この世界では、”言葉”が魔力を持つ。

出会い

(オウガ&糸依)

しぃずま > 「(尊華の屋敷にて。不思議と浴衣のよく似合う、背が広く背丈は高い、つまり大柄なウェンディア人の中年がいた。見張り役の軍人に見守られて、敵意を見せるでもなく物珍しそうに畳の上で座り込んでいる。)こりゃすげぇ。何の植物で出来てるんだ…?(少し立ち上がり、四つん這いになって畳を触ってみる…と、何を勘違いしたのか、見張りが刀を抜いた。)おっと…さすがの俺でもステゴロじゃあ敵わねぇから、何かする気はねぇって。(と、手を上げると、見張りは力を入れつつ、刀を鞘に戻そうとした…その瞬間だ。鬼の踏み込みは早く、一瞬でその距離を詰めた。…ここまで近くで王牙とやらの顔を見たことがなかった。再び、彼が「鬼」であることを、再確認する。)」   (5/29 22:49:45)
しぃずま > 「て、言うのは嘘だ。…俺相手にただの兵士たぁ、ナメられたもんよ。(手際よく、見張りがその手に持った刀を取る鬼の形相は、恐ろしい。といっても、明確な殺意や敵意が感じられない。そう、人間ではない何かがここにいるのだという恐怖)ほら。驚かせて悪かったな。(微笑みながら刀を投げて返すその男は、正に「鬼」。黒い一本角は高く、髪の毛では隠せないほどだ。中くらいの縦幅を持った巻物をそこで巻けるのではないかというほど。微笑んだ口から見える八重歯はかなり大きく、肉を食らうためだけにある「牙」となっている。髪の毛は長く伸びて、それを総髪にしてある。王牙曰く、「ぽにいているのよう」だ、そう。)」   (5/29 22:50:02)


ぽぺ / 糸依 > 「……ここが噂の館。ご苦労、後は自分でまらうとに赴くこととします故」(日を受けて黒光る屋根瓦を遠目に、周辺を見張る者の案内をうけて訪れたのは少し外れにある屋敷。立派に建てられたそれが今ばかりは、あの憎きお偉い様の檻代わりとなっているのだから笑えてしまう。うざったい砂利道を鳴らしながら石を一つ、軽く蹴り上げる。どうせなら歩きやすく塗装すればいいのに、なんてのは野暮。趣は大切だ、古きよりのしたきりや形式が重んじられているのにも曲がりなりの理由があるように、効率だけを求めた景色というのはどうも人の心を擽らぬもの。白塗りの壁がようやっと見えたところで先導していた彼に一礼を述べて、さてここからは一人だ。あの千騎長様とやらをお目にかかってみせようではないか。マントの襟を正し、一つ咳払いをする。)   (5/29 23:34:00)
ぽぺ / 糸依 > 「失礼、尊華帝国軍兵の糸依にあり。そちらにおわす千騎長殿と言の葉を交わしたく詣じた、証なら持ちておる」(三度戸を鳴らせば、玄関口の見張りと思わしき人物が戸を微かに開く。持参した面会証とやらを見せればたちどころに引き扉は開かれた。靴を脱いで辺りを一見。成る程、見張りに特別重点を置いている訳でもなさそうだ。…仮にも相手は敵国の猛者、少しばかり警備を重くしても良いのではないだろうか?折角の捕虜様だ、みすみす逃すなどというのは尊華にとって優位を覆される痛手となるに違いないだろうに。……なんて心の中で見解を垂れながら人払いをする。敵意や殺意といった、戦場を彷彿とさせるような肌を刺す殺伐とした空気はない。実力では負けているとはいえ、相手にとって此処は戦うにはあまりにも条件が悪すぎる。わざわざ負け戦に身を投じるような阿呆でもないだろう。スカート生地の上から、タイツの上に巻いたホルダーのナイフをなぞる。どこか呆気にとられた見張りを最後に横目で見送って、さていよいよ面会だ。)「……おや、随分とゆえゆえし形で。ゆくりなくとぶらいて申し訳ない、オウガ殿。此処での暮らしはいかほどにございまして?   (5/29 23:34:35)
ぽぺ / 糸依 > 尊華は良き所にありましょう、その様子だとお気に召されているようで。……浴衣のよく似合うこと、誠いい様にございますね、ウェンディアの千騎長とあろう方が」(襖を開けた先に居たのは。額の髪を別ける大きな角、畳に腰を下ろしているのは敵国の千騎長、オウガ。帽子を取って恭しく彼にお辞儀をしては、立ったままの姿勢で見下ろすように倩と小言を述べる。不思議なことに浴衣の似合う彼は、額のものも相まって物語によく出る“鬼”のようにも見える。古くよりあまり良き存在としては記されてこなかった、所謂“妖怪”の類いである。あまりにも毒気のない態度にすっかり拍子抜けしてしまった、もっと厳格だったり、荒々しかったりするのではないかと僅かに期待していたのに。……何に期待していた、とかいうのは置いておくことにしよう。後ろ手で襖を閉ざせば、そのまま入り口の付近で腰を下ろす。こやつが今の尊華を優位に立たせる、丁重な客であり道具。繁々とその容姿を、振る舞いを眺めようか。)>しぃずまさん。   (5/29 23:34:52)


