この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

朝食

(フシロム&ビナ)

フシロム > (固いベッドから体を起こす。少し重たい肩を回しながら昨日の疲れがうまくとれなかったのかな、と思う。その場で軽く伸びをすれば少しは体が解れたようだ。ベッドからおりてローブを手に取ると鞄の中から服を取り出し着替え始めた。指先が見えるぐらいの袖の長さはヨズアの証を隠すのにぴったりなのだ。ズボンを履いて靴を履く。その後、爪先で床をこんこん、と何度か蹴って馴染ませる。食堂へいくために階段をおりる。....相変わらず運動不足なため呼吸は途切れ途切れになり、咳き込む。)はぁ、はぁ...げほ...(なんとか呼吸を整えれば食堂を乱雑に開けて朝御飯を食べようと先へ進む。にゃぁ、と猫の鳴き声がした。あぁ、リリエンがついてきてしまったのか。そう思いながら視線を向ければ予想通りリリエンが居て。リリエンを抱えると少し離れたところにある席についた。)


ビナ > 「あ、あのっ、隣、座って、いいかなぁ…。ほ、ほら、他の席ひといっぱいで、あはは。」(旅先の宿の朝ごはんは、自炊で作るものより上質なもの。1日の活力になり、その街での思い出の一つになる。この際、味は関係なく、どれだけ料理人が想いを込めて作った料理なのか、伝わればそれだけで良い。料理がうまくてまずくても、それはそれで思い出になるし、この街に行ったと言う記憶が残ればそれだけで上々。鼻腔を擽る焼けたパンの匂いと、スープの香り。それだけで、私の腹の虫がくぅくぅと寂しそうに鳴き始める。さて、早速食べてしまおうと思ったのだが、存外愛されている宿のようで、席は殆どが埋まってしまっていた。とほほと、困ったように空き席がないかキョロキョロと見回してみると、ちょうど一つの空き席が目についた。あなたの座る、その隣の席に。声をかけて、断りを入れよう。私は、見知らぬ土地の人と美味しい朝食をいただくことも、旅の醍醐味であると確信しているのだから。)>杏さん


フシロム > (声をかけられればパチパチと瞬きをしてその声がしたほうをみる。...,初めは少し上を向いたあといないとわかって少しずつしたにずらしていくと小さめの女の子がいた。笑っていいよ。と承諾すると腕の中にいるリリエンが大丈夫かどうか訪ねた。)えっと、リリエンっていう猫なんだけど....大丈夫か?(首をかしげて恐る恐るといった声色で。もしも猫嫌いだったら困るし、迷惑はあまりかけられない。腕の中にいるリリエンは緑色の瞳を細めてにゃぁ、と鳴いた。その声は鈴を転がすようで、軽く撫でてやれば気持ち良さそうにごろごろと喉をならした。)


ビナ > 「わっ、猫ちゃん!えへ、だいじょぶ。私、かわいい動物大好きだからさー。ん、ありがとね。お邪魔しまーす。」(そう言って、ニコニコしながら君の隣の席に腰をかけた。眠そうな双眸は君の抱き抱える猫を映し、その愛くるしい姿ににへらと思わず顔が溶けるような笑顔を見せようか。思えばわ私は動物が好きだ。人間とは違う、野性的な、いや、原始的な優しさを彼らは持っているのだから。それは母の愛情のようだし、親しい友からの友情のようでもある不思議な愛。君のリリエンちゃんも君のことが大好きなのかな。流石にあの巨躯を持つ羊のガフはここに泊めることができないので、専用のところで預かってもらっているが、あの子も私のことを想ってくれているはずだ。)「えとっ、私ね、ビナって字で…うん、旅してるんだ。この街は何回か来たことあるけど、やっぱり、いい街だよね。えへへ…ん……君みたいに優しい人いっぱい。」>杏さん


フシロム > (大丈夫、という答えを聞けば嬉しそうに笑ってよかったな、リリエン。何て言いながらリリエンに微笑みかける。彼女の表情、眼差しをみて確信する。彼女は本当に動物たちを愛し、信頼していると。自分と同類だと。それが嬉しくなってきて頬が緩む。ザクアに逢わせたらどんな反応するだろうか。そう考えながら、瞳に彼女を映した。彼女の自己紹介を聞いて、リリエンを膝にのせると同じように自己紹介する。)僕の字はフシロム。...君と同じで旅してるんだ。旅人だけど、吟遊詩人に近いかもしれないな。....ここに来るのは二回目だけど、優しいよな、みんな。それに、賑わってる(に、と笑いながら、名前だけでヨズアの人だと分かる気がしてくるがまぁ、問題はないだろう。と思う。そのあとローブを退けて、手を差し出す。)よろしくな(明るい笑みを相手に見せた。) 


