この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

恋とはどんなものかしら

(レフィーネ&オウガ)

オウガ > 「(聖騎士団本部、練兵所にて。彼は日の光が僅かに覗くような早朝からこの時間…つまり昼頃まで、飯時まで、剣技の練習をしていた。腹の虫はぐぅと鳴り、はっとして近くの時計を見てやっと、自らの腹の減りを理解した。)うし、今日はこんなもんにしとくか。(と、ボロボロになるまで使い古された、練習用の木製剣を篭の中に入れる。この剣は昔からオウガによって使われている一番重たい剣である。他の人が扱えるような代物ではないが、鍛えれば誰でも持てる、とオウガは言っている。)」


レフィーネ ◆ > …ごっはん~ごっはん~♪誰か居ないかなぁ~♪(癖のようになっている自作のハミングを口ずさみながら、レフィーネは歩いていた。ちょうど昼食の時間だし、一人よりは誰かと一緒のほうが良い…奢ってもらえるかもしれないし。そんな食い意地の張った事を思いながら練兵所へ行くと、お誂え向きに気前の良さそうな上司が剣を仕舞っているところを見かける。)…あっ、せせせせ千騎長!やや、やっぱりここにいましたね~!ご飯いきましょ、ごはーん!(ぶんぶんを手を振りながら声をかける。練兵所で剣技の練習をしている魔術師なんて彼くらいなものだろう。変わってるなぁ~なんて思いながら。)いいいいつものとこ、いきましょー!


オウガ > 「お、レフィーネか。(自分の職業を呼ぶ女性の声が聞こえたので、首をそちらの方に向ける。するとそこには、自分の部下に当たる百騎長であるレフィーネ、あなたがいた。時代遅れな髪型、綺麗な緑色の髪、神秘的なペリドット色の瞳を見れば、一目瞭然だ。)飯か、丁度いいとこに来たな。いいぜ、俺も腹減ってるからな。(ご飯のお誘いに、にっこりと力強い微笑みを見せながら言う。)おう。あそこだな。(馴染みの味を思い出して、ごくり、涎を飲んだ後、足早に本部からかの飯屋へと足を動かす。)さっさと行こうぜー。」


レフィーネ ◆ > (聖騎士団本部の本部にほど近い、騎士御用達の食事所。レフィーネはオウガの向かいに座って、店員に注文を通した。)…あ、あ、すすみません!いつもの、サンドイッチをください。おおおお肉は抜いてもらっていいですか?(バケット型の野菜がいっぱいのサンドイッチ。レフィーネは家系的に肉た食べられないのもあるが、そもそも肉食文化自体に抵抗がある。しかしそれも騎士団に入団し、随分慣れた……こうして人と食事ができる程度には。)せせ、千騎長も、注文どうぞ。……はぁ、明日は花祭り本番ですねぇ。わわわわわ私達も、哨戒のお仕事とかに回されると思いますけど……。すすすすす、ステキな男の人とおおお祭りとか行きたかったなぁあ…。ね、そう、おおお思いません?(机に肘をつき、頬杖をつきながら一人ごちる。平均年齢が低い聖騎士団においては横並びの結びつきが強く、千騎長でありながらまるで兄のように、レフィーネは軽口を叩いた。)


オウガ > 「(私服のスーツに身を包み、髪もしっかり整えて、食事所へ。)そうだな…んじゃ、遠慮なく。カツサンド1つくれ。(昔から千騎長として働いているため、レフィーネの性格や性質は知っている。だからこそ遠慮なく、食肉をできるのだ。)ま、これも慣れるためだ。俺ら人間も生き物だからな、命を頂戴しないと生きられねえんだ。仕方がない、と言えば言い訳になるのかもしれないが、食わねば生きていけない。(あなたが肉を食らいたくない理由は否定せず、しかし食わねばならない理由を教える。)花祭り、か。まぁ、俺みたいなおっさんには縁のねぇ話さ。平民のまま暮らしてたら、人並みに恋をして、人並みに過ごしてたのかねぇ。(机の上に肘を起き、手のひらの上に顎を乗せて、思い出に耽っているようだ。ちょっとしたため息を吐きながら。)」


