのだからね。(慎重に言葉を選んで話す貴方の様子に首をゆっくり横へと振れば、笑い声を漏らし揶揄するように診療所へとちらりと視線をむけた。そうして奥へ促されれば傷を診せるために上着を脱ぐとネクタイを緩めながら奥へと進もうか。大事をとって洗浄し傷口を消毒したあと包帯を巻いていた右腕であるが、こうしてシャツの上からみると左腕よりも腫れているように感じられる)えぇ、お邪魔させていただきますとも。静香先生、お願いします。   (4/9 18:49:52)


枡/静香 > 本当は怪我をせず病気もしない、健康な状態でいられるのが一番なんですけれどね。それもなかなか難しいですから。…ええ。どうぞご贔屓に。(困ったように笑っては今日来た患者の事を思い出してみる。それぞれ違う病状でここに訪れ、自分が処方した“苦しみを少しでも和らげる方法”を持って帰って行く。すぐに治るものから長期間付き合わないといけないものまで様々な種類の病気や怪我があるのだ。それを完全になくしたり防いだりする事はどんなに技術が発展したところで出来はしないだろう。相手に名前を褒められれば少し照れくさそうにして、「お褒めに与り光栄です」とだけ小さく返した。) …確かに、軍では咲夜さんの方が立場は上ですが、私はここの医者でした。それではお言葉に甘えて、普段この場所にいる時と変わらぬ言葉仕草で接することにしますね。…翌々考えてみれば、ここでは皆さんに平等に接さなければ他の患者さんにも失礼ですものね。   (4/12 18:42:27)
枡/静香 > (先生お願いしますと言われれば小さく頷き部屋へと案内する。決して広いとは言えないが診察を行う上では十分といって良い程の空間はきちんと確保されており、余計な家具や飾りは一切置いていない質素な個室だ。扉を開け相手を先に入室を促した後、自分が使用しているデスクの対面上にある椅子に案内する。相手が椅子に座るのと似たようなタイミングで自分も椅子に座り、机の奥の方に並べてある新しい診療録と細い筆をそれぞれ一つずつ取り出せば相手を見やる。) 怪我をした箇所は左腕のみですか?他に怪我をしていたり気になる場所があればそちらも一緒に診せてください。それと傷を負った部位ですが、もしどこかに置いた方が楽なようであればこちらにある台に乗せていただいて構いません。 »咲夜さん   (4/12 18:42:38)


骨牌/咲夜 > 確かにその通り。ですが、これから戦は激化する一方でしょう。なにせ我々が王国を裏切ってしまったのですから。わたしは王国を千年を共に生きた友だと考えておりますがね、血を分けた親子供とて自らが切られれば反撃もする。我が軍の名将さま方が仕出かしたのはそういうことです。(癒者の視点から視れば貴女の言葉は尤もである。穏健派である咲夜が王国と大陸を二分した状態を続けようとしたのも健康な状態が続けばいいという考えからであった、それ故に貴方の言葉は心の臓へと深く染み込み、ため息交じりに本音の一部を吐露してしまう。それだけ先の戦での疲労が溜まっていたということなのだろうか、貴女は自分より遥か年下であるにも関わらず、その穏やかな調子にピンと張り詰めた糸が緩んでしまうのだ。診療室へと案内するため貴方が背中を向けたのをいいことに、どうもいかんと首を横に振る。そうして貴女に続いて部屋にはいれば、膝の上に脱いだ上着をおいて椅子へと腰かけた)   (4/14 19:39:13)
骨牌/咲夜 > あぁ、それでは失礼して。怪我という怪我はこちらの腕のみですが、実は喉を傷めてしまってね。魔術師の戦いというのはどうもいかん。季節の変わり目というのも祟ったのかもしれません。(シャツの袖を捲り上げると包帯の巻かれた左腕を台の上へと置いた。包帯の一部は染み出した浸出液の色だろうか、僅かに黄色く染まっていて、今朝にはなかったその変化に、なるほどこの巫女の真贋を見分ける目に間違いはないと双眸を僅かに見開けば、その唇は自身でも思ってもみなかったことを口にする。喉については話す予定はなかたのだが、どうしてだろうと自分に対して苦笑した)>静香   (4/14 19:39:28)

命の水-発症- に続く。