この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

恋と祈り

(レフィーネ&ソウ&アナスタシア)

レフィーネ ◆ > (ーーウェンディア聖騎士修道会、礼拝堂にて。レフィーネがふと時計を見ると、短い針はもうすぐてっぺんを回りそうになっていた。…このところ戦闘も少ないというのに、いや、だからこそか。やるべき事を済ませて、一日の終わりに太陽神への祈りを捧げる頃には大抵、もう次の一日が始まろうとしている。自分意外にも似たような騎士は多いらしく、礼拝堂にはちらほらと人が見える。中には祈りにすら来ない不届き者も居るようだが…。あ…ソウ福団長。貴方もようやく一日を終えられるんですね。レフィーネは心中でそうつぶやいた。先に祈りを終えたレフィーネは、ソウがまだ祈っているのを後ろの席から見ていた。最近ちっとも騎士団の人とお話できていないし、ソウ副団長が礼堂を出たら話しかけに行こうっと。それで、一緒に聖騎士団の本部まで帰ろう。…そう思いながら礼拝堂を後にし、扉の前で待った。)…ふっ、ふっ、ふっくだんちょーは、いっそがし~♪いっそがし~ね~♪(靴で砂利を蹴飛ばして即興のハミングを奏でながら。)  


ソウ ◆ > (暇過ぎて何も無い…と思ったソウは、毎日の習慣の祈りをしに礼拝堂へいったのだが昔からの何と無くな嫌な勘がしていた。)何だかな〜(そう呟いてからは、礼拝堂で祈りを捧げた。主には三つのことを祈った。一つは、国の発展、二つ目はプリンのこと、三つ目の事は、この時期。そう思春期の悩みであった。何でもできると言われ続けたソウには一つだけ出来ないことがあった。恋である。ずっと悩みとしては、気になる人が出来なかった。これからもそうであろう…そう思っていたが、さっきから何故かアナスタシアの顔がチラチラと頭の中で舞う、さらにさっきから胸が変な感じになっている。何だこれと思いながら、祈りを終了した。するとバタと戸が閉じる音がしたので後ろを見ると見た事がある後ろ姿であった為、)フィ、フィーネか。(と思ってから、祈りを終えて礼拝堂を出ようとすると扉の向こうから歌が聞こえた。)何だその歌…くくく…(と笑いをこらえられなかった。思わず外に出て、)フィ、フィーネ何だその曲…くくく…(と笑いを堪えながら言った。)


レフィーネ ◆ > はっ…!(いつのまにかソウに見られていた事に気づいたレフィーネは、顔を赤くして固まった。)…ソっ、ソウ副団長っ…!な、なななんで笑うんですかっ!ひどいいいい!見てたなら、いい言ってくれたらいいじゃないですかっ!?い、いいっ、一緒に帰ろうとおお思って待ってたんですよ!ま、まままったくっ!帰りますよっ!(恥ずかしいところを見られたせいか、いつもより少し吃りが多い口調で口をとがらせながら抗議をした。ソウをそのまま帰路へと誘うと、星を見ながらなんとはなしにお喋りを始める。平均年齢の低いウェンディア騎士団は横の繋がりが強く、福団長と百騎長という間柄ながら二人は友達のような間柄だった。)……あああの、副団長?わ、わたしずっと気になってた事があるんですけど…あのう、副団長は、団長と、おおおお付き合いされてるんですか?(吃ってはいるものの全く臆すことのない瞳でソウを見据え、バッサリと切り込んだ。)  


ソウ ◆ > (びっくりしたレフィーネを見て、)なんだよ!その歌…くくく…(と口を押さえながら、大爆笑していると、レフィーネが赤く固まった為、自分もびっくりしてしまい、おーい大丈夫かとかけようとすると、レフィーネが真っ赤な顔で早口で弁明する為、)何顔赤くなってんだよ…可愛いなあ(っと普通だったら勘違いされるような事をサラッと。何も思わずに口から出す。すると帰りますよと言われて、)ごめんごめん…(と、レフィーネに着いて行く。星が綺麗だなぁと思いながらレフィーネを見るとおんなじ事を考えていた。その後ずっと二人で話をしていたらずっとしていたやな予感がさらに強まった。 すると、急にレフィーネからアナスタシアとの関係を聞かれた為、驚き戸惑い、顔を真っ赤にしてからバックの中から大量のプリンを取り出し、口にあれよあれよと放り込みまたスケッチブックを取り出し、ペンで何かを書き始めた。そこには、){※彼は今プリンが口にたくさんある為喋れません。}(と書いて顔を真っ赤にしながら見せた。)