レフィーネ ◆ > わわわ、わかってますよー。お、押し付ける気はないですから。(オウガの言葉には軽くそう答える。体を動かす訓練の後ならがっつりとしたステーキや肉のプレートなど食べたいはずだろう。ましてやオウガ程の体の大きな男性騎士ならば尚更。だのに、注文したのがカツサンドというのは、少しでも肉が見えづらく、レフィーネが気分を悪くせずに済むからという配慮なのかもしれない。もしそうならば肉を食べない訳ではないというさり気なくちょうどよい配慮が、レフィーネには心地よかった。兄が居たらこんな感じなのかしら、と。) 
レフィーネ ◆ > え~!せせ千騎長は、気になる女性とか、いいいいらっしゃらないんですか?こ、こ、恋人はいらっしゃらなくても、好意のある方には、おおお花を、贈らなくちゃ!花祭りの日におおお花をいいいいただくのは、すべてのウェンディア女性の、あっ、あっ、憧れなんですから!わわわたしも、いつもおおお世話になってる人みんなにお花を配るんですー! (植物を操る魔術を得意とするレフィーネならば、無尽蔵に花を出して配るのも造作のないことだ。きらきらと目を輝かせながら、あの人にはこのお花…と指を折り始めた。程なくしてサンドイッチとカツサンドが運ばれ、軽く食事の祈りをしてから手をつけ始めた。) 


オウガ > 「(昼飯を受け取り、あなたと共に食事の祈りをする。英気のもととなる、今口の中に送られる肉へ、そしてそれらを育てる人へ、草へ、感謝を込めて。)変わったもんだな。いい変化、と言えるのかどうかは、レフィーネ次第だが。(一噛み。微笑みながらあなたの変化について言及すれば、ザクッと音を鳴らして食べる。肉を千切る音は、それで打ち消された。豪快な性格ではあるが、人との関わりをは人一倍大切にするオウガにとっては、おおっぴろげなところではなく、そういった細かいことが一番大切なのだ。)がっはっは!意外か?もう俺は41のおっさんだ。俺なんかに花を送られても、気持ち悪いだけだと思うぜ。レフィーネみたいな可愛い娘に花を貰えば、みんな活気が出ると思うが。(可愛い娘、というのは、好意の表現ではなく、おっさん特有の、親心から来るものだ。。)」


レフィーネ ◆ > (大きな口を開けてサンドイッチを頬張りながら、オウガとのお喋りを楽しむ。)…むぐっ、…おお、おかげさまです。……そそそんなことはありませんっ!聖騎士というだけで興味を持つ女性だって、お、多いはずでしょう?せせ千騎長が今まで独身なのって、ふ、ふ、不自然ですよね。な何か理由が…?もっもしかして昔の恋人がわわわ忘れられないとか…!(ついつい声色を高くしてはしゃいぎながら、オウガの過去についてロマンチックな妄想をはかどらせた。)んんん、それとも…こ、こ、恋にとことん興味がないってパターンも…。あ、あるいは、すすすんごく変な性癖があったりして!(ケラケラと軽口を叩きながらも、人によってはキツめに感じるであろう冗談を放った。彼女は吃音者なので侮られがちだが、性格そのものは案外と無遠慮だ。しかしながらあまり嫌味ではない冗談とわかるような声色は計算したものではなく、天性の人懐っこい性質から。) 


オウガ > 「(おかげさまです、ということは、レフィーネにとっていい変化だったのだろう。オウガはそう考えて、小さく微笑んだ。)聖騎士とは言えども、俺が使うのは「剣」だ。俺を侮る奴もいるし、もっと言えば何かコネのようなもので千騎長になったっていう噂を流す奴もいる。(それが嫌だ、と口にするわけではないが、姿を見れば、その噂に対する憎悪がすぐに分かるだろう。顔にこそ変わりはないが、色に例えるならば赤黒いオーラを放っている。それも束の間、ふっと消えて質問に答える。)俺が独身な理由、か…んー、強いて言うならば、そもそも関わりが少なかったってことかね。剣技を磨くのに精一杯だったからな。まぁ…今となっちゃ若い子に…例えばレフィーネに、飯に誘われるぐらいにはなった、が…もう遅いわなぁ。(ジョリジョリと髭を触りながら言う。)がっはっは、性癖か!ある意味ではそれも合ってるかもしれんな。「俺の恋人は剣一筋」…なんつって!がはは!(冗談にあながち嘘でもないような冗談を返し、笑う。)」


レフィーネ ◆ > (オウガは気さくで求心力のある人柄には間違いないが、コネでどうこうできるような打算の得意な人ではない事を知っているレフィーネはその言葉を聞いて思わず否定したくなった。しかしながら、一瞬の不穏な空気をぱっと変えてこちらの話題にあわせてくれたのを見て、それ以上は聞かないことにした。)…ああ~、でで、出会いがないってヤツですか!いやいや、おおお遅くなんてありませんっ。わわわ私は千騎長の恋人にはなれませんが、お花はいつでも受け付けてますからねっ!それにそれに、は、は、花祭りで出会ったカップルも、おおお、多いんだそうですよ。(話題を花祭りに戻して、全くさり気なさの感じられない直截なおねだりをして、レフィーネはにこにこと笑った。恋人になれないというのは、レフィーネだけの問題ではなく、恐らくお互いに恋愛感情は抱かないであろうという関係から自然と口をついて出たものだ。歳が離れすぎているし、オウガが自分のような小娘を相手にするとも思えない。) 