しぃずま@オウガ > 「千騎長か。今はそんな肩書きも意味ねぇさ、俺は「客人」だ。鬼でも一騎当千でもねぇただの人間だ…そうお堅くなさんな。(帝国軍人のあなたから言われた「千騎長」という響き。違和感を覚える…違和感、というより、嫌な記憶を思い出す感触か。死を覚悟していたのに生かされた屈辱。あの密談での屈辱と相違無いほどの屈辱だ。…と、言ってもだ。ウェンディア、エルフの血が流れた者と同じように、鬼も人間。生きていたいという願いは断ち切れぬものだ。感謝と恨み、どちらも抱くことになるとは、また奇妙な話。)えーと、そりゃどういう意味だったかな…(あなたの固い口調は、どうやら王牙には少し難しいらしい。密談をしたり、ホヅミとの会話をしていたりと、尊華の言葉は人よりも分かるつもりだ。しかし、王牙を悩ませるには充分なほどあなたの言葉は熟達していた。)あぁ、そうだそうだ…(どうやら意味を思い出したようで、す、とその図体に似合わずおしとやかに座布団の上に座れば、あなたを見上げた。)」   (5/30 09:20:23)
しぃずま@オウガ > 「謝ることじゃねぇよ。俺もこの屋敷にゃびっくりしたもんだ…俺がウェンディア人だからかもしれねぇけどな。あ、座布団使うか?(ここは屋敷の居間。真ん中にはちゃぶ台、その右側には壺と掛け軸、左側には海月を上から見たような模様で薄青地の座布団が3枚重ねられていた。元々は4枚だったのを、見張りの説明を聞いて王牙が1枚とって、その上に座っているのだ。またその重ねられた座布団の1枚を、立ち上がって取り、あなたに渡す。)あぁ、結構気に入ってる。サクラ…だったか。あれは今、もう花が閉じちまってるんだってな…薄桃色の花弁、見てみたいものだ。だが俺も早く帰らなきゃいけねぇ。尊華で1年もだらだらと過ごしてたら、誰に何て言われるのか分かったもんじゃねぇし。(1年も捕まっている俺ではない。そう、言っているような気がするだろう。鬼という、忌々しくも強い者だからこその威圧感なのだろうか。それとも、千騎長としての。…聞いて分かるように、今は仮にも客人としての存在なはずなのに。態度こそ毒はない。しかし、鬼たる力は近づくほどに明瞭になっていく。)」   (5/30 09:20:55)
しぃずま@オウガ > 「ガハハ…憎まれ口は誰でも同じか。ま、俺は敗者だ。なんとでも言うがいいさ。(厳格さ?荒々しさ?一つ一つの言葉にそんなものは含まれていない。あるのは王牙という鬼と、その笑い声だけ。)…さて。(一気に部屋の空気が重くなる。その問い詰める態勢に、空気が萎縮したのだ。)尊華の軍人…シイ、よ。(言葉の一つ一つに、力が込められている。心なしか、元々鋭利な角と牙と目端がもっと鋭利に見える。それほどの鬼気。それほどの恐怖。)お前は、いや。お前らは。なぜ俺を客人とした。…何が狙いか、答えてもらおうか。(それはまるで、刃のように鋭い鬼気。何ができるでもないはずなのに、喉元に剣を当てられているような錯覚を覚えるだろう。しかし、そんなもので口を滑らせるほどあなたが臆病者とは思っていない。言葉がでないことは予想しながらも、石橋を叩いて渡れ、とにかくやってみるというのも間違った考えではないだろうと威圧した。)」   (5/30 09:21:17)