レフィーネ ◆ > あ、だだだ、大丈夫です。待ちますわたし。でもいいいいきなりどうしたんですか?お、おおおなかが、すいたんですかね?たしかにこの時間は小腹がすきますよねぇ…。プリンと言えば、わわ私、団長が、副団長に、あ、あ、あーんってしてるの見ましたよ。お、お、お付き合いされてないんだったら、わ、わ、わたし、脈ありだと思います!どう、おおおおもってるんですか?(ソウの体を張った”聞かないで”も、レフィーネにはあまり通じていないようだった。あまり裏の意味というのを考えられず、イエスかノーの世界で生きている女。それがレフィーネである。決して悪気なくレフィーネは続けた。)って、ふ、副団長!?おっ、おおお顔が赤いですっ!だ、だだだいじょうぶですか?はたらきすぎなんじゃ、ないですか!?な、なんだったら、わたし、団長をよ、よ、よんできますけどっ!!ま、まっててくださいねっ!(ソウの返事も聞かずにレフィーネは本部へ駆けた。…もっとも、返事をしようと思っても口の中はプリンでいっぱいで出来なかっただろうが。) 


アナスタシア. > (1日が終わろうというとき、まだアナスタシアは雑務に取り掛かっていた。)今日は太陽様にお祈り出来ないかもなぁ…。(溜め息混じりに窓の外を見つめ、星が綺麗だ…などと現実逃避をしていると慌てた様子のレフィーネが目に写った。)ん?こんな時にどうしたんだ…??まさか、、こんな平和な時に…(一番あってはならないことを予想し険しい表情のままアナスタシアは雑務を放棄し作業していた部屋を出た。だが、予想したこととは別に何か違和感を感じる…嫌な予感、と。レフィーネが来るであろう場所に待機するが胸のざわめきからか、なんだか彼女は落ち着かない様子だ。) 


/ソウ ◆ > (…完璧だったのに…筈だったのに…なんで…なんで…いるんだよおおおおお。と心の中で思った。そして、急いでプリンを全て食べ切ろうと思ったその時全てを後悔した。こんなに食べなければよかったと。)フォフォフォフォフォッフォおフォフォ(喋ろうとしてもすぐこれである。そもそもさっきただ否定すれば、団長なんて呼ばれなかったのである。そしてそれはもううんざりした顔でスケッチブックに){(^ ^)}(っと皮肉を込めて描こうとしたがあること思い出した。)ふぉうふぁふぉふぉふぃふぉふぃふぁふぃふぁふぁい((訳:そうだ…この純粋な少女に皮肉は聞かないと思い、2秒ほどレフィーネを睨んでからスケッチブックに{アナスタシアは僕のビジネスパートーナーだから}と書き、顔を真っ赤にしながらレフィーネだけに見せた。そして顔をそれはそれは真っ赤にしながら戸惑うアナスタシアにプリンを渡す。)フィフ?(訳:いる?)


レフィーネ ◆ > (ソウがおかしいと伝えられ飛んできたアナスタシアと、赤くなったり青くなったりしながらなんともバツの悪そうな顔をしているソウを交互に見比べながら、自分で呼んでおきながら状況があまり飲み込めず、レフィーネは首をかしげた。)え、えええと…な、なんですか?(とりあえず、ソウの言葉の解読を目指してみる。)え?だっ、団長のことが?すきかもしれない?(さらに、プリンを差し出しながら”いる?”と言ったソウに)え?なんですか?好き?(普段の吃りっぷりに比べてずいぶんと流暢にレフィーネは言った。)そ、そそそ、そんな事言ってる場合じゃないでしょうっ!ふ、ふ、副団長が団長を好きなのはっ、わっ、わわ、わかりましたからっ!とにかくそんなに顔をあああ赤くして、ふつうじゃありませんから!いいい、医務室へ連れていきましょう!ね!団長!(ところで”ビジネスパートナー”ってなんだろう、と頭の片隅で思いながら、アナスタシアに掛け合った。)


アナスタシア. > ふぇっ!!?な、な何言ってだレフィーネ???ソウが好きなのはプリンだけだろう…???っていかんいかん、とにかく医務室へ急ごうか。このプリンは後で食べような??(そういうと差し出されたプリンを懐に仕舞い込み、ソウを背中に背負った。)少し居心地が悪いだろうが、我慢してくれよ。(急いで動揺した乙女から、仲間を想う頼れる騎士団長に気持ちを切り替える。だが彼女の頭の中は、レフィーネの発言が永遠と繰り返され軽くパニックを起こしている。)レフィーネ!!行くぞ!(というと、アナスタシアは医務室とは逆の方向へ走り出した。)  


ソウ ◆ > ああ!やっと食べ終わった!(っと思ったソウだったがプリンを食べ過ぎたせいで物凄く気持ち悪い。今までの18年間という長い人生の中で一番気持ちが悪いが、レフィーネの言葉にとっても戸惑い驚いていた。まずい…これは弁明しなければ!しかし、言葉を発すると………出る!と思ったソウはレフィーネに向かって睨むことしか出来なかった。すると、また彼女から「医務室」という言葉が出た時、首を振ろうかと思ったが気分が悪すぎて断れなかった。しかし彼には、医務室には嫌な思い出があったのだ。小さい頃プリンを喉に詰まらせた時はよくお世話になったものだ。


/ソウ ◆ > なんて思っているといつのまにかアナスタシアに背負われていた。何故か心が軽くなり、むしろこのままがいいと思ったがすると、向かったのは医務室とは真逆の方向だったのだ。しかしこれを見たソウはこれをチャンスだと思い、)そうだ!ここをまっすぐだ!(と最後の力を振りしぼって言った。しかも彼には一つの考えが浮かんだ。こんなチャンスを逃してもいいものか。一生後悔するのではないか?そんなことを考えていると急にスピードが落ち曲がり角を曲がった時、偶然か、神のいたずらか、ソウの唇がアナスタシアの首に触れた…)


レフィーネ ◆ > …あっ、あっ、だ、だだっ、だ団長、そそその、そっちじゃ…(どもっている間にアナスタシアは、ソウを背負って言ってしまった。…取り残されたレフィーネはぽかんと口を開けて、所在無げに右手を空中に残していた。)…うーん。ど、どうしよう…(追いかけることもできるが…団長が居るし、大丈夫だろう。まったくあの二人にはやきもきさせられます!好きなら好き、嫌いなら嫌いでいいのに…。恋を知らないレフィーネがその考えを改めるときは来るのだろうか。春の星座を眺めながら、レフィーネは二人の行く先の幸運を祈った。)


アナスタシア > (アナスタシアは医務室とは逆の方向へと走っている最中、冷静になって考えてみると…かなりお互いの距離が近い事に今更ながら気づいた。……まずい、な…あのレフィーネの発言の後にこの有り様じゃあ…、などと戸惑いつつ彼女は無我夢中で走った。雑務後の事もあり彼女は相当疲れていた筈なのに全く感じさせない走りで。すると、レフィーネが居ない事と微かにソウの声が聞こえる事に気が付いた。)…すまないレフィーネ……緊急事態だ、置いて行くことをどうか許してくれ…(ボソっとレフィーネへの謝罪を口にして速度を緩め、曲がり角を曲がると…あろう事かソウの唇が彼女の首筋に触れた事がわかった。)……!!??!?なっ、へぇっ!?(ズテーーンッ……辺にアナスタシアと背負われたソウが倒れる音が響き渡る。…そう、彼女は首や脇腹にめっぽう弱いのだ。騎士団長、副騎士団長がましてや男であるソウがアナスタシアに覆い被さる形で倒れている様は側から見れば疑われても仕方ないだろう。)