オウガ > 「(不穏な空気は好きではない。しかしなぜそれを言ったのか。それは、オウガが不器用な人だからである。しかし、盛り上げることは得意なので、その空気はすぐに崩せたのだ。空気が悪くなることを予見することはできず、率直に言ってしまったが、察知することはできた。嫌いなことは、すぐに排除するに限る。)ま、そういうこった。自分で言うのもなんだが、自分の才に阻まれたわけだ。(カツサンドを頬張り、よく噛んで、よく味わって食う。とても美味しいとは思うが、レフィーネの前なので、オウガは感想を言うのはやめておいた。静かに飲み込んで、表情のみに留めて、また話し始めた。)がはは、嬉しいこと言ってくれるぜ。俺にも希望があると思ってくれるか。(遅くはない、という言葉に、多少なり嬉しそうにするが、やはりその言葉は信じておらず。)そんなら、レフィーネが言う通り、花はお前さんにやろう。それで喜んでくれるんなら、おっさんとしちゃ嬉しい限りさ。でもま、俺みたいなのに花を送ってくれるような人がいるってんなら、その人とちと飯行ってみてもいいかもな。(また冗談を言えば、はは、と小さく笑う。)」


レフィーネ ◆ > (オウガの美味しそうな表情に微笑みつつ、自分もサンドイッチを食べ勧める。大地の恵みが五臓六腑に染み渡る…。ビネガーで作ったソースや卵のおかげで、肉がなくともレフィーネには充分だ。水を飲み、またおしゃべりをする。)もももちろんもちろんですっ、せせせ千騎長はカッコいいので!自信を持って!…おおおお花くれるんですか、わーいっ!やった!(子供のように喜びを顕にしてはしゃいだ。オウガとレフィーネの様子は、傍から見れば娘を甘やかす父親とオモチャを買ってもらえる子供くらいに見えるかもしれない。その実態は千騎長と百騎長なのだが。)え?ほほほんとですか?千騎長、おお億劫な訳じゃなくてチャンスがあれば、やややぶさかではないんですねっ!そ、そ、それなら、千騎長の好みのタイプの女性とかって、ど、どんな人ですか?聞いてみたいですっ!


オウガ > 「カッコいい、か。はは、照れるぜ。(どういう風にカッコいいのか、というのは分からないが、おしゃれ好きなオウガにとっては、カッコいいと言われるのは嬉しいらしい。)欲しいと言われればやるのが普通さ。出費するわけでもないしな。(傾いていく日光を脇に、どんな花がいいだろうか考えながら言う。)そうだな…まぁ、恋愛感情を抱いたことがないかと言われれば、そういう訳でもないしな…(5歳になるまでに、拙い恋心を抱いたことは、一応あるのだ。だが、それ以降はほぼ無いに等しい人生を送ってきた。)タイプかー難しいな…うーむ。理性的な人がいいかもな。俺はまぁ、雑だからよ。そういう人と関わりを持ちてえな、と思うわけだ。」


レフィーネ ◆ > (照れたり考えに耽ってみたりする千騎長は、おしゃれ好きなのもありやはり絵になるとレフィーネは思った。恋人を作るも作らないのもその人の自由とわかってはいるものの…レフィーネもやはりそういった話題を好むごく一般的な年頃の女の子であり、ついついと突っ込んで聞きたくなってしまう。)り、理性的な人ですかぁ。まま、魔術師には案外多いかもですね。ここ好戦的な人であっても、冷静さを失ったら、ま、魔術戦は終わりですから。(魔術師は特に「言葉を知る者」として扱われている。魔術の強さは本人の魔力や信仰、神の霊力も関係するが、呪文による所も大きいのはやはり事実。本人の感情とは関係なく、追い詰められて冷静さを失えば失うだけ、呪文も綻びてゆくものなのだ。したがって、感情のコントロールは魔術師にとって基本中の基本、理性的な人が多いと言っても過言ではないだろう。)


レフィーネ ◆ > みみ見た目とかもやっぱり、おおおオトナっぽいひとが好きだったりしますか?知性を感じるミステリアスな方とか??そ、そ、そういうのって初恋が影響してるって聴きますけど、やややっぱりそういう方だったんですかね?(さりげなく、ずっと聞いてみたかった初恋の話にもパスをして。食べ終わったサンドイッチの皿を脇に避けて、ずいと身を乗り出してたずねた。)  


オウガ > 「確かにな。心が簡単に動いてしまう魔術師は、少ないだろうな。(チャリンチャリンと銀貨を取り出しながら。)んー、そうだな。飯も食い終わったし、そろそろ出ようぜ。続きはまた今度な。(と言えば、逃げるように席から立ち上がって、受付で勘定をする。小さい頃の初恋の話は、おじさんにとっては小っ恥ずかしい記憶なようだ。)」〆