ぽぺ/糸依 > 「おや…御免たまへ。本来ならば我がおまらうどに接待すべきに……。人種はすずろなり、私とてかくもめざましき屋敷は見し試しなく候」(客人である貴方に座布団を出させてしまったのは此方の落ち度だ。しかし折角の気遣いを無下にするのも失礼にあたるだろう、渋々と薄青の座布団を受けとれば、卓袱台を挟んで向かいに腰を下ろす。程よく厚く木綿わたの詰められたそれも、桜の幹を使った台も、鎮座する壷や達筆に文字を記された掛け軸も、全てが微々ながら高貴を物語っている。指の腹で縁をなぞっても埃一つ付きやしないのが妙に気色が悪かった。)「桜……ええ、春の風物詩なる其は確かに麗しく…川面に敷かる薄桃の絨毯、木の下に笑ひに酔ふわたり、全てがをかしく御座います。嗚呼、ご苦労。……尤も、来年も同じ景色を見らるるかはわからぬものですが、貴殿も私も」   (6/4 13:23:19)
ぽぺ/糸依 > 」(丁度言葉を紡ぎ終わったところで、先程まで彼を見張っていたであろう者が私の背にある襖を開く。手中の盆に置かれているのは陶器でできた湯呑。一度立ち上がってそれを受け取り、まだ仄かに湯気の昇る緑茶を貴方へと差し出す。続いて己の分も机上に置いて尚、気圧されたとて憎まれ口は黙ることを知らず。罵りが己と貴方の双頭に牙を剥くのは私の癖、何もかもを否定していないとやっていけない私は、只の自己肯定の薄い屑のような人間。客観的な判断を下すことも容易にできるのだからこれまた忌々しい。……役立つかはどうであれ、人望という観点に於いて言うのであれば、私ほど他から嫌われる人間はさほど多くないだろう。優しい嘘ですら口にすることもなく、赤子を抱く母親にも死という無慈悲を貫くような人間なのだから。同胞であるならば未だしも彼は敵、私は、というよりも我々は彼を“生かして”いる立場に居る。最低限のもてなしこそすれど情けなど不要、お互いの立場は同じく戦場の駒、油断すればその命は来年の桜を待たずして儚く散りゆくだろう。……桜の木の下に埋まっているのはなんとやら、なんてね。)   (6/4 13:23:46)
ぽぺ/糸依 > 「…………っ、どうされました?」(若々とした茶の香りをかき消すような禍々しい空気が頬を撫でる。今まではほのぼのとした表面の和やかさに隠れてなりを潜めていた殺伐とした臨場感、まるで戦地と相違ない程の緊張が張りつめる。直ぐ傍で剣の鋒を向けられているような危機感に、湯呑を握る手を小さく震わせた。武者震いの類いではないだろう、恐らくは本能的に察知した恐怖だ。悪寒と蒸し暑さを混同したような、じっとりと靄が纏わり付く感覚を覚える。背中を伝う汗がブラウスに貼り付いて、そのまま不安な精神と一緒に身体の輪郭が全て曖昧になってしまいそうで。一瞬の不安を顔に過らせた後、それでもしっかりと貴方を見つめ返す。怖じ気づくのも雅の恐喝に屈するのもまだまだ早いのだから。)「………っはは、ただの兵にそれを聞かるともこうずかしもの。――尊華國軍を舐めてくれるな、縦え幾ら痛め付けられようと私は微塵たりとも吐いてはやらぬからな」   (6/4 13:24:03)
ぽぺ/糸依 > (成る程、困ったものだ。どうやら私達は余程甘く見られていたらしい、捕虜の身である相手にすら脅されてしまうとは。ビリビリとした刺激に皮膚を震わせ、彼が鬼と呼ばれる由縁を垣間見ては硬直する。ヒュ、と音を漏らしたのを最後に喉に息が通わない。さて、何が正解択か。煽るのは逆効果だろう、しかしこの私が穏便に事を運べるとも思わない。どくどくと煩く早鐘を打つ心臓の鈍い起伏衝撃を全身に浸潤させるように、感覚神経は鋭利に研ぎ澄まされている。触れた湯呑から伝導する熱も、布越しの綿が圧縮した微妙な固さも、何もかもジャメヴュを感じているかのように新鮮で。そんな歪んだ精神世界の中で、己の命や行方すらどうでも良く思えてしまった。なるようになれ、私の言葉一つで尊華の栄光を護れるのならば本望だ。……なんて、人は窮地に陥ったと判断するととんでもない事をしでかすものだ。溢す言葉もどこか他人事、私ではない誰かが身体を乗っ取っているのではないかと思うほど、静止を叫ぶ精神に反した行動ばかり行ってしまう。青の相貌を蘭と輝かせ、虚栄に落ちぶれる。   (6/4 13:24:34)
ぽぺ/糸依 > とてつもなく癪だ、私のこの行動は國の……戦友の為であるのに。停戦などという判断に躍り出た上層部を煽てているような錯覚に苛まれてしまって、乾いた口の中に苦味が走る。元より、一介の兵である私には、上の人間共の策など理解できる筈もないのかもしれないが。)   (6/4 13:24:49)