ビナ > 「わっ、うそうそっ、すごい偶然…!同じ旅人さんで、えと、たぶんだけど、ん……私と同じ、ヨズア…だよね?うんっ、すごいね!これは古代ヨズアの神様の思し召しだよ!」(まさか、君と私がそこまで共通点があるとは、偶然にしてはすごい奇跡だ。私もにわかには信じられなかったし、これも神様のご意志なのかな、なんて。)「あー、えっとー…フシロムさんは、その、おとこのこ……?あ、いや、女の子…なのかな。ん、顔すごい綺麗で、えっと…えへ、わかんない。」(宿主さんもらったパンをスープに浸しながら、君の性別について考えた。結果答えが出ないまま、曖昧な笑みでお茶を濁す。ぱっと見ではどちらなのかわからない。すごい不躾がましいことは甚だ承知の上だ。私だって女の子だし、私が男に見間違われようなら不機嫌の一つや二つなるだろう。)>杏さん


フシロム > (ヨズア、といわれればやっぱばれた。何て思いつつ耳を傾けていれば彼女もそうだったというのだから驚いて目を見開くと大きめの声を出す。)本当に!?偶然だな....!!(すごいな、としきりに感心しながらご飯に手をつける。パンを千切って口の中に放り込む。リリエンには腰に下げているポーチからリリエン用....つまり猫用の餌を取り出して食べさせてやる。美味しそうに食べるリリエンを撫でながら、彼女の言葉に答えを返す。)僕は女だよ。でも、女ってだけでいざこざになるのは面倒くさいから男装してんだ。男に見えんならよかった(そう言いおえると、サラダを食べ始める。咀嚼しているとリリエンがぐぅ、と伸びて机に飛び乗る。膝を踏み台にされたのはいいのだが、机の上に乗るのは迷惑がかかる。いざこざは嫌なのだ、面倒くさいから。)あー、そこ乗んなって....(リリエンを抱えるともとの位置に戻して食べたかったのであろうトマトを差し出すと嬉しそうにないて食べ始めた。)


ビナ > 「そかぁー…確かに、女ってだけでめんどくさいことになるのは、うん、私もあるかも。ほらっ、私って色んな国とか街とか、いくからさ。治安悪いとこだったりも、まぁー普段は避けてるけど……通る時もある。だから、そういう時は、私の、魔術を使うんだ。」(どうしても避けられない危険を避けるために、私はよく魔術を使う。それ以外だと、私は滅多なことで魔法は使わない。『頭の中を土足で覗くことの重大さ』は、使う私がよく知っているから。)「えへっ、猫ちゃんかわいいね…。私もね、今はいないけど、『ガフ』って子いるんだ。私よりおっきい、もこもこした羊さんなんだけどね。うん、すごくやさしくて、私が寂しい時とか……寄り添ってくれる。———あ、あはっ、私の話しちゃったねっ!えへ、また話しすぎちゃた……あー、おかし。」>杏さん


フシロム > 魔術....?どんな魔術なんだ?(少し不思議になって首をかしげる。攻撃系とかかな、と想像する。)僕は体力とかないから相棒たちを頼ってるんだ。ちゃんと僕も魔術使ってるしな(けらりと笑いながらトマトをペロリと平らげて満足したらしいリリエンを撫でながらそう話す。彼女が話始めたのでまた耳を傾けて。)羊....そうなんだ!羊はいないなぁ....。でもな、僕の相棒たちは馬と犬と兎と梟と....この猫なんだ(フフ、と笑みをこぼしてリリエンを掲げる。その後、下ろすとリリエンは膝からおりて椅子の下で丸まった。)ガフ....もしよければ、相棒たちと逢わせてみたいなぁ(目を細めて楽しそうだと笑う。その後、にこりと彼女に笑いかけ。)なぁ、もっとはなし聞かせてくれよ。僕もなんでも答えるし!(同じ旅人どうしなか良くしよう、という意味も込めて笑いかける。)

続く