しぃずま@オウガ > …ま、そりゃそうだ。(こちらにとって剣呑なはずなのに、しかしそれを逆に感じさせるような鋭い雰囲気は一瞬で消え去り、オウガは笑みを含めた声で小さく呟いた。)すまんな、詮索が過ぎたらしい。…まぁただの暇潰しだ、冗談さ。(冗談にしては鋭すぎた。否…オウガの冗談は兵という役職につくまだまだ若輩の人間には荷重で鋭すぎたのだ。そう、これはあくまで暇潰し。ダメ元でやっているのだ、本当に暇潰しと同じ感覚でやった。しかしオウガは自分が思っている以上に威圧感を持つ男だ。自分自身の年の功に修羅場の数、守るための力というものがどれほどまでに強いのか、というのがわかっておらず、こういった際の冗談や嘘は通らないときがある。)しかしお前さん、度胸があるな。脅されたときに、大事なお客様に強い言葉をかけられるとは。…大物になる器だ。(置かれた饅頭を、礼を言ってから放り投げ、口の中にでも入れようか。)」   (6/5 12:55:20)
しぃずま@オウガ > 「(饅頭を咀嚼すれば、中から暖かい餡が出てきた。それは紫色で、やはりオウガは最初こそ受け入れなかったものの、独特な甘さに驚き好物となっている。見張りの者が饅頭を持ってきたのも、それが理由だ。そして飲み込むと、)あぁ、そうだな。千騎長と呼ばれるよかいい、それで頼む。(そう言ってこちらをじっくりと見るあなたを、こちらからも見返す。左に向かって前髪が伸び、右の横髪をあの「氷」を思い出す、青いリボンで結っている細い黒のくせ毛で髪型。さしづめ、「右肩上がりな髪型」というところか。それに、なにかを考えているのか伏せられた目…顔以外では、年相応の若くたくましくしかし女性らしい体に、オウガからしてみれば目につくところの多い奇抜な格好。若いわりに強い信念。前言通り、こやつは大物に成るぞ、と、敵の未来を楽しんでみた。…やはり、敵同士と言うのが恨めしいところだが。)」   (6/5 12:55:42)
しぃずま@オウガ > 「…あぁ、その通りだな。俺たちゃ職業柄、蕾のまま摘み取られちまう。他の花を「好き」と言う前に…虚しいもんよ。(俺とて例外ではない、と言うように、自らの心臓の存在する、みぞおちより少し上。その辺りに手を置く。恋を知ったのは、本当に最近のことだ。しかし、「好きだ」と直接的に伝えることはできていない。いつ死ぬかもわからないくせに、逃げ出したあの人を追いかけられることができなかった。抱き締めることができなかった。あの揺らぎは、なんだったのか。涙ではなく、それより少し前…嬉しかったのは分かった。しかし何故に。頬に触れた時ではない。確かに朱に染まってはいたし、確かに揺らいでいた。しかしもっと…「美しい」と、言ったとき…いや、今更考えても仕方あるまい。今は、あなたと話をしているのだから。)」   (6/5 12:56:28)
しぃずま@オウガ > 「(それをふと思い出して、少し世間話でも、と口を開いた。)…お前さん、何か夢みたいなものはあるか?(と、あなたに聞いてみた。理由は単純明快で、あなたがどのような者なのか、そしてこの先どうなるのかを見極めたいからだ。敵とは言えどもそれ以前に人間同士。夢の話をするのは、そんなに難しいことだろうか。鬼に未来を話すと、笑って聞いてくれるなんて噂がある。人を殺す鬼も、そんな1面がある…本当、なぜこうもオウガという人物に当てはまってしまうのだろうか。…しかしこちらも敵。そんなものに夢を話せるだろうか…敵味方ではないオウガにとって、そこは関係がないわけだが。)」   (6/5 12:57